塾の講師変更は遠慮のいらない依頼です。大手10社の公式サイトを確認したところ、8社が「変更できる」と自社サイトに書いていました。ただし「合わない」の中身によっては、替えないほうがいい場合もあります。この記事では、公式の実物を並べたうえで、合わない理由の分け方・頼み方・替えるべきかの線引きを整理します。あわせて、頼んでいないのに先生が変わる理由と、戻してもらう頼み方も書きました。

子どもが「塾の先生と合わない」と言っています。替えてほしいと言っていいものでしょうか。角が立ちそうで、なかなか切り出せません。

言って構いません。むしろ塾側が自分の公式サイトに「変更できます」と書いています。教室側からすると、黙って辞められるほうがずっと困るからです。ただし、替えれば解決する「合わない」と、替えても変わらない「合わない」があります。
- 講師変更は頼んでいい。大手10社中8社が、公式サイトの「よくあるご質問」に「変更できる」と書いています。残る2社(個別指導塾WAM・明光義塾)は可否の記載がなく、「できない」とも書いていません。
- 頼む相手は担当講師ではなく教室長。伝えるのは人柄ではなく、「質問できないまま帰ってくる」のような事実です。「いつから替えられそうか」まで聞きます。
- 替えないほうがいいケースは「厳しい・宿題が多い」だけのとき。教え方・雰囲気・学力の問題なら替えます。
- 頼んでいないのに先生が変わるのは、講師のシフト(講師が働く曜日・時間の割り当て)・夏期冬期の講習・振替授業が主な理由。戻せるかは教室長に聞けます。明光義塾は公式FAQに講師変更の項目がなく、教室長に聞きます(どちらもこの記事の後半で説明します)。
「言っていいのか」は、塾の公式サイトに答えが書いてある
切り出せない理由のほとんどは「例外的なお願いをすることになるのでは」という不安です。そこで、大手10社の公式サイトを実際に開いて、講師変更について何と書いてあるかを確かめました。
| 塾 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 東京個別指導学院 | 「ご入塾後、複数人の先生の授業を受けていただき、ご相談のうえ相性がピッタリ合う先生をお選びいただけます。また、授業開始後でも、先生の変更は可能です。」 |
| 個別教室のトライ | 「はい、教師の交代は可能です。」別ページで「教師の交代に回数の制限はございません。また、別途費用もかかりませんので、安心してお申し出ください。」 |
| 個別指導学院サクシード | 「はい、先生が合わないと感じた場合は、いつでも無料で交代が可能です。(中略)何度でも無料で講師変更を承っております。」 |
| スクールIE | 「可能です。(中略)授業開始前のヒアリングや個性診断テストから相性の合う講師を選定しています。授業を開始されてから相性が良くないとわかった場合には、もちろんご相談いただけます。」 |
| 代々木個別指導学院 | 「担当の講師にご納得頂けない場合には、授業開始後に講師を変更することも可能です。ご遠慮なくお申し出ください。」 |
| 個太郎塾 | 「万一、相性があわない場合は、教室責任者へお申し出ください。講師の変更など、可能な限り対応いたします。」 |
| ナビ個別指導学院 | 「講師の性別のご希望、ずっと同じ講師で教えて欲しい、途中で講師を変えて欲しい等、ご要望に応じて講師を配置します。」 |
| 森塾 | 「もし『相性が合わない』ということでしたら『先生変更制度』や『先生評価アンケート』で先生を変更していただく方が、お子様のご選択できる授業時間の幅が広がるようです。」 |
| 個別指導塾WAM | 「あまり先生が代わらないから良い」と言われる、と替わらないことを利点として掲げている。ただし「定期講習時は(中略)通常指導している講師以外が担当する場合がございます」 |
| 明光義塾 | 講師変更についての記載は見当たらない。採用(学科試験・面接試験・心理適正検査)と「年に複数回の体系化された幅広い研修」は明記 |
出典は各社公式の「よくあるご質問」(いずれも2026年8月12日確認)。東京個別指導学院/個別教室のトライ(可否)/同(回数と費用)/個別指導学院サクシード/スクールIE/代々木個別指導学院/個太郎塾/ナビ個別指導学院/森塾/個別指導塾WAM/明光義塾。
10社中8社が、聞かれる前に「変更できます」と自社サイトに書いています。「ご遠慮なくお申し出ください」「お気軽にご相談ください」と添えている塾もあります。頼むこと自体は、例外的なお願いではありません。
残る2社は、可否そのものが書いてありません。個別指導塾WAMは「替わらないこと」を売りにしていて、変更できるかどうかは書いていません。明光義塾は講師変更の記載がなく、書かれているのは採用と研修の話です。どちらも、できないという意味ではなく、確かめようがないという意味なので、通っている方は面談で直接聞いてください。
【結論】「合わない」を4つに分ける
| 合わない中身 | 替えるべきか |
|---|---|
| ①教え方が分かりにくい | 替える。相性ではなく技術の問題なので、我慢しても変わりません |
| ②話し方・雰囲気が苦手 | 替える。質問できない状態が続くほうが損失が大きい |
| ③講師の学力が足りていない | 替える。ただし本人の思い込みのこともあるので、先に確かめる |
| ④厳しい・宿題が多い | すぐには替えない。ここを替えると、次も同じ理由で替えたくなります |
①〜③は授業が成立していないので、早く動いたほうがいいです。一方④は、指導としては正しいことをやっている可能性があります。ここを混ぜて「合わないから替えて」と伝えると、教室側も判断できません。
子どもの「合わない」を4つに振り分ける5つの質問
「先生と合わない」の一言では、上の①〜④のどれに当たるのか分かりません。本人も分けて話せないのが普通です。聞き方を変えると振り分けられます。次の5つを順番に聞いて、答えの例と照らしてください。
| 聞くこと | 答えの例 | どこに当たるか |
|---|---|---|
| 1. 「授業中に質問できた?」 | 「できない」「聞きづらい」「先生が忙しそう」 | ②雰囲気。質問できない状態が続くなら替える |
| 2. 「説明を聞いた直後は分かった? 家で解き直したら解けた?」 | 直後も分からない/直後は分かるが、家では解けない | 直後も分からない→①教え方。直後は分かるが家で解けない→講師ではなく自分で解く練習の量の問題 |
| 3. 「先生はその場で解いてくれた? 解答を見ながらだった?」 | 「解答を見ながら説明していた」「次回までに調べる、が続く」 | ③学力。次の見出しの確認リストで確かめる |
| 4. 「嫌なのは宿題? 注意されること?」 | 「宿題が多い」「怒られる」「雑談してくれない」 | ④厳しい。すぐには替えない。量が回っていないなら、量の調整を頼む |
| 5. 「先生は毎回同じ人?」 | 「毎回違う」「曜日で違う」「講習のときだけ違った」 | 相性以前に担当が固定されていない。後半の「頼んでいないのに先生が変わった」へ |

