塾では毎年、共通テストの1週間前に「前日・当日マニュアル」を配って生徒に説明しています。この記事はその内容をそのまま公開するものです。前日にやるべきことは「勉強」ではなく「翌日の自分から不安を取り除く準備」。これが結論です。

前日って新しい問題を解くべきですか?それとも復習ですか?何をすればいいか分からなくて逆に不安です。

前日に学力は上がりません。でも当日のパフォーマンスは前日の過ごし方で確実に変わります。毎年生徒に配っているチェックリストをそのまま載せますね。
前日にやること・やらないこと
- ①会場までの経路と所要時間を確認:乗換案内のスクショを撮っておく。雪の予報なら1本早い電車に変更
- ②持ち物を玄関に並べる(チェックリストは下記)
- ③今まで使った問題集・まとめノートをパラパラ見る:「これだけやった」という物量の確認が最大の精神安定剤です
- ④いつも通りの時間に寝る:早寝しようとして眠れないのが最悪パターン。普段どおりでOK
- 新しい問題集・初見の過去問:解けなかったときのダメージが大きすぎる
- SNSで受験アカウントを見る:他人の「仕上がった」報告は毒です。当日夜まで断つ
- 夜更かしの詰め込み:暗記の最終確認は当日朝の30分のほうが定着します
持ち物チェックリスト【塾で配布しているもの】

- 受験票(+スマホで写真も撮っておく)/顔写真付きの身分証明書(生徒証など)は持参が必須
- 黒鉛筆(H・F・HBに限る)複数本+鉛筆削り(電動式・大型・ナイフ類は不可)。マークは必ず黒鉛筆。シャープペンシルはメモや計算に使う場合だけ可(黒い芯に限る)
- プラスチック製の消しゴム2個(落としたとき用)/時計(会場に時計がない前提で。スマートウォッチ、秒針音のするもの、学習タイマーは不可)
- 昼食・飲み物・チョコやラムネなどの糖分(ラムネは何粒が正解?)
- カイロ+ひざ掛け代わりの上着(会場の温度は運ゲーです。脱ぎ着で調整できる服装に)
- 普段使ったまとめノート1冊だけ(休み時間のお守り。全教科分持っていくと逆に焦ります)
- 耳栓(休み時間の周囲の答え合わせをシャットアウト)/目薬・常備薬
- 現金少々(交通系ICが使えないトラブル・タクシー用)
持ち物のルールは、大学入試センターの「令和9年度 受験案内」(D 試験)で確認しました。
試験中に机に置けるのは、受験票・黒鉛筆(H、F、HBに限る)・シャープペンシル(メモや計算用のみ)・プラスチック製の消しゴム・鉛筆削り・時計・眼鏡・ハンカチ・目薬・ティッシュペーパー(中身だけ)です。黒鉛筆以外でマークすると読み取れないことがあるので、マークには必ず黒鉛筆を使ってください。
ひざ掛けを使いたい場合は、試験開始前に監督者に申し出て許可を得る必要があります。
当日のトラブル対処法
電車遅延・寝坊:まず会場の「試験場本部」に電話(受験票に番号があります)。遅刻は一定時間まで受験を認められる場合があります。自己判断で諦めるのが一番もったいない。
受験票を忘れた:仮受験票を発行してもらえます。取りに帰るより会場に向かって本部へ。
1日目に失敗した夜:自己採点は絶対にしないでください。共通テストの自己採点は全日程終了後が鉄則です。1日目の夜にやることは、2日目の持ち物確認と睡眠だけです。

毎年必ず「1日目失敗しました」と夜にLINEしてくる生徒がいますが、翌日蓋を開けたら取れていたケースを何度も見ています。試験中の手応えほど当てにならないものはありません。
1週間前からのカウントダウン【塾のスケジュール表そのまま】

