高校受験の面接では、ほぼどの高校でも「志望理由」「中学校で力を注いだこと」「高校で取り組みたいこと」の3つを軸に質問されます。
これは塾の経験則ではなく、教育委員会が公表している面接の評価の観点から読み取れることです。
この記事では、埼玉県教育委員会の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接に係る資料」、令和9年度 東京都立高等学校入学者選抜実施要綱、令和9年度 千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項を読んで、面接で何を聞かれ、何を見られるのかを整理します。
質問例は、これらの資料にある観点をもとに当サイトがまとめたものです。
結論:聞かれることは「これまで・これから・この学校」の3つ
| 聞かれる軸 | 代表的な質問 | 公式資料での根拠 |
|---|---|---|
| これまで | 中学校で力を注いだことは? | 埼玉:これまでの体験・努力したこと |
| これから | 高校で取り組みたいことは? | 埼玉:高校入学後や将来取り組みたいこと |
| この学校 | なぜこの高校を選んだのか? | 埼玉:学校独自項目・都立:自己PRカード |
埼玉県の資料は、面接で見るのは「これまでの活動や取組の実績そのものではなく、実績に至るまでの過程(プロセス)や意欲、身に付いた力」だと書いています。
つまり、部活の大会成績や資格の級そのものより、なぜ取り組み、何を学んだかを話せるかが問われます。
- 中学校で力を注いだこと1つ
- 高校で取り組みたいこと1つ
- その高校を選んだ理由
- それぞれに具体的な場面を1つ

面接の質問は学校ごとに違いますが、軸は同じです。20個の答えを丸暗記するより、3つの軸について「具体的な場面」を1つずつ話せるようにしておくほうが、想定外の質問にも答えられます。
高校受験の面接でよく聞かれる質問20

公式資料の評価の観点と、埼玉県が示した「My Voice」の問いかけ(どんなことに取り組んできたか、心が動いた瞬間は何か、どんな高校生活を送りたいか等)をもとに、聞かれやすい質問を4つに分けました。
| 分類 | 質問例 |
|---|---|
| 志望理由(5問) | この高校を選んだ理由/学校説明会で印象に残ったこと/この学科を選んだ理由/通学の方法と時間/併願校はどこか |
| 中学校生活(6問) | 力を注いだこと/部活動で学んだこと/委員会・生徒会の経験/苦労したことと乗り越え方/得意・不得意な教科/欠席が多い理由(ある場合) |
| 自分について(4問) | 長所と短所/最近気になったニュース/休日の過ごし方/友人からどう見られているか |
| 高校生活と将来(5問) | 高校で頑張りたいこと/入りたい部活動/将来の夢や進路/そのために高校で学びたいこと/最後に言いたいこと |
「併願校はどこか」は私立高校の面接で聞かれることがあります。併願優遇などの条件で受ける場合は、正直に答えてかまいません。併願優遇の仕組みは次の記事で確認できます。

- 全文を暗記しない
- 要点を3つのメモにする
- 具体的な場面を入れる
- 声に出して1回話す
答え方の型:結論→具体的な場面→学んだこと→高校でどう生かすか
埼玉県の資料は、面接で「話の上手さや正確さを評価するものではない」と書き、「一言一句、暗記する必要もありません」と案内しています。
そのうえで、どの質問にも使える答え方の型を1つ持っておくと、緊張しても話が崩れません。
| 順番 | 話すこと | 例(部活動の質問) |
|---|---|---|
| 1 結論 | 一言で答える | バスケットボール部で3年間続けました |
| 2 場面 | 具体的な出来事を1つ | 2年の夏、試合に出られない時期がありました |
| 3 学んだこと | そこで考えたこと | 自分の役割を探し、声出しと記録係を続けました |
| 4 高校で | これからにつなげる | 高校でも役割を見つけて続けたいです |
例文は型の見本です。大会の成績や役職が無くても、「なぜ続けたか」「何が変わったか」を話せれば、評価の観点に沿った答えになります。
埼玉県の資料でも「成功した体験や実績がなくてもよい」「つらい体験なども話してもよい」と書かれています。
- 結論を最初に言う
- 場面は1つに絞る
- 学んだことを自分の言葉で
- 高校での行動につなげる
面接では何を見られる?公式の「評価の観点」