塾で見ていると、「合わない」の中身を聞くと、④の「厳しい」と本人の練習不足が混ざっていることが多いです。①〜③に絞れてから教室長に伝えると、話が早く進みます。質問5で「毎回違う」と答えたなら、相性の話ではなく、担当の決め方の話です。
質問5で「毎回違う」なら、講師を替えても同じことが起きます。担当が固定される形式かどうかを先に見直してください。担当が毎回変わる個別なら、集団に移る選択肢もあります。集団と個別のどちらが向いているかは、下の記事で学力の位置から判断できます。

③「学力が足りない」を確かめる方法
いちばん判断が難しいのがこれです。生徒側からは「教え方が下手」と「本人が理解できていない」の区別がつきません。
確かめ方はひとつです。「その場で解いてもらえましたか」と聞いてください。
- 解答を見ながら説明していた…その場で解けていない可能性があります
- 「次回までに調べてくる」が何度もある…1回なら誠実ですが、繰り返すなら担当科目として厳しい
- 質問すると答えが変わる…理解が固まっていないサインです
なお「担当が学生なのか社会人なのか」は、公式サイトを見ても分かりません。10社を確認しましたが、講師の属性を数字で公開している塾はありませんでした。明光義塾が書いているのは採用の手順(学科試験・面接試験・心理適正検査)と研修の回数だけです。
一方で、希望を出せることは複数社が明記しています。森塾は「女性の先生(きびしい先生/社会人の先生/若い先生等)に教えてほしいのですが」という質問を公式に立てており、ナビ個別指導学院も「個別指導ですので、先生の希望に対応することができます」と答えています。属性は選べるが、平均像は分からない——これが公開情報から言える範囲です。
先生の希望をよくある質問に載せているのは、【森塾】
のように「替える前提」で設計している塾です。合わなかったら言う、を最初から想定している塾ほど、切り出しやすくなります。


