個別指導は意味ない?塾長が認める3つの事実と、効く子の条件

個別指導は意味ないのか

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個別指導に1年通わせましたが、成績はほとんど変わりませんでした。調べると「個別指導は意味ない」という声も多くて、続けるべきか分からなくなっています。

個別指導塾を運営している立場で言いますが、「意味ない」と言われる理由の多くは、残念ながら事実です。業界の人間が言いにくいことなので、ここでは正直に書きます。そのうえで、どういうときに効くのかもはっきりお伝えします。

この記事は、個別指導を売り込むためのものではありません。私自身が個別指導塾の塾長なので、都合の悪いことも知っています。やめたほうがいいケースはやめたほうがいいと書きます。

先に結論
  • 「意味ない」と言われる4つの理由のうち、3つは事実です…業界として否定できません
  • 最大の原因は「1対1だと思っていたら1対2・1対3だった」…実際に教わっている時間は半分以下になります
  • 次に大きいのが「宿題を管理してもらえない」…週1回90分では、残りの166時間が変わりません
  • それでも効くのは3つのケース…つまずきの位置が特定できていない/質問できない性格/科目や単元を絞りたいとき
  • いま通っていて効いていないなら、やめる前に3つだけ試してください…最後にまとめました
この記事の目次

「意味ない」と言われる4つの理由。3つは事実です

① 1対1だと思っていたら、1対2・1対3だった

これがいちばん多い誤解であり、いちばん大きな原因です。

「個別指導」という言葉に法的な定義はありません。多くの塾は1対2、または1対3です。1対1をうたう塾は、たいてい料金が倍近くになります。

1対2の授業は、実際にはこう進みます。先生がA君に説明する→A君が問題を解いている間にB君を見る→戻ってA君の丸つけ。つまり90分のうち、自分に向けられている時間は40分前後です。

誤解しないでほしいのですが、1対2が悪いわけではありません。解いている時間は本来ひとりでやるべき時間なので、設計としては合理的です。問題は、保護者が「90分ずっと見てもらえる」と思って料金を払っていることです。期待と実態がずれたまま1年経つと、「意味なかった」になります。

② 講師が毎回変わる

これも事実です。学生講師のシフト制で回している塾では、担当が固定されないことがあります。

個別指導の価値は「その子のつまずきを知っている人が教えること」にあります。毎回違う先生になると、毎回ゼロから始まります。これでは集団授業とほとんど変わりません。むしろ料金の分だけ損です。

③ 宿題を管理してもらえない

成績が変わらない最大の理由は、たぶんこれです。

1週間は168時間あります。週1回90分なら、塾にいるのは1.5時間。全体の1%以下です。残りの166時間が変わらなければ、成績が動くはずがありません。

ところが多くの個別指導塾は、授業のコマを売る商売です。宿題を出しても、やってきたかを毎回確認し、やってこなければ連絡する——そこまでやる塾は多くありません。手間がかかるからです。

④ 料金が高い ← これは事実ですが、判断の仕方が違います

集団塾より高いのは事実です。ただ、ここだけは「高いから意味ない」とは言えません。

比べるのは「安いかどうか」ではなく、「いま払っているお金が効いているかどうか」です。月2万円の集団塾で1年間なにも動いていないなら、その24万円の効き目はゼロ。効いていないお金を払い続けるほうが、実は高くつきます。

それでも個別指導が「効く」3つのケース

ここまで散々書きましたが、個別指導でないと解決できない状態も、はっきり存在します。

個別指導が本当に効くとき
  • つまずいている場所が特定できていない…中2の数学が分からない原因が小5の割合、ということが本当にあります。これは集団では絶対に見つかりません
  • 集団だと絶対に質問できない性格…手を挙げられないまま半年過ぎる子は、毎年います。性格の問題であって、能力の問題ではありません
  • 科目や単元を絞って対策したい…数学だけ、英語の長文だけ、という使い方は個別の得意分野です

逆に言えば、「なんとなく全教科みてほしい」という理由で個別指導に入ると、いちばん効果が出にくいです。広く薄く時間を使うことになり、どの科目も動きません。

「意味のある個別指導」かを見分ける5つの質問

体験や面談のときに、この5つを聞いてください。ここで曖昧な答えしか返ってこない塾は、正直やめたほうがいいです。

入る前に必ず聞く5つ
  • 「先生1人に対して、生徒は何人ですか」…最重要。1対2なのか1対3なのかで、実質の指導時間が変わります
  • 「担当の先生は固定ですか。変わる場合はどれくらいの頻度ですか」…固定でないなら、価値は大きく下がります
  • 「宿題をやってこなかったとき、どうなりますか」この質問への答えで、塾の本気度がほぼ分かります。「声をかけます」だけなら仕組みがありません
  • 「授業のない日に自習室は使えますか。質問できる人はいますか」…席だけあっても、聞ける人がいないと自習は止まります
  • 「年間の総額はいくらですか」…月謝ではなく年額で。季節講習を含めた金額を必ず出してもらってください

