高校の選び方|偏差値以外に見るべき5つのことと、説明会での確認点

高校をどう選ぶか——中3の夏から秋にかけて、多くの家庭が悩むところです。この記事では、偏差値以外に何を見るべきかを、塾で実際に相談を受けてきた立場から書きます。

高校選びで後悔するケースには共通点があります。偏差値だけで決めた場合と、通学時間を軽く見た場合です。どちらも「入ってから」しか分からないので、先に知っておいてください。

この記事の目次

偏差値以外に見るべき5つのこと

見るところ判断の基準理由
通学時間片道1時間を超えると3年間しんどい毎日往復2時間。部活も勉強も削られます
学力の位置入学時に真ん中より上に入れるか下位で入ると自信を失いやすく、成績も戻りにくい
卒業後の進路その高校からどこへ進んでいるか進学実績は「合格者数」ではなく「進学者数」で見る
校風・部活本人が3年間過ごせるか説明会より、実際に通う生徒の様子を見る
費用公立と私立で3年間の総額が大きく違う私立は授業料以外(制服・修学旅行・寄付)も確認

この中で最も見落とされるのが通学時間です。「1時間くらい大丈夫」と言う中3生は多いのですが、実際に3年間、毎日往復2時間を続けるのはかなりの負担です。朝練がある部活だと、5時台に起きることになります。

「入れる高校」ではなく「入ってからどうなるか」で選ぶ

高校選びで最も大事なのは、入学後にどの位置にいるかです。

入学時の位置による違い
  • 上位で入る…自信を持って3年間過ごせ、大学受験でも有利な位置を保ちやすい
  • 真ん中で入る…最も無難。授業についていけて、上を目指す余地もある
  • ギリギリで入る…最初の定期テストでつまずくと、そのまま3年間下位が続きやすい

とくに進学校のギリギリ合格は要注意です。授業の進度が速く、周りは理解できている前提で進むため、一度遅れると取り戻すのが難しくなります。

「少し上を目指す」のは良いことですが、ギリギリで入った先で下位が続くより、余裕を持って入って上位にいるほうが、大学進学では有利になることが多いです。これは実際に卒業生を見てきた実感です。

公立と私立、どちらを選ぶか

判断の軸
  • 費用…3年間の総額では差が出ます。2026年度から就学支援金の所得制限は撤廃されましたが、支援が届くのは授業料の部分だけです(令和8年度・都内私立の初年度納付金は平均100万7,549円で、うち入学金25万4,599円は対象外)。高校受験の費用に実額をまとめました
  • 面倒見…私立は補習や進路指導が手厚い学校が多い一方、公立は自主性に任される傾向があります
  • 内申の比重…公立は内申が重い。内申が足りない場合、私立のほうが可能性が広がります
  • 通学…私立は遠方から通う生徒も多く、通学時間が長くなりがちです

大学合格実績は「延べ人数」です。そのまま比べないでください

説明会でいちばん目を引くのが、大学合格者数のパネルです。ただしここは数え方を知らないと、まったく比較になりません。

高校が発表する合格者数のうち、私立大学の数字は「延べ人数」です。同じ生徒が同じ大学の別学部や別方式に合格すると、その回数だけ数えられます。1人で「関西大学4・近畿大学2」と数えられる、ということが実際に起こります。

一方国公立大学は併願受験ができません。だから合格者数=実際に合格した人数と考えて構いません。ここが比較の分かれ目です。

数え方比較に使えるか
私立大の合格者数延べ人数。1人が複数学部・複数方式で合格するとその回数ぶんそのままでは使えない。割り引いて見る
国公立大の合格者数併願できないのでほぼ実人数学校どうしの比較はこちらで
進学者数(入学者数)実際にその大学へ進んだ人数これを公表している学校は信頼できる

パネルの数字を見て「この高校はすごい」と思っていました……

数字自体は嘘ではありません。ただ、学校によって「盛れる幅」が違うだけです。私立大をたくさん受けさせる方針の学校ほど数字は大きくなります。だから比べるなら国公立、そして卒業生の人数で割る。この2つだけ覚えておいてください。

説明会で実績パネルを見るときの3点

この3つを確認すれば数字が読めます
  • 卒業生は何人ですか……合格者数の絶対値は学年の人数で変わります。1学年400人と160人では意味がまったく違います
  • 現役だけの数字ですか、既卒も含みますか……浪人生を含めた数字を出す学校があります。現役の数字を聞いてください
  • 進学者数は出していますか……出せる学校は出します。「合格者数しかありません」と言われたら、そういう数字だと受け取っておく

この3つは説明会でその場で聞けます。嫌な顔をされる質問ではありません。むしろ答えが濁るかどうかで学校の姿勢が分かるので、聞く価値があります。

そしてもう一点。合格実績は「その高校が伸ばした結果」とは限りません。入学時点の学力が高ければ、学校が何もしなくても数字は出ます。見るべきなのは入口の偏差値と出口の実績の差です。同じくらいの偏差値の高校を2〜3校並べて実績を比べると、その差が見えてきます。

