オンライン塾は意味ない?続かない3つの原因と成果が出る子の共通点

オンライン塾は意味ないのか

オンライン塾で成果が出ない原因は、本人のやる気ではなく設計の問題であることがほとんどです。そしてその設計の大半は、体験に行く前に各社の公式ページで確かめられます。対面の個別指導塾を運営する立場から、続かない3つの原因と、実際に6社の公式記載を当たって分かったことを書きます。

近くにいい塾がないので、オンライン塾を考えています。ただ「オンラインは意味ない」「結局続かない」という声も見かけて、踏み切れません。うちの子に務まるのか不安です。

その不安は当たっています。オンライン塾で成果が出ない子には、はっきりした共通点が3つあります。ただし、その3つは全部「設計で潰せる」ものです。逆に言えば、設計しないまま始めると高い確率で失敗します。順に説明します。

私は対面の個別指導塾を運営していますが、オンラインを否定する立場ではありません。地方や部活の事情で、オンラインでしか成立しない家庭が確実にあるからです。そのうえで、どこで失敗するのかを正直に書きます。

先に結論
  • 失敗の原因は「オンラインだから」ではなく、3つの具体的な穴…画面外の自由・言い出せなさ・場所のなさ
  • 手元の見え方は、塾によって3通りに割れます…カメラ2台で映す/画面を共有して書き込む/特別な機器は使わない。公式の「必要な機材」を見れば、体験の前に分かります
  • 「オンラインには自習室がない」は誤りでした…4社が公式にオンライン自習室を持っています。割れるのは開室している曜日・時間と、いつまで無料かのほう
  • 逆にオンラインでしか手に入らないもの…移動時間ゼロ(週3時間=年150時間)と、全国から講師を選べること
  • 成果が出る子の共通点は3つ…後半にまとめました。1つでも欠けるなら、管理型を選んでください
この記事の目次

オンライン塾で成果が出ない3つの原因

① 画面の外では、何をしていても分からない

対面の授業では、先生は生徒の手元を見ています。ペンが止まった瞬間に気づけるし、書いた式のどこで間違えたかも見える。これは指導の質を決める、かなり大きな情報です。

オンラインでは、その手元が自動的には見えません。すると先生にできるのは「できた?」と聞くことだけになります。

ここが決定的です。「できた?」に「はい」と答えるだけで授業が進む状態は、対面より格段にごまかしやすい。そして、ごまかせる環境に置かれた中高生は、たいていごまかします。責める話ではなく、そういうものです。だから、その塾が何でごまかしを防いでいるのかを、申し込む前に確かめてください。

「必要な機材」を見れば、手元が映るかは体験前に分かる

この記事にはもともと「多くのオンライン授業は顔だけが映っていて、手元は見えません」と書いていました。6社の公式ページを当たり直したところ、これは正確ではありませんでした。実際は設計がはっきり3通りに割れていて、しかもその違いは「受講に必要な機材」の欄に出ています。

塾(オンライン)公式が指定している機材解いている途中の見え方
東大家庭教師友の会オンラインヘッドセット・カメラ2台・カメラを留めるクリップ。3点とも希望すれば無料で貸出「1台は生徒様の顔を映すために、もう1台はノートやテキストをパソコンに写すために」。画面は顔用と手元用の2つあり切り替えられる
トライのオンライン個別指導塾スマートフォン・タブレット・パソコンのどれか1台(端末がない場合は有料貸出あり)「授業中はお互いの顔が見える状態で授業を行い、疑問点や不安点がないかどうかを表情からも読み取り」。教材は「画面上で共有し、書き込みを行うこともできる」
スタディコーチ「パソコンもしくはタブレット端末、イヤホン、インターネット環境」。「特別な機器やソフトは不要」と明記生徒がコーチに説明し直す「逆授業」で確かめる設計
オンライン家庭教師WAM「カメラ付きのパソコン(またはタブレット)とインターネット環境」=1台+専用アプリ専用アプリの画面上で進める
そら塾スマートフォンまたはタブレットと専用アプリ(1授業80分)アプリの画面上で進める
atama+オンライン塾インターネット回線と、パソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末そもそも人工知能教材が解答の履歴を持つ設計

