高校入試の数学で、計算の時間を縮められる公式・裏ワザを10個まとめました。どれも中学校で習う範囲の内容で、例題の数値はすべて検算しています。
中学数学の公式・裏技一覧【10個の早見表】
特に使う場面が多いのは2次関数の変化の割合 a(p+q)、分数=分数のたすき掛け、1の位が5の数の2乗、円錐の側面積 πarの4つです。ただし記述式の答案では途中式が必要なので、マーク式・穴埋め・検算用と割り切って使ってください。
| 裏ワザ | 公式 | 実用度 |
|---|---|---|
| 1. 2次関数の変化の割合 | y=ax²で x が p→q のとき a(p+q) | ★★★★★ |
| 2. 2次関数と直線の交点を通る直線 | y=a(x₁+x₂)x-ax₁x₂ | ★★★★ |
| 3. 分数=分数 | b/a=d/c なら ad=bc | ★★★★★ |
| 4. 最小公倍数と最大公約数 | ab=LG | ★★ |
| 5. 正三角形の面積 | √3/4×a² | ★★★★ |
| 6. 正四面体の体積 | √2/12×a³ | ★★★ |
| 7. 相似(平行線にはさまれた長さ) | ab/(a+b) | ★★ |
| 8. 1の位が5の数の2乗 | ◯5²=◯×(◯+1)の後ろに25 | ★★★★★ |
| 9. 円錐の側面積・表面積 | 側面積 πar、表面積 (a+r)rπ | ★★★★★ |
| 10. おうぎ形の中心角・面積 | 中心角=半径/母線×360、面積=1/2×母線×弧 | ★★★★★ |
実用度は、塾で高校受験の指導をしてきた経験から付けた目安です。それぞれの使い方と例題は、下の見出しで1つずつ説明します。
1.2次関数の変化の割合 実用度 ★★★★★
二次関数の変化の割合は下の式で求められます。

例題:y=2x2 で xの値が 3から5 に増加したときの変化の割合を求めなさい。
裏技の式に代入すると、変化の割合は 2×(3+5)=16と簡単に求められます!

数学が得意な方は、なぜこうなるのかを証明してみましょう!
xの増加量はq-pで、yの増加量はaq2-ap2となるので…?
- 変化の割合は公式に代入するだけで求まる
- 例:y=2x²でxが3→5→2×(3+5)=16
- 得意な人は原理を自分で証明してみる
2.2次関数と直線の交点を通る直線 実用度 ★★★★
定期テストや受験でよく問われる問題ですね。通常だったら変化の割合や連立方程式が必要になる問題ですが…?
こんな式で一発で求めることができます。文字にすると難しく感じますが、数字で試してみると案外簡単に求められますよ。

例題:y=3x2 で (-1, 3) (3, 27)を通る直線の方程式を求めなさい。
裏技の式に代入すると、y=3(−1+3)xー3×(−1)×3
つまりy=6x+9と求められますね。

なぜか知名度の低い裏技です!慣れたら本当に一瞬で式が求められます。不安な方は問題で与えられた座標を代入してみて、成り立つかどうかを確かめてみるといいですよ!
3. 分数=分数の計算方法 実用度 ★★★★★
計算をしている中で 分数=分数 の計算が出てきてどうしようと思った経験はありませんか?今日から以下の方法を使ってみてください!とても簡単に求められるようになりますよ。

例題:
\begin{eqnarray}
&&\frac{11}{5} = \frac{x+2}{10}\\
\end{eqnarray}
斜めに掛け算して、5(x+2) = 11×10となります。あとは分配法則を使うとx=20になります。

数学だけでなく、理科の食塩水の計算などでも使える汎用性が高い裏技です。特に数学の計算が苦手な方は覚えておいて損がないです!
4. 最小公倍数と最大公約数 実用度 ★★
中学校の段階ではあまり知られていませんが、知っていると得する、痒いところに手が届く裏技です。

例題:121と1100の最小公倍数を求めなさい。
121=11×11ということに気づけたら、最大公約数が11というのが分かりますね。
したがって、ab = L × G(L は最小公倍数、G は最大公約数)より、121×1100 = L×11 となります。これを解いて L = 12100 と求められます。

