塾への要望の伝え方|通る言い方・通らない言い方と場面別の例文

塾への要望の伝え方|通る言い方・通らない言い方と場面別の例文

塾への要望が通るかどうかは、内容ではなく伝え方で決まります。必要なのは「実際の事実」「期間」「調整の余地」の3つだけ。この記事では通る言い方と通らない言い方を分け、場面別の例文をそのまま使える形で載せます。

塾にお願いしたいことがあるのですが、クレームだと思われそうで言い出せません。どう伝えれば角が立たないでしょうか。

角は立ちません。塾側が困るのは要望を言われることではなく、「何を変えればいいか分からない要望」と、何も言われないまま辞められることです。

この記事の目次

【結論】通る要望には3つの要素が入っている

この3つを入れる
  • ①実際に起きている事実…できれば数字で。「3時間かかって終わりませんでした」
  • ②いつまでか…「大会が終わる7月まで」。期限つきなら塾側はすぐ動けます
  • ③調整の余地を残す…「難しければ、代わりの方法はありますか」

逆に言うと、この3つが無い要望は受け取った側が動けません。「もっと丁寧に見てほしい」「やる気を出させてほしい」は、気持ちは伝わりますが、教室長が明日から何を変えればいいのかが分かりません。

通らない言い方・通る言い方

通らない通る
もっと丁寧に見てほしいです質問できないまま帰ってくる日が続いています。声をかけていただくことは可能でしょうか
宿題が多すぎます先週の数学に3時間かかって終わりませんでした。平日は40分が限界なので、優先順位をつけていただけませんか
やる気を出させてください家では机に向かえていません。塾での様子はいかがですか。授業の最後に次回までの分を決めていただけると助かります
成績が上がりません数学の関数だけ点が取れていないようです。塾での正答率はいかがでしょうか

右の列は、どれも塾側が「じゃあ何をするか」に翻訳できる形になっています。要望を伝えるというのは、不満を伝えることではなく次にやることを一緒に決める作業です。

場面別の例文

①宿題の量を調整してほしい

いつもありがとうございます。先週の宿題に3時間ほどかかって、最後まで終わりませんでした。今は部活の大会前で平日に取れる時間が40分ほどです。大会が終わる7月までのあいだ、優先順位をつけて回る量に調整していただくことは可能でしょうか。

時間・期限・調整の3つが入っています。「減らしてください」だけだと、どこを削るかを塾側が決められません。

②担当の先生を替えてほしい

授業のあと、分からないところが分からないまま帰ってくることが続いています。本人が質問しづらいようで、相性の面で一度ご相談させていただけないでしょうか。難しい場合は、いつごろなら調整できそうか教えていただけますか。

講師個人を否定する言葉は入れないのがコツです。「教え方が下手」と言うと、教室長は弁明から入ってしまい、肝心の教室での様子が出てきません。

③テスト前は学校の範囲をやってほしい

いつもありがとうございます。定期テストが再来週にあります。塾の進度のほうが先に進んでいるので、テストまでの2回だけ学校の範囲に合わせていただくことはできますか。テスト後は元のペースに戻していただいて構いません。

「テスト後は戻して構いません」の一言があるかどうかで、通りやすさがかなり変わります。カリキュラム全体を変える話ではないと伝わるからです。

④科目や曜日を変えたい

来月から部活が週6になり、火曜が難しくなりそうです。木曜か土曜に移していただくことは可能でしょうか。空きがなければ、しばらく振替でしのぐ形でも構いません。

曜日や科目の変更に締め日があるかどうかは塾によって違い、公式サイトに書いている塾のほうが少数です。公開している例では個別館(アップ教育企画)が、変更開始月の前月20日を届け出の期限にしています(2026年8月12日確認)。

注意したいのは増やすときと減らすときで扱いが違う点です。同じ規定に「前月20日を過ぎてからの講座回数の減少や休学・退学については受け付けられません。その月の学費は、未受講であっても返金対応いたしかねます」とあります。だから聞くのは「いつまでに言えばいいですか」だけでなく、「減らすときも同じ期限ですか」まで。ここを先に押さえておくと、次から慌てずに済みます。

⑤講習のコマ数を減らしたい

ご提案ありがとうございます。予算の都合で、今回は英語と数学の2教科に絞りたいと考えています。優先順位をつけるとしたら、どの順番になりますでしょうか。

断るのではなく「絞る」と伝えるのがコツです。そのうえで優先順位を聞くと、塾側の判断材料も引き出せます。季節講習は「1教科から」受けられると公式に書いている塾が複数あります個太郎塾個別指導塾アクシス・2026年8月12日確認)。絞る相談は、塾が最初から用意している選択肢です。

