推薦入試とは、いま在籍している学校の校長から推薦を受けて出願する入試です。学力検査(筆記試験)の点数だけで決める一般の入試とちがい、調査書(内申書)や面接など、ふだんの学校生活の記録と本人の話を中心に合否を決めます。
ただ、「推薦入試」という言葉は、大学入試と高校入試のどちらにも使われ、しくみがかなり違います。この記事では、大学は文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項、高校は東京都教育委員会の令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱(2026年9月17日公表)の原文だけを使って、両方を比べます。
大学の推薦入試は、いまの正式名を学校推薦型選抜といい、出身高校の校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料として選ぶ入試です。願書受付は11月1日以降、合格発表は12月1日以降と国の要項で決まっています。都立高校の推薦入試は推薦に基づく選抜といい、令和9年度は願書受付が1月8日〜18日、検査が1月26日・27日、合格発表が2月2日です。どちらも自分の意志だけでは出願できず、面接があり、落ちることもあります。

「推薦をもらえたら合格」と思われがちですが、推薦はあくまで出願するための条件です。大学も高校も、推薦をもらったあとに面接や小論文・作文の検査があります。
推薦入試とは|大学と高校でしくみが違う
まずは大学(国の要項)と都立高校(都の要綱)の推薦入試を、同じ項目で並べます。
| 項目 | 大学(学校推薦型選抜) | 都立高校(推薦に基づく選抜) |
|---|---|---|
| 推薦する人 | 出身高校の校長 | 在学している中学校の校長 |
| 主な資料 | 調査書 | 調査書・個人面接・小論文又は作文等 |
| 面接 | 必ず行う(例外あり) | 志願者全員に個人面接 |
| 出願の時期 | 11月1日以降 | 令和9年1月8日〜18日 |
| 合格発表 | 12月1日以降 | 令和9年2月2日 |
大学の要項には、学校推薦型選抜は「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」、高校の校長が「特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等」をもつかを判断するもの、と書かれています。都立高校も、応募資格として「在学している中学校の校長の推薦を受けた者」が求められます。「推薦」は学校が本人を送り出す約束という点は、大学と高校で共通です。
- 在籍校の校長の推薦がないと出願できない
- 調査書(内申書)が主な資料になる
- 面接が必ずある
- 推薦をもらっても不合格はある
大学の推薦入試(学校推薦型選抜)の決まり|文科省の実施要項

大学の推薦入試は、文部科学省が毎年出す実施要項でルールが決まっています。令和9年度(2027年春入学)の要項では、学校推薦型選抜を次のように定めています。
一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ、以下の点に留意して評価・判定する入試方法。
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第3-1(3)
要項が大学に求めていることを、表にまとめました。
| 要項の決まり | 中身 |
|---|---|
| 推薦要件 | 大学は推薦要件を可能な限り具体的に決め、募集要項で示す |
| 面接 | 志望する学問分野への意欲や適性などの面接を必ず行う |
| 学力の確認 | 調査書・推薦書だけでなく、個別テスト・共通テスト・小論文等・資格検定のうち1つ以上を必ず使う |
| 募集人員 | 学部等の募集単位ごとに、入学定員の5割を超えない範囲 |
| 日程 | 願書受付は令和8年11月1日以降、発表は令和8年12月1日以降 |
面接については例外が1つあります。高校と大学が緊密に連携した非公募型で、合格したら入学すると本人が確約して受ける推薦(いわゆる指定校推薦)は、大学の実情に応じて面接の要否を決められる、とされています。また、面接は「ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等」やオンラインでの実施も含みます。
- 面接は原則必須(指定校で確約型は例外あり)
- 学力を測る方法を1つ以上使う
- 推薦の枠は入学定員の5割まで
- 出願は11月、発表は12月から
同じ「年内入試」の総合型選抜とは、推薦が要るかどうかが大きな違いです。総合型選抜は本人の意志で出願できる公募制で、面接と本人が書く資料が必須です。

指定校推薦と公募推薦の違い
大学の学校推薦型選抜は、どの高校から出願できるかで大きく2つに分かれます。要項の言葉では、大学が高校との連携で行う非公募型と、条件を満たせばどの高校からも出願できる公募型です。
| 指定校推薦(非公募型) | 公募推薦(公募型) | |
|---|---|---|
| 出願できる高校 | 大学が指定した高校だけ | 大学の出す条件を満たせばどの高校からも |
| 校内の選考 | 高校の枠を校内で決める | 条件を満たせば校長に推薦を頼める |
| 面接 | 確約型なら大学が要否を判断 | 必ず行う |
| 合格後 | 入学の確約が前提 | 大学ごとの募集要項による |
指定校推薦の枠や評定の基準は大学が高校に示すもので、公開されていないことが多いため、自分の高校にどの大学の枠があるかは、進路指導の先生に聞くのが確実です。
推薦入試で見られる評定|学習成績の状況とA〜Eの概評

大学の推薦入試で「評定平均」と呼ばれるものは、要項の調査書では「全体の学習成績の状況」と書かれています。全教科・全科目の評定を平均した値(小数点以下第2位を四捨五入)です。調査書には、同じ学年の全員を5段階に分けた学習成績概評も書かれます。
| 全体の学習成績の状況 | 学習成績概評 |
|---|---|
| 5.0〜4.3 | A |
| 4.2〜3.5 | B |
| 3.4〜2.7 | C |
| 2.6〜1.9 | D |
| 1.8以下 | E |
公募推薦の出願条件に「学習成績の状況3.5以上」「概評B以上」のように書かれているのは、この表の値です。一方で要項は、大学に対して調査書の「各教科の学習成績の状況」だけではなく、ほかの記載事項も有効に活用するよう求めています。部活動や探究の記録、出欠の記録も調査書に入ります。自分の評定平均は、次の計算ツールで出せます。

