総合型選抜とは、文部科学省の実施要項で、「詳細な書類審査と、時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせる」と定義された大学入試の方式です。
2020年度までの「AO入試」が名前を変えたもので、「総合選抜型入試」と書かれることもありますが、正式な名称は総合型選抜です。
この記事では、令和9年度(2027年4月入学)の「大学入学者選抜実施要項」と、文科省が2026年9月2日に更新したQ&Aの原文(実施した大学の数だけは文科省の「入学者選抜実施状況の概要」)を使って、定義、必ず入る3つの評価要素、日程、欠席日数の扱い、受かる人の条件、受かりやすい大学の見分け方を整理します。
塾や予備校のサイトの数字は使いません。学校推薦型との違いと評定平均は、別の記事にまとめています。

結論:総合型選抜は「本人の資料+面接+学力を測る方法1つ」が必ず入る入試
- 本人が書く資料を必ず評価に使う
- 面接を必ず行う。AI面接は不可
- 学力を測る方法を1つ以上使う。高校長の推薦は不要
要点の元の文章を見る
①志願者本人が書く資料(活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書等)を、必ず評価に使う。②面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問を含む)を、必ず行う。
③個別テスト、共通テスト、小論文等、資格検定のうち、少なくとも1つを必ず使う。④願書受付は9月1日以降、合格発表は11月1日以降。⑤高校長の推薦は不要(自分の意志で出願できる公募制)。
一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日・8文科高第318号) 第3の1(2)
要項は、「入学志願者の能力・意欲・適性等を、多面的・総合的に評価・判定する」と繰り返しています。
学力検査を主な資料にする一般選抜と違い、「何を学びたいか」と「そのために何をしてきたか」を、本人の書いた資料と面接で確かめるのが総合型選抜です。
3つの方式の違い:一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜
総合型選抜と学校推薦型選抜のどちらを選ぶか(評定・併願・辞退の扱い)は、総合型選抜と学校推薦型選抜の違いで比べています。ここでは、要項の定義の違いだけを並べます。
要項の第3「入試方法」は、大学入試を3つに分けています。違いは「主な資料」と「誰の意志で出願するか」です。
| 方式 | 主な資料(要項の原文) | 出願できる人 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 学力検査、小論文等を主な資料とし、調査書・面接・本人の記載する資料等を組み合わせる | 制限なし |
| 総合型選抜 | 詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等。本人の記載する資料を必ず活用 | 本人の意志で出願できる(公募制) |
| 学校推薦型選抜 | 出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料とする | 高校長の推薦が必要。「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」 |
募集人員にも差があります。
文科省のQ&A(Q3-4)によると、学校推薦型選抜は、学部等の募集単位ごとに、入学定員の5割を超えないと決められている一方、公募型の総合型選抜には募集人員の制約がありません。
大学が総合型選抜の枠を増やしやすい理由は、ここにあります。
実際に、ほとんどの大学が総合型選抜と学校推薦型選抜の両方を行っています。文部科学省の令和7年度 国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要(2025年11月26日公表)から、令和7年度(2025年4月入学)にそれぞれの方式を行った大学の数を国公私立別に並べました。かっこ内は、その区分の大学全体に占める割合です。
| 区分 | 総合型選抜を行った大学 | 学校推薦型選抜を行った大学 |
|---|---|---|
| 国立 | 75校(92.6%) | 76校(93.8%) |
| 公立 | 79校(80.6%) | 97校(99.0%) |
| 私立 | 574校(95.8%) | 599校(100.0%) |
| 計 | 728校(93.6%) | 772校(99.2%) |
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」【大学】2.総合型選抜について・3.学校推薦型選抜について の大学数(報道発表ページ・2026年10月12日に確認)。令和7年度から選抜の区分を整理し直し、外国人留学生を対象とする選抜も含めたため、文科省は令和6年度の数値とは比較できないと注記しています。
総合型選抜を行う大学の割合は、国立92.6%・私立95.8%に対して公立は80.6%です。公立大学を志望する人は、志望校に総合型選抜があるかを、まず募集要項で確かめてください。
- 一般選抜は学力検査中心、出願制限なし
- 総合型選抜は本人の資料を必ず活用、公募制で本人の意志で出願
- 学校推薦型選抜は高校長の推薦が必要、調査書が主な資料
- 学校推薦型は募集人員の5割を超えない上限、総合型に人数制約なし
総合型選抜で実際に入学した人は何人か|令和7年度は126,766人、入学者全体の19.5%
総合型選抜は、実際にどのくらいの人が使っている入試なのでしょうか。文部科学省は、前の年度の入学者選抜の実施状況を、毎年11月に公表しています。2026年10月26日の時点で確認できた最新は、令和7年度入学者の選抜(2025年5月1日現在・2025年11月26日公表)です。報道発表のページと、表の入ったPDFの両方を開き、総合型選抜の欄の数字を読みました。
| 区分 | 実施した大学・学部 | 入学志願者(延数) | 合格者 | 入学者 | その区分の入学者に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国立大学 | 75大学・381学部 | 27,119人 | 8,386人 | 7,714人 | 7.7% |
| 公立大学 | 79大学・175学部 | 7,157人 | 2,336人 | 2,183人 | 6.0% |
| 私立大学 | 574大学・1,920学部 | 289,842人 | 149,783人 | 116,869人 | 22.8% |
| 合計 | 728大学・2,476学部 | 324,118人 | 160,505人 | 126,766人 | 19.5% |
次に、入試の方式ごとに並べます。同じPDFの、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の欄です。
| 選抜の区分 | 入学志願者(延数) | 合格者 | 入学者 | 全体の入学者に占める割合 | 合格者 ÷ 志願者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般選抜 | 3,749,656人 | 1,187,898人 | 300,249人 | 46.3% | 31.7% |
| 総合型選抜 | 324,118人 | 160,505人 | 126,766人 | 19.5% | 49.5% |
| 学校推薦型選抜 | 535,956人 | 309,584人 | 221,415人 | 34.1% | 57.8% |
| 全体 | 4,609,730人 | 1,657,987人 | 648,430人 | 100% | 36.0% |

