指定校推薦の評定平均はいくつ必要?基準の見方と足りないときの選び方

指定校推薦の評定平均はいくつ必要?基準の見方と出し方を国の要項で確認

「指定校推薦は評定平均がいくつあれば取れるのか」「4.0ないと無理なのか」。高1・高2の三者面談や、高3の夏に校内の募集が出た時期によく出てくる疑問です。

先に大事な事実を書きます。指定校推薦の評定平均の基準は、大学が指定した高校に知らせるもので、大学のサイトや募集要項には載っていません。

ネットで見かける「早慶は4.2以上」といった数字は、どれも公式の資料ではない目安です。

この記事では、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項と入学者選抜実施状況をもとに、評定平均がどう計算され、どう使われるのかを確かめます。

【結論】指定校推薦の評定平均
公募制の例の基準公開されている例の値3.5以上
評定の計算例120÷31を四捨五入した値3.9
  • 見られるのは調査書の評定平均(評定の合計÷評定の数)
  • 高1・高2は全科目、高3は出願時点の直近の成績が入る
  • 基準は大学から高校に届く。進路指導室で確認する
結論の元の文章を見る

指定校推薦で見られるのは、調査書の「全体の学習成績の状況」(評定平均)です。高1からの全科目の評定を合計して評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入します。高3は出願時点の直近の成績が入ります。

基準の数字は大学ごとに高校へ届くので、自分の高校の進路指導室で確認するのが唯一の正確な方法です。公開されている公募制の例では「3.5以上」が出てきます。

この記事の目次

指定校推薦とは:国の要項では「非公募型の学校推薦型選抜」

大学入試は、国の実施要項で「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3つに分かれています。指定校推薦はこのうち学校推薦型選抜の1つで、要項では非公募型と呼ばれます。

大学が高校を指定し、その高校の校長が推薦した生徒だけが出願できる方式です。

高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる。

文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』第3-1(3)①

合格したら入学を約束する入試

つまり指定校推薦は、合格したら入学すると約束して受ける入試です。

一方で要項は、学校推薦型選抜では調査書や推薦書だけで決めず、小論文・口頭試問・実技・共通テストなどの評価方法を少なくとも1つ使うよう求めています。

「評定平均さえあれば書類だけで決まる」わけではありません。

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区分誰が出願できるか評定平均の基準
指定校推薦(非公募型)大学が指定した高校の生徒大学から高校へ通知
公募推薦(公募制)条件を満たせば全国の高校から募集要項で公開
総合型選抜本人の意志で出願条件なしの大学もある
指定校推薦の特徴
  • 大学が高校を指定する
  • 合格したら入学を約束する
  • 基準は高校にだけ届く
  • 書類以外の評価も1つ以上

評定平均の出し方:全科目の評定の合計÷評定の数

評定5〜1の意味や、体育のように複数の学年で履修する科目の数え方まで含めた出し方の全体は、評定平均とは?で詳しく整理しています。ここでは、指定校推薦の基準と比べるときに要る点に絞ります。

答案を見る2人の生徒のイラスト

指定校推薦で使う評定平均は、大学に出す調査書の「全体の学習成績の状況」です。調査書記入上の注意事項は、出し方を次のように決めています。

すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)を記入すること。

文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』調査書記入上の注意事項等 8(4)

要項に載っている計算例では、評定の合計が120、評定の数が31なら、120÷31=3.87…で、四捨五入して3.9です。

単位数で重みをつける計算ではなく、評定1つを1として数える単純な平均です。体育のように高1〜高3で続けて履修する科目は、学年ごとに1つずつ数えます。

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評定の合計÷評定の数計算結果調査書の値
120÷313.870…3.9
108÷313.483…3.5
107÷313.451…3.5
106÷313.419…3.4