出典:東大家庭教師友の会オンライン「指導の様子と必要な機材」トライのオンライン個別指導塾「よくある質問」同「授業について」スタディコーチ「よくあるご質問」オンライン家庭教師WAM「よくある質問」そら塾atama+オンライン塾(いずれも2026年8月13日確認)

並べて驚いたのはここです。カメラを2台使い、しかも機材ごと無料で貸す塾が実在する一方で、「お互いの顔が見える状態で表情から読み取る」と公式に書いている塾もある。どちらが良い悪いではなく、まったく違うものを見ているのだと考えてください。数学や理科のように途中式が命の教科ほど、この差は大きくなります。

だから確認すべきことは、「手元は映りますか」ではありません。手元を映さない設計の塾は、その代わりに何で理解度を確かめているのか——画面共有への書き込みなのか、生徒に説明させる形式なのか、人工知能教材の履歴なのか。そこまで含めて1つの設計です。そして、その答えは公式サイトに書いてあります。

なお、機材を1台と指定している塾でも、こちらから2台目を足せるかは聞く価値があります。古いスマートフォンをスタンドで固定してノートを映すだけで、先生に届く情報は変わります。数千円で済む話なので、体験のときに「手元を映したいのですが、つないでいいですか」と聞いてみてください。断られるなら、それはその塾が別の方法で見ているということなので、何で見ているのかを重ねて聞けば済みます。

② 「わからない」と言い出すタイミングがない

対面なら、困った顔をしていれば先生のほうから来ます。言葉にしなくても伝わる。

オンラインでは、それがありません。自分から「すみません、分かりません」と声に出して割り込む必要があります。これ、大人でも会議で難しいことです。中高生にはもっと難しい。

だから、質問できない性格の子をオンラインの1対1に入れると、いちばん危険です。対面なら察してもらえたはずの30分が、まるごと無駄になります。

これを避けるには
  • 生徒に説明させる形式の塾を選ぶ…しゃべるのが前提なら、黙ったまま進むことがなくなります
  • 担当が固定される塾を選ぶ…毎回同じ人なら、3回目くらいから言えるようになります
  • チャットで質問できる仕組みがあるか確認する…声に出せなくても、文字なら聞ける子は多いです

1つ目は精神論ではありません。「生徒がしゃべる」を売りにしている塾は、公式サイトでそう名乗っています。トライは「教わった内容をお子さまが自分の言葉で説明しなおすことで、理解度・定着度が向上する」という双方向の方式を掲げていますし、スタディコーチは「”解くだけ”の勉強は卒業。なぜそうなるのか自らコーチへ説明することで知識が身につきます」と書いています。言い出せない子ほど、こういう「しゃべらされる」設計のほうが結果的にラクです。

③ 自習する「場所」が手に入らない

これは見落とされがちですが、私はここがいちばん大きいと思っています。

塾に払っているお金の一部は、授業ではなく「勉強せざるを得ない環境」に対して払っています。家にはベッドがあり、ゲームがあり、家族の話し声がある。意志の力だけで家庭学習を続けられる中高生は、正直かなりの少数派です。

これは実感だけの話ではありません。東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が同じ親子を追いかけている調査では、高校生が学校のある日に勉強している時間の合計は1日97分(2015年は119分)。中学生は88分です。塾の授業が週2回あっても、動くのはそのうちの数時間だけという現実がここにあります。

訂正:オンライン塾にも自習室はあります

この記事にはもともと「オンライン塾は、この場所を提供しません」と書いていました。これは誤りです。公式サイトを当たると、オンライン自習室を持っている塾が4社ありました。割れているのは「あるかないか」ではなく、開いている曜日・時間と、いつまで無料かのほうです。

開いている時間費用と条件
東大家庭教師友の会オンライン毎週 月・火・木・日(2026年8月は平日毎日+日曜に拡大。9月以降は通常に戻る)。予約不要学習サポート費(月額3,300円税込)に含まれ追加料金なし。小4〜浪人生が対象
スタディコーチ平日18時〜23時/土日祝13時〜23時。365日毎日開館現役東大生が常駐。入室したらカメラをオンにして手元を映しながら自習し、分からない問題はメッセージで質問すると別室で解説してもらえる
atama+オンライン塾平日は毎日18:30から(「スタディルーム」)月額料金に含まれる。質問フォームとメッセージアプリでの質問も同じ料金内
そら塾オンライン自習室と、アバターで入室するバーチャル自習室の2種類入塾から一学期間は無料(=その後の扱いは申込前に確認が必要)

