数学が苦手な人の克服ロードマップ|塾長が教える「戻る場所」の見つけ方4ステップ

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数学だけ本当にダメで、テストのたびに絶望してます。もう向いてないんじゃないかって…。

塾で一番多い相談がこれです。でも断言しますが、数学が「向いていない」人はほとんどいません。9割は「戻るべき場所を間違えている」だけです。塾で実際にやっている立て直しの手順を公開します。

数学は受験科目のなかでもっとも「積み上げ」の性質が強い科目です。だから一度つまずくと、そこから先の全単元が分からなくなります。逆に言えば、つまずいた場所を正確に特定して戻れば、そこから先は連鎖的に理解できるようになります。この記事はその「戻る場所の特定」から始めるロードマップです。

【結論】数学克服の4ステップ
  • STEP1:つまずいた単元を特定する…今やっている単元ではなく、その土台にある単元を疑う
  • STEP2:計算力を先に戻す…思考力の前に処理速度。ここを飛ばすと演習が続かない
  • STEP3:解法を「暗記」ではなく「分類」で覚える…数学の問題は型が有限
  • STEP4:初見問題で型を選ぶ練習…ここまで来て初めて「考える力」の勝負になる
この記事の目次

なぜ数学だけできないのか——3つの本当の原因

原因①:2〜3学年前の単元でつまずいている

高校生が「数IIの微分が分からない」と言うとき、実際の原因は中学の文字式や因数分解にあることが非常に多いです。微分の計算過程で式の整理ができず、そこで詰まっている。でも本人は「微分が分からない」と認識しているので、微分の参考書を買ってしまう——これがドツボにはまる典型パターンです。

中学生の場合も同じで、「一次関数が分からない」の原因は小学校の割合・比例だったりします。

塾で数学が苦手な子に最初にやらせるのは、その学年の問題ではなく2学年前の計算テストです。9割の子がそこでミスをします。ここを直すだけで、今の単元が急に読めるようになる子が本当に多いんです。

原因②:計算が遅すぎて思考にたどり着けない

数学ができる子とできない子の最大の差は、意外にも「発想力」ではなく計算の処理速度です。計算に時間と集中力を奪われると、問題の構造を考える余力が残りません。テストで時間が足りないのも、ほぼこれが原因です。

目安として、中学生なら計算問題1問10秒、高校生なら二次方程式の解が15秒で出せるかどうか。ここが遅い人は、思考の訓練より計算のドリルが先です。

原因③:解法を「暗記」しようとしている

数学の解法は暗記するものではなく「どういう問題のときにどの手を使うか」の分類として覚えるものです。「二次関数の最大最小で範囲に文字が入っていたら場合分け」のように、条件→手筋の対応で覚えると、初見の問題でも手が出ます。逆に解答の流れを丸暗記していると、数字が変わっただけで手が止まります。

STEP1:つまずき地点の特定方法

自力で特定するなら、次の順でチェックしてください。上から順に「できるか」を確認し、最初にできなかったところが戻る地点です。

レベルチェック項目できなければ戻る場所
① 小学算数分数の四則計算・割合・比小学校の計算ドリル(1週間で終わります)
② 中1〜2正負の数・文字式・連立方程式中学の計算問題集
③ 中3因数分解・平方根・二次方程式ここは高校数学の全単元の土台
④ 数I二次関数の平方完成・場合の数数Iの基本問題
⑤ 数II式変形・三角関数の公式運用数IIの例題
⑥ 現在の単元今つまずいている単元①〜⑤が全部OKなら、ここは演習量の問題

※プライドが邪魔をしますが、①②に戻れる人が一番速く伸びます。1〜2週間の投資で数ヶ月分の遅れが解消します。

自力での特定が難しい場合は、AIが診断テストからつまずきの根本単元を自動で割り出してくれる【atama+ オンライン塾】のようなサービスを使うのが最短です(14日間の無料体験があるので、診断だけ受けて自分で戻る、という使い方もできます)。数学だけをプロ講師に見てもらうなら数学専門の「数学が苦手」な生徒のためのオンライン数学塾という選択肢もあります。

