通信制高校は人生終わり?卒業後の進路を国の統計で確かめる

通信制高校は人生終わり?卒業後の進路を国の統計で確かめる

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通信制高校に行ったから人生が終わる、ということはありません。

卒業すれば全日制と同じ「高等学校卒業」で、令和6年度間に通信制高校を卒業した91,809人のうち、28.6%が大学等に、22.9%が専門学校に進学しています。

ただし、26.1%は進学も就職もしていないという数字もあります。「人生終わり」かどうかを分けるのは、通信制に行くかどうかではなく、通信制で何をするかです。

いま、つらい気持ちで「人生終わり」と検索した人は、先に誰かに話してください。

  • 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)…0120-0-78310。無料・24時間
  • チャイルドライン…0120-99-7777。毎日16時〜21時・18歳まで
  • 学校の先生、保健室の先生、スクールカウンセラー

相談先は厚生労働省のまもろうよ こころにまとまっています。この記事では、学校基本調査(文部科学省)の数字をもとに、通信制高校を卒業した人がどんな進路に進んでいるかを、全日制・定時制と比べて整理します(2026年9月29日確認)。

この記事の結論
大学等への進学率令和6年度間・91,809人28.6%
専門学校への進学率令和6年度間・91,809人22.9%
進学も就職もなし全日制・定時制は4.7%26.1%
  • 学歴は全日制と同じ「高校卒業」
  • 大学を志願した人の多くは進学している
  • 分かれ目は、卒業後の進路を決める支えがあるか
結論の元の文章を見る
  • 学歴は全日制と同じ「高校卒業」…文部科学省のよくある質問でも明記されている
  • 卒業者の約半分が進学…大学等28.6%、専門学校22.9%(令和6年度間・91,809人)
  • 大学を志願した人の多くは進学している…大学(学部)の志願者23,617人に対し、進学者20,445人
  • 進学も就職もしていない人が26.1%…全日制・定時制の4.7%より多い。ここが「終わり」と言われる本当の理由
  • 分かれ目は、卒業後の進路を決める支えがあるか…学校選びでは進路実績と進路サポートを見る
この記事の目次

「人生終わり」と言われる3つの理由

  • 全日制に行けなかった、という見方…実際には、令和7年3月の中学卒業者の6.0%(63,278人)が通信制に進んでいて(計算)、生徒は30万人以上いる
  • 「楽な高校」「卒業しても意味がない」という思い込み…卒業の要件は74単位以上で全日制と同じ。学歴も同じ高等学校卒業
  • 卒業後に何もしていない人が多い、という話…これは数字で見ても一部当たっている(次の節)

1つ目と2つ目は誤解ですが、3つ目は無視できません。通信制高校のメリットとデメリットは通信制高校のデメリット5つでも整理しています。

データ:通信制高校を卒業した人の進路

学校基本調査の高等学校(通信制)状況別卒業者数と高等学校(全日制・定時制)状況別卒業者数から、卒業者の進路を並べました。割合は人数を卒業者数で割って計算しています。

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進路通信制(令和6年度間の卒業者91,809人)全日制・定時制(令和7年3月の卒業者929,157人)
大学等に進学26,301人(28.6%)582,042人(62.6%)
専門学校(専門課程)に進学21,013人(22.9%)137,652人(14.8%)
専修学校(一般課程)・職業訓練施設など2,526人(2.8%・合計を計算)35,085人(3.8%・合計を計算)
就職者等17,893人(19.5%・合計を計算)130,271人(14.0%・合計を計算)
進学も就職もしていない(左記以外の者)23,995人(26.1%)44,070人(4.7%)

就職者等は、自営業・無期雇用・有期雇用・臨時労働者の合計です(計算)。専修学校(一般課程)等と職業訓練施設などは、統計の2つの欄を足しています(計算)。

大学等への進学率は全日制・定時制より低いものの、専門学校と就職の割合は通信制のほうが高く、進学と就職を合わせると7割を超えます。一方で、進学も就職もしていない人が4人に1人いて、全日制・定時制の5倍以上です。「通信制は人生終わり」という言葉の根っこにあるのは、この数字だと考えられます。

大学に行きたい人は、行けている

同じ調査の大学・短期大学への入学志願者数と大学・短期大学等への進学者数を見ると、令和6年度間に卒業した人のうち大学(学部)を志願したのは23,617人で、大学(学部)に進学したのは20,445人です。割合を計算すると86.6%で、大学を目指した人の多くは実際に進学しています。

通信制の卒業者のうち大学(学部)を志願したのは25.7%です(計算)。

全日制・定時制は大学等進学率だけで62.6%あるので、通信制の大学等進学率が低く見えるのは、「行けない」からではなく、そもそも大学を志願する人の割合が少ないことが大きな理由です。

詳しくは通信制高校から大学進学は不利?全国9万人の進路データで確認にまとめています。

通信制は、目標がある人にとっては時間を使いやすい学校です。反対に、目標がないまま卒業の日が来ると、「左記以外の者」に入ってしまいやすい。入学したときから、卒業後に何をするかを少しずつ決めておくのが大事です。

