
最終的には「慣れ」が大切なのですが、この方法を知ると少し考えることが少なくなりスピードアップが出来ますよ!
問題
いきなりですが次の式を因数分解してみてください。
\begin{eqnarray}
6x^2+7x+2
\end{eqnarray}
まずは以下のように準備をすると思います。ここで、掛けて2になるのは2×1しかありませんから、真ん中の列は2と1で確定させました。

ここで迷うこととして掛けて6になるのは 「1×6」「6×1」「2×3」「3×2」の4パターンあります。つまり以下の場合があるわけです。




しかしここでこれから紹介する考え方を使えば2つにまで一瞬で絞ることができます。
たすき掛けが早くなる考え方
その考え方は…「隣同士に並ぶ数は互いに素」ということです。「互いに素」とは1以外の共通する約数を持たないという意味です。例えば2と5, 6と7, 10と13などが挙げられます。反対に2と6は約数2を持っていますし、3と9も3の約数を持っているので互いに素にはなりません。
そしてたすき掛けにおいて、隣に並ぶ数は必ず互いに素になります。(理由は後述)
ただし前提があります。これは式全体が数字でくくれない状態(=共通因数を先に外してある)のときの話です。6x²+10x+4 のように全体が2でくくれる式では成り立たないので、たすき掛けの前に共通因数を外すのを忘れないでください。
従って先ほどの4つの中から以下の2つはまず除外できるんです。


ですので後は、以下の2つを試したら良いということになりますね。経験上、掛けて6の場合は多くが「2×3」の組み合わせを選ぶと上手くいきます。今回も2つ目のパターンが正解になります。


なぜ隣に並ぶのは互いに素になるのか。
もし以下のパターンで上手くいくとしましょう。

この場合は因数分解の結果はこのようになりますよね。
\begin{eqnarray}
(6x+2)(x+1)
\end{eqnarray}
しかし前半の部分は2でくくることが出来ますよね。因数分解は基本的に共通の因数があれば括り出さなければいけません。そもそもたすき掛けをしたのにさらに数字でくくれるというのは少し変な話になってしまうわけです。
ですのでそれ以上共通因数で括ることが出来ないように、隣同士には互いに素である数を並べることになるんです。

この考え方は筆者は学校では教わらずに塾で習いました。これをご覧の中でも、気にしたことがなかったという方は多いのではないでしょうか。地味ですがスピードアップに使える方法ですので、次回から取り入れてみてくださいね。
他にYouTubeで見つけた、裏技のおすすめ動画をご紹介してこの記事は終わりにしたいと思います。ここまで見ていただきありがとうございました。勉強頑張ってください!
【補足】こうした解法テクニックを覚えても「そもそも数学が苦手で追いつけない」という場合は、独学で悩み続けるより、どこでつまずいているかを先に特定するほうが近道です。塾の選び方全般はオンライン塾の比較記事で解説しています。
塾で教えている「数字を試す順番」
たすき掛けが遅い人は、数字の組み合わせを思いついた順に試していることがほとんどです。実は試す順番には定石があり、これを守るだけで平均の試行回数が半分以下になります。
- ①定数項が素数なら、組み合わせは1通りしかない…まずここを確認。素数(2,3,5,7,11…)なら1×その数で確定なので、符号だけ考えればよい
- ②x²の係数が1なら、たすき掛けは不要…「かけて定数項、たして1次の係数」の2数を探すだけ。ここでたすき掛けを書き始める人は時間を損しています
- ③絶対値が近い組み合わせから試す…12なら「3×4」を「1×12」より先に。1次の係数が小さい問題ほど、真ん中寄りの組み合わせが正解になりやすい
- ④符号は最後に決める…数字の組み合わせを先に確定させ、符号は1次の係数と定数項の符号から逆算する
よくあるミス3パターン【現場で見てきた傾向】
塾で採点していて、たすき掛けの間違いは驚くほど同じ3種類に集中します。
ミス①:符号のつけ間違い(最頻)
定数項が正で1次の係数が負のとき、「両方マイナス」にすべきところを片方だけマイナスにするミスです。定数項が正なら2数は同符号、負なら異符号——このルールを唱えてから書き始めるだけで防げます。
ミス②:たすき掛けの「たす」を「かける」でやってしまう
斜めにかけた2つを足すのが1次の係数ですが、ここを掛けてしまう人がいます。慣れないうちは「×して→+する」と口に出しながら書くのが有効です。
ミス③:共通因数を先にくくり出していない
2x²+10x+12 のような式で、いきなりたすき掛けを始めると数字が大きくて苦戦します。先に2でくくって 2(x²+5x+6) にすれば、たすき掛け自体が不要になります(x²の係数が1になるため)。「まず共通因数」は因数分解の絶対的な第一手です。

この3つは、私が採点してきた答案の間違いのほぼ全部を占めます。逆に言えばこの3点をチェックリストにするだけで、因数分解の失点はほぼ消えます。
練習問題【解答つき】
順番に難しくなります。上の「試す順番」を意識して解いてみてください。
| 問題 | 答え | ポイント | |
|---|---|---|---|
| (1) | x²+7x+12 | (x+3)(x+4) | x²の係数が1→たすき掛け不要 |
| (2) | 2x²+7x+3 | (2x+1)(x+3) | 定数項3が素数→組み合わせ1通り |
| (3) | 3x²−10x+8 | (3x−4)(x−2) | 定数項が正で1次が負→両方マイナス |
| (4) | 6x²+x−12 | (3x−4)(2x+3) | 定数項が負→異符号。絶対値の近い組から |
| (5) | 4x²−12x+9 | (2x−3)² | 完全平方式。たすき掛けの前に気づけると速い |
| (6) | 2x²+10x+12 | 2(x+2)(x+3) | まず共通因数2をくくる |
検算の習慣をつける
因数分解は展開すれば必ず検算できる唯一の分野です。時間がある試験では必ず展開して元の式に戻るか確認してください。特に1次の項(xの係数)だけ確認すれば、ほとんどのミスは発見できます。5秒で済みます。
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