STEP2:計算力の立て直し(2〜3週間)

計算トレーニングのやり方
  • 毎日10分・20問…量より頻度。1日おきだと効果が落ちます
  • 必ず時間を計る…「正確に解ける」から「速く解ける」へ移すのが目的なので、計らないと意味がありません
  • 途中式を省略しない…速さは省略ではなく手順の自動化から生まれます。省略で速くしようとするとミスが増えます
  • ミスの種類を記録する…符号ミス/分数の処理/移項——自分の癖が3種類くらいに絞られます

計算を速くする小技(たすき掛けなど)を身につけるのもこの段階です。

STEP3:解法を「型」で整理する

教科書や問題集の例題を、次の形でノートにまとめてください。これが数学の「型ノート」になります。

型ノートの書き方(1問1行)
  • 【条件】問題文のどこを見て判断したか(例:「範囲に文字aが入っている」)
  • 【手筋】そのとき何をするか(例:「軸と範囲の位置で場合分け」)
  • 【理由】なぜその手が有効か(一言でよい)
  • 解答の計算過程は書かない。書くのは判断だけ。これを50問分作ると、その単元は一気に見通せます

数学が得意な子の頭の中にあるのは、この「条件→手筋」の辞書です。得意な子は自然に作っていますが、苦手な子は意識的に作れば追いつけます。これは才能ではなく作業です

STEP4:初見問題で「型を選ぶ」練習

型ノートができたら、初めて見る問題で「どの型を使うか」を選ぶ訓練に入ります。ここでのポイントは、解ききることより「方針を立てるまで」を練習することです。

具体的には、問題を見て1分で方針だけメモして、答え合わせは解説の方針と照合する。1問5分で回せるので、1時間で10問分の判断力が鍛えられます。完答練習は週末にまとめてやれば十分です。

学年別・数学の立て直しスケジュール

学年いつまでに何を注意点
中1・中2各学期の計算単元をその学期中に完成関数でつまずいたら計算に戻る
中3夏までに中1・中2の計算+因数分解入試の配点は計算+関数+図形が中心
高1数I・Aを学校進度に遅れず。二次関数は完璧にここでつまずくと数IIが崩壊します
高2数IIの微積・三角関数・指数対数の基本完成高2の12月までに数IIが終われば受験は間に合う
高3夏までに全範囲の基本→秋から演習新しい参考書を増やさない

数学が苦手な人のよくある質問

戻るのが時間の無駄に思えて踏み切れません

戻る範囲は思っているより狭いです。計算単元だけなら1〜2週間で終わります。その2週間を惜しんで半年間分からないまま演習を続ける方が、圧倒的に大きな損失です。塾では「急がば回れ」ではなく「回った方が速い」と説明しています。

解説を読んでも分からないときはどうすれば?

解説が分からない原因は「前提知識の不足」なので、その問題を粘らずに、使われている公式・定理の基本例題に戻ってください。それでも分からない場合は、その解説と相性が悪いだけの可能性もあるので、無料の解説サイトや動画で別の説明に触れると解決することがあります。

テストで時間が足りません

ほぼ計算速度の問題です(STEP2に戻ってください)。加えて「解く順番」の戦略も有効で、大問1から順に解く必要はありません。得点しやすい問題から取る訓練を普段の演習からやっておくと、本番の点が変わります。

数学だけ塾に行くのはあり?

非常に合理的な選択です。数学は独学の難易度が最も高い科目(つまずきの特定が自分でできない)なので、1科目だけプロに見てもらう価値が高い。数学専門のオンライン塾なら通塾も不要です。塾全体の比較はオンライン塾9社の比較記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人:たかた(兵庫県の個別指導塾 塾長)→ 運営者情報

公式や定理を一気に確認したいときは、一問一答が便利です。

どの単元の公式が抜けているかを確かめたいときは、公式・定理の一問一答が便利です。覚えていない公式が3つ以上ある分野は、演習量が足りていないサインです。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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