埼玉県の資料では、面接の評価は観点ごとに「3〜5」の3段階を基本とし、面接委員は教諭等2名以上を1組として評価します。評価の観点は次の2つと、各高校が定める学校独自項目です。
| 評価の観点 | 公式資料の説明(要約) |
|---|---|
| 主体的・協働的な学びの力 | これまでの活動を振り返り、主体的・協働的に学び続ける意欲を持っているか |
| 自らの人生や社会の未来を切り拓く力 | 自分のよさや可能性を認識し、他者を尊重しながら未来を切り拓こうとしているか |
| 学校独自項目 | 各高校が学科等の特色に応じて定め、評価規準も各高校が定める |
面接の得点は、埼玉県の入学者選抜要領で30点満点を基本点とし、共通選抜では各高校が1倍(30点満点)か2倍(60点満点)を選ぶと定められています。
東京都の都立高校の推薦では、個人面接の結果を各都立高校が基準を定めて点数化します。
これまでの活動や取組の実績そのものではなく、実績に至るまでの過程(プロセス)や意欲、身に付いた力、学びに向かう力などを、多面的に評価する。
埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接に係る資料」
- 実績より過程を見る
- 話の上手さは評価しない
- 学校独自項目は事前に確認
- 面接委員は2名以上
埼玉県は令和9年度入試から全員面接:My Voiceと質問・応答
埼玉県は、令和9年度(2027年)の公立高校入試から全ての受検生に面接を行います(埼玉県教育委員会「面接について」)。これまで面接は一部の高校・学科だけでした。当日の流れは次のとおりです。
| 段階 | 内容 | 時間の目安(1人当たり) |
|---|---|---|
| My Voice | これまでの経験や将来取り組みたいことを自分の言葉で話す | 1分30秒〜2分程度 |
| 質問・応答 | 自己評価資料やMy Voiceの内容をもとに面接委員が質問 | 3分30秒〜6分程度 |
| 形式 | 個人面接か集団面接(高校が決める) | − |
出願時には「自己評価資料」を提出します。これは面接の補助的な資料で、得点化はされません。メモや箇条書きでもよく、文章や文字の上手下手も評価の対象外です。
日程は、出願が令和9年1月26日〜2月9日、学力検査が2月25日、面接が2月26日と示されています。
My Voiceで話す内容は、自己評価資料と同じでなくてもかまいません。My Voiceで触れなかった自己評価資料の内容について、質問・応答の時間に聞かれることもあります。
- My Voiceは2分以内に
- 自己評価資料はメモでも可
- 書いた内容は聞かれる前提で
- 学校独自項目を確認
都立高校・千葉県の面接:推薦は全員が個人面接

東京都の令和9年度 都立高校入学者選抜実施要綱では、一般推薦の志願者全員に個人面接を行い、集団討論は必要と判断した都立高校が行います。推薦の検査日は令和9年1月26日・27日です。
| 都県 | 面接のある選抜 | 面接の資料 |
|---|---|---|
| 東京都(都立) | 一般推薦は全員が個人面接・一般選抜は面接実施校のみ | 自己PRカード(点数化しない) |
| 埼玉県 | 令和9年度から全ての受検生 | 自己評価資料(得点化しない) |
| 千葉県 | 学校設定検査で面接を選んだ高校 | 高校が定める |
都立高校では、自己PRカードは点数化されず、面接資料として使われます。つまり、カードに書いたことは面接で聞かれると考えて準備します。
千葉県の令和9年度 実施要項では、各高校が面接・集団討論・自己表現・作文などから1つ以上の学校設定検査を行い、配点は10点以上100点以下の範囲で高校が定めます。
- 都立推薦は全員が個人面接
- 自己PRカードの内容を覚えておく
- 千葉は志望校の学校設定検査
- 集団討論の有無も確認