筆者もたまーにしか使いませんが、知っていた時のスピード差が大きいなと感じることがあるので、ここで紹介させていただきました!
5. 正三角形の面積 実用度 ★★★★
平面図形、空間図形で問われることがある正三角形の面積。これは三平方の定理を使い求めますが、ちょっと時間が掛かります。以下の式を覚えておくといいですよ。もちろん検算としても役立ちます。

例題:1辺の長さが2の正三角形の面積を求めなさい。
裏技の公式を使いましょう。aに2を代入して、答えは√3になりますね。

「正三角形の面積を求めなさい」という問題も勿論想定はされますが、筆者の経験上、角錐の体積を求めるときの底面積の計算でよく使うイメージです!かなり時短になりますよ!

ちなみに正三角形の高さは √3a/2になりますよ。
6. 正四面体の体積 実用度 ★★★
正三角形の面積と同じシリーズです。こちらは「体積」なので混同しないでください。合わせて覚えておくといいでしょう。

例題:1辺の長さが12の正四面体の体積を求めなさい。
裏技の公式を使いましょう。aに12を代入して、答えは144√2になりますね。

この辺りは正攻法を覚えておくことが非常に大切です!裏技に頼りすぎて応用が効かなくなることは避けてくださいね!
7. 相似を利用した問題 実用度 ★★
定期テストでもよく出題される問題。1度は解いたことがある受験生は多いでしょう。通常なら相似の性質を2箇所で使用することになります。少々難しい問題ですが、裏技で簡単に解くことができます。
ただし正攻法も経験して解けるようにしておいてくださいね。

例題:


★2としたのは、使われる場面がかなり限定されているからです。ただし、この積/和というのは、理科の並列回路の合成抵抗の求め方と同じです。知らない方は調べてみてください!
8. 1の位が5の平方 実用度 ★★★★★
15、25、85など、1の位が5である数の2乗は簡単に暗算できます。使う頻度が非常に多いので、これを機にぜひ覚えてください。
◯52=◯ ×( ◯+1 )25
となります。下2桁は必ず25になります。そしてその25より上の部分が、◯と◯+1をかけた数字になります。
具体例で見てみましょう。
152=225(下2桁は25。上は 1×2 = 2)
352=1225(上は 3×4 = 12)
752=5625(上は 7×8 = 56)
1252=15625(上は 12×13 = 156)

いろんな分野で使うテクニックです!是非覚えておいてほしいです!
9. 円錐の側面積、表面積 実用度 ★★★★★

となります。本来なら展開図を描いておうぎ形の面積を求めて…と手順が多いです。しかし上記の公式を使えば一瞬で求めることができますよ!
例題:次の円錐の側面積、表面積を求めよ。


底面積は円なので9πとすぐ求まりますね。確かに側面積の24πと合わせたら33πになっています!
10. おうぎ形の中心角、面積 実用度 ★★★★★
続いてはおうぎ形の紹介です!

例題:次のおうぎ形の中心角、面積を求めよ。


本当に色々なところで使うので、是非覚えておいてくださいね!
【補足】こうした解法テクニックを覚えても「そもそも数学が苦手で追いつけない」という場合は、独学で悩み続けるより、どこでつまずいているかを先に特定するほうが近道です。塾の選び方全般はオンライン塾の比較記事で解説しています。
【数学が苦手な人へ】この記事の内容をどの順番でやるべきか、つまずきの原因の特定方法は数学が苦手な人の克服ロードマップ(4ステップ)で解説しています。

裏ワザを使う前に確認すべきこと【塾長からの注意】
計算の裏ワザは強力ですが、使い方を間違えると逆に失点します。塾で必ず伝えている注意点です。
- ①正攻法を先にマスターする…裏ワザは時短の道具であって、理解の代わりにはなりません。原理が分かっていないと、使える場面かどうかの判断ができません
- ②記述式では使わない…途中経過を書く問題で裏ワザだけ書くと減点対象になります。マーク式・穴埋め・検算用と割り切る
- ③検算に使うのが最強…正攻法で解いた後、裏ワザで検算すると精度が上がります。時間がある試験ではこれが最も有効
- ④適用条件を覚える…どの裏ワザにも「使える条件」があります。条件を確認せず使うのが最も危険