計算
- 3つの設置者の合計の検算:7,714 + 2,183 + 116,869 = 126,766(表の合計と一致)
- 全体の入学者の検算:300,249 + 126,766 + 221,415 = 648,430(公表の合計と一致)
- 設置者ごとの割合の検算:国立は 7,714 ÷ 99,962 = 7.7%、公立は 2,183 ÷ 36,236 = 6.0%、私立は 116,869 ÷ 512,232 = 22.8%(分母は、総括表の各設置者の入学者数)
- 総合型選抜の割合:126,766 ÷ 648,430 = 19.5%(公表の19.5%と一致)。一般選抜の割合は 300,249 ÷ 648,430 = 46.3% で、この記事の計算です
- 総合型選抜の入学者のうち私立の割合:116,869 ÷ 126,766 = 92.2%。私立と国立の割合の比は 22.8 ÷ 7.7 = 3.0(倍)で、私立大学の入学者に占める総合型選抜の割合は、国立大学の約3倍です
- 1学部あたりの入学者数:126,766 ÷ 2,476 = 51.2(人)。内訳は、国立が 7,714 ÷ 381 = 20.2(人)、公立が 2,183 ÷ 175 = 12.5(人)、私立が 116,869 ÷ 1,920 = 60.9(人)
- 合格者を志願者(延数)で割った値:総合型選抜は 160,505 ÷ 324,118 = 49.5%、一般選抜は 1,187,898 ÷ 3,749,656 = 31.7%、学校推薦型選抜は 309,584 ÷ 535,956 = 57.8%
- 総合型選抜の合格者のうち入学した人:126,766 ÷ 160,505 = 79.0%(合格しても入学しなかった人が約2割)
- 総合型と学校推薦型を合わせた割合:126,766 + 221,415 = 348,181、348,181 ÷ 648,430 = 53.7%。表の割合を足した 19.5 + 34.1 = 53.6% と小数第1位が一致しないのは、表の割合が小数第1位までに丸められているためです
合格者 ÷ 志願者(延数)の計算は、国立が 8,386人 ÷ 27,119人 = 30.9%、公立が 2,336人 ÷ 7,157人 = 32.6%、私立が 149,783人 ÷ 289,842人 = 51.7%、全体が 1,657,987人 ÷ 4,609,730人 = 36.0% です。方式別の表の右端の列も、同じ計算(合格者 309,584人 ÷ 志願者 535,956人 = 57.8% など)で出しています。
読み方は3つです。1つ目は、総合型選抜で入学した人が、大学入学者の約5人に1人(19.5%)に当たることです。学校推薦型選抜と合わせると、一般選抜以外で入学した人が半数を超えます。2つ目は、設置者で大きく違うことです。それぞれの入学者に占める総合型選抜の割合は、私立大学が22.8%、国立大学が7.7%、公立大学が6.0%でした。総合型選抜で入学した人を1学部あたりで見ると、国立が20.2人、公立が12.5人、私立が60.9人です。国公立志望の人は、志望する学部の募集人員を、募集要項で確かめてください。3つ目は、総合型選抜の合格者の約2割(21.0%)が入学していないことです。入学しなかった理由は、この表には書かれていません。
「入学志願者」「合格者」は延数で、1人が複数の大学・学部に出願・合格すると、そのぶん重ねて数えられます。受験者数は、総合型選抜の欄にありません。今年度の数値には外国人留学生を対象とする選抜も含まれ、文部科学省は令和6年度以前の数値と比較できないと注記しています。この表は設置者ごとの人数で、志望校ごとの数字ではありません。文部科学省は、公表直後のページの冒頭に載せていたポイントを、誤認を招く表現を含んでいたとして、2025年12月1日に削除しています。この節は、表の数字だけを使いました。
- 「私立は総合型の入学者が22.8%だから、私立なら受かりやすい」と読む場合。22.8%は私立大学の入学者に占める割合で、合格率ではありません
- 「合格者÷志願者が49.5%だから、半分は受かる」と読む場合。志願者も合格者も延数で、1人が複数の大学に出願すると重ねて数えられます。個人の合格率ではありません
- 令和6年度の人数と並べて「総合型が増えた」と言う場合は、やめておきましょう。令和7年度は選抜の区分を整理し直し、留学生向けの選抜も含むため、比べられません
- 国公立志望の人が、全体の19.5%を目安にする場合。国立大学の入学者に占める割合は7.7%、公立大学は6.0%です。志望校の学部の募集人員と、前年度の合格者数は、大学の募集要項で確認してください
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」【大学】2.総合型選抜について・3.学校推薦型選抜について(報道発表・2025年11月26日)/同「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」Ⅰ.総括表・Ⅱ.各選抜毎の実施状況(PDF)(2026年10月26日確認)
必ず入る評価要素①:志願者本人が書く資料
要項は「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み、志願者本人の記載する資料を必ず評価に活用する」と定め、その資料の例として活動報告書、大学入学希望理由書及び学修計画書等を挙げています。
| 資料(要項の例) | 何を書くか | 評価される点 |
|---|---|---|
| 活動報告書 | 高校までに取り組んだこと(部活・探究・課外活動・資格) | 「そのために何をしてきたか」の事実 |
| 大学入学希望理由書 | なぜその大学・学部で学びたいか | 志望する学問分野への意欲・目的意識 |
| 学修計画書 | 入学後に何をどう学ぶか | アドミッション・ポリシーとの一致 |
この3つは「必ず評価に活用」される資料です。塾で添削するときに私が最初に見るのは、活動報告書の事実と、希望理由書の動機がつながっているかです。
「探究で地域の防災を調べた→防災を学べる学部を志望」のように、事実と志望が一本の線になっている資料は、面接でも同じ質問が来るので答えに迷いません。
必ず入る評価要素②:面接(令和9年度から必須。AI面接は不可)

