多くの方が高校1年生で学習する“チェバの定理”。教科書を見ると式の複雑さに混乱してしまう人は多いです。というのも筆者もその一人でした。しかし高校の時に学んだある覚え方をすることで、それ以降簡単に解けるようになりましたので、今回の記事ではそれらを全て解説します!

式の形を丸暗記するより、三角形を1周する順番を覚えるほうが確実です。その手順を例題で説明します。
- △ABCの3つの頂点と点Oを結ぶ直線が、対辺(またはその延長)とP・Q・Rで交わるとき、\(\frac{BP}{PC}\times\frac{CQ}{QA}\times\frac{AR}{RB}=1\)
- 覚え方:頂点→分点→頂点→分点…と、三角形を1周するように比を並べる(スタートはどの頂点でもよい)
- 習う時期:高1の数学A「図形の性質」
- 証明:3つの比を、それぞれ三角形の面積の比に置きかえる
チェバの定理とは?
まずよく教科書に書いてある定義を紹介しますね。
チェバの定理
△ABCの3頂点A, B, Cと三角形の辺上またはその延長線上にない点Oとを結ぶ直線が、対辺BC, CA, ABまたはその延長線上と交わるとき、交点をそれぞれP, Q, Rとすると

が成り立つ。
というものです。これだけだと分かりにくいですよね。これだけを見ると「難しそう…」と感じますよね。しかし実は、チェバの定理は覚えるためのコツさえつかめば、非常にシンプルに理解することができます!

それでは、チェバの定理を簡単に覚えるためのポイントをご紹介します!
ポイントは “3STEP”を守ること!
チェバの定理は以下の3ステップを守れば簡単に解くことができます!それぞれ詳しく解説します。
- 長さが分かっているところ、x,yなど文字で表されている辺を濃く書いて三角形を作る。
- できた三角形の頂点を決める。それ以外は分点とする。
- 頂点→分点はイコールの左へ。分点→頂点はイコールの右へ書く!

ひとつずつ実際に解説します!練習問題を扱いながら進めていきますね!
練習問題を使って解説!
練習問題1(交点が三角形の中にあるパターン)

こちらの問題を使って進めていきましょう!

この問題で長さがわかっているところと求めたいxとyの辺を濃くしましょう。AR, RB, BP, PC, CQ, QAを濃くしたらいいですね。
そしたら今描いた線に囲まれた三角形ができますよね。今回で言うと△ABCですね。

次にSTEP1で出来た三角形の頂点を決めます。今回でいうと頂点はA, B, Cのところです。またそれ以外の点は全部分点になります。

8・x・4=5・y・7と左右に分けてかけていきます!

式はこれで完成なのであとはx:yの比を計算して求めていきましょう!
三角形を1周するコツは頂点から出た矢印は必ず分点へ、分点からでた矢印は必ず頂点に向かうことです。
以下の計算はこのようになります。確認してみてください。
\begin{eqnarray}
&&8 \times x \times 4 =5 \times y \times7 \\
&&32x = 35y\\
&&x:y =35:32
\end{eqnarray}
32x = 35y から x : y = 35 : 32になるのは、内項の積=外項の積を考えると分かります。わからない方は是非調べてみてください。

これで無事答えが出ましたね!ただ、実際に手を動かしてみるとこんなことをわざわざするの…?と思いませんか?
続けて、もう1問やってみましょう。
練習問題2(交点が三角形の外にあるパターン)

今回の問題は先ほどとは違って、交点Oが△ABCの外側にありますよね。こういった場合だと簡単に式を立てるのは難しくなります。そこで先ほどの3STEPの出番です。実際にやってみましょう!

この問題で長さがわかっているところと求めたいxとyの辺を濃くしましょう。AB, BR, BP, PC, CQ, ACを濃くしたらいいですね。
そしたら今描いた線に囲まれた三角形ができますよね。今回も△ABCですね。

次にSTEP1で出来た三角形の頂点を決めます。今回でいうと頂点はA, B, Cのところです。またそれ以外の点は全部分点になります。

(6+4)・ x ・3=4・y・(5+3)と左右に分けてかけていきます!

三角形を1周する感覚を覚えておきましょう!
コツは頂点から出た矢印は必ず分点へ、分点からでた矢印は必ず頂点に向かうことです。
以下の計算はこのようになります。確認してみてください。
\begin{eqnarray}
&&(6+4) \times x \times 3 =4 \times y \times(5+3) \\
&&30x = 32y\\
&&x:y =32:30\\
&&x:y =16:15\\
\end{eqnarray}
練習問題1と同様に、