前日だけでなく、直前1週間の設計で当日のコンディションが決まります。塾で生徒に配っている週間表の中身です。
| 時期 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 7日前 | 起床時間を試験当日に合わせる(朝型への切替はここが最終ライン) | 夜型のまま追い込む |
| 5〜3日前 | 各科目の「まとめノート・要点集」を1周。時間を計った演習は1日1科目まで | 新しい問題集を始める |
| 2日前 | 会場までの下見(可能なら)。持ち物を揃え始める | 長時間の詰め込み |
| 前日 | 経路確認・持ち物・軽い見直しだけ | 初見問題・自己採点・SNS |
| 当日朝 | 30分の見るだけ復習+しっかり朝食 | コーヒーの飲みすぎ(トイレ対策) |
※起床時間の調整だけは1週間前から。前日に早寝しようとしても体は変わりません。
科目別・直前48時間で点が動くポイント
直前期に「まだ伸びる部分」は科目ごとに違います。塾では次のように優先順位をつけて指示しています。
- 国語(古文・漢文)…古文単語と漢文の句法は直前でも点になります。現代文は直前に変わらないので触らない
- 英語…リスニングは前日・当日朝に必ず耳を慣らす(無音のまま本番はもったいない)。単語の最終確認も有効
- 数学…公式の確認より「解く順番の戦略」を決める。捨てる大問の判断基準を事前に決めておくと崩れない
- 理科…無機化学・生物の暗記系は直前が最も効く。計算系は新しく詰め込まない
- 社会…資料集の年表・地図を眺めるだけでも思い出す量が増える。ここは直前が一番伸びる科目です

「直前は何をやっても無駄」ではありません。暗記もの(社会・古文単語・無機化学)は直前48時間が最もコスパが高い領域です。逆に現代文と数学の新規演習は効果が薄いので、そこに時間を使わない判断が大事です。
当日のタイムライン(塾生に渡している行動表)

| タイミング | 行動 | 理由 |
|---|---|---|
| 起床〜 | 朝食は普段どおりの量。眠気対策で軽く歩く | 消化にエネルギーを使いすぎない |
| 会場到着 | トイレの位置と席を確認。上着で温度調整の準備 | 会場の空調は運任せ |
| 開始10分前 | 深呼吸(4秒吸って8秒吐く×3回) | 生理的に緊張が下がる |
| 休み時間 | 糖分・水分補給→次科目の要点を1〜2分 | 終わった科目の反省は禁止 |
| 昼休み | 食べすぎない(眠気防止)。短い散歩 | 午後の集中力を守る |
| 全科目終了後 | 自己採点は全日程が終わってから | 途中の自己採点は精神を壊す |
1日目が終わった夜にやること
1日目の夜が受験全体で一番メンタルが揺れるタイミングです。やることは3つだけに絞ってください。①2日目の持ち物確認 ②当日朝と同じ時間に寝る ③絶対に自己採点しない。SNSも見ないでください。「〇〇が難化」「平均下がりそう」という他人の感想は、あなたの2日目の点数を1点も上げません。
不安・緊張・想定外に飲まれないための考え方
不安が大きい子ほど、当日は強い
「不安です」と言ってくる子ほど、本番はちゃんとやります。逆に、直前まで「余裕です」と言っていた子のほうが、当日の小さなつまずきで崩れることがあります。
不安な子は起こりうる悪いことを先に想像しているので、実際に起きても「来たか」で済みます。想像していないことが起きたときだけ、人はパニックになります。
今感じている不安は、当日の自分を守る準備そのものなので、消そうとしなくて大丈夫です。
想定外は起きるもの。周りも同じ
本番に予想外のことが起きるのは普通です。自分ができていない問題は、たいてい周りもできていません。入試は合計点で決まるので、1科目の出来だけでは何も確定しませんし、そこで差がつくことも多くありません。
焦って切り替えられないほうが悪循環になります。十分に準備したうえで、あとは何が起きても大丈夫と決めて臨んでください。
本番は「いつもの延長線上」
「これまでで一番いい結果を出そう」と思うのは良いことですが、気持ちが入りすぎると空回りすることがあります。本番は「いつもの延長線上」にあるので、模擬試験を受けに行くつもりをどこかに残しておいてください。
受験の日は、大人になっても思い出に残る特別な日です。その日を過ごせることに楽しみを感じられると、気持ちに余裕が出ます。
頭が真っ白になったときの3手順
試験中に固まったときは、精神論では戻りません。体から戻すほうが早いです。
- ペンを置いて、息を長く吐く:吸うより吐くを長くすると心拍が落ちます。4秒吸って8秒吐くを3回
- 解ける問題を1問だけ探す:難易度は問いません。手が動き出すことが目的です
- 時計を見て、残り時間を紙に書く:頭の中の「もう時間がない」を、実際の数字に置き換えます
焦りは時間感覚が歪むことで起きるので、呼吸、手を動かす、数字を見る、の順で戻します。それでも手が止まるときは、尊敬する先生や友達ならどうするかを考えてみてください。
数学で分からなくなったら「先生は、まず具体的な数字を代入して実験しろと言っていた」と思い出すだけで、固まった考え方から抜け出せることがあります。
保護者の方へ:前日と当日に言わないほうがいい言葉
- 「頑張ってね」の重ね掛け:もう十分頑張っています。プレッシャーとして届きます
- 「落ちたらどうするの」:不安を煽るだけで、対策になりません
- 「○○ちゃんは受かったって」:比較は当日の集中を削ります
代わりに効くのは、いつも通りに接することです。特別扱いされるほど「これは特別な日だ」と意識してしまいます。朝ごはんを普通に出して、普通に送り出してください。本人以上に保護者の方が緊張していることも多く、親が落ち着いていると子どもも落ち着きます。
受験本番に向けて読んでおきたい関連記事
試験本番のメンタルと当日の動き