正直に書きますが、学歴の高さと教える上手さは別物です。難関大の学生でも説明が下手な人はいますし、そうでなくても的確な人はいます。肩書ではなく「その場で解けるか」で見てください。これは面談で聞いても答えが出ないので、子どもに授業の様子を聞くしかありません。
④「厳しい」だけなら、すぐ替えない
宿題が多い、忘れると指摘される、雑談に付き合ってくれない——これらは合っていないのではなく、仕事をしている状態です。
ここで替えてしまうと、次の講師にも同じことを求めることになります。結果として「何も言わない先生」に行き着き、成績は動かなくなります。実際にそうなった例を何度も見てきました。
ただし宿題の量が明らかに回っていないなら、それは講師ではなく量の問題です。替えるのではなく、量を調整してもらってください。

誰に、どう頼むか
担当を決めているのは教室長です。本人に直接言うと、気まずくなるだけで何も動きません。これは公式サイトの言い回しからも読み取れます。トライは「担当の教育プランナーまたは教室長にご相談いただくか」、個太郎塾は「教室責任者へお申し出ください」、ナビ個別指導学院は「各教室で教室長に希望を伝えてください」。3社とも宛先が講師本人ではありません。電話でも構いませんし、面談の場でも構いません。
「合わないみたいです」だけだと動けません。「質問できないまま帰ってくる」「解説が分からないと言っている」のように、何が起きているかを伝えてください。教室長はそこから原因を判断します。
ここが大事です。講師の担当数と曜日の都合で、すぐには替えられないことがあります。期限を聞いておくと、待つのか動くのかを決められます。「調整します」で終わらせないでください。
「授業のあと、分からないところが分からないまま帰ってくることが続いています。本人が質問しづらいようで、こちらから見ていて授業が成立していないように思います。担当の先生を替えていただくことは可能でしょうか。難しい場合は、いつごろなら調整できそうか教えてください。」
講師個人を否定する言葉を入れないのがコツです。「教え方が下手だ」と言うと、教室長は弁明から入ります。起きている事実だけを出したほうが、話が早く進みます。
この「事実だけを出す」書き方は、口頭よりも文字にしたほうが崩れません。担当変更を切り出す前に、コメント欄で状況を一度残しておくと話が通りやすくなります。

