
夏休み明けにすぐ実力テストがあります。範囲が「1学期まで全部」で、何をやればいいのか分かりません。定期テストみたいに直前に詰め込めばいいんですか?

そこが定期テストとの決定的な違いです。実力テストは、直前の詰め込みが効かない唯一のテストです。だからこそやるべきことは1つに絞れます。順番に説明しますね。
夏休み明けに行われる実力テスト(学校によっては「課題テスト」「確認テスト」)は、範囲が広すぎて手がつけられないという相談がいちばん多いテストです。
- 最優先は夏の課題(ワーク)…実力テストは課題から出ることが非常に多いです
- 新しい問題集には手を出さない…範囲が広いときほど、手を広げると全部中途半端になります
- 狙うのは「解けるはずの問題を落とさない」こと…難問より計算ミスと漢字で差がつきます
- 中3は結果の使われ方が違う…2学期の面談で進路資料として使われます
- 点数より「どこで落としたか」…実力テストは現在地がいちばん正確に出るテストです
実力テストと定期テストは、何が違うのか
| 定期テスト | 実力テスト | |
|---|---|---|
| 範囲 | 数週間分 | これまで習った全部 |
| 直前対策 | 効く | ほとんど効かない |
| 問われるもの | 覚えているか | 使えるか(初見で解けるか) |
| 内申への反映 | 大きい | 学校による(下で説明します) |
| いちばんの価値 | 内申点 | 現在地が正確に分かること |

直前対策が効かないというのは、悪いことばかりではありません。詰め込みで隠せない=実力がそのまま出るということなので、この点数は今後の計画を立てるうえで最も信用できる数字になります。悪くても落ち込まず、材料として使ってください。
最優先は「夏の課題」——理由があります
実力テストの問題は、夏休みの課題(ワーク・問題集)から出題されることが非常に多いです。作る側の立場で考えると理由は明らかで、「全員が同じものを持っている教材」だからです。
逆に言えば、範囲が「1学期まで全部」であっても、実際に狙うべき範囲は課題の中に絞れるということです。
- ①答えを写して埋めた場所を洗い出す…ここが必ず失点箇所になります
- ②間違えた問題だけをもう一度、何も見ずに解く…解き直していない問題は解けません
- ③正解した問題は飛ばす…全部やり直す時間はありません
- ④最後に、各単元の例題だけを通す…全体を薄く1周して抜けを確認します

毎年いちばん多い失点パターンが①です。課題を「提出物」として答えを写して終わらせた生徒は、その単元がそのままテストで出ます。写した場所は本人がいちばんよく覚えているので、正直に洗い出して、そこだけやり直してください。ここを潰すだけで点は動きます。
残り日数別・何をやるか
2週間以上あるとき
課題の解き直しに加えて、苦手な1単元だけを戻って復習できます。「数学の関数」「英語の不定詞」のように、単元名で言える粒度まで絞ってください。教科ではなく単元です。

1週間のとき
課題の間違い直しだけに絞ってください。新しいことはやりません。加えて、英単語・漢字・理科社会の用語など「覚えれば必ず取れるもの」に時間を回します。ここは実力に関係なく点になります。
2〜3日のとき
やることは2つだけです。①課題で間違えた問題をもう一度解く ②暗記もの(単語・漢字・用語)を詰める。数学の応用問題に手を出すのは、この段階では割に合いません。
前日
新しい問題は解かないでください。解けない問題に当たると不安になるだけです。見返すのは、間違い直しをしたノートと暗記もの。そして睡眠を削らないこと。実力テストは思考力を問う問題が多く、寝不足がそのまま点に出ます。
中3は「結果の使われ方」が他学年と違う
中3にとって、夏休み明けの実力テストは秋の三者面談で進路の資料として使われることが多いテストです。志望校について「行けそうか」の話が具体的に始まるのが、ちょうどこの時期になります。
ここで大事なのは、実力テストの点数と内申点は別物だということです。
- 内申点…主に定期テスト・提出物・授業態度で決まる。学校が高校に出す評価
- 実力テスト…入試本番でどれくらい取れそうかの目安。内申に直接入らない学校も多い
- 面談では両方が使われる…内申点で出願の可否、実力テストで当日点の見込みを見ます
つまり、「実力テストは悪いが内申は良い」「内申は伸びないが実力テストは取れる」のどちらなのかで、2学期にやるべきことが変わります。前者なら演習量、後者なら提出物と授業態度です。