学校説明会・見学で本当に見るべきこと

説明会では良いことしか言われません。見るべきは、話の内容ではなく生徒の様子です。

説明会で確認すること
  • すれ違う生徒があいさつをするか…学校の雰囲気が最もよく出ます
  • 掲示物が新しいか…古い掲示が貼りっぱなしの学校は、細部の管理も緩いことが多いです
  • トイレがきれいか…地味ですが、3年間毎日使う場所です
  • 通学路を実際に歩く…駅から遠い、坂がきついなどは資料では分かりません
  • 本人が「ここに通う自分」を想像できるか…最終的にはこれが一番大事です

可能なら説明会の日ではなく、普通の登下校の時間帯に学校の前まで行ってみてください。説明会用に整えられた姿ではなく、日常の様子が見られます。ここまでやる家庭は少ないですが、判断材料としては最も確実です。

志望校を実際に決めていく場が、中3の秋から冬にかけての三者面談です。先生の言い回しには意味があり、そこを読み違えると1回ぶんの面談を無駄にします。

いつ決めればいいか

時期の目安
  • 中3の1学期…興味のある学校をいくつか挙げる段階。絞る必要はありません
  • 夏休み…学校説明会・見学の本番。この時期に必ず足を運んでください
  • 秋(10〜11月)…模試の結果を見ながら、第一志望と併願を固める
  • 冬(12月〜)…三者面談で最終決定。ここからは学力を上げることに集中する

判定が届いていない場合の考え方は、別記事にまとめています。夏や秋の判定で志望校を下げるのは早すぎるのが実際のところです。

志望校が決まったら

志望校が決まると、あと何点必要かがはっきりします。ここで初めて、勉強計画が具体的になります。

決まった後にやること
  • ①現在地を確認する…5教科のどこが落ちているかを把握します
  • ②必要点との差を出す…あと何点をどの教科で取るかを決めます
  • ③足りない部分の手当てを決める…独学で埋まるか、人に見てもらう必要があるか

③で「独学では厳しい」となった場合に、初めて塾を検討する順番になります。志望校が決まる前に塾を決めると、目的がぼやけたまま通うことになります。

志望校が決まったら、次にやるのは「いまの成績との差を数字で出すこと」です。ここが曖昧なままだと、何を何時間やればいいかが決まりません。【atama+オンライン塾】は診断テストでつまずいている単元を特定する形式なので、14日間の無料体験の範囲で「志望校に届くために、どこから埋めるか」の当たりをつける使い方ができます。

よくある質問

本人が「どこでもいい」と言います

よくあることです。まず1校でいいので実際に見学に行ってください。想像だけでは決められません。行ってみて「ここは違う」と分かるだけでも前進です。

親と本人の希望が合いません

どちらかを押し通すと、うまくいかなかったときに必ず問題になります。まず両方の理由を言葉にしてください。「偏差値が高いから」「友達が行くから」ではなく、その先に何を求めているかを話すと、折り合いがつくことが多いです。

私立の費用が心配です

2026年度から、授業料への就学支援金に所得制限はありません。世帯年収で切られる時代は終わっています(私立の支給上限は年45万7,200円)。ただし支援されるのは授業料だけで、入学金・施設費・その他は対象外です。令和8年度の都内私立は初年度納付金の平均が100万7,549円、うち授業料は51万2,882円。平均的な学校でも授業料の一部と、約49万円の授業料以外が残ります。自治体の上乗せは別に申請が要ることが多いので、高校受験の費用で確認してください。

偏差値はどの模試のものを見ればいいですか?

地域の受験生が多く受ける模試の偏差値を基準にしてください。全国模試と地域模試では数値が変わります。中学の先生や塾に、どの模試の数字で話しているか確認するのが確実です。

併願はいくつ受けるべきですか?

「何校が普通」という統計は公表されていないので、数ではなくリスクの積み上がり方で決めてください。併願を1校増やすと受験料に加えて入学金のリスクが増えます(令和8年度・都内私立の入学金は平均25万4,599円で、公立に受かって辞退しても原則戻りません)。「ここなら通ってもいい」と思える学校に絞り、それぞれの延納制度の有無を確かめる——この順番のほうが確実です。

推薦入試を考えている場合は、面接の準備もあわせてご確認ください。

志望校が決まったら過去問で必要点との差を確認します。

高校のその先、大学・学部の選び方はこちらです。

高校入学後にやるべきことはこちらにまとめました。

その先の大学受験でかかる費用も、早めに把握しておくと安心です。

私立を併願する場合、公立の発表前に入学金を納めることになるケースがあります。延納制度の有無で数十万円変わるので、学校を選ぶ段階で確認してください。

秋の三者面談では、実力テストの結果が資料として使われます。

同じ学力帯でも内申と当日点の比率は高校ごとに違います。比率を変えて試算できるツールを用意しました。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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