令和9年度の要項で新しく決まったのが、面接による評価を「必ず行う」という規定です。
面接には「ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等」が含まれ、オンラインでの実施も認められています。
友達や家族とディベートの練習を始めるなら、下調べなしで賛否が割れる盛り上がるディベートテーマから1題選ぶと、反論の型を試しやすくなります。
入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜の趣旨に鑑み、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う。
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日・8文科高第318号) 第3の1(2)②
面接の3条件と、AI面接の扱い
文科省のQ&A(Q3-6)は、この面接の条件を3つ挙げています。評価者が直接評価する/受験者が即時に応答する/複数名の評価者で行う。
そのうえで、「AI面接やペーパーインタビューによって、今回必ず行うこととされた面接を代替することはできません」と明記しました。
個別テストを2月以降に行う大学や、個別テストをしない大学でも、面接は必須です(Q3-5)。
要項とQ&Aが決めている面接の条件を、1つの表にまとめます。
| 項目 | 決まり(令和9年度) | 根拠 |
|---|---|---|
| 面接の形 | ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等も含む | 要項 第3の1(2)② |
| オンライン | オンラインでの実施も含む(認められる) | 要項 第3の1(2)② |
| 評価する人 | 評価者が直接評価する。複数名の評価者で行う | Q&A Q3-6 |
| 受験者の答え方 | その場で即時に応答する | Q&A Q3-6 |
| AI面接など | AI面接やペーパーインタビューでは、必須の面接の代わりにならない | Q&A Q3-6 |
| 試験日程との関係 | 個別テストを2月以降に行う大学や、個別テストをしない大学でも、面接は必須 | Q&A Q3-5 |
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第3の1(2)②(PDF)、「令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A」Q3-5・Q3-6(PDF・令和8年9月2日更新)。

