【計算ツール】評定平均の出し方と「あと何科目上げれば届くか」逆算

評定平均 計算&逆算ツール

指定校推薦の条件が「評定平均3.8以上」と書いてありました。自分がいま何なのか分からないし、あと何を上げれば届くのかも分かりません。

評定平均は「これまでに履修した全科目の評定の平均」なので、自分で計算できます。そして「あと何科目を1つ上げれば届くか」も逆算できます。下のツールに、5が何科目・4が何科目……と入れてみてください。

評定平均は、指定校推薦・学校推薦型選抜・総合型選抜の出願条件になることが多い数字です。ところが「自分の評定平均を知らないまま高3になる」生徒が本当に多い。知らなければ、間に合ううちに手を打つこともできません。

🎓 評定平均 計算&逆算ツール

① 評定ごとの科目数を入れる

通知表の全科目が対象です(体育・芸術・家庭なども含みます)。学年をまたいで合計して入れてください。

② 目標の評定平均

※対象となる学年・学期の範囲、小数の扱いは大学・高校によって異なる場合があります。出願に関わる数値は必ず志望校の募集要項と高校の先生にご確認ください。

ここでいちばん見てほしいのは「1科目上げると平均がどれだけ動くか」です。40科目あれば、1科目上げても0.025しか動きません。「高3で挽回する」がほぼ不可能なのは、この計算のせいです。評定平均は高1から効く数字——それがこの数字の正体です。

この記事の目次

評定平均(全体の学習成績の状況)とは何か

評定平均とは、高校で履修したすべての科目の5段階評定を、単純に平均した数値です。これは各高校の慣習ではありません。文部科学省が毎年出している「大学入学者選抜実施要項」の調査書記入上の注意事項に、計算式まで書かれている全国共通のルールです。

原文は「すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)を記入すること」。要項には計算例まで載っていて、評定の合計120 ÷ 評定数31 = 3.87 → 調査書には「3.9」と書く、と示されています(出典:令和9年度大学入学者選抜実施要項/令和8年5月27日付け8文科高第318号・2026年8月13日確認)。

要項に書かれている5点
  • 全科目が対象…体育・芸術・家庭・情報なども含みます。「主要5教科だけ」ではありません。要項の計算例でも、保健体育と家庭がそのまま平均に入っています
  • 単位数の重みづけはしない…週1コマの科目も週4コマの科目も、平均のうえでは同じ「1科目」です。要項の式は「評定の合計数 ÷ 評定数」で、単位数は一度も出てきません
  • 複数の学年で習う科目は、その学年ぶんだけ数える…要項の注に「保健体育のように、複数学年にわたって履修する科目については、各学年ごとの評定数をそれぞれ1科目分として取り扱い計算すること」とあります。要項の計算例では、保健体育だけで5科目分として数えられています
  • 対象は高1から。ただし「高3の1学期まで」は要項の規則ではない…要項が定めているのは「卒業見込みの者で、最終学年の成績が未決定である場合は、当該学年における直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績を、最終学年の成績として記入すること」。どこまで入るかは、高校が調査書を作る時点で何が確定しているかで決まります
  • いまの正式名称は「全体の学習成績の状況」…現行の要項に「評定平均」という語は一度も出てきません。呼び方が変わった理由には読む価値があるので、後で触れます

学習成績概評(A〜E)の区分

調査書には数値だけでなく、A〜Eの記号も記載されます。出願条件が「概評A以上」と書かれていることもあります。

概評全体の学習成績の状況塾長の見立て
A5.0 〜 4.3指定校推薦で選択肢がかなり広がる層
B4.2 〜 3.5多くの推薦の出願条件がこの帯にあります
C3.4 〜 2.7評定を条件にしない方式を軸に考える帯
D2.6 〜 1.9一般選抜・評定不問の総合型が中心になります
E1.8 以下まず単位の修得状況の確認を優先してください

数値の区分は要項に表として載っている全国共通のものです(同要項・調査書記入上の注意事項9)。DとEの境目は「2.6〜1.9」と「1.8以下」で、1.8はEに入ります。3列目だけは要項に無いもので、こちらの見立てです。

