中学生の塾の選び方|定期テストと内申点で決める3つの基準

中学生の塾選びは、成果のほとんどが定期テストの点数で測られます。ただ、比べる前に決めることが1つ。全国調査では、塾で「学校で分からなかった内容」だけを教わっている中3は9.8%で、先取りを教わっている子のほうが多い。補習目的か先取り目的かで、選ぶ塾が変わります。

中学生の子どもの成績が心配で塾を探しています。オンラインでも中学生にちゃんと効果あるんでしょうか?送迎の負担がなくなるのは魅力なんですが…

結論から言うと、中学生こそオンライン塾の恩恵が一番大きい学年です。ただし「定期テスト対策に強いか」で選ばないと失敗します。塾長目線で選び方を解説しますね。

中学生の塾選びで大学受験と決定的に違うのは、成果のほとんどが「定期テストの点数」で測られることです。内申点は定期テストで決まり、高校受験は内申点で決まる。だからこの記事では「定期テスト対策の仕組みがあるか」を軸に、中学生向けのオンライン塾・個別指導塾を比較します。

この記事の目次

中学生向けオンライン塾・個別指導塾の比較表

サービス月額目安形態定期テスト対策向いている子
そら塾中1・中2 7,800円〜
中3 10,500円〜
オンライン個別1対2◎ 教科書準拠教材部活で忙しい・費用重視
森塾中学生 11,700円〜通塾・個別1対2◎ +20点の成績保証通える校舎がある・強制力が欲しい
明光義塾要見積通塾・個別○ 教室毎に学校対応近所で探したい・転校が多い
atama+ オンライン塾22,000円〜(別途入会金22,000円)AI教材×コーチ○ 単元の穴を遡って修復基礎に穴がある・演習量で伸びる子
ウィズスタディ5,980円〜オンライン個別1科目だけ試したい
数強塾要問合せ数学専門1対1○ 数学のみ数学だけ崩れている・中高一貫

※料金は週1回・1科目・税込で、2026年8月11日に各社公式サイトを当サイトが確認した金額です。広告で目にする最低額は小学生の料金であることが多いので(そら塾5,800円・森塾5,880円はいずれも小学生の額)、中学生の実額で並べています。祝日等で授業回数が変わる月は金額も上下します。最新は各公式サイトで要確認。12社の詳細比較は総合比較記事へ。

形態を決めたら、次は料金と指導方法の実額です。月謝だけを並べても比較になりませんので、年間総額でそろえた一覧を用意しています。

比べる前に決めること——「補習」か「先取り」か

上の表を見比べる前に、決めておくと失敗しないことが1つあります。お子さんに買うのは「学校の先へ行くこと」なのか、「学校で落としたものを拾うこと」なのか。ここが決まっていないと、どの塾のページを見ても良く見えてしまいます。

同じことを全国の中学3年生に聞いた調査があります。文部科学省・国立教育政策研究所の全国学力・学習状況調査(令和7年4月実施・中学3年生の悉皆調査)で、質問調査に答えたのは90万5千人です。

「学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか」(中学3年生・令和7年度)
答えた内容割合
教わっていない40.1%
学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を教わっている19.2%
学校の勉強でよく分からなかった内容を教わっている9.8%
その両方の内容を教わっている23.1%
その2つのどちらともいえない4.9%

出典:文部科学省・国立教育政策研究所「令和7年度 全国学力・学習状況調査 報告書 質問調査」の質問の経年変化より、生徒質問20。その他・無回答があるため合計は100%になりません。

見てほしいのは一番上ではなく真ん中の2行です。「学校で分からなかった内容」だけを教わっている中3は9.8%。10人に1人しかいません。逆に「進んだ内容・難しい内容」だけを教わっている子は、その約2倍の19.2%います。

