塾の回数は、学年でも成績でもなく「家で消化できる量」から逆算して決めます。ただし判断には金額も要るので、公開料金を当てて「1回増やすと月いくら上がるか」まで出しました。週1・週2・週3の向き不向き、断り方、増やす/減らすタイミングを整理します。

入塾の面談で週3回を勧められました。予算的には週1にしたいのですが、それだと意味がないと言われそうで悩んでいます。

正直に書きますが、塾の提案は多めに出ます。コマ数で売上が決まるからです。悪意ではなく構造の話なので、減らしてくださいと言って角が立つことはありません。
【結論】回数は「授業を受けたあとの時間」で決まる
授業を受けただけでは点になりません。受けたあとに自分で解き直す時間があって、はじめて定着します。だから回数は、次の式で考えてください。
- ①見てもらう科目は何科目か…1科目なら週1で足ります。3科目なら週1は無理です
- ②家で使える時間は週に何時間か…部活・習い事を引いた実際の時間で見ます
- ③目的は底上げか、受験対策か…受験学年は演習量が要るので回数が増えます
ここで見落とされるのが②です。週3回にすると、塾のない日が4日から2日に減ります。宿題を消化する日がなくなるので、授業だけ受けて解き直さない状態になります。
週1・週2・週3の向き不向き
| 回数 | 向いている状態 |
|---|---|
| 週1回 | 1科目だけ崩れている場合。数学だけ、英語だけ、と絞れば十分に機能します |
| 週2回 | いちばん多い形。英数の2科目、または1科目を2コマ。塾のない日が5日残ります |
| 週3回以上 | 受験学年で、家庭学習が既に回っている場合。回っていないなら増やしても消化不良になります |
「週1回では意味がない」と言われることがありますが、これは科目数を絞らない場合の話です。1科目に限定すれば、週1回でも成績は動きます。逆に3科目を週1で見るのは、どの科目も中途半端になります。

現場で見ていると、週2回で伸びる子と週3回で止まる子の差は、塾のない日に何をやっているかだけです。回数そのものが成績を決めているわけではありません。

その前に「週1回」が月に何回かを揃える
回数の話をする前に、前提を1つ確認してください。同じ「週1回」でも、月3回の塾と月4回の塾があります。公開されている金額を1回あたりに直すと、こうなります。
| 塾 | 公開されている「週1回」 | 中1・中2の月額 | 1回あたり |
|---|---|---|---|
| そら塾(オンライン・80分) | 月によって2種類の金額 | 7,800円/10,400円 | 2,600円 |
| 個別指導塾WAM(40分) | 月4回 | 7,600円〜 | 1,900円〜 |
| 個別指導塾WAM(90分) | 月4回 | 15,200円〜 | 3,800円〜 |
| 森塾(首都圏校舎) | 月3回と明記 | 11,700円〜 | 3,900円〜 |
| 個太郎塾(1対2・80分) | 月4回 | 15,752円 | 3,938円 |
各塾の公式サイトより(2026年8月12日確認・税込)。そら塾は英語を含む5教科から選択、個太郎塾は英語を含まない場合の額です。
そら塾が2種類の金額を出しているのは、月ごとに授業回数が違うからです。4・7・12・1・3月が7,800円、5・6・9・10・11・2月が10,400円。比は3対4で、1回あたりに直すとどちらも2,600円に一致します(中3・高1の10,500円と14,000円も、同じく3,500円で一致します)。「月額いくら」だけを見て年間を12倍で見積もると、ここでずれます。
1回増やすと、月いくら上がるのか
ここがこの記事でいちばん大事なところです。週2回以上の月額まで公開している塾は多くありません。そら塾は「週2回以上の授業料やテキスト代、システム使用料等の詳細については、そら塾お問合わせ窓口担当者よりご連絡の上……」と案内する形で金額そのものは載せておらず、森塾も下限だけ、WAMも週1回の金額しか出していません。
週5回まで表で公開している数少ない例が個太郎塾(市進教育グループ)です。実額を並べます。
| 週の回数 | 授業料 | 総合指導費込み | 1つ上の行との差 |
|---|---|---|---|
| 週1回 | 15,752円 | 19,712円 | — |
| 週2回 | 31,064円 | 35,024円 | +15,312円 |
| 週3回 | 44,726円 | 48,686円 | +13,662円 |
| 週4回 | 58,388円 | 62,348円 | +13,662円 |
| 週5回 | 72,050円 | 76,010円 | +13,662円 |
個太郎塾の公開料金表より(中1・中2/1対2/1コマ80分/英語を含まない場合・税込・2026年8月12日確認)。総合指導費は中学生共通で月3,960円、ほかに入会金16,500円。中3は週1回17,116円・週2回33,572円・週3回48,378円・週4回63,184円・週5回77,990円で、週2回以降は1回増やすごとに+14,806円です。
- 1回増やす=月13,662円(中1・中2)/14,806円(中3)。面談では1回あたりの額で示されることがありますが、判断するのは月額のほうです
- まとめても単価はほとんど下がりません。1回あたりは週1回で15,752円、週5回でも14,410円。8.5%しか安くなりません
- いちばん高いのは週1回から週2回に上げるとき(+15,312円)。ここだけ他より1,650円高くなっています
- 英語を足すと、回数に関係なく一律+1,485円。週1回でも週5回でも同額です。科目を足すのと回数を足すのは、値段の付き方がまったく違います
「週1と週2で月謝は2倍にならない」という説明を受けることがあります。これは間違いではありませんが、下がっているのは固定費のぶんだけです。授業料そのものは15,752円→31,064円で1.97倍。総合指導費3,960円を足した総額で1.78倍になります。回数をまとめても割引はほぼ効きません。
そして季節講習は回数と別枠です。上の表はあくまで通常授業の月額で、夏期・冬期はここに乗ります。年間の総額を出すときは、講習費まで含めて計算してください。