高校生が自分で言うときの言い方(中学生は保護者から)
中学生は、保護者から伝えるのが基本です。塾で見ていると、担当を替える前に保護者へ確認の連絡を入れる教室が大半で、本人だけで進めると途中で止まりがちです。
高校生は自分で言って構いません。相手は担当講師ではなく教室長です。授業の前後で、担当講師がそばにいない時間に声をかけてください。
「○年の○○です。英語の授業で、説明を聞いても自分で解けないことが続いています。先生を替えていただくことはできますか。難しければ、曜日を変えるのでも大丈夫です。」
言ったあとは、親にも一言伝えておいてください。教室から保護者に確認の電話が入ることが多いからです。逆に、本人が塾に言いたくない場合は保護者から伝えます。教室長に「本人には言わないでほしい」と前置きすれば足ります(後半のFAQ参照)。
替わるまでの期間は「曜日を動かせるか」で決まる
講師は、曜日と時間帯のシフト(働く曜日・時間の割り当て)で働いています。同じ曜日・同じ時間に空いている別の講師がいなければ、すぐには替わりません。東京個別指導学院の公式FAQも、曜日・時間帯の変更について「曜日・時間帯によっては、ご希望の先生が担当できない場合もあります」と書いています。今回調べた10社に、替わるまでの日数を書いた塾はありませんでした。日数を決める要因は次の4つです。
| 状況 | 替わるまで | 先に聞くこと |
|---|---|---|
| 生徒側が曜日・時間を動かせる | 早い。教室長が、空いている講師に合わせて時間割を組み直せる | 「別の曜日なら、来週から替われますか」 |
| 曜日を動かせない(部活・他の習い事) | その曜日に合う講師が空くまで待つ | 「この曜日で替えられる先生はいますか。いなければ、何月ごろに動きそうですか」 |
| 夏期・冬期講習の直前・期間中 | 講習は時間割が別に組まれる。通常授業の担当は、講習後に決まることが多い | 「講習明けの担当を、今のうちに決めてもらえますか」 |
| 定期テスト2週間前 | 教室がいちばん混む時期。替えるより「テストまでは今の先生で範囲だけ終える」と割り切ったほうがいい場合もある | 「テストまでは今の先生でテスト範囲を終わらせて、テスト後に替えていただけますか」 |
「替わるまで」の見立てと、定期テスト2週間前が混むという点は、塾長の経験による目安です。公式に日数を書いた塾はありません。
講師の人数が多い塾でも、曜日が合わなければ希望どおりにはなりません。東京個別指導学院の公式FAQには「1教室平均40人以上(※1)が在籍」とあります。※1は「先生の在籍人数を、全体の教室数で割って算出」した値です。同じページに「教室状況によって、担当の先生をご相談させていただく場合もございます」とも書いてあります。在籍の人数と、曜日と時間の枠は別だということです。
替える前に確かめる「担当が固定かどうか」
ここは意外に知られていないのですが、「担当をどう決めるか」の設計思想は塾によって正反対です。同じ「個別指導」でも前提が違うので、頼み方も変わります。
| 塾 | 担当の決め方(公式の記載) | 読み取れる前提 |
|---|---|---|
| 東京個別指導学院 | 「ご入塾後、複数人の先生の授業を受けていただき、ご相談のうえ相性がピッタリ合う先生をお選びいただけます」 | 入塾後に選ぶのが前提。最初の担当は仮 |
| ナビ個別指導学院 | 「体験中については自分に合う講師を見つけるためにも、何人かの講師から受講されることをお勧めします」 | 体験のうちに複数人と当てておくのが前提 |
| 個別指導塾WAM | 「あまり先生が代わらないから良い」と言われる、と自社で紹介。ただし定期講習時は通常と別の講師が担当する場合がある | 替わらないことが売り。講習期は例外 |
| 森塾 | 希望を出すより、提案された先生で試したうえで「先生変更制度」を使うほうが「授業時間の幅が広がる」 | 先に指名しないことを推奨 |
つまり「合わなかったら替える」を織り込み済みで設計している塾(東京個別指導学院・ナビ個別指導学院・森塾)と、「替わらないこと」を価値にしている塾(個別指導塾WAM)があるということです。前者なら、替えてほしいと言うのは想定内の行動です。後者で頻繁に替わっているなら、その塾が本来やろうとしていることが回っていないサインになります。

個別指導塾WAMが「定期講習時は通常指導している講師以外が担当する場合がございます」とわざわざ書いているのは誠実だと思います。夏期・冬期は生徒のスケジュールを優先して時間割を組むので、どの塾でも担当が動きやすい。「講習だけ別人だった」を相性の問題と取り違えないでください。
そもそも担当が毎回変わる形式なら、講師変更という考え方自体が成立しません。誰も生徒の状況を継続して把握していないからです。その場合は講師を替えるのではなく、形を変えるほうが早いです。【スタディコーチ】無料相談・逆授業の体験のように担当を固定して学習管理まで見る形なら、同じことは起きにくくなります。