2行目以降は、評定の数を31に固定して当サイトで計算した例です。四捨五入なので、3.45以上なら調査書の値は3.5になります。

ただし、大学や高校が四捨五入前の値や別の条件で判断する場合もあるので、「ギリギリ」のときは進路の先生に計算のしかたを確認してください。

出し方の要点
  • 全科目の評定を合計
  • 評定の数で割る
  • 小数第2位を四捨五入
  • 単位数の重みはつけない

評定平均はいつの成績まで?高3は「直近の成績」が入る

学校推薦型選抜の願書は、要項で11月1日以降に受け付けると決まっています。この時点では高3の成績がまだ確定していません。そこで調査書記入上の注意事項は、次のように決めています。

卒業見込みの者で、最終学年の成績が未決定である場合は、当該学年における直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績を、最終学年の成績として記入すること。

文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』調査書記入上の注意事項等 7(4)

つまり評定平均には、高1・高2の全科目と、高3の出願時点までの成績が入ります。前期・後期の2学期制か3学期制かで「直近」がいつになるかは高校によって違います。

校内選考の時期と、そこで使う成績の範囲は、自分の高校の募集案内で確かめてください。

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学年評定平均に入るか動かせるか
高1全科目が入る確定済み
高2全科目が入る確定済み(高3の春以降)
高3出願時点の直近の成績1学期(前期)の定期テストで動く

高3になってからでも、直近の成績が入る分は動かせます。ただ、高1・高2の科目数が多いほど1科目で動く幅は小さくなるので、評定平均は高1の1学期から積み上がる数字だと考えてください。

いつの成績か
  • 高1・高2の全科目
  • 高3は直近の成績
  • 校内選考の時期は高校ごと
  • 高1の1学期から積み上がる

基準はどこで分かる?公開されているのは公募制の数字

数字が飛び出す本のイラスト

指定校推薦の基準は、大学から高校に届く推薦依頼に書かれていて、高校の進路指導室で校内募集として発表されます。同じ大学・学部でも、高校ごとに基準や枠の数が違うことがあります。

そのため、ネットの一覧の数字を自分の高校に当てはめることはできません。

公開されている公募制の条件

参考として、大学が公開している公募制の学校推薦型選抜の条件を見ると、評定平均の水準の感覚がつかめます。たとえば国際医療福祉大学の学校推薦型選抜[公募制]は、次のように公開しています。

高校での全体の学習成績の状況が3.5以上(一部の学科については3.0以上)の方が出願できます。

国際医療福祉大学「学校推薦型選抜[公募制]」

また要項は、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、一定水準以上の評定を出願の条件にできるとしています(第13の2(2))。

指定校推薦でも「全体の評定平均と、英語の評定平均の両方に下限がある」ように、全体と教科別の2つの条件がつくことがあります。校内募集の掲示を見るときは、全体の数字だけでなく教科の条件まで読んでください。

基準を確かめる手順
  • 進路指導室の校内募集を見る
  • 全体と教科別の両方を確認
  • 欠席日数などの条件も見る
  • ネットの一覧は当てにしない

評定平均とA〜Eの学習成績概評の対応

調査書には評定平均のほかに、学年全員の成績を5段階に分けた学習成績概評も載ります。要項の区分は次のとおりです。

学習成績概評全体の学習成績の状況
A5.0〜4.3
B4.2〜3.5
C3.4〜2.7
D2.6〜1.9
E1.8以下

公募制で多い「3.5以上」は、概評でいうとBの下限にあたります。4.3以上がAです。指定校推薦の基準も、この区分と同じ物差しで書かれた数字だと考えると、校内募集の掲示が読みやすくなります。

概評の見方
  • 4.3以上がA
  • 3.5〜4.2がB
  • 3.4以下はC以下
  • 調査書に人数分布も載る

推薦で入学する人はどれくらいいるか

文部科学省の令和7年度 国公私立大学入学者選抜実施状況の概要によると、学校推薦型選抜(指定校推薦と公募推薦の合計)で入学した人は次のとおりです。

指定校推薦だけの人数は、この資料には分かれて載っていません。

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大学の種類学校推薦型の入学者入学者全体に占める割合
国立12,706人12.7%
公立9,732人26.9%
私立198,977人38.8%
合計221,415人34.1%