裏ワザだけ覚えて模試の点が落ちた生徒を何度も見ています。正攻法6割・裏ワザ4割くらいの意識がちょうどいいです。基礎の作り方は数学が苦手な人の克服ロードマップにまとめました。
自分だけでは基礎の穴が埋まらないと感じたときは、塾に頼る方法もあります。中学生の塾を選ぶ基準は、中学生の塾の選び方にまとめました。
公式・定理の総復習には、一問一答も使えます。

公式・定理をまとめて確認できる一問一答も用意しています。

裏技を使う前に、基本の計算が固まっているかを50問で確認できます。
高校数学の実戦50問もあります。
裏技で稼げるのは計算問題の時間であって、合否を決めるのは内申点との合計です。公立高校は当日点と内申点の両方で決まるので、点の取り方と並行して内申の作り方も見ておいてください。



高校受験の数学で裏ワザが使える場面・使えない場面
同じ裏ワザでも、答案の形式によって使ってよいかが変わります。高校受験の数学でよくある形式ごとにまとめました。
| 答案の形式 | 裏ワザ | 理由 |
|---|---|---|
| 答えだけを書く問題 | 使える | 途中の式を見られないので、時短がそのまま点になる |
| マーク式・選択式 | 使える | 計算量を減らせる分、見直しの時間が取れる |
| 途中式を書く記述式 | そのままは使わない | 裏ワザの式だけだと減点されることがある |
| 正攻法で解いたあと | 検算に使う | 別の方法で同じ答えになれば、ミスに気づける |
公立高校の入試では、大問の途中で「求め方も書きなさい」と指示される問題があります。その場合は正攻法で式を書き、裏ワザは答えが合っているかの確認に回してください。
高校入試で使える高校数学の公式5つ|習う科目を学習指導要領で確かめた
高校で習う公式のうち、高校入試の問題の答え合わせに使えるものを5つ選びました。習う科目は、文部科学省の高等学校学習指導要領解説 数学編で確かめています。
| 公式 | 高校で習う科目 | 高校入試での使いどころ | 例(中学のやり方と同じ答えになるか) |
|---|---|---|---|
| 解と係数の関係 (2つの解の和と積) | 数学Ⅱ「いろいろな式」 | 2次方程式の解の検算 | x²−7x+12=0 の解は3と4。和3+4=7、積3×4=12で、係数の7と12に一致する |
| 余弦定理 | 数学Ⅰ「図形と計量」 | 2辺と間の角が60°の三角形の、残りの辺 | 2辺が5と8で間の角が60°なら、√(25+64−40)=√49=7。垂線を下ろして三平方の定理で解いても7になる |
| 2辺と間の角から三角形の面積 (½×a×b×sinC) | 数学Ⅰ「図形と計量」(解説に「取り扱うことも考えられる」とある) | 60°や45°を含む三角形の面積 | 2辺が6と8で間の角が60°なら、½×6×8×(√3/2)=12√3。高さ4√3を出して½×6×4√3としても12√3 |
| 線分を内分する点の座標 | 数学Ⅱ「図形と方程式」 | 関数の問題で、線分を1:2などに分ける点 | A(−2, 1)、B(4, 7)を1:2に分ける点は、x=(2×(−2)+4)÷3=0、y=(2×1+7)÷3=3で(0, 3) |
| 点と直線の距離 | 数学Ⅱ「図形と方程式」(解説に「考察したり…することも考えられる」とある) | 原点から直線までの高さ | 原点と直線3x+4y−20=0の距離は、|−20|÷5=4。x軸・y軸との交点から面積を出し、斜辺25/3で割り戻しても4 |
この記事の2番の裏ワザ y=a(p+q)x−apq は、1つ目の解と係数の関係から出てくる式です。y=ax² と直線 y=mx+n の交点の x 座標 p と q は、ax²−mx−n=0 の2つの解です。和が p+q=m/a、積が pq=−n/a なので、m=a(p+q)、n=−apq になります。
2番の例題 y=3x² でも確かめられます。3x²=6x+9 を整理すると x²−2x−3=0 で、解は−1と3です。和は2、積は−3で、6÷3=2、−9÷3=−3 と一致します。
5つとも中学校の学習指導要領解説 数学編には出てきません。途中式を書く問題では中学のやり方で式を書き、高校の公式は答えの確かめに使ってください。
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」(数学Ⅰ (2)図形と計量、数学Ⅱ (1)いろいろな式・(2)図形と方程式)/文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」(2026年10月14日確認)。計算例は当サイトで作った数で、答えは2通りの解き方で確かめた
全国の中3は「書く問題」で落としている|全国学力調査の数学
裏ワザが効くのは答えだけを書く問題です。どの形式で点を落としているかは、国立教育政策研究所の令和7年度全国学力・学習状況調査(中学3年生・数学15問)の結果で確かめられます。
| 問題形式 | 問題数 | 平均正答率 |
|---|---|---|
| 選択式 | 3問 | 54.4% |
| 短答式(答えだけ書く) | 7問 | 52.5% |
| 記述式(説明や証明を書く) | 5問 | 40.2% |