結果が出なかった場合の選択肢
本番の結果次第では、後期試験や浪人という選択も出てきます。先に知っておくことで「落ちたら終わり」という思考から解放され、当日のパフォーマンスがむしろ上がります。





共通テスト直前の時期に、恋人と会う回数や連絡をどうするかは、時期別の目安を別の記事にまとめました。

よくある質問
- 前日は何時に寝ればいい?
-
普段どおりの時間でOKです。無理に21時に布団に入っても眠れず、「眠れない」こと自体が不安材料になります。当日は緊張で目が覚めるので睡眠不足の心配はそれほど要りません。
- 当日の朝は何を勉強する?
-
使い慣れたまとめノートや単語帳の「見るだけ復習」を30分程度。頭のウォーミングアップが目的なので、新しいことはやりません。
- 昼食は何を持っていけばいい?
-
普段食べ慣れているものが最善です。当日だけ特別なもの(カツなど油物)は消化に負担がかかります。量は「腹八分目」。おにぎり2個+温かい飲み物くらいが眠くならず動けます。
- 会場に時計がないと聞きました
-
会場に時計がない前提で腕時計を必ず持参してください。ただしスマートウォッチ・計算機能つきは不可です。アナログの安価な時計が最も安全で、電池切れに備えて2つ持つ生徒もいます。
- 緊張で前日眠れませんでした。当日どうすれば?
-
一晩眠れなくても試験のパフォーマンスはそこまで落ちません(緊張でアドレナリンが出るため)。それより「眠れなかった=ダメだ」という思い込みの方が害になります。朝の光を浴びて、朝食をしっかり摂れば十分戦えます。
- 緊張で手が震えるタイプです
-
開始直前に「4秒吸って8秒吐く」を3回。長く吐く呼吸は生理的に緊張を下げます。あとは「緊張するのは本気の証拠」と受け取ってください。模試で緊張の練習をしておくのも有効です(模試の集中力対策の記事)。
この記事を書いた人:たかた(受験サポートナビ運営/個別指導塾の塾長経験)。→ 運営者情報
共通テストの自己採点を入力する判定システムの名称と使い方を、公式の記載で整理しました。

本番が終わったあとのこと
共通テストが終わると、出願校の最終決定・2次対策・場合によっては次の1年の検討が始まります。
ここで一人で抱えると判断を誤りやすいので、無料相談を活用してください。スタディサプリ講師が監修【難関大受験専門塾 現論会】
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情報Ⅰの直前確認には、一問一答が便利です。

直前の知識確認には一問一答が便利です。

直前の知識確認には、科目別の一問一答が便利です。

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直前の知識確認に使えます。


当日の持ち物と過ごし方が整ったら、次は試験中の時間の使い方です。「時間があれば解けた」を本番でなくすための決め方をまとめました。

自己採点のあとは、二次の必要点を計算してから出願先を決めてください。