集団塾は回数を選べない。そのかわり1科目あたりが安い
ここは個別指導と大きく違う点です。集団塾は回数と科目がセットで決まっています。公開されている実施要項を見ると、選択肢そのものが用意されていません。
そのため「数学だけ週1回」という使い方はできません。ただし1科目あたりの月額に直すと、集団のほうが大幅に安くなります。
| 塾・学年 | 科目 | 月額(固定費込み) | 1科目あたり |
|---|---|---|---|
| 臨海セミナー 中2 | 5教科 | 25,300円 | 5,060円 |
| 臨海セミナー 中1 | 3教科 | 17,930円 | 5,977円 |
| 早稲田アカデミー 中2(レギュラー) | 5科 | 41,800円 | 8,360円 |
| 早稲田アカデミー 中2(レギュラー) | 3科 | 32,100円 | 10,700円 |
| 個太郎塾 中1・中2(週2回) | 2科目 | 35,024円 | 17,512円 |
| 個太郎塾 中1・中2(週1回) | 1科目 | 19,712円 | 19,712円 |
各塾の公式サイトより(2026年8月12日確認・税込)。臨海セミナーは神奈川教室の授業料で、地域によって異なります。早稲田アカデミーは年会費2,900円、個太郎塾は総合指導費3,960円を足した額で、いずれも教材費・テスト代は別です。
この記事にはもともと「1〜2科目だけ見てほしいなら、個別指導のほうが総額は安くなります」と書いていました。公開料金に当てたところ、必ずしもそうなりませんでした。臨海セミナーの中1は3教科で17,930円、個太郎塾の週1回1科目は19,712円です。3教科まとめて見てもらうほうが安い。一方、早稲田アカデミーの中2レギュラー3科(32,100円)となら、個別の1科目のほうが安くなります。「個別のほうが安い」は、比べる相手の集団塾によって逆転します。
増やすときの差はもっとはっきりします。早稲田アカデミーで3科から5科にする(理社を2科目足す)と+9,700円。個太郎塾で週2回を週3回にする(1コマ足す)と+13,662円です。集団で2科目増やすより、個別で1コマ増やすほうが高い。回数を足すかどうかで迷ったら、この差を思い出してください。

提案された回数を減らしたいとき
言い方だけの問題です。予算の話にすると押し戻されやすいので、時間の話にしてください。
「部活が週6であるので、家で勉強できるのは平日1時間ほどです。週3回だと宿題が回らないと思うので、まずは週2回で始めて、回りそうなら増やす形にできませんか。」
入っているのは「家庭の実時間」と「後で増やす可能性」の2つです。塾側からすると、断られたのではなく段階を踏むという話になるので、話が通りやすくなります。
実際、少なく始めて増やすほうが失敗しません。多く始めて減らすと、途中で「効果がなかった」という印象だけが残ります。これは手続きの面からも裏付けられます(後述のよくある質問を見てください)。増やす側は緩く、減らす側にだけ期限と返金不可が付いている塾があります。
増やすタイミング・減らすタイミング
出された課題を終えたうえで、まだ時間が余っている状態。ここではじめて回数を足す意味が出ます。受験学年に上がるタイミングも、同時に科目を増やす好機です。
回数を維持したまま我慢させると、答えを写す方向に進みます。そうなる前に減らしてください。減らした分の時間は、解き直しに使います。
増やしても減らしても変わらないなら、問題は回数ではありません。やることを決めて、やったかを確認する仕組みがあるかを見てください。【スタディコーチ】無料相談・逆授業の体験のように学習管理を前面に出している塾なら、週単位で量を決め直したうえで、解けたかではなく説明できるかで確認します。
授業を増やさずに学習時間だけ増やしたいなら、自習室の使い方が答えになります。回数を最小にして自習室を最大限使う組み合わせが、いちばん安上がりです。週1回増やして月13,662円を足す前に、追加料金のかからない時間を使い切ってください。