私立大学では入学者のおよそ4割が学校推薦型選抜で入っています。同じ年の私立大学の総合型選抜は116,869人(22.8%)です。

推薦・総合型を合わせると、私立大学の入学者の半分以上が一般選抜以外の入試で入っている計算になります。

数字で分かること
  • 私立の約4割が学校推薦型
  • 国立は12.7%
  • 私立の総合型は22.8%
  • 指定校だけの人数は非公表

評定平均をあと0.1・0.5上げるには、評定をいくつ上げればよいか|評定の数31で計算した

評定平均は「評定の合計 ÷ 評定の数」の単純な平均です。文部科学省の令和9年度実施要項の計算例と同じ評定の数31で、調査書の値を上げるには評定の合計をいくつ増やせばよいかを計算しました。評定を1つ1段階上げる(3を4にするなど)と、合計は1増えます。

調査書の値は小数点以下第2位の四捨五入なので、3.5と書かれるには平均3.45以上、4.0には3.95以上、4.3には4.25以上が要ります。

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いまの評定の合計(調査書の値)3.5にするのに要る合計の増え方(計算)4.0まで(計算)4.3まで(計算)
99(3.2)+8+24+33
104(3.4)+3+19+28
108(3.5)達している+15+24
115(3.7)達している+8+17
120(3.9・要項の計算例)達している+3+12
評定の数31のとき、調査書の評定平均を4.0にするのに上げる必要がある評定の段階数のグラフ。いま3.5なら15、3.7なら8、3.9なら3(文部科学省の実施要項の計算方法で当サイトが計算)
計算
  • 3.5に必要な合計:3.45 × 31 = 106.95 → 107以上。4.0は 3.95 × 31 = 122.45 → 123以上。4.3は 4.25 × 31 = 131.75 → 132以上
  • いま3.5(合計108)から4.0へ:123 − 108 = 15。評定を15段階分上げる必要がある
  • いま3.9(合計120、要項の計算例)から4.0へ:123 − 120 = 3
  • 評定1つを1段階上げたときの評定平均の動き:1 ÷ 31 = 約0.032。10段階上げても 10 ÷ 31 = 約0.32

ここから分かるのは、0.1上げるのと0.5上げるのとでは、必要な量がまったく違うことです。評定の数31なら、0.1上げるのは 0.1 × 31 = 3.1 で評定3〜4段階分ですが、3.5から4.0へは15段階分が要ります。

高3の出願の時点で動かせる評定は限られる

記事の上で見たとおり、高3の成績は出願時点の「直近の成績」が入ります。高1・高2の評定はすでに決まっているので、出願前に動かせるのは高3の科目の評定だけです。たとえば高3の評定が10個あり、そのすべてを1段階ずつ上げたとしても、増えるのは合計で10、評定平均で約0.32です(評定の数31のとき)。

高3の評定がいくつ調査書に入るかは、学校の教育課程と科目の取り方で変わります。何個になるかは要項にも書かれていないので、自分の数は担任か進路の先生に確かめてください。

指定校推薦の評定を目標にしない方がよい場合
  • 基準まで、高3の評定の数より多い段階を上げる必要がある場合。全部を1段階ずつ上げても届かないので、公募推薦・総合型選抜・一般選抜を並べて考える
  • 第一志望が別にある場合。指定校推薦は合格したら入学を約束する入試で、実施要項は学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人を、授業料等の返還の原則から外している
  • 校内選考に評定以外の条件がある場合。評定だけを上げても選ばれるとは限らないので、校内募集の条件を先に進路指導室で確認する
  • 評定の数が31と大きく違う場合。上の表は評定の数31の計算で、評定の数が多いほど同じ上げ幅に必要な段階数は増える

