模試のE判定は、それ単体ではほとんど情報がありません。判定より先に見るべき3つの数字と、時期別の判断基準、志望校を変えるべきタイミングを塾長が整理します。
模試でE判定でした…。もう志望校を変えた方がいいんでしょうか。
結論から言うと、時期によって答えが正反対です。夏のE判定と12月のE判定はまったく意味が違います。判断の基準をはっきりお伝えします。
【結論】判定は時期で読み方を変える
- 高3の春〜夏のE判定…気にしなくてよい。この時期の判定は「現時点のスナップショット」でしかありません
- 秋(10〜11月)のE判定…戦略の見直しが必要。ただし志望校変更はまだ早い
- 12月〜直前期のE判定…併願校の組み方を含めて現実的な判断を。ただし共通テスト後の逆転は毎年あります
- どの時期でも共通…判定より「点数と、その内訳」を見るべき。判定は結果であって原因ではありません
この記事の目次
そもそも判定はどう決まるのか
模試の判定は、「同じ判定だった過去の受験生が、実際にどれくらい合格したか」という統計から出されています。
| 判定 | 合格可能性の目安 | 実際の意味 |
|---|
| A | 80%以上 | この点数帯の人は10人中8人以上受かった |
| B | 65%程度 | 過半数が受かる |
| C | 50%程度 | 半々。ここが実質的なボーダー |
| D | 35%程度 | 3人に1人は受かっている |
| E | 20%以下 | 0ではない。ただし20%は上限で、多くはもっと低い |
※判定の区分は河合塾 Kei-Net「合格可能性評価」の基準(A:80%以上/B:65%/C:50%/D:35%/E:20%以下)によります。E判定の「20%以下」は上限で、実際の合格可能性はもっと低い場合が多い点に注意してください。それでも0ではないので、判定は不合格の宣告ではありません。
この判定を学校の先生に見せても、同じようには答えてくれません。1993年の文部省通知以降、中学校は模試の合否判定データを持たない仕組みになっているためです。三者面談が噛み合わない原因はここにあります。
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E判定を「絶対に無理」と読む生徒が多いのですが、合格者は0ではありません。ただし統計的には5人に1人が受かっているのがE判定です。問題は「自分がその1人になれるか」で、それは判定ではなく残り期間の過ごし方で決まります。
判定より先に見るべき3つの数字
塾の面談では、判定のアルファベットはほとんど見ません。見るのは次の3つです。
①ボーダーとの点差
同じE判定でも「あと20点」と「あと120点」では話が全く違います。成績表に載っているボーダー得点と自分の得点の差を必ず確認してください。20〜40点差なら、1科目の伸びで届く範囲です。
②科目別のバランス
総合点が同じでも、1科目だけ極端に低い場合は伸びしろが大きいです。全科目が平均的に低い場合より、対策が明確になります。「数学だけ30点」なら、そこを50点にするだけで判定が2段階変わることもあります。
③前回からの推移
E判定でも、点数が上がり続けているなら問題ありません。逆にA判定でも下降トレンドなら要注意です。判定は点、推移は線。線で見てください。
成績表でチェックする順番
- 1. 志望校のボーダー得点 − 自分の得点 = 必要な点数
- 2. 科目別の偏差値で、最も低い科目を特定
- 3. その科目の設問別正答率で、どの分野が取れていないかを特定
- 4. そこから「あと◯点をどこで取るか」の計画を立てる
志望校を変えるべきタイミング
感情ではなく基準で判断するために、塾で使っている目安を示します。
| 時期 | E判定でも継続してよい条件 | 変更を検討する条件 |
|---|
| 〜夏 | ほぼ全ケース継続 | —(この時期の変更は早すぎる) |
| 9〜11月 | ボーダーとの差が50点以内/点数が上昇傾向 | 120点以上足りず、伸びも止まっている |
| 12月 | 共通テスト後の二次比重が高い/得意科目で挽回可能 | 共通テストの結果次第で最終判断 |
| 1月以降 | — | 併願校の組み方で調整するのが基本。第一志望は最後まで |
※第一志望を下げるより、受かる併願校を確保して第一志望に挑む方が、後悔が残りにくい選択です。
毎年見ていて思うのは、「11月に志望校を下げた子より、最後まで挑んだ子の方が、結果的に良い進路に行く」ことが多いということです。下げると勉強の強度も下がってしまうためです。ただし併願は現実的に組んでください。
判定が悪いときにやるべきこと
今日からできる立て直し
- ①解き直しを最優先…模試は解いて終わりでは意味がありません。間違えた問題を「なぜ間違えたか」の分類(知識不足/使えなかった/計算ミス)とセットで直す
- ②1科目に絞って集中投下…全科目を均等に上げようとすると全部が中途半端に。最も伸びしろのある科目に2ヶ月集中する方が総合点が動きます
- ③計画を週単位で組み直す…判定が悪いのは多くの場合、能力ではなく学習量と配分の問題です
- ④第三者に見てもらう…自分の答案の弱点は自分では見えにくい。学校の先生でも塾でも、外の目を入れる
④について、自分の穴がどこか分からない場合はAI診断で単元レベルまで特定してくれる【atama+ オンライン塾】
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の無料受験相談で方針を整理するのも有効です。
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よくある質問
- 模試の判定と実際の合否はどれくらい一致しますか?
判定はあくまで統計的な確率です。A判定でも落ちる人はいますし、E判定から合格する人もいます。特に模試から本番までの期間が長いほど、判定の予測力は下がります。夏の判定で進路を決めるのは早すぎます。
- 模試を受けるのが怖くなってきました
その気持ちはよく分かりますが、受けないと現在地が分からなくなります。判定を見るのが辛いなら、成績表の判定欄を隠して「点数と設問別正答率だけ見る」という方法もあります。使うべき情報はそちらです。
- 記述模試とマーク模試で判定が違います
志望校の入試形式に近い方を重視してください。国公立2次で記述が中心なら記述模試、共通テスト利用が主戦場ならマーク模試です。両方の判定に一喜一憂すると疲れるだけです。
- 親にE判定を見せたくありません
隠すと後で余計にこじれます。見せるときは判定だけでなく「ボーダーとの点差」「次に何をするか」をセットで伝えてください。対策が具体的なら、保護者の受け取り方は大きく変わります。
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