「行きたい大学が決まらない」——高2から高3にかけて、最も多い相談です。この記事では、何を基準に選べばいいかと、決まっていない状態でどう動くかを書きます。

先に言っておくと、高校生の時点で「やりたいこと」が明確な人のほうが少数派です。決まっていないこと自体は問題ではありません。問題なのは、決まらないことを理由に何も動かないまま時間が過ぎることです。
選び方の5つの軸
| 選び方の軸 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 学部・学科で選ぶ | 学びたい分野がある人 | 最も後悔が少ない。ただし高校生の時点で決まっている人は少数 |
| 資格から逆算する | 医療・教育・建築など | その学部でないと取れない資格があるので、先に確認が必要 |
| 大学名で選ぶ | 進路が定まらない人 | 悪くはないが、学部のミスマッチで苦しむことがある |
| 立地で選ぶ | 一人暮らしの可否 | 4年間の生活費が変わる。学費以外の負担を必ず試算する |
| 就職実績で選ぶ | 働き方に関心がある人 | 「就職率」より就職先の中身を見る。大学の公表資料で確認できる |



この中で見落とされがちなのが立地です。一人暮らしになると、学費とは別に年間100万円前後の生活費がかかります。「行けるかどうか」ではなく「4年間続けられるか」で考えてください。ご家庭と早めに話しておくべき部分です。
学部選びで後悔しやすいパターン
① 名前のイメージだけで選ぶ
学部名と実際の学びが一致しないことは珍しくありません。同じ学部名でも、大学によってカリキュラムはかなり違います。
- 1〜2年で何を学ぶか…専門に入る前の基礎科目を見ると実態が分かります
- 数学を使うか…経済学部や心理学部など、文系でも統計や数学を扱う学部があります
- 卒業要件…卒論の有無、実習の量、留学の必要性など
大学のサイトでカリキュラム表や履修モデルが公開されています。学部紹介のページより、こちらのほうが実態に近いです。
② 「潰しが効くから」で選ぶ
よく言われる選び方ですが、興味が持てない分野で4年間過ごすのは想像以上にきついです。単位を落として留年するケースもあります。
③ 資格の確認を後回しにする
教員免許、看護師、建築士など、特定の学部・課程でないと受験資格が得られない資格があります。入学後に気づいても取り返しがつきません。



「あとで学部を変えればいい」と考える人がいますが、転部・転科は狭き門です。できる前提で選ばないでください。
やりたいことが決まっていないとき
決まっていない状態でも、動き方はあります。むしろここで正しく動けるかが分かれ目です。
- ①嫌なことから消していく…「数学は使いたくない」「実験は苦手」でも立派な判断材料です
- ②科目の得意不得意から考える…得意科目が活きる学部は、入学後も続けやすいです
- ③選択肢が広い進路を残す…この段階では、受験科目を絞りすぎないほうが安全です
- ④オープンキャンパスに行く…興味がなくても1つ行くと、比較の基準ができます



③が実は最も大事です。早い時期に科目を絞ると、あとで進路を変えたくなったときに受けられる大学が激減します。迷っているうちは、英語と数学だけは切らないでください。この2つを残しておくと、文系にも理系にも動けます。




文系・理系の選択で迷ったら
高1の後半から高2にかけて決めることが多い選択です。ここでの判断が受験科目を決めるので、影響は大きくなります。
- 数学が「嫌い」か「できない」か…できないだけなら、まだ理系の目はあります。嫌いなら文転を考えてよいです
- 興味のある学部が理系にあるか…資格系はほぼ理系です
- 文転はできるが理転は難しい…迷っているなら理系スタートのほうが選択肢は残ります



「理系から文系」は比較的動けますが、「文系から理系」は数学と理科の負担が大きく、かなり厳しいのが実際です。本当に迷っている段階なら、理系で始めておくほうが後戻りしやすくなります。
いつまでに決めるか
- 高1〜高2前半…文理選択。ここで受験科目の大枠が決まります
- 高2の夏〜秋…オープンキャンパス。実際に見に行く時期です
- 高3の春…受験科目を確定。ここから科目を増やすのは負担が大きくなります
- 高3の秋…最終決定。模試の判定と過去問の手応えで固めます




志望校が決まったあと
志望校が決まると、必要な科目と、あと何点必要かがはっきりします。ここで初めて勉強計画が具体的になります。


独学で埋まらない科目が出てきた場合に、塾や予備校の検討に進む順番です。




よくある質問
- やりたいことがまったく思いつきません
-
それが普通です。まず「やりたくないこと」を挙げてください。消去法でも進路は決まります。
- 偏差値で決めるのは良くないですか?
-
悪くはありませんが、それだけだと学部のミスマッチが起きます。同じ偏差値帯で複数の学部を比べて、カリキュラムを見てから決めてください。
- 親の希望と違います
-
まず両方の理由を言葉にしてください。「安定するから」「やりたいから」で止まらず、その先に何を求めているかを話すと折り合いがつくことがあります。学費の負担がある以上、話し合いは避けられません。
- オープンキャンパスは行くべきですか?
-
1つは行ってください。行かないと比較の基準ができません。志望校でなくても構いません。
- 浪人も視野に入れるべきですか?
-
現時点で考える必要はありません。ただし、費用と1年の使い方については、家庭で早めに認識をそろえておくほうがよいです。
浪人を含めて進路を考える場合はこちらもご覧ください。





進路が決まっていない段階でも、英語と数学を維持しておけば選択肢は残ります。高1・高2で具体的に何をすべきかは、別記事にまとめました。


進学先を決める前に、費用の全体像も確認しておいてください。









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