両方(23.1%)を足して数え直すと、先取りを含む子が42.3%、補習を含む子が32.9%。塾の教室は、だいたいこの比率のまま組まれています。

面談でいちばん多い入り方は「うちは遅れているので」です。ところが全国で見ると補習だけが目的の子は少数派補習のつもりで、先取り前提の教室に入ってしまうズレは、ここから起きます。

体験に申し込む前に、この一言だけ決めておく
  • 「学校で落としたものを拾いたい」…見るのは教科書準拠の教材と、前の学年まで戻れるか。人数の少ない形態が向きます
  • 「学校の先へ行きたい」…見るのは先取りの進度と演習量。この目的なら集団でも困りません
  • 「両方」(全国では最も多い23.1%)どちらを先にやるかを塾に決めさせてください。「戻るのが先か、進むのが先か」を答えられない塾は、結局どちらも中途半端になります

そもそも通わせるかどうかから迷っている場合は、要否の判断を先に済ませてください。

「塾に行けば上がる」とは、全国データでは言い切れない

同じ報告書には「質問と学力のクロス分析」という章があります。平均正答率との相関係数の絶対値が0.2以上ある項目だけを抜き出して分析した章です。中学校で取り上げられているのは「あなたの家には、およそどれくらいの本がありますか」「1、2年生のときに受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」「数学の問題の解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考えますか」など。「学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか」は、この抜き出しに入っていません。

報告書自身が、クロス集計は因果関係を示したものではないこと、回答が特定の選択肢に偏っている項目は相関が出にくいことを注記しています。ですから「塾は効かない」という話ではありません。言えるのは「通っているかどうか」だけでは差がつかないということです。

差がつくのは通った先の中身のほうです。そしてその中身は、看板や合格実績ではなく体験の場で確かめられるものに限られます。塾長として実際に見ている3つを、先に書きます。

中学生の塾選び・3つの判断基準【塾長の本音】

① 「教科書準拠」かどうかをまず確認する

中学生の塾選びで一番大事なのに一番見落とされるのがここです。定期テストは学校の教科書から出ます。使っている教材が通っている中学の教科書に準拠しているか、体験時に必ず確認してください。ハイレベルな独自教材を使う塾は、定期テストの点にはなかなか直結しません。

② 「宿題の管理」がある塾を選ぶ

中学生は自分から勉強する仕組みをまだ持っていない子が大半です。授業の質より、宿題を出して・チェックして・やっていなかったら対処する仕組みがあるかが成績を分けます。体験のときに「宿題をやってこなかったらどうなりますか?」と聞いてみてください。答えが具体的な塾は信頼できます。

③ オンラインなら「授業日時が固定」のものを

「好きな時間に受けられる」は中学生には逆効果で、高確率で受けなくなります。毎週◯曜◯時と決まっているオンライン個別(そら塾・ウィズスタディ等はこの形式)なら、通塾と同じ強制力が働きます。

保護者の方によく言うのですが、中1・中2での塾の役割は「勉強のペースメーカー」です。週2回、勉強せざるを得ない時間が固定されるだけで、定期テストの点は変わってきます。

学年別・塾の使い方と入塾のベストタイミング

同じ「中学生向け」でも、学年によって塾に求めるものは全く違います。塾長として面談で説明している内容です。

中1:目的は「勉強習慣の固定」

中1の内容は難しくありませんが、小学校との最大の違いは「定期テスト」という一発勝負が入ることです。ここでテスト前の勉強のやり方を身につけられるかが、3年間を決めます。塾に通う目的は先取りではなく「週に2回、勉強せざるを得ない時間を作る」こと。この時期は費用を抑えたオンライン個別で十分です。

つまずきの定番は数学の「正負の数・文字式」と英語の「be動詞と一般動詞の区別」。ここを曖昧にしたまま進むと、中2の連立方程式・不定詞で必ず詰まります。

中2:一番危険な学年(成績が二極化する)