出典:東大家庭教師友の会オンライン「オンライン自習室」スタディコーチ「東大質問室コース」atama+オンライン塾そら塾(いずれも2026年8月13日確認)

中身も想像とは違いました。友の会のオンライン自習室は東大生・難関大生が常駐して質問に答え、参加するときは「お手元のみを映して」入る形式です。顔を出さずに手元だけ映す——つまり①で書いた「手元が見えない問題」を、自習の時間のほうで解いているわけです。しかも教師が記録を取り、毎回スタッフに報告される仕組みになっています。

ただし「自習室がある」=「使う」ではありません。同じ調査で、高校生が勉強する場所は自室67.4%・リビング43.6%に対し、学習塾の自習室は14.1%(2016年は15.1%)。対面の塾に通っていても、自習室で勉強している高校生は7人に1人です。場所はお金で買えますが、使うかどうかは別の話。ついでに言うと、中学生がいちばんよく勉強している場所はリビング(62.7%)で、自室(59.4%)を上回ります。オンライン塾を「自分の部屋で受けるもの」と決めてかかる必要はありません。だから曜日ごとに場所と時間を先に決めてしまうのがコツです。「気が向いたら行く」では、対面でもオンラインでも続きません。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」(2025年7〜9月調査/小4〜高3の子ども14,585名・小1〜高3の保護者20,331名/2026年8月13日確認)

そして、オンライン自習室が開いていない曜日と時間は必ず残ります。そこは家の外に場所を用意しておくのが安全です。学校の自習室、図書館、市の学習室、なんでも構いません。「日曜の午前は図書館」のように曜日で決めてしまうと、迷う回数が減ります。

逆に、オンラインでしか手に入らないもの

ここまで欠点を書きましたが、オンラインには対面が絶対に勝てない強みがあります。そして、この強みが効く家庭は確実に存在します。

オンラインの本当の強み
  • 移動時間がゼロ…片道30分の塾に週3回なら、往復で週3時間。年間で約150時間です
  • 講師を全国から選べる…近所の候補から選ぶのと、数千人から選ぶのとでは、母集団がまるで違います
  • 専門性の高い指導が受けられる…国語専門、医学部専門、英語4技能。地方では対面で見つからない領域です
  • 部活の後でも間に合う…20時半に帰宅して21時開始、が成立します。対面では難しい

とくに1つ目の移動時間は、軽く見られがちですが決定的です。年150時間=9,000分を、さきほどの調査の高校生の1日の勉強時間97分で割ると約93日分。中学生の88分なら約102日分です。「近くにいい塾がないからオンライン」ではなく、「時間を買うためにオンライン」という選び方もあります。

オンラインで成果が出る子の共通点

実際に伸びている子を見ていると、判で押したように同じ3つが揃っています。

伸びる子の3条件
  • 勉強する場所と時間が固定されている…「月木は21時から自室」「土曜は図書館」のように決まっている
  • 分からないときに聞ける相手がいる…授業中でなくても、質問を投げられる窓口があること
  • 次にやることが具体的に決まっている…「数学やっとく」ではなく「この問題集の何ページまで」

この3つのうち1つでも欠けるなら、授業だけのオンライン塾は選ばないでください。足りない部分を埋めてくれるタイプ——計画を作り、進捗を管理してくれる塾を選ぶべきです。授業料は上がりますが、上の表のとおり自習室と質問窓口が月額に含まれている塾もあるので、総額で比べてみてください。

ここまでの条件に当てはまるなら、次は具体的な会社の中身を見る番です。同じ「オンライン塾」でも、授業型・コーチング型・AI型で向く子がまったく違います。

申し込む前に分かる2つ、体験でしか分からない2つ

今回6社を当たって、今まで「体験で聞くこと」に入れていた項目の半分は、公式サイトを見れば先に分かると気づきました。先に潰しておけば、体験の時間を本当に分からないことに使えます。

申し込む前に、公式サイトで分かること
  • 必要な機材が何台か…「必要なもの」「受講環境」の欄。2台なら手元を映す設計、1台なら映さない設計だと分かります
  • 自習室が何曜日の何時に開くか…書いていない塾もあります。書いていないこと自体が答えです
体験でしか分からないこと
  • 授業以外の時間に質問して、返信が何時間で返ってくるか…窓口の有無は書いてあっても、速さは書いてありません。夜に詰まったときが勝負です
  • 次の1週間にやることを、誰が決めるのか…「本人が決める」なら、それができる子かを冷静に判断を