頼んでいないのに先生が変わった|理由5つと、戻してもらう頼み方

「相性が合わない」の前に、「頼んでいないのに先週から先生が違う」で困っている家庭があります。公式ページの記載と塾で見てきた例から、理由は5つに整理できます。どれに当たるかで、戻せる見込みが変わります。表の「公式の記載」は各社の公式ページの引用、「→塾長の見立て」はそこから筆者が読み取ったことです。
| 理由 | 公式の記載 → 塾長の見立て | 戻せるか |
|---|---|---|
| 1. 講師のシフト | 明光義塾の講師採用サイト「週1日、1コマからの勤務が原則的に可能です」 →塾長の見立て:講師は曜日・時間帯の単位で働いている。前の先生がその曜日に来なくなった可能性がある | 生徒側が曜日を動かせば戻れることがある。「前の先生の曜日に移れますか」と聞く |
| 2. 夏期・冬期の講習 | 個別指導塾WAM「定期講習時は生徒本人のスケジュールを優先して、時間割を組みますので通常指導している講師以外が担当する場合がございます」。明光義塾の講師採用サイト「冬期講習や夏期講習など講習時期だけの講師を募集している教室があります」 →塾長の見立て:講習は生徒の予定に合わせて時間割を別に組む。講習だけの講師もいる | 講習後は元の担当に戻すのが、塾で見てきた通常の運用。戻らなければ聞く |
| 3. 振替授業 | 明光義塾FAQ「授業を他の日へ変更することができます。ただし原則として同じ月の空席のある時間に限ります」 →塾長の見立て:別の日に振り替えれば、その日にいる講師が担当する | その回だけで、ずっと変わるわけではない |
| 4. 講師の卒業・退職 | 東京個別指導学院「大学生・大学院生といった学生先生も、社会人先生もいます」 →塾長の見立て:学生講師は卒業で辞める。年度替わりに動きやすい | 戻せない。「引き継ぎはどう行われましたか」を聞く |
| 5. 教室側の判断 | 東京個別指導学院「教室状況によって、担当の先生をご相談させていただく場合もございます」 →塾長の見立て:他の生徒との組み合わせや講師の担当数で動く | 理由を聞いていい。説明が無いまま2回以上変わるなら体制の問題 |
「→塾長の見立て」以降は公式の記載ではなく、公式の文から筆者が読み取ったことです。
「先週から担当の先生が替わっていましたが、何かご事情があったのでしょうか。本人は前の先生のほうが質問しやすかったようです。戻していただくことは可能ですか。難しい場合は、曜日を動かせば戻れるかも教えてください。」
「勝手に替えたんですか」と切り出さず、先に理由を聞く形にしてください。教室長も事情を話しやすくなり、戻せる場合はその場で曜日の調整に入れます。

塾で見ていると、講習明けや年度替わり(3月〜4月)に担当が動くのは避けられません。問題は「変わること」ではなく「説明なしに変わること」です。何も言われずに2回以上変わっているなら、どの生徒を誰が担当しているかを教室長が把握できていないサインだと思ってください。
明光義塾で「先生が変わる」と検索した人へ|公式に書いてあること・ないこと
明光義塾の公式「よくあるご質問」には、講師の変更・交代の項目がありません。一覧の全質問を、2026年9月16日に確認しました。講師について書いてあるのは、採用(学科試験・面接試験・心理適正検査)と研修の話だけです。ただし、公式の講師採用サイトや保護者の声のページを読むと、先生が変わる仕組みと、担当の決め方の手がかりは分かります。
- 講師変更の可否…公式FAQに記載なし。できないという意味ではありません
- 担当の決め方…公式の「保護者の口コミ・評判」ページに、「相性のいい先生を担当にしていただいている」という1件の記載があります。相性で担当を決めている教室があることは分かりますが、全教室の運用かどうかは公式に書かれていません
- 先生が曜日で違う理由…講師採用サイト「週1日、1コマからの勤務が原則的に可能です」「1コマは90~95分としています」。→ここから、講師は曜日単位で入ると分かります(塾長の見立て)
- 講習で先生が違う理由…講師採用サイト「冬期講習や夏期講習など講習時期だけの講師を募集している教室があります」
- 振替で先生が違う理由…FAQ「原則として同じ月の空席のある時間に限ります」。→振替先の時間にいる講師が担当する、ということです(塾長の見立て)
- 誰に言うか…講師の相談窓口は公式に書かれていません。教科変更のFAQが「教室長へお気軽にご相談ください」なので、講師の相談も教室長にするのが自然です
明光義塾で替えてほしい、戻してほしいときは、上の「戻してほしいときの伝え方」をそのまま教室長に伝えてください。教室ごとの差が大きい塾なので、面談で「担当は固定ですか」を含めて何を聞くかは、下の記事に載せています。


