模試は受けたあとに何をするかで価値が決まります。判定を見て一喜一憂して終わりでは、受けた時間がほぼ無駄になります。この記事では、復習の具体的な手順を書きます。

毎年見ていて最ももったいないのが、模試を受けっぱなしにしている受験生です。模試は「いま何が足りないか」を教えてくれる、最も精度の高い診断です。判定だけ見て終わるのは、健康診断で結果表の総合判定だけ見て、詳細を読まないのと同じです。
復習は「当日か翌日」にやる
模試の復習で最も大事なのはタイミングです。返却されるのは1か月後ですが、そのときには何を考えて解いたか忘れています。
- 当日または翌日…自己採点をして、間違えた問題を解き直す。ここが最も重要
- 1週間以内…解説を読んで、理解できなかった部分を教科書やノートで確認
- 返却後…成績表で分野別の正答率を見て、弱点分野を特定する



「返却されてから復習する」という人が多いのですが、それでは遅すぎます。当日中なら「なぜその選択肢を選んだか」を覚えています。この情報が復習では一番価値があります。
間違いを4つに分類する
復習の核心はここです。すべての間違いを同じように扱ってはいけません。
| 分類 | 状態 | やるべきこと |
|---|---|---|
| ①ケアレスミス | 見直せば取れた | 最優先で潰す。原因を具体的に書き出す |
| ②知識が抜けていた | 覚えれば取れる | その場で確認して覚える。最も伸びしろが大きい |
| ③時間が足りなかった | 解けたはず | 時間配分の問題。知識の勉強では解決しない |
| ④手も足も出なかった | 解法が分からない | いまは飛ばしてよい。基礎が固まってから戻る |
最優先は②「知識が抜けていた」
4つの中で最も短時間で点になるのが②です。覚えれば次から取れるので、投資対効果が最も高くなります。
①のケアレスミスは「具体的に」書く
「計算ミス」で終わらせないでください。何をどう間違えたかまで書くと、同じミスが減ります。
- ×「計算ミス」 → ○「途中式を書かずに暗算して符号を間違えた」
- ×「読み間違い」 → ○「『適当でないもの』を『適当なもの』と読んだ」
- ×「時間切れ」 → ○「大問2に15分かけてしまい、大問4に着手できなかった」



この書き方をしている生徒は、同じミスを繰り返しません。逆に「計算ミス」とだけ書いている生徒は、次の模試でも同じことをします。言語化できていないものは、直しようがないからです。
成績表で見るべきところ
判定は結果であって、次の行動を決める材料にはなりません。見るべきは別の欄です。
- 分野別・大問別の正答率…どの単元が落ちているかが分かります。ここが最重要です
- 正答率の高い問題を落としていないか…みんなが取れている問題の失点は、最優先で潰します
- 前回からの推移…上がった分野・下がった分野を見ます
- 判定はいちばん最後でよい…判定を見て落ち込む時間があるなら、正答率表を見てください
とくに「正答率が高いのに自分は間違えた問題」は宝の山です。ここを潰すだけで偏差値は動きます。


解き直しのやり方
- ①解説を読む前に、もう一度自分で解く…解説を読むと「分かった気」になります
- ②それでも解けなければ解説を読む…どこで詰まったかを意識しながら読みます
- ③解説を閉じて、もう一度最初から解く…ここをやるかどうかで定着がまったく違います
- ④1週間後にもう一度解く…本当に身についたかの確認です



③を飛ばす受験生が非常に多いです。解説を読んで理解できることと、自分で解けることは別物です。読んで納得した直後にもう一度解くと、意外と手が止まります。そこが本当の弱点です。
復習する範囲を絞る
全問復習しようとすると終わりません。時間がないなら、この順で絞ってください。
- 1位:正答率が高いのに間違えた問題…ここが最も損をしています
- 2位:あと少しで解けた問題…伸びしろが大きい
- 3位:知識不足で解けなかった問題…覚えれば取れる
- 復習しなくてよい:正答率が極端に低い難問…合否に影響しません



最後の点が重要です。正答率5%の難問を何時間もかけて理解しても、本番では出ません。そこに使う時間があるなら、みんなが取れている問題を確実にするほうが点になります。
模試を受ける前にやっておくこと
復習の効率は、受ける前の準備でも変わります。
- 時間配分を決めておく…模試は時間配分を試す場でもあります
- 問題用紙に自分の答えを必ず書く…書いていないと当日の自己採点ができません
- 迷った問題に印をつける…正解していても、たまたま当たっただけかもしれません


知識の抜けが多いと分かったら
復習をして「知らないことが多すぎる」と分かった場合は、模試の復習より先に基礎を埋めるほうが効率的です。




どこまで戻ればいいかの判断が難しい場合は、人に見てもらうほうが早く済みます。


よくある質問
- 復習にどれくらい時間をかけるべきですか?
-
受けた時間と同じくらい、が一つの目安です。ただし全問やる必要はないので、優先順位をつけて絞ってください。
- 自己採点は必ずやるべきですか?
-
やってください。当日やることに意味があります。返却を待つと、何を考えて解いたかを忘れてしまいます。
- 判定が悪くて復習する気になれません
-
判定は「今の位置」であって「これからの結果」ではありません。むしろ判定が悪いときほど、どこを埋めれば届くかが具体的に見えます。
- 模試は何回受けるべきですか?
-
学校や塾で受ける分で十分なことが多いです。受ける回数を増やすより、1回をきちんと復習するほうが効果があります。
- 復習ノートは作るべきですか?
-
必須ではありません。作るなら「間違えた理由」を1行書く程度で十分です。きれいにまとめること自体が目的になると、時間の無駄になります。
復習でAIを使う場合は、使い方に注意してください。


成績が上がらない原因の切り分け方はこちらにまとめました。








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