「書類だけで受かる総合型」は令和9年度から無くなりました。書類を出す前に、書いた内容を口で説明できるかを家で1回やってみてください。書けるのに言えない箇所が、面接で突かれる箇所です。
必ず入る評価要素③:学力を測る方法を1つ以上
総合型選抜は「学力を見ない入試」ではありません。
要項は「言語能力及び数理的思考力を含め、大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等も適切に評価するため」として、次の4つのうち少なくとも1つを必ず活用し、募集要項に書くことを求めています。
| 評価方法(要項 第6) | 中身 | 要項の注意点 |
|---|---|---|
| 1 教科・科目に係る個別テスト | 大学が作る筆記試験 | 高校段階の基礎的な学習の成果を問う。他の方法とバランスの取れた配分 |
| 2 大学入学共通テスト | 令和9年1月16日・17日(追試1月23日・24日) | 総合型選抜・学校推薦型選抜でも利用できる |
| 3 小論文・面接・実技検査等 | 小論文、エッセイ、口頭試問、集団討論、プレゼンテーション等 | 「専ら教科・科目に係る知識を問うこと」にならないように |
| 4 資格・検定試験等 | 英検・TOEFL等の4技能試験、国際科学オリンピック、国際バカロレア | 受検の負担が大きい志願者への公平性に配慮 |
Q&A(Q3-3)には、個別テストを使う場合、「その成績が実質的に、評価・判定の大部分を占めることがないように」ともあります。
つまり総合型選抜の筆記試験は、合否を決める主役ではなく「大学の授業についてこれるか」の確認です。ここで求められる学力の水準は、募集要項に「第6の1〜4のどれを使うか」として必ず書かれます。