「交代は無料か」を公開しているのは2社だけだった
10社を確認して、いちばん意外だったのがここです。「変更できる」と書いている8社のうち、費用と回数に触れていたのは2社だけでした。しかもその2社は、どちらも「無料・上限なし」と言い切っています。
- 個別指導学院サクシード…「いつでも無料で交代が可能です」「何度でも無料で講師変更を承っております」
- 個別教室のトライ…「教師の交代に回数の制限はございません。また、別途費用もかかりませんので、安心してお申し出ください」
- 可否を書いている残る6社…費用にも回数にも触れていない。可否の記載がない2社(個別指導塾WAM・明光義塾)も同じ
公開している2社がそろって「無料・上限なし」なので、これが業界の実態に近いのだろうと思います。実際、通塾型の個別指導で交代に料金を取る話は聞いたことがありません。ただしほかの8社は書いていない以上、確かめられるのは面談の場だけです。塾を選ぶ段階なら、体験のあとにこう聞いてください。
①「担当の先生は固定ですか。夏期講習や冬期講習のときも同じ先生ですか」
②「合わなかった場合、交代に費用はかかりますか。回数の上限はありますか」
③「交代をお願いしてから、実際に替わるまでどのくらいかかりますか」
逆に、費用の扱いを最初から公開している事業者もあります。家庭教師では東大家庭教師友の会が料金ページに「教師交代費 0円」と明記しており、指導キャンセル料・更新費・解約費もかからないと書いています(2026年8月12日確認)。家庭教師は担当が1人に固定されるぶん、相性が外れたときの逃げ場が塾より少ない形式です。そこを先に潰してある設計は、選ぶ側からすると分かりやすい。
いま通っている塾で2人目に入っていて、次を探し始めている段階なら、東大家庭教師友の会の無料体験・資料請求のように、交代の条件を先に開示している相手から当たると比較が早く済みます。
替えたあとに確認すること
替えて終わりにしないでください。2〜3回受けた時点で、質問できているかを確認します。ここが変わっていないなら、原因は講師ではなかったということです。
そして2人目でも同じことが起きるなら、それは塾の体制の問題です。講師の採用や研修が回っていない可能性があります。この段階まで来たら、塾を変える判断に入って構いません。
その段階に来たら、動ける時期が学年で決まっていることだけ先に確認してください。受験学年は動ける期間がかなり限られます。

期間が2か月を超え、総額が5万円を超える学習塾の契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」(塾や家庭教師など長期・高額の契約に適用される法律の区分)に当たります。この契約なら、月の途中でもいつでも中途解約できます。塾が請求できる額にも法律の上限があります。金額と手順、引き止められたときの返し方は下の記事に載せました。