「進学も就職もしていない」人の割合は10年で下がっている

上の26.1%は令和7年度の1年分です。学校基本調査の通信制の「状況別卒業者数」を平成28年度から10年分開いて、左記以外の者(進学も就職もしていない人)の割合を計算しました。

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調査年度卒業者(前年度間)左記以外の者割合(計算)
平成28年度51,429人20,207人39.3%
平成29年度52,266人20,107人38.5%
平成30年度53,550人19,871人37.1%
令和元年度56,283人21,070人37.4%
令和2年度60,691人19,612人32.3%
令和3年度64,893人21,253人32.8%
令和4年度70,993人21,941人30.9%
令和5年度76,624人24,129人31.5%
令和6年度84,450人23,798人28.2%
令和7年度91,809人23,995人26.1%
通信制高校の卒業者のうち進学も就職もしていない人の割合の推移のグラフ。平成28年度39.3%、令和元年度37.4%、令和2年度32.3%、令和4年度30.9%、令和7年度26.1%(学校基本調査から計算)
計算と注意
  • 割合は「左記以外の者 ÷ 卒業者」。例:令和7年度 23,995 ÷ 91,809 = 26.1%、平成28年度 20,207 ÷ 51,429 = 39.3%
  • 10年の変化:39.3 − 26.1 = 13.2ポイント下がった。人数は20,207人 → 23,995人で、卒業者が増えたぶん人数は増えている
  • 令和2年度調査から、就職の区分(無期雇用・有期雇用・臨時労働者など)が変わった。令和元年度の37.4%と令和2年度の32.3%の間には区分の切れ目がある
  • 全日制・定時制の「左記以外の者」は同じ10年で4.3〜5.1%

「4人に1人が進路未定」は事実ですが、10年前は5人に2人に近い39.3%でした。区分が変わった令和2年度以降で比べても、32.3%から26.1%に下がっています。

公立と私立で差がある

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調査年度公立の左記以外の割合(計算)私立の左記以外の割合(計算)
令和5年度41.6%30.2%
令和6年度40.7%26.7%
令和7年度36.9%24.9%

公立の通信制は、進学も就職もしていない人の割合が私立より10ポイント以上高い状態が続いています。公立は20歳以上の生徒の割合が27.7%(令和7年度)と高く、生徒の年齢の構成が違うので、この割合だけで学校の良し悪しは決められません。候補の学校が公表している進路実績で確かめてください。

出典:学校基本調査 平成28年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 平成29年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 平成30年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和元年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和2年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和3年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和4年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和5年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和6年度 状況別卒業者数(通信制)/学校基本調査 令和7年度 状況別卒業者数(通信制)(2026年10月14日確認)

「人生終わり」にしないための3つのこと

①卒業後の進路を、2年生のうちに考え始める

通信制高校は、自分から動かないと、進路の話をする機会が少ないことがあります。大学・専門学校・就職のどれを考えているかを、2年生のうちに先生やメンターに伝えておくと、必要な準備(出願の時期や、必要な単位)が見えてきます。

②進路サポートがある学校を選ぶ

学校を選ぶときは、学校が公表している進路実績と、進路の相談をどこでできるかを確かめてください。

たとえばN高グループは、2026年3月の卒業生(4月生)11,476人のうち43.24%が大学等に進学し、進路未定は5.52%と公表しています(N高の進学実績)。

数字の数え方は学校ごとに違うので、同じ条件で比べられるかにも注意してください。

③レポートとスクーリングを止めない

卒業できなければ、進路以前の問題になります。レポートがたまったときに相談できる人がいるか、サポートの仕組みを入学前に聞いておくと安心です(通信制高校のスクーリングとレポート)。

進路サポートの中身を、資料で確かめる

N高等学校は、1年次から進路の必修授業があり、専門のスタッフが一人ひとりの進路をサポートしています。2026年3月の卒業生(N高グループの4月生)の進路決定率は94.24%です。資料で、進路サポートと学費を確かめてください。
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通信制高校は人生終わり?でよくある質問

通信制高校を卒業すると、学歴は中卒扱いですか?

いいえ。文部科学省のよくある質問でも、全日制高校や定時制高校と同じ「高等学校卒業」になると説明されています。

通信制高校だと就職で不利になりますか?

令和6年度間の卒業者のうち、就職者等は19.5%で、全日制・定時制(14.0%)より割合は高くなっています。応募の条件は高校卒業で同じです。

通信制高校から大学に行けますか?

行けます。令和6年度間の卒業者の28.6%が大学等に進学し、大学(学部)を志願した人の86.6%が大学(学部)に進学しています(計算)。

通信制高校の卒業生で、何もしていない人はどのくらいいますか?

学校基本調査で進学も就職もしていない「左記以外の者」は、令和6年度間の卒業者の26.1%です。全日制・定時制は4.7%です。

今の学校がつらくて、人生が終わった気がします。

一人で抱えずに、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)や、学校の先生、スクールカウンセラーに話してください。高校を変える方法は高校をやめたいと思ったらにまとめています。

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この記事を書いた人

兵庫県の学習塾で塾長を経験。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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