⑥様子を教えてほしい

家では塾のことをあまり話さないので、教室での様子が分からずにいます。授業中の集中の具合や、質問できているかどうかを、月に一度でも教えていただけると助かります。

これは要望のなかでもいちばん通りやすいものです。塾側から見ても、家庭の様子が分かるとやりやすくなるので、情報交換の形にすると自然に続きます。

どの手段で伝えるか

手段向いている場面
連絡帳・コメント欄軽い共有、家庭での様子の報告。記録が残り、担当講師まで伝わります
メール記録を残したいとき。費用や契約に関わる話はこちら
電話急ぎのとき。ただし言った言わないになりやすいので、大事な話は後でメールに残す
面談方針そのものを変えたいとき。科目構成やコマ数の見直しはここで

迷ったらメールで構いません。塾側も記録が残るほうが動きやすいですし、教室長が不在でも共有されます。

面談の場は、普段は言いづらいことを伝える数少ない機会です。何を確かめ、何を持っていくかはこちらにまとめました。

やらないほうがいい伝え方

NG
担当の先生に直接言う

カリキュラムや宿題量を決めているのは教室長です。担当講師に言っても権限がなく、気まずくなるだけで何も動きません。窓口は教室長に統一してください。

NG
他の生徒や他塾と比べる

「○○さんはもっと見てもらっている」「他の塾ではこうらしい」は、話が本題からずれます。うちの子に何が起きているかだけを話したほうが、結果的に早く動きます。

NG
溜めてから一度に出す

いちばん多い失敗です。半年分の不満をまとめて出されると、塾側は「もう手遅れかもしれない」と身構えます。小さいうちに、一つずつ。そのほうが通ります。

伝えても変わらないとき

3つの要素を入れて伝えたのに、2回続けて「様子を見ましょう」で終わるなら、それはその塾が一人ひとりに合わせて調整する運用になっていないということです。悪い塾という意味ではなく、合っていないということ。

そもそも要望として言う前に調整される形の塾もあります。【スタディコーチ】無料相談・逆授業の体験のように、週単位で「何をどこまでやるか」を決め直す運用なら、宿題量や進度は最初から本人に合わせて動きます。要望を伝える手間そのものが減る形です。

費用の相談も要望のひとつです。金額を先に伝えるのがいちばん話が早いのですが、その前に「どこを削れるか」を知っておくと交渉がぶれません。

要望が通らず辞める判断に傾いた場合は、伝え方が変わります。「相談」ではなく「報告」の形にするのがコツです。

よくある質問

要望を出すと、子どもが気まずくなりませんか

気になる場合は「本人には言わないでほしい」と前置きしてください。教室側にとって難しい依頼ではありません。曜日の変更という形にする、講師の配置を静かに変えるなど、本人に伝わらない形で調整できます。

どれくらいの頻度で伝えていいですか

遠慮は要りません。気づいたときにその都度が理想です。ためらって半年溜めるより、月に一度でも小さく伝えているほうが、塾側も調整しやすく、関係もこじれません。

返事が来ないときはどうすればいいですか

連絡帳やコメント欄は、担当講師までは届いても教室長まで上がっていないことがあります。3日ほど待って動きがなければ、電話かメールで「先日お伝えした件ですが」と一度だけ確認してください。催促ではなく、届いているかの確認という形で構いません。

集団塾でも要望は聞いてもらえますか

カリキュラムそのものは動きませんが、クラスの変更、席の位置、補習の案内、宿題の提出方法あたりは調整できることが多いです。「授業を変えてほしい」ではなく「この子に合わせて何ができますか」と聞くほうが、集団塾では現実的です。

入塾前に要望を伝えてもいいですか

むしろ入塾前のほうが伝えやすいです。面談の場で「こういう場合は対応できますか」と聞いておくと、入ってからのすれ違いが減ります。そこでの答え方そのものが、その教室の運用を知る材料にもなります。

まとめ

塾への要望は、遠慮せずに伝えて構いません。通るかどうかは内容ではなく「実際の事実」「いつまでか」「調整の余地」の3つが入っているかで決まります。

「もっと丁寧に」「やる気を出させて」では、塾側は明日から何を変えればいいのかが分かりません。数字と期限に置き換えてください。

そして溜めてから一度に出さないこと。小さいうちに、一つずつ。そのほうが確実に通りますし、関係もこじれません。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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