出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(PDF・調査書記入上の注意事項等 8(4) の計算例)(2026年10月14日確認)

評定平均が足りない・ギリギリのときの選び方

校内募集の基準に届かない、または届いていても希望者が多いときは、次の順で考えます。

状況考えること
高3の出願前直近の成績が入るので定期テストで上げる
基準に0.1〜0.2足りない四捨五入の扱いと別の大学の枠を先生に聞く
希望者が多い校内選考の基準(評定以外)を確認
届かない公募推薦・総合型選抜・一般選抜を並べる

公募推薦は条件が公開されているので、自分で出願できるか判断できます。総合型選抜は、評定平均の条件をつけない大学もあります。総合型と学校推薦型の違いと準備の時期は、次の記事で整理しています。

指定校推薦は「合格したら入学を約束する」入試です。

要項は、専願や学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人を、3月31日までに辞退したときの授業料等の返還の原則から外しています。本当に行きたい大学かどうかを決めてから校内選考に出てください。

ひとりで進めるのが難しいとき:公式に単価を出している東進

ここは、評定が基準に届かず公募推薦・総合型選抜・一般選抜を並べる人が、一般選抜に向けた教科の授業を足すときの目安です。講座数ごとの東進の総額は、東進の料金は総額いくら?で計算しています。

黒板の前で授業をする講師のイラスト

独学に授業を足したいなら、大学受験で公式が単価を公表している【東進ハイスクール・東進衛星予備校】があります。入学金33,000円+受講料85,800円/講座(2026年度)の積み上げ式で、高3で4講座なら担任指導費・模試費を含めて年482,900円(計算)が目安。

資料請求・個別相談・1日体験は、公式サイトに申し込みの入口があります。

選ぶときの1点

講座を取りすぎると総額が大きくなります。足りない科目だけ取る前提で見積もってください。

よくある質問

指定校推薦の評定平均の基準はどこで分かりますか?

大学から高校に届く推薦依頼に書かれていて、高校の進路指導室の校内募集で発表されます。大学のサイトや募集要項には載っていないので、自分の高校で確認してください。

評定平均は高3のいつの成績まで入りますか?

高1・高2の全科目と、高3の出願時点までの直近の成績です。文部科学省の実施要項は、最終学年の成績が決まっていないときは直近の成績を総合して高校が判定すると決めています。

評定平均3.45は3.5になりますか?

調査書の全体の学習成績の状況は小数点以下第2位を四捨五入するので、3.45は3.5と書かれます。ただし高校や大学が四捨五入前の値で判断する場合もあるので、進路の先生に確認してください。

指定校推薦は評定平均だけで決まりますか?

決まりません。実施要項は、学校推薦型選抜で調査書や推薦書だけでなく、小論文や口頭試問などの評価方法を少なくとも1つ使うよう求めています。校内選考でも評定以外の条件が見られることがあります。

指定校推薦で合格したら辞退できますか?

指定校推薦は合格したら入学すると約束して受ける入試です。実施要項は、学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人を、授業料等の返還の原則の対象から外しています。

国立大学の公募推薦の実例として、筑波大学の推薦入試の募集人員・学類別の倍率・出願条件を、2027年度の学生募集要項と2026年度の入試実施結果でまとめました。

この記事の更新・訂正

  • 東進の「無料」の表記を削除(公式サイトに「無料」の記載を確認できなかったため)
  • 東進の受講料を2026年度の公式の額(85,800円/講座)に訂正

全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。

この記事で確認した資料

・文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(学校推薦型選抜・非公募型・調査書記入上の注意事項・学習成績概評・入学辞退者の授業料等)
・文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(学校推薦型選抜・総合型選抜の入学者数と割合)
・国際医療福祉大学「学校推薦型選抜[公募制]」(公募制の出願条件)
いずれも2026年9月30日に確認しました。

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この記事を書いた人

兵庫県の学習塾で塾長を経験。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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