講師変更に限らず、塾への要望全般に共通する型があります。事実・期限・調整の余地の3つで、場面別の例文も載せました。

講師変更のよくある質問
講師変更を頼むと、子どもの扱いが悪くなりませんか
なりません。教室長にとって、講師変更は日常の調整業務のひとつです。実際、代々木個別指導学院は「ご遠慮なくお申し出ください」、東京個別指導学院は「お気軽にご相談ください」と自社サイトに書いています。むしろ何も言われないまま退塾されるほうが痛手なので、早めに言ってもらえるほうがありがたいというのが本音です。
何回まで替えてもらえますか
上限を設けている塾は、10社を調べた範囲では見つかりませんでした。むしろ個別教室のトライは「回数の制限はございません」、個別指導学院サクシードは「何度でも無料」と、明確に上限が無いことを書いています。ただし現場の感覚としては、2人目までが現実的な線です。3人目を頼む段階では、教室の講師層で対応できる範囲を超えている可能性が高く、そこから満足のいく担当が出てくることはあまりありません。制度として可能かどうかと、実際に良い結果が出るかどうかは別の話だと考えてください。
子どもが「言わないで」と言います
よくあります。その場合は「本人には言わないでほしい」と教室長に前置きして伝えてください。担当講師に伝わらない形で調整するのは、教室側にとって難しいことではありません。曜日の変更という形にしてもらう方法もあります。
集団塾でも先生を替えてもらえますか
集団塾はクラス単位で担当が決まるので、講師だけを替えることはできません。今回調べた10社の記載も、すべて個別指導についてのものです。可能性があるのはクラスや曜日の変更です。そこも動かせないなら、集団という形式自体が合っていない可能性を考えてください。
オンライン塾なら相性の問題は起きませんか
起きます。むしろ画面越しのほうが質問のハードルは上がります。ただし在籍する講師の数が多いぶん、交代の選択肢は広いことが多いです。交代の費用と回数を公開していないのは通塾型もオンラインも同じなので、契約前に「交代は無料か」「何回まで可能か」を必ず口頭で確認してください。
先生を替えてもらうと、料金はかかりますか
費用と回数を公開している2社は、どちらも「無料・回数制限なし」です(個別教室のトライ・個別指導学院サクシード)。残る塾は書いていないので、面談で「交代に費用はかかりますか」と聞いてください。家庭教師でも、東大家庭教師友の会は料金ページに「教師交代費 0円」と明記しています。
替えてほしいと言ってから、何日くらいで替わりますか
日数を公開している塾は、今回調べた10社にはありませんでした。決めるのは「同じ曜日・時間に空いている講師がいるか」です。生徒側が曜日を動かせるなら早く、動かせなければその曜日の講師が空くまで待ちます。頼むときに「いつごろなら調整できそうか」まで聞いてください。
頼んでいないのに先生が変わったのは、なぜですか
公式ページの記載と塾で見てきた例から、理由は5つに整理できます。講師のシフト(曜日単位で働く)、夏期・冬期講習の別時間割、振替授業、講師の卒業・退職、教室側の担当調整です。講習や振替なら一時的で、終われば元の担当に戻すのが塾で見てきた通常の運用です。説明が無いまま2回以上変わっているなら、教室長に理由を聞いてください。
明光義塾では先生を替えてもらえますか
公式の「よくあるご質問」に講師変更の項目はありません。公式の保護者の声のページに「相性のいい先生を担当にしていただいている」という1件の記載があり、相性で担当を決めている教室があることは分かります。ただし全教室の運用かどうかは公式に書かれていません。講師の相談窓口も公式にはありませんが、教科変更と同じく教室長に相談するのが自然です。
高校生が自分で「替えてほしい」と言ってもいいですか
構いません。相手は担当講師ではなく教室長で、担当講師がいない時間に伝えます。「説明を聞いても自分で解けないことが続いている」のように、事実で伝えてください。教室から保護者に確認の連絡が入ることが多いので、親にも先に一言伝えておくと止まりません。
合わないと感じたら、この順で動く
動く順番は「①合わない中身を分ける→②教室長に事実で頼む→③いつ替わるか聞く→④替えたあと2〜3回で確認」です。講師変更は遠慮する必要のない依頼です。大手10社のうち8社が、聞かれる前から「変更できます」と自社サイトに書いています。ただし「合わない」の中身を4つに分けてから伝えてください。教え方・雰囲気・学力の問題なら替える、厳しいだけなら替えない、が原則です。
伝える相手は教室長で、内容は人柄ではなく起きている事実。そしていつ替えられそうかまで聞くこと。ここまでやって初めて、待つか動くかを自分で決められます。
公開情報から分からないのは「交代の費用と回数」と「担当が固定かどうかの実態」の2つです。前者を書いているのは10社中2社だけでした。ここは面談で聞くしかないので、入る前の3つの質問として用意しておいてください。
2人目でも同じことが起きるなら、それは講師個人ではなく塾の体制の問題です。そこまで来たら、形を変える判断に入ってください。


この記事で確認した資料
大手10社の講師変更の記載は、各社公式の「よくあるご質問」で確認しました。確認日は2026年8月12日、再確認は2026年9月16日で、全ページが現存しています。「頼んでいないのに先生が変わる理由」の裏付けは、明光義塾・東京個別指導学院・個別指導塾WAMの公式ページの記載です。こちらは2026年9月16日に確認しました。出典に基づく数字は、東京個別指導学院の「1教室平均40人以上」と東大家庭教師友の会の「教師交代費 0円」の2つです。判断基準と伝え方は筆者が塾長として見てきた経験によるもので、件数や割合の統計ではありません。
- 大手10社の公式「よくあるご質問」:東京個別指導学院/個別教室のトライ(可否)/同(回数と費用)/個別指導学院サクシード/スクールIE/代々木個別指導学院/個太郎塾/ナビ個別指導学院/森塾/個別指導塾WAM/明光義塾
- 明光義塾「よくあるご質問」一覧(講師変更の項目が無いことの確認)
- 明光義塾「受講教科・通塾回数について」(教科変更は教室長へ相談、の記載)
- 明光義塾「その他」(振替授業の条件)
- 明光義塾「保護者の口コミ・評判」(相性で担当を決めている、という1件の声)
- 明光義塾の講師採用サイト(公式)(週1日・1コマ単位の勤務、講習時期だけの講師)
- 東大家庭教師友の会「料金」(教師交代費 0円)
- 消費者庁「特定継続的役務提供」(学習塾の中途解約。2か月超・5万円超の契約が対象)