体験が終わったら、お子さんに「画面越しでも、分からないって言えそう?」と聞いてみてください。ここで少しでも口ごもるなら、授業だけの形は避けたほうがいいです。性格の問題であって、能力の話ではありません。合う形を選べばいいだけです。

手元まで見てもらう形を試すなら、機材の考え方がいちばんはっきりしているのは東大家庭教師友の会のオンライン指導です。カメラ2台とクリップを無料で貸し出すと公式に明記していて、「手元が映るかどうか」で迷う余地がありません。逆に、機器を増やさず生徒にしゃべらせて理解度を確かめる形を見たいなら【スタディコーチ】の無料相談・体験が分かりやすい比較対象になります。同じ「オンライン個別」でも設計が正反対なので、2つ受けると違いがはっきりします。

人工知能教材を使うタイプのオンライン塾を検討している場合は、料金が教科数でどう変わるかを先に見ておいてください。1教科だけの契約が損になる設計のところがあります。

よくある質問

オンラインと対面、成績の伸びに差はありますか?

1対1に関しては、条件が揃えばほとんど差がないと思っています。差が出るのは授業そのものではなく、その周辺——手元が見えるか、質問できるか、自習の場所があるかです。そしてこの3つは、上の表のとおり塾ごとに設計が違うだけで、オンラインだから無いわけではありません。逆に言えば、この3つを整えないまま対面を選んでも、やはり伸びません。形式より条件です。

親が家にいない時間帯でも大丈夫でしょうか。

授業自体は問題ありません。ただ「授業が始まったかどうか」を誰も知らない状態は避けたほうがいいです。実際に、開始時刻に接続していない日が続いていた、という相談を受けたことがあります。記録が残る仕組みがあるかを、契約前に確認してください。たとえば友の会のオンライン自習室は、教師が参加の記録を取ってスタッフへ毎回報告する形になっています。疑うためではなく、早く気づくためです。

通信環境やパソコンは、どこまで用意すべきですか?

塾が指定しているものが正解です。スマートフォン1台で成立する塾(そら塾)から、カメラ2台とクリップを使う塾(友の会。3点とも無料貸出)まで幅があります。スタディコーチは「特別な機器やソフトは不要」と明記する一方、スマートフォンでの受講は「画面が小さいため資料の閲覧や操作がしづらく」としてパソコンかタブレットを推奨しています。先に高価な機材を買う必要はありません。手持ちの端末で受けられるかを確認し、足りないものは貸してもらえるかを聞いてください。

オンライン塾にも自習室はありますか?

あります。上の表の4社はいずれも公式に用意していて、東大生が常駐して質問に答える形(友の会・スタディコーチ)もあります。確認すべきは「あるか」ではなく、開く曜日と時間、そして料金の扱いです。月額に含まれる塾(友の会は学習サポート費3,300円に込み、atama+は月額に込み)もあれば、入塾から一学期間だけ無料という塾(そら塾)もあります。平日18時台から開くか、何時に閉まるか、日曜が開いているかは、生活と直結します。

対面の塾とオンラインを併用するのはどうですか?

「場所は対面で、専門性はオンラインで」という組み合わせは、実はかなり合理的です。近所の塾を自習室として使い、苦手な1科目だけ全国から選んだ講師に見てもらう。ただし費用は当然二重になります。まずはどちらか一方で3か月試して、足りないものがはっきりしてから足すほうが、無駄がありません。

最後に

「オンライン塾は意味ない」という言葉は、半分だけ正しいと思います。設計せずに始めれば、たしかに意味がありません。

ただ、対面だって同じです。座っているだけの90分に意味がないのは、画面の中でも教室の中でも変わりません。問われているのは形式ではなく、手元が見えているか、聞ける相手がいるか、やる場所があるか——この3つだけです。そして今回分かったとおり、その3つは全部オンラインでも用意できます。用意している塾を選べばいいだけです。

まずは、お子さんの生活の中に「勉強する場所と時間」を1つ決めるところから始めてみてください。塾を選ぶのは、そのあとで十分間に合います。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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