中2は部活が本格化し、内容も一気に難しくなる(連立方程式・一次関数・不定詞・受動態)のに、受験のプレッシャーはまだない——この「難化と油断のギャップ」で成績が二極化する学年です。塾の駆け込みが最も多いのが中2の冬です。

正直に言うと、中3の夏から塾に来る子より、中2から通っている子の方が伸びます。中3の夏は「中1・中2の復習」に時間を取られるためです。中2で通い始めるのは、費用対効果で見ても賢い判断です。

中3:受験対策と内申の両立

中3は「定期テスト(内申)」と「入試対策」の二重負荷になります。1学期・2学期の定期テストは内申に直結するので手が抜けず、同時に入試に向けた総復習も必要。この時期に塾を選ぶなら「志望校の入試傾向を知っているか」が最重要です。都道府県ごとの入試対策データを持つ塾(そら塾など)が有利になるのはこの理由です。

知っておきたい「内申点」の仕組み

中学生の塾選びは、内申点の仕組みを理解しているかで判断が変わります。

内申点の基本(多くの都道府県で共通する考え方)
  • 内申点は定期テストだけで決まらない…提出物・授業態度・小テストも評価対象。テストが良いのに評定が低い子は、ほぼ提出物が原因です
  • 実技4教科(音・美・保体・技家)が意外に重い…都道府県によっては実技の評定を2倍換算するため、主要5教科だけ頑張っても届きません
  • 「観点別評価」で見られる…知識だけでなく「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」も評価される。ノートの取り方やレポートの出し方が点になります
  • 対象学年は都道府県で違う…中3のみの地域と、中1〜3を通算する地域があります。お住まいの地域の方式は必ず確認してください

塾で成績が上がっても内申が伸びない子は、たいてい提出物か授業態度です。塾に「提出物の管理まで見てくれますか」と聞くのは、内申対策として実は非常に有効な質問です。

集団塾と個別指導、中学生はどちらを選ぶべきか

集団塾個別指導・オンライン個別
得意なこと入試レベルの授業・競争環境・情報量つまずきの個別修復・学校準拠の定期テスト対策
向く子平均以上で負けん気がある・難関校志望平均前後で穴がある・質問が苦手・部活で忙しい
月謝1.2〜3万円1.5〜3.5万円(オンラインは0.8〜2.5万円)
注意点ついていけないと座っているだけになる講師の質が担当次第でぶれる・強制力が弱め
判断の目安学校の成績が上位1/3学校の成績が真ん中〜下位、または特定科目だけ苦手

先ほどの内訳で言えば、集団塾は「進んだ内容」側(19.2%+両方23.1%)を前提に組まれています。補習だけが目的の9.8%に入るお子さんをそこへ入れると、教室でひとりだけ目的が違う状態になり、席に座っているだけになります。

迷ったときの実務的な結論は「まず個別・オンライン個別で穴を埋め、平均を超えてから集団に移る」です。逆に、穴があるまま集団塾に入れると授業が理解できず、塾に行っているのに成績が下がるという最悪の展開になります。

比較表のなかではatama+オンライン塾が中学5教科に対応しています。教科数で料金がどう動くかは、個別の記事で表にしました。

体験授業で必ず聞くべき5つの質問

この5つを聞けば塾の実力が分かります
  • 「うちの子が通う中学の教科書に対応していますか」…定期テスト対策の可否が分かる
  • 「宿題をやってこなかったらどうなりますか」…管理の仕組みがあるかが分かる(答えが曖昧な塾は伸びません)
  • 「担当の先生は固定ですか」…毎回変わる塾はつまずきの履歴が引き継がれません
  • 「定期テスト前は通常授業以外の対応がありますか」…テスト前対策の有無で内申が変わります
  • 「合わなかった場合の退会・返金の条件は?」…最初に確認しておくと、後で辞めにくくなりません

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タイプ別の結論

中学生の勉強・進路に関する関連記事

内申点や中学生特有の勉強の悩みについては、以下の記事も参考にしてください。

オンラインを選ぶときに見落とされるのが自習室という受け皿が無くなることです。家で机に向かえない子ほど、ここが効いてきます。

よくある質問

塾に行かせても成績が上がりませんでした。塾を変えるべき?