日程:願書受付は9月1日以降、合格発表は11月1日以降

要項の第4は、方式ごとに「いつから受け付け、いつから発表してよいか」を決めています。令和9年度(2027年4月入学)の日付は次のとおりです。
| 方式・区分 | 願書受付 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 総合型選抜 | 令和8年9月1日以降 | 令和8年11月1日以降 |
| 学校推薦型選抜 | 令和8年11月1日以降 | 令和8年12月1日以降(一般選抜の試験期日の10日前まで) |
| 一般選抜(個別テスト) | 試験期日に応じて定める | 令和9年3月31日まで(試験は2月1日〜3月25日) |
注意点が2つあります。第一に、これは「以降」なので、実際の締切は大学ごとに違います。9月1日に受付が始まる大学もあれば、10月や11月に受け付ける大学もあります。
第二に、Q&A(Q4-2)によると、「エントリー」などの名前であっても、選抜行為は願書受付日以降に行う必要があり、一方で出願要件としての講義受講や課題提出は、出願前に実施できます。
オープンキャンパスや事前講座を出願要件にする大学があるのは、この規定のためです。

募集要項は「令和8年12月15日まで」に公表されると要項の第8にあります。ただし総合型選抜は9月に受付が始まるので、志望校の要項は高3の夏前に前年のものを読んでおくのが順番です。
- 総合型選抜の願書受付は令和8年9月1日以降
- 合格発表は令和8年11月1日以降
- 「以降」なので実際の締切は大学ごとに違う
- 出願要件の講義受講・課題提出は出願前でも可能
欠席日数は不利になる?要項が定めた「配慮」の条件
「欠席日数が多いと総合型選抜は受からない」と言われますが、要項にはこの点の規定があります。まず、健康状況は「原則として、入学者選抜の判定資料としない」。
そのうえで、出欠を推薦要件や合否判定の材料にする場合について、次のように定めています。
出欠の状況を推薦要件や合否判定の材料の一つとして活用する際には、志願者本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席日数があることを、志願者本人からの申し出や、調査書への記載などを通じて把握した場合には、志願者本人が不利益を被ることがないよう配慮する。
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日・8文科高第318号) 第13の2(1)
「本人に帰責されない身体・健康上の理由」の例として、要項は病気・事故、新型コロナウイルス感染症の後遺症、月経随伴症状を挙げています。
調査書の様式(別紙様式1)には「出欠の記録」の欄があり、授業日数、出席停止・忌引き等の日数、欠席日数、出席日数、備考が、学年ごとに記載されます。
①欠席の理由が病気・事故などなら、担任に「調査書の備考欄に理由を書いてほしい」と、早めに頼む。要項は、「調査書への記載などを通じて把握した場合」に配慮するとしています。②志望校の募集要項に、出欠の要件があるかを読む。
出欠を使うかどうかは、大学の判断です。③面接で聞かれたら、事実と、その後どう学んだかを短く答える。
逆に、理由のない欠席が多い場合は、要項の配慮の対象ではありません。大学が出欠を判定材料にしていれば、そのまま評価されます。
欠席と健康状況の扱いを、理由ごとに並べるとこうなります。
| 区分 | 当てはまるもの | 要項の扱い | やること |
|---|---|---|---|
| 健康状況 | 健康の状態そのもの | 原則として判定資料にしない。把握が必要な特別の事由がある大学は、募集要項に具体的に書く | 募集要項に健康状況の記述があるかを見る |
| やむを得ない欠席 | 本人に帰責されない身体・健康上の理由(病気・事故、新型コロナウイルス感染症の後遺症、月経随伴症状など) | 本人の申し出や調査書への記載などで大学が把握した場合、不利益を被ることがないよう配慮する | 担任に、調査書の備考欄に理由を書いてもらうよう早めに頼む |
| 試験当日の不調 | 本人に帰責されない身体・健康上の理由で、当日の受験が難しい | 試験時間の繰り下げや別日程への振替などの柔軟な対応が望ましい、とされている | 志望校の募集要項で、追試・振替の扱いを確かめる |
| 理由のない欠席 | 上のどれにも当たらない欠席 | 配慮の対象ではない。出欠を判定材料にする大学では、そのまま評価される | 面接で聞かれたら、事実とその後どう学んだかを短く答える |
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第13の2(1)(PDF・2026年10月12日に本文を確認)。「やること」の列は、この節の本文の内容です。出欠を判定材料にするかどうかは大学の判断です。
総合型選抜で受かる人:要項の評価要素から逆算する