面接でやってはいけないこと:教育委員会の資料で確かめた8つ
「面接でやってはいけないこと」を、塾の経験則ではなく、教育委員会が公表している資料に書かれていることだけで整理しました。
使ったのは、埼玉県の面接実施要領・受検生心得・面接に係る資料・面接についてのリーフレット、東京都の都立高校入学者選抜実施要綱、千葉県の入学者選抜実施要項です(いずれも令和9年度入試・2026年10月13日に確認)。
| やってはいけないこと | 公式資料に書かれていること | 都県 |
|---|---|---|
| 自己PRカード・自己評価資料と違う話をする、書いた内容を忘れる | 自己PRカードは点数化しないが、面接資料として活用する/「自己評価資料」に書かれたことは質問される場合がある | 東京・埼玉 |
| 大会の成績や役職を並べるだけで終わる | 役職や大会等の実績、資格等を評価するのではなく、取組の過程や意欲等について評価する | 埼玉 |
| 暗記した文章を読み上げるように話す | 一言一句、暗記する必要はない/話の上手さや正確さを評価するものではない | 埼玉 |
| 書き直した自己評価資料を面接に持ち込む | 持ち込む場合は、出願時に提出したものと同一のものとする | 埼玉 |
| 書類に事実と違うことを書く | 調査書や必要書類の重要事項の誤記・不備その他事実に反する記載により入学したと認められる者は、入学を取り消す | 東京 |
| 検査時間中にスマホなどを見る・使う、監督の指示に従わない | 不正行為とみなす(東京)/スマートフォン等は検査室に持ち込まない、不正行為をした者は入学許可候補者としない(千葉) | 東京・千葉 |
| 英文字や地図がプリントされた服で行く | 制服・私服のどちらも可能だが、英文字や地図等がプリントされている服等は着用しない | 千葉 |
| 面接を受けない(欠席する) | 面接を含む1教科でも受検しなかった者は受検を放棄したものとみなす(正当な事由がある場合を除く) | 東京 |
8つのうち、面接の評価にかかわるのは上の3つです。
とくに1つ目は、東京都の実施要綱が「自己PRカードを面接資料として活用する」と書き、埼玉県の一般募集入学者選抜要領も自己評価資料を「面接の際に参考とする」としています。
出願前に書いた自己PRカードや自己評価資料は、コピーを取って面接の前日に読み返しておきましょう。残りの5つは、評価ではなく書類や受検のルールにかかわる行為です。
スマホの使用は東京都・千葉県とも不正行為として扱われ、千葉県では不正行為をした者は入学許可候補者になりません。
「NG」と言われるのに否定されていること
一方で、よく「NG」と言われるのに公式資料では否定されていることもあります。
埼玉県の面接についてのリーフレットは「言葉に詰まっても大丈夫です」と書き、自己評価資料の「文章の上手い下手や多い少ない、文字の上手い下手は、評価の対象となりません」としています。
面接に係る資料も「無理に整った志望理由を用意しなくてよい」としています。緊張して詰まることは、やってはいけないことではありません。
また、埼玉県の面接実施要領は、面接で質問しない事項として、志願者の障害・容姿等、志願者と保護者の本籍・家族の社会的地位等、保護者の職業・学歴・収入等を挙げています。
家庭のことを話す準備をしておく必要はありません。
なお、お辞儀の角度やノックの回数、目線の向きなど、細かな作法の正誤は、今回読んだ埼玉県・東京都・千葉県の資料には書かれていませんでした(公式に記載なし)。
千葉県は「携帯品、その他留意事項については、学校設定検査の内容により、各高等学校において別に定めた指示に従うこと」としているので、作法や持ち物は志望校の案内を優先してください。
- 提出した書類と違う話をしない
- 実績より「なぜ・どうやって」を話す
- 検査中はスマホを見ない
- 詰まるのはNGではない