3つ目の「宿題をやってこなかったらどうなりますか」は、ぜひ聞いてみてください。いい塾ほど、この質問に具体的に答えます。「その場でやらせます」「翌日に電話します」「保護者に共有します」——仕組みがある塾は即答できる。逆に「声かけはしています」で終わるなら、宿題は本人任せだということです。そこが成績を分けます。

いま通っていて効いていない人へ。やめる前の3ステップ

すでに通っている場合、いきなり辞めるのはもったいないです。塾を変えても、同じ理由で同じことが起きることが多いからです。順番に試してください。

辞める前にやる3つ
  • 1. 科目を絞る…3科目を薄く見てもらうより、1科目に集中したほうが動きます。浮いた分は自習に回す
  • 2. 「宿題の確認」を明確に依頼する…「毎回チェックして、やってこなかったら連絡してください」と面談で伝える。言えば対応してくれる塾は多いです
  • 3. 講師の交代を申し出る…相性は結果をほぼ決めます。失礼ではありません。言いにくければ教室長に

この3つをやっても3か月変わらなければ、そのときは形を変えるべきです。個別指導が悪いのではなく、その子には別の形が合っている、というだけです。

形を変えるなら、どこへ移るか

「個別指導が合わなかった」場合の移り先は、合わなかった理由によって変わります。ここを取り違えると、また同じことになります。

合わなかった理由向いている次の形
家で勉強しないのが根本原因宿題管理・自習管理型(毎日の計画まで作る塾)
分かったつもりで止まっている説明させる型(生徒が先生役になって話す指導)
1対2では足りない・質問が遠慮になる完全1対1の家庭教師(交代が無料の会社を選ぶ)
通うこと自体が負担オンライン(移動ゼロ。ただし自習室は使えない)

それぞれ実際にどんな塾があるかは、下の比較記事にまとめています。先に「合わなかった理由」をはっきりさせてから読んでください。そうしないと、また名前で選ぶことになります。

よくある質問

1対1の個別指導なら意味がありますか?

1対1にすれば解決する、というものではありません。先生が90分しゃべり続ける1対1は、むしろ効率が悪い。大事なのは人数ではなく、「生徒が手を動かし、口を開いているか」です。体験のとき、お子さんが話している時間がどれくらいあったかを見てください。先生ばかり話していたなら、1対1でも同じ結果になります。

どれくらい通えば成果が出ますか?

定期テストなら2〜3か月、模試の偏差値なら半年が目安です。ただしこれは「宿題が回っている場合」の話です。宿題が消化できていないなら、1年通っても同じところにいます。3か月経って何も変わらないときは、通う量ではなく、家での量を見直してください。そこが動いていないことが、ほぼすべての原因です。

子どもは「塾は楽しい」と言っています。それなら続けるべき?

難しいところです。「楽しい」は、先生と話すのが楽しいという意味であることが少なくありません。それ自体は悪いことではなく、勉強への抵抗が下がっている状態です。ただ成績が目的なら、楽しさは指標になりません。お子さんに「今日は何ができるようになった?」と聞いてみてください。答えられる日が続いているなら続ける価値があります。

塾長なのに、なぜ個別指導の欠点を書くのですか?

合わない子に入ってもらっても、お互いに不幸だからです。期待と実態がずれたまま1年経って「意味なかった」と言われるのは、塾側にとってもいちばん避けたい結末です。入る前に「うちはこういう塾です」と正確に伝えるほうが、結果的に続く生徒が増えます。ここに書いたことは、私が面談で実際に話している内容とほぼ同じです。

最後に

「個別指導は意味ない」と検索する保護者の方は、たいていすでにお金と時間を使ったあとです。だからこそ、業界の側が耳ざわりのいいことだけ言うのは不誠実だと思っています。

ただ、これだけは言わせてください。1年通って成績が変わらなかったとしても、その1年は無駄ではありません。「この形は合わない」と分かったからです。合わない形を1つ消せたなら、次の選択はかなり正確になります。いちばんもったいないのは、効いていないと分かっているのに、なんとなく続けてしまうことです。

まずは「なぜ効かなかったのか」を1つに絞ってください。人数なのか、講師なのか、宿題なのか。そこがはっきりすれば、次にどこへ行くべきかは自然に決まります。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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