面談で志望校を下げる話が出たとき、その場で結論を出す必要はありません。秋以降に伸びる生徒は毎年います。ただし「まだ伸びます」と言い張るだけでは何も変わらないので、「何を、いつまでに、どれだけやるか」を持って次の面談に臨むこと。それが唯一の交渉材料です。
返却されたあとが本番——結果の使い方
点数を見て一喜一憂して終わる生徒がほとんどです。実力テストの価値は点数ではなく、失点の中身にあります。返ってきたら、必ず次の4つに分類してください。
- ①知らなかった…覚えていない。→ 暗記のやり直し。いちばん回収が速い失点です
- ②知っていたが使えなかった…知識はあるのに解法に結びつかない。→ 演習量が足りていません
- ③解けたはずのミス…計算ミス・読み違い・漢字。→ ここがいちばん軽く見られていて、いちばん大きい
- ④時間が足りなかった…実力ではなく配分の問題。→ 解く順番を変えるだけで解決します
この4つのうち、③と④は勉強量を増やさなくても取り戻せます。まずここを数えてください。合計で20点以上あることも珍しくありません。

「勉強したのに点が上がらない」と言う生徒の答案を一緒に見ると、③のミスだけで15〜25点分あることがよくあります。本人は「実力が足りない」と思い込んでいますが、実際に足りないのは見直しの手順です。ここを分けて数えるだけで、次にやることが変わります。


2学期に向けて、いま決めておくこと
実力テストが終わったら、すぐ2学期の話になります。2学期は行事が多く、まとまった勉強時間が取れません。だから「時間ができたらやる」では動かなくなります。
- 平日にどの時間を勉強にあてるか…「何時から何時まで」を1つだけ固定する
- 実力テストの失点①②のうち、どちらを優先するか…両方はできません
- 次の定期テストの2週間前がいつか…カレンダーに先に印をつけておく

自分では計画を立てて維持するのが難しい、という場合は、そこを外注するという選択肢もあります。

よくある質問
実力テストの点数は内申点に入りますか?
学校によって扱いが違います。内申に含めない学校が多い一方、参考資料として見る学校もあります。確実なのは担任の先生に直接聞くことです。「実力テストは評定に入りますか」と一言確認すれば教えてもらえます。推測で動くより早いです。
定期テストは取れるのに、実力テストだけ点が低いのはなぜですか?
直前に詰め込んで、テスト後に抜けているからです。これは能力の問題ではなく、覚え方の問題です。対策は単純で、定期テストが終わった直後に、間違えた問題だけをもう一度解くこと。これを毎回やっている生徒は、実力テストでも落ちません。
範囲が広すぎて、どこから手をつけるか決められません。
夏の課題の間違い直しから始めてください。それだけで範囲が数分の一に絞れます。「どこから」で迷っている時間がいちばんもったいないので、迷ったら課題です。一問一答で穴の位置を先に見つけるのも有効です。

結果が悪すぎて、志望校を変えたほうがいいと言われました。
8月末の時点で決める必要はありません。秋から伸びる生徒は毎年います。ただし「頑張ります」だけでは学校側も判断できないので、失点を4つに分類した結果と、2学期に何をどれだけやるかを持って次の面談に臨んでください。数字を持っていくと話が変わります。
高校生の実力テスト(課題テスト)も同じ対策でいいですか?
基本は同じです。夏の課題から出るという点も変わりません。ただし高校の場合、校内順位が文理選択やクラス分けに影響することがあるので、その学校の扱いは確認しておいてください。高1・高2なら、この結果は「英語と数学が維持できているか」の確認として使うのが正解です。

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