もうひとつ、あまり知られていないことがあります。調査書の同じ欄には「成績段階別人数」も書きます。要項の指示は「各段階に属する人数とその合計を、『A◯◯人、B◯◯人、C◯◯人、D◯◯人、E◯◯人、合計◯◯人』のように記入すること」。つまり大学には、あなたの数値と一緒に「同じ学年にAが何人いるか」も届きます。評定平均は絶対値であると同時に、校内での位置が見える数字でもあるということです。

だからこそ「3.5あれば推薦が取れる」という意味ではありません。出願できるだけで、指定校推薦は校内選考があります。同じ枠を狙う人が複数いれば、そこで比較されます。

国が「評定平均値」という呼び方をやめた理由

「全体の学習成績の状況」は、単なる言い換えではありません。文部科学省は名称を変える理由を文書で説明しています大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告/平成30年10月22日付け30文科高第370号・2026年8月13日確認)。

文部科学省の説明(原文)

「評定平均値」は、この教科・科目の「評定」を量的に単純平均したものであり、目標に準拠した評価とは性格が異なる。こうした値のみが重視されることは、調査書に個別に記載される各教科・科目の評価やその他の要素などのきめ細かな評価の軽視に繋がるとの指摘もある。この数値は、あくまでも高等学校の学習成績を全体的に把握する上での一つの目安という性格であることに留意する必要がある

そのうえで「高等学校での学習成績を全体的に把握する趣旨を明確にするため、『評定平均値』の呼称を『学習成績の状況』に改める」としています。名前が変わったのは、この数字だけを見る使い方を国が問題視したからです。

ただし、これは生徒にとって朗報ではありません。「平均だけを見るな」は、裏を返せば平均以外も見るということです。実際、同じ通知からもう一つ出てきたものがあります。次の見出しがそれです。

大学は「平均」以外の欄も出願条件にできる

出願条件を「全体の学習成績の状況3.8以上」だけだと思って読み終えると、足をすくわれることがあります。現行の要項の「第5 調査書」には、大学ができることが2つ明記されているからです。

要項が大学に認めていること(原文)
  • 調査書の「3.各教科の学習成績の状況」だけではなく、調査書の他の記載事項も有効に活用する
  • 大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる

実務で効くのは後者です。調査書には全体の平均だけでなく、教科ごとの「各教科の学習成績の状況」(国語◯、数学◯、理科◯…)が別の欄に並びます。大学はそこを名指しで条件にできる、と要項が認めているわけです。

だから募集要項を「3.8以上」で読み終えないでください。その先に「数学の評定4以上」「英語を含む」「◯◯を修得していること」といった条件が付いていることがあります。全体の平均で足りていても、指定された1教科で出願できない——要項が大学にそれを認めている以上、確かめるべきは出願資格の欄の、平均の後ろに続く一文です。

【塾長の現場から】評定平均が「高1から効く」理由

ツールを使うと分かりますが、科目数が多いほど、1科目上げたときの影響は小さくなります。これが評定平均の最大の特徴です。

時期対象科目数の目安1科目上げたときの平均の動き
高1の1学期約10科目+0.1
高2の終わり約30科目+0.033
高3の1学期約40科目+0.025

科目数は学校のカリキュラムで変わります。実物をひとつ挙げると、要項の計算例は3年間で31科目分(保健体育が5科目分、家庭が2科目分として数えられています)。31科目なら、1科目を1つ上げても+0.032です。上の表は目安として見てください。正確なのは、自分の通知表の科目を数えてページ上部のツールに入れることです。

高3になって「推薦を狙いたい」と相談に来る生徒に、この表を見せると全員が黙ります。3.2を3.5にするには、高3時点で12段階分の上積みが要る。つまり4の科目を12個、5にするということです。現実的ではありません。だから高1の1学期がいちばん価値が高い——ここを知っているかどうかだけの差です。

逆に言えば、高1・高2なら十分に動かせる

高1のうちは科目数が少ないので、1科目の改善が平均を大きく動かします。そしてもう一つ大事なのは、評定は「テストの点だけ」で決まらないということです。

評定を上げるために先に手をつけるところ
  • 提出物を期限内に、埋めて出す…「主体的に学習に取り組む態度」の観点に直結します
  • 実技・副教科を捨てない…全科目が平均に入るので、ここを落とすと確実に効きます
  • 4の科目を5に…3→4より4→5のほうが、必要な上積みが同じでも到達しやすい場合があります
  • 定期テストは範囲が狭い…受験勉強より短時間で点が動きます。高1・高2はここが効率的です