「受かる人」を性格や部活の実績で語る記事が多いですが、合否を決めるのは要項が定めた評価要素です。必ず評価される3つに、それぞれ何を用意できるかで見てください。
| 必ず評価されるもの | 受かる人が持っているもの | 足りないときの埋め方 |
|---|---|---|
| 本人が書く資料 | 志望分野につながる活動の事実と、入学後の学修計画 | 高2までの探究・課外活動を1つ、志望分野に寄せて深める |
| 面接 | 書いた内容を、その場の質問に即時に答えられる理解 | 書類の各段落に「なぜ」を3回問う練習を人に相手をしてもらう |
| 学力を測る方法1つ | 募集要項が指定する方法(小論文・共通テスト・英検等)の準備 | 要項の「第6の1〜4のどれか」を読み、その1つに絞って高2から準備 |
私が塾で見てきた範囲では、落ちる人の多くは資料と面接の内容がずれています。
資料を塾や親が書き、面接で本人が説明できないケースです。要項が「本人の記載する資料」と、「即時にインタラクティブに応答する面接」をセットで必須にしたのは、まさにこのずれを見るためです。

受かりやすい大学の見分け方:募集要項の3か所を読む
「総合型選抜で受かりやすい大学」は、大学名の一覧では分かりません。同じ大学でも学部と年度で条件が変わるからです。代わりに、募集要項の3か所を読むと、自分にとって受かりやすいかが判断できます。
| 読む場所 | 見るポイント | 自分に合う条件 |
|---|---|---|
| 評価方法(第6の1〜4のどれか) | 小論文型か、共通テスト型か、資格検定型か | 自分の得意(英検2級・書く力・共通テスト)と一致する |
| 出願要件 | 評定平均の下限、出欠、オープンキャンパス参加、事前講座 | 評定と欠席の条件を満たしている |
| 面接の形式 | 個人面接・集団討論・プレゼンテーション・口頭試問のどれか | 話す形式が自分に合う(1対1か、集団か) |
要項は、「アドミッション・ポリシーにおいて、抽象的な『求める学生像』だけではなく、入学志願者に高等学校段階までにどのような力を培うことを求めるのか、そうした力をどのような基準・方法によって評価・判定するのか」を具体的に設定するよう大学に求めています。アドミッション・ポリシーが具体的な大学ほど、自分が合うかどうかを判断しやすいのです。
- 評価方法(小論文型か共通テスト型か資格検定型か)
- 出願要件(評定平均・出欠・オープンキャンパス参加)
- 面接の形式(個人・集団討論・プレゼンのどれか)
総合型選抜の対策を塾に頼むときの見方
総合型選抜の対策は、資料の添削・面接練習・学力を測る方法の準備の3つに分かれます。塾を使うなら、3つのうちどこを頼むのかを先に決めてください。
学力の部分(共通テスト・小論文の基礎)は映像授業でも積み上げられます。
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総合型選抜と一般選抜を併願する人は、学力の基礎をここで作り、資料と面接は学校の先生と回す形が費用を抑えられます。

資料の添削と面接練習を専門塾に頼むと、どのくらいかかるのか。公式サイトに料金を出している総合型選抜の個別指導塾の例として、1時間あたりの単価と総額を計算した記事があります。