回数だけでなく1コマの長さも塾によって違います。個別指導塾WAMの公開料金では、中1・中2の週1回が40分で7,600円〜、90分で15,200円〜。ちょうど2倍です。見積もりを比べる前に、ここを揃えてください。

よくある質問
個別指導の週1回は本当に意味がありますか
1科目に絞るなら意味があります。週1回80〜90分でも、そこで出た課題を1週間かけて消化すれば十分に動きます。意味がなくなるのは、2〜3科目を週1回に詰め込んだときです。どの科目も進まないまま終わります。なお東京個別指導学院は「週1回1科目から受講可能で、部活や習い事との両立もしやすいです」と公式に書いています。週1回1科目は、塾側が想定している標準的な使い方のひとつです。
受験学年は週何回が普通ですか
中3・高3では週2〜3回が多くなります。ただし部活を引退するまでと引退後で、使える時間がまったく変わります。引退前に週3を入れて回らなくなるより、引退のタイミングで増やすほうが確実です。個太郎塾の公開料金なら、中3で週2回から週3回に上げると月14,806円の追加。3か月早く始めると約44,000円の差になるので、時期の判断は金額でも効いてきます。
回数を途中で変えられますか
月単位で変更できると公式に書いている塾はあります。東京個別指導学院は「月単位での変更が可能です。お子さまの学習状況や目標によって適正な回数がかわってきます」と明記しています。ただし締め日は塾ごとに違い、公開していない塾のほうが多いです。公開している例では個別館(アップ教育企画)が、変更開始月の前月20日を届け出の期限にしています。
注意したいのは、増やすときと減らすときで扱いが違うことです。同じ個別館の規定には「前月20日を過ぎてからの講座回数の減少や休学・退学については受け付けられません。その月の学費は、未受講であっても返金対応いたしかねます」とあります。増やす側の手続きは緩く、減らす側にだけ期限と返金不可が付いています。だから聞くべきは「変更はいつまでですか」ではなく、「減らすときも同じ期限ですか」です。
回数を増やすと1回あたりは安くなりますか
ほとんど安くなりません。個太郎塾の公開料金で計算すると、1回あたりは週1回で15,752円、週5回でも14,410円。5倍通っても8.5%しか下がりません。「まとめたほうがお得」という考え方は、少なくとも公開されている料金表の上では成り立ちません。増やす理由は単価ではなく、家庭学習が回っているかどうかで判断してください。
1回あたりの時間は長いほうがいいですか
公開されている料金表を見るかぎり、時間を倍にすると金額もほぼ倍になります(WAMの中1・中2で40分7,600円〜/90分15,200円〜)。長さそのものが割安になるわけではありません。中学生なら1回80〜90分が集中の限界で、それを超える設定にしている塾は演習の時間を含めていることが多いので、「そのうち何分を教わるのか」を確認してください。
自習室に毎日行かせれば回数は少なくていいですか
これはかなり有効な組み合わせです。授業は週1〜2回にして、自習室に毎日行く。1コマ増やすと月13,000〜15,000円かかることを考えると、費用対効果は大きく違います。ただし自習室に質問できる先生が常駐しているかは必ず確認してください。ここは塾によって扱いが分かれる部分で、公式に「原則いたしかねます」と書いている大手もあります。
回数を減らしても月謝はその割合では下がりません。管理費や教材費は固定でかかるためです。削る順番はこちらに整理しました。

まとめ
塾の回数は、学年でも成績でもなく「家で消化できる量」で決めてください。授業を増やしても、それを解き直す時間が増えるわけではありません。
1科目なら週1回で足ります。2科目なら週2回。週3回以上が意味を持つのは、宿題が既に回っている場合だけです。金額の面では、1回増やすと月13,662円(中1・中2)/14,806円(中3)。まとめても単価は8.5%しか下がりません。「あと1回だけ」の重さは、思っているより大きいということです。
そして提案された回数は減らして構いません。少なく始めて増やすほうが、多く始めて減らすより失敗しません。規約の面でも、増やす手続きより減らす手続きのほうが厳しく設計されています。伝えるときは予算ではなく、家で使える時間の話にしてください。
出典(いずれも2026年8月12日確認):個太郎塾 中学生の授業料/そら塾 授業料/個別指導塾WAM 授業料/森塾 授業料/臨海セミナー 授業料/早稲田アカデミー 中学2年生対象コース実施要項/東京個別指導学院 よくある質問/個別館 規定・事務手続きについて




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