- 出願条件の「学習成績の状況」の数値
- 全体の平均か、特定教科の平均か
- 何年生の何学期までの評定か
- 概評(A〜E)の条件があるか
高校の推薦入試とは|都立高校の推薦に基づく選抜(令和9年度)
高校入試の推薦は、都道府県ごとにしくみが違います。ここでは東京都立高校を例に、令和9年度の実施要綱で確かめます。都立高校の推薦には一般推薦・文化・スポーツ等特別推薦・理数等特別推薦の3種類があります。
| 日程(令和9年) | 推薦に基づく選抜 |
|---|---|
| 入学願書の受付 | 1月8日〜18日 |
| 検査 | 1月26日・27日 |
| 合格発表 | 2月2日 |
| (参考)学力検査の第一次募集 | 検査2月21日・発表3月1日 |
一般推薦の検査は、志願者全員に個人面接を行い、集団討論は必要と判断した学校だけが行います。さらに、小論文又は作文・実技検査・学校が設定する検査のうち、1つ以上を各校が決めて行います。選考は、調査書と面接、小論文又は作文等を合わせた総合成績で行われます。
| 都立の一般推薦の決まり | 中身(実施要綱) |
|---|---|
| 出願 | 1校1コース又は1科に限る。志願変更はできない |
| 調査書点 | 観点別学習状況の評価(全27観点)か評定(9教科)のどちらかを点数化 |
| 自己PRカード | 点数化しない。個人面接の資料として使う |
| 入学考査料 | 全日制2,200円 |
面接で何を聞かれるかは、高校受験の面接の記事で、質問例と答え方をまとめています。

- 一般推薦は全員に個人面接
- 集団討論は学校によって行う
- 小論文又は作文等を1つ以上
- 出願できるのは1校だけ
推薦入試で落ちることはある?

あります。推薦は出願するための条件で、合否は面接や小論文などの結果を合わせて決まるからです。大学の要項は学校推薦型選抜でも面接と学力を測る方法を必ず使うよう求めており、都立高校の推薦も総合成績の順に選考します。
| よくある心配 | 要項・要綱に書かれていること |
|---|---|
| 大学の推薦で落ちたら | 一般選抜は2月1日以降。推薦の発表は一般選抜の試験期日の10日前まで |
| 都立の推薦で落ちたら | 学力検査の第一次募集(願書受付1月29日〜2月4日)に出願できる |
| 大学の推薦で受かったら辞退できる? | 学校推薦型選抜で合格して在学契約を結んだ人は、授業料等の返還の原則の対象外 |
都立高校の実施要綱には「推薦に基づく選抜を不合格となり、同一校を他の選抜で合格した者」という書き方があり、推薦で不合格でも一般の入試で同じ高校を受け直せることが前提になっています。推薦の準備と並行して、学力検査の勉強も止めないのが基本です。

推薦で合格すると、大学は12月、都立高校は2月に進路が決まります。そのぶん、落ちたときに一般入試まで時間が短いことも覚えておきましょう。
推薦入試に向く人と、いつから準備するか
| 向く人 | 準備しておくこと |
|---|---|
| 定期テストで評定を安定して取れる | 1年生からの評定(大学の学習成績概評は3か年の成績で決まる) |
| 志望する理由を自分の言葉で話せる | 志望理由書・自己PRカードの下書き |
| 欠席や遅刻が少ない | 出欠の記録(病気などやむを得ない欠席は配慮の規定あり) |
| 行きたい学校がはっきりしている | 大学・高校の募集要項と推薦要件の確認 |
大学の要項には、本人に責任のない病気や事故などでのやむを得ない欠席について、申し出や調査書の記載で分かった場合は不利益を受けないよう配慮する、という決まりもあります。志望理由書の書き方は別の記事にまとめています。

- 「私の評定で出願できる指定校推薦の枠はありますか」
- 「推薦の校内選考はいつ、何で決まりますか」
- 「面接の練習をお願いできますか」
- 「推薦で落ちた場合の一般入試の準備はどうしますか」
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よくある質問
- 推薦入試とは何ですか?
-
在籍している学校の校長の推薦を受けて出願する入試です。大学では学校推薦型選抜、都立高校では推薦に基づく選抜といい、調査書(内申書)と面接などで合否を決めます。
- 推薦入試では何をしますか?
-
大学は面接に加えて、個別テスト・共通テスト・小論文等・資格検定のうち1つ以上が行われます。都立高校の一般推薦は、全員に個人面接、学校によって集団討論、さらに小論文又は作文等のうち1つ以上です。
- 中学生の推薦入試とは?
-
高校入試の推薦で、中学校の校長の推薦を受けて出願します。都立高校の令和9年度は、願書受付1月8日〜18日、検査1月26日・27日、合格発表2月2日です。出願できるのは1校だけです。
- 学校推薦で落ちることはありますか?
-
あります。推薦は出願の条件で、面接や小論文などを合わせた結果で合否が決まります。都立高校は、推薦で不合格でも学力検査の第一次募集に出願できます。
- 指定校推薦と公募推薦の違いは?
-
指定校推薦は大学が指定した高校からだけ出願できる非公募型で、合格したら入学する確約が前提です。公募推薦は大学の条件を満たせばどの高校からも出願でき、面接が必ず行われます。
この記事で確認した資料
・文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(学校推薦型選抜の定義・面接・募集人員・日程・調査書の学習成績概評)
・文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A」
・文部科学省「大学入学者選抜実施要項」一覧
・東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について」(主な日程)
・東京都立高等学校入学者選抜実施要綱(令和9年度)(推薦の種類・検査内容・選考・入学考査料)
いずれも2026年9月28日に確認しました。


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