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よくある質問
- 総合型選抜とは何ですか?
-
文部科学省の実施要項で「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定義された方式です。旧AO入試にあたり、高校長の推薦なしに本人の意志で出願できます。
- 「総合選抜型入試」と「総合型選抜」は同じですか?
-
同じものを指します。文科省の実施要項での正式な名称は「総合型選抜」です。募集要項を検索するときは正式名称で探してください。
- 総合型選抜はいつから始まりますか?
-
令和9年度(2027年4月入学)の要項では、願書受付は令和8年9月1日以降、合格発表は令和8年11月1日以降です。実際の締切は大学ごとに違うので、志望校の募集要項で確認してください。
- 総合型選抜でも共通テストは必要ですか?
-
大学によります。要項は、「総合型選抜、学校推薦型選抜においても、大学入学共通テストを利用することができる」としています。個別テスト、共通テスト、小論文等、資格検定のうち、少なくとも1つを使うことが必須で、どれを使うかは募集要項に書かれます。
- 面接は必ずありますか?
-
あります。令和9年度の要項から、総合型選抜では、面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問を含む)による評価が必須になりました。文科省のQ&Aは、AI面接やペーパーインタビューで代替できないとしています。
- 欠席日数が多いと不利ですか?
-
出欠を判定材料にするかは大学の判断です。ただし要項は、病気・事故など本人に帰責されない身体・健康上の理由による欠席は、申し出や調査書の記載で把握した場合、不利益を被らないよう配慮すると定めています。理由を調査書の備考に書いてもらえるか、担任に相談してください。
- 総合型選抜で受かる人はどんな人ですか?
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要項が必ず評価する3つをそろえた人です。①志望分野につながる活動と学修計画を、本人が書ける。②書いた内容を、面接でその場の質問に答えられる。③募集要項が指定する学力の評価方法(小論文、共通テスト、英検等)の準備がある。
- 受かりやすい大学はどう探しますか?
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大学名の一覧ではなく、募集要項の3か所(評価方法・出願要件・面接の形式)を読んで、自分の得意と一致する大学を探します。アドミッション・ポリシーが具体的に書かれている大学ほど判断しやすいです。
- 学校推薦型選抜との違いは?
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学校推薦型選抜は出身高校長の推薦が必要で、調査書を主な資料とし、募集人員は入学定員の5割を超えません。総合型選抜は本人の意志で出願でき、募集人員の制約はありません。
- 募集要項はいつ出ますか?
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要項では令和8年12月15日までに公表するとされています。ただし総合型選抜は9月に受付が始まるため、前年の募集要項を高3の夏前に読んでおく必要があります。

大学の学校推薦型選抜と、都立高校の推薦に基づく選抜(令和9年度)の日程・検査の中身は、推薦入試とはの記事で比べています。

続けて読む:総合型選抜は塾に行くべき?/英語ディベートが受験に役立つ理由
大学の「自己推薦入試」が総合型選抜に入るかどうかの見分け方と、2027年度も自己推薦の名前が残る大学は次の記事にまとめています。

この記事の更新・訂正
- 東進の「無料」の表記を削除(公式サイトに「無料」の記載を確認できなかったため)
- 東進の受講料を2026年度の公式の額(85,800円/講座)に訂正
全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。

この記事で確認した公的資料
本文の引用と日付は、次の文部科学省の資料の本文で確認したものだけです。資料は2026年9月22日に開きました。塾・予備校のサイトの数字は使っていません。
文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項(PDF・令和8年5月27日):第3 入試方法、第4 試験期日等、第6 評価方法、第13 その他注意事項、別紙様式1 調査書
文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項等に関するQ&A(PDF・令和8年9月2日更新):Q3-3〜Q3-6 面接・個別テスト・募集人員、Q4-1・Q4-2 試験期日等
文部科学省 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要(報道発表・2025年11月26日公表):大学の総合型選抜・学校推薦型選抜の実施大学数(2026年10月12日に確認)