結果から計算したこと
- 記述式と選択式の差:40.2−54.4=−14.2ポイント
- 無解答率が高かったのも記述式:「運賃がおよそ何円になるかを求める方法を説明する」34.5%、「四角形AGCHが平行四辺形になることを証明する」31.2%
- 一次関数 y=6x+5 で x の増加量が2のときの y の増加量(短答式):正答は 6×2=12。正答率は35.4%だった
最後の問題は「変化の割合」の意味を問う問題でした。この記事の1番の裏ワザ a(p+q) は y=ax² の変化の割合の式で、一次関数では使いません。一次関数の変化の割合は、x の値に関係なく傾き a のままです。
- 「求め方も書きなさい」「説明しなさい」とある問題(全国の中3の正答率が最も低い形式)
- y=ax²以外の関数の変化の割合(a(p+q) は y=ax² 専用)
- 答えが合っているか確かめる時間が無いときに、初めて使う裏ワザで解く
出典:国立教育政策研究所「令和7年度全国学力・学習状況調査 問題別調査結果(中学校 数学)」(2026年10月13日確認)
よくある質問
- 中学数学の裏ワザで、まず覚えるならどれですか?
-
使う場面が多いのは、2次関数の変化の割合 a(p+q)、分数=分数のたすき掛け、1の位が5の数の2乗、円錐の側面積 πar です。この記事では実用度を★5にしています。
- 高校受験の記述問題で裏ワザを使ってもいいですか?
-
途中式を書く記述問題では、裏ワザの式だけを書くと減点されることがあります。正攻法で式を書き、裏ワザは検算に使うのが安全です。
- 2次関数の変化の割合の裏ワザはどう使いますか?
-
y=ax²で x の値が p から q まで増えるときの変化の割合は a(p+q) で求められます。例えば y=2x²で x が3から5に増えるときは、2×(3+5)=16です。
- 円錐の側面積を一瞬で求める公式は?
-
母線を a、底面の半径を r とすると、側面積は πar、表面積は (a+r)rπ です。母線8・半径3なら、側面積は24π、表面積は33πになります。
- 裏ワザだけ覚えれば数学の点は上がりますか?
-
裏ワザは時短の道具で、理解の代わりにはなりません。原理が分かっていないと使える場面かどうかを判断できないので、正攻法を先に身につけてから使ってください。
- 高校数学の公式は高校入試で使えますか?
-
答えだけを書く問題やマーク式の検算に使うのは自由ですが、途中式を書く問題では中学の範囲の解き方で書いてください。たとえば2次方程式の2つの解の和と積を使う「解と係数の関係」は、文部科学省の高等学校学習指導要領解説 数学編で数学Ⅱの「いろいろな式」に入っている内容で、中学校の学習指導要領解説 数学編には出てきません。
中学で学ぶ範囲の外の公式を途中式に書いたときにどう採点されるかは、問題ごとの採点基準によります。本文の表のとおり、記述式では正攻法で式を書き、高校の公式や裏ワザは答えの確認に回すのが安全です。
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」(数学Ⅱ (1)いろいろな式)(2026年10月13日確認)
続けて読む:三平方の定理の計算ツール
この記事で確認した資料
ここで扱った公式(変化の割合・平方根・相似・円錐やおうぎ形の計量)が中学校の数学で学ぶ範囲であることは、文部科学省の中学校学習指導要領解説 数学編で確認しました。裏ワザの実用度は、塾で高校受験の指導をしてきた経験に基づく評価です(2026年9月13日確認)。