当日のマナーと、答えに詰まったときの対応
入室から退室までの基本の流れは、ノック→「失礼します」→着席の指示を待つ→受験番号と名前→質問→「ありがとうございました」→退室です。服装は中学校の制服が基本です。
| 場面 | 対応 |
|---|---|
| 質問が聞き取れない | 「もう一度お願いします」と聞き直す |
| 答えが浮かばない | 「少し考えてもよろしいですか」と言ってから答える |
| 言い間違えた | 「言い直します」と言って答え直す |
| 知らないことを聞かれた | 分からないと正直に言い、関心を伝える |
埼玉県の資料は「人前で話すことが苦手でも大丈夫。言葉に詰まってもよい」と書いています。選択性緘黙などで話すのが難しい場合は、事前に中学校を通して高校に相談するよう案内されています。
- もう一度お願いします
- 少し考えてもよろしいですか
- 言い直します
- 分かりません、でも調べたいです
志望理由と自己PRの準備に使える記事
志望理由を文章にまとめておくと、面接で話す内容の基礎になります。書き方は次の記事で、構成と書き出しの例を紹介しています。


よくある質問
- 高校受験の面接では何を聞かれますか?
-
志望理由、中学校で力を注いだこと、高校で取り組みたいことの3つが軸です。埼玉県の資料では、これまでの体験や努力したこと、高校入学後や将来取り組みたいことを自分の言葉で表現する面接だと説明されています。
- 面接の答えは暗記したほうがいいですか?
-
全文の暗記はすすめません。埼玉県の資料は「一言一句、暗記する必要もありません」と案内し、話の上手さや正確さは評価しないと書いています。要点をメモにして、声に出して話す練習をしておきましょう。
- 埼玉県の公立高校はみんな面接がありますか?
-
あります。令和9年度の入試から全ての受検生に面接を行います。最初に1分30秒〜2分程度のMy Voice、その後に3分30秒〜6分程度の質問・応答があります(1人当たりの目安)。
- 都立高校の推薦入試に面接はありますか?
-
あります。一般推薦の志願者全員に個人面接を行います。集団討論は必要と判断した都立高校だけが行います。自己PRカードは点数化されず、面接資料として使われます。
- 実績や役職がなくても大丈夫ですか?
-
大丈夫です。埼玉県の資料は、評価するのは実績そのものではなく、そこに至るまでの過程や意欲、身に付いた力だとしています。成功した体験や実績がなくてもよいと書かれています。


この記事の更新・訂正
- 併願優遇の校数を令和8年度の「179校のうち142校」のまま書いていました。令和9年度の実施要項を数えた併願優遇の記事と同じ「181校のうち140校」に直し、記事カードの見出しも合わせました
全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。
この記事で確認した資料
・埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接に係る資料」(全員面接の理由・My Voice・評価の観点・当日の流れ・日程)
・埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接について」
・埼玉県「令和9年度 一般募集入学者選抜要領」(面接の得点)
・東京都教育委員会「令和9年度 東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」(推薦の個人面接・自己PRカード・日程)
・千葉県「令和9年度 千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項」(学校設定検査)
いずれも2026年9月30日に確認しました。
・埼玉県「3 面接実施要領」(令和9年度 実施要項)(評価の観点・質問しない事項)
・埼玉県「受検生心得」(自己評価資料の持ち込み)
・埼玉県「面接について」(リーフレット)(言葉に詰まっても大丈夫・文字の上手い下手は評価の対象外)
「面接でやってはいけないこと」の節で使った資料は、2026年10月13日に確認しました(東京都・千葉県の資料は上と同じものです)。


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