変える前に「宿題をやっているか」を確認してください。成績が上がらない原因の大半は塾の質ではなく宿題の未消化です。宿題をやっているのに3ヶ月以上変化がないなら、指導形態が合っていない可能性が高いので、集団⇄個別の切り替えを検討する価値があります。

部活を引退してから塾に入れば十分?

中3の夏で引退してから、では正直遅いです。1・2年の復習に夏を全部使うことになり、志望校対策の時間が残りません。部活中でも週1回・1科目だけでいいので早く始める方が、最終的な負担は軽くなります(この点でオンラインは部活勢に有利です)。

兄弟割引や複数科目の割引はありますか?

大手はほぼ用意しています(兄弟同時入塾で入塾金無料など)。ただし公式サイトに載っていない場合もあるので、面談で必ず「割引制度はありますか」と聞いてください。聞かないと適用されないケースがあります。

中1から塾は早すぎる?

早すぎません。ただし目的は先取りではなく「勉強習慣の固定」です。中1の内容は簡単に見えて、数学の正負の数・英語のbe動詞でつまずくと3年間引きずります。逆に習慣さえつけば中1は塾なしでも回ります。

集団塾と個別、中学生はどっちがいい?

内申点狙いなら個別(学校準拠で定期テストに合わせやすい)、難関高校の受験対策なら集団(競争環境と入試レベルの授業)が定石です。両方の要素が必要なら「集団+苦手科目だけ個別/オンライン」の組み合わせもあります。

オンラインだと目が届かなくてサボりそう

日時固定型なら授業自体はサボれません。心配なのは宿題ですが、これは通塾でも同じです。授業の様子を保護者が後ろから見られるのはオンラインならではの利点でもあります。

この記事を書いた人:たかた(兵庫県の個別指導塾 塾長)→ 運営者情報

塾選びの前に、まず今どこが落ちているかを把握すると、体験授業で聞くべきことが具体的になります。中学理科の総復習を用意したので、よければ使ってください。

社会の総復習50問も用意しています。

英語(文法)の総復習50問も用意しています。

数学はつまずいた学年まで戻る必要がある科目です。どこから落ちているかを確かめるのに、公式・定理の総復習を用意しました。

国語は知識分野(文法・古文・漢字)を埋めるだけで点が動く科目です。5教科の総復習がそろったので、まずどこが落ちているか確かめてみてください。

塾に入る前に「どの教科のどこが落ちているか」を把握しておくと、体験授業で聞くべきことがはっきりします。5教科の総復習をまとめたので、よければ使ってください。

英語の長文が読めるかどうかは、無料の練習問題で確かめられます。

「テストは悪くないのに内申が上がらない」——面談で最も多い相談です。原因はほぼ決まっているので、塾を検討する前に一度確認してみてください。

塾を検討する前に、今のやり方に無駄がないかを一度確認してみてください。点が取れない原因は、能力ではなく始める時期とワークの回し方にあることがほとんどです。

部活生にとって、塾の最大の負担は授業時間ではなく移動時間です。両立のしかたと塾選びの条件は、別記事にまとめました。

塾を検討する前に、志望校が決まっているかを確認してください。

家庭学習が続かない原因がスマホにある場合は、まずルールの見直しを。

塾費用とは別に、受験と入学にかかる費用もあります。

AIがあれば塾はいらないのか、という点にも触れています。

塾を検討する前に、原因の切り分けをしておくと選び方が変わります。

夏期講習の費用と、減らす相談のしかたはこちらにまとめています。

内申点の計算と「あと何点必要か」の逆算は、こちらのツールでできます。

中高一貫校に通っている場合は、専門塾のほうが噛み合うことがあります。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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