評定平均が足りないとき、どうするか

ツールで「全部5にしても届かない」と出た場合でも、進路がなくなるわけではありません。評定平均を使わない入試方式があります。

方式評定平均の扱い
指定校推薦出願条件かつ校内選考の主要材料。いちばん厳しい
学校推薦型(公募)出願条件になることが多い
総合型選抜評定を条件にしない大学も多い。活動実績・志望理由で評価
一般選抜原則、当日の学力試験のみ。評定は関係しません

評定が足りないと分かった時点で、切り替えが早いほど有利です。一般選抜に振るなら、その分の時間を全部学力に使えます。いちばんもったいないのは、届かない推薦を期待したまま、一般の勉強も中途半端になることです。

よくある質問

体育や芸術も評定平均に入りますか?

入ります。履修したすべての科目が対象で、要項の計算例にも保健体育と家庭がそのまま入っています。しかも保健体育のように複数の学年で習う科目は、学年ごとに1科目分として数えます(要項の注)。計算例では保健体育だけで5科目分です。だから「主要教科は良いのに評定平均が低い」という人は、たいてい副教科で落としています。科目数のうえでの重みが、想像より大きいからです。

どの学期まで評定平均に入りますか?

要項に「高3の1学期まで」という規定はありません。書かれているのは「卒業見込みの者で、最終学年の成績が未決定である場合は、当該学年における直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績を、最終学年の成績として記入すること」です。つまり、高校が調査書を作る時点で確定している成績から、高校が判定して記入します。結果として高3の1学期(前期)までになることが多いのは、推薦・総合型の出願が秋にあるからで、規則がそう決めているからではありません。自分の場合にどこまで入るかは、調査書を作る高校の進路指導の先生に確認してください。

評定平均は四捨五入されますか?「3.45」は3.5になりますか?

されます。要項に「小数点以下第2位を四捨五入」と明記されていて、これは全国共通です。したがって3.45は3.5になります。ツールでは厳密値も併記しているので、境界にいるかどうかはそちらで確認できます。気をつけるのは調査書の数値のほうではなく、大学側の条件の書き方です。「3.5以上」がどの数値までを含むかは募集要項の書き方によるので、境界線上にいる場合は志望校の要項と高校の先生に確認してください。

評定平均は高3の2学期以降でも上げられますか?

推薦の出願には基本的に間に合いません。調査書は出願の時点で作られ、その時点で確定している成績から高校が判定して記入するためです。この時点で足りていないなら、一般選抜または評定不問の総合型に切り替えるほうが合理的です。切り替えの判断が早いほど、学力対策に使える時間が増えます。

評定平均が条件を満たしていれば、指定校推薦は取れますか?

いいえ。条件を満たすのは「校内選考に応募できる」というだけです。同じ枠に複数の希望者がいれば、評定平均・欠席日数・活動・面談などで比較されます。「3.8以上」の枠に4.5の人が応募すれば、そちらが選ばれます。指定校を本気で狙うなら、条件ぎりぎりではなく余裕を持った数字が要ります。

この記事の情報について

この記事の制度部分は、文部科学省の一次資料で確認しています。令和9年度大学入学者選抜実施要項(令和8年5月27日付け8文科高第318号)の「第5 調査書」と「調査書記入上の注意事項等について」の8・9 ②大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告(平成30年10月22日付け30文科高第370号)。いずれも2026年8月13日に確認しました。最新版は文部科学省「入学者選抜実施要項」で公開されています。

一方で出願条件と選考の基準は大学ごとに異なり、年度によって変更されます。本記事とツールは仕組みの理解と試算のためのもので、出願可否や合否を保証するものではありません。出願に関わる数値は必ず高校の進路指導の先生と、志望校の最新の募集要項でご確認ください。

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一般選抜(国公立)向けには、共通テストから二次の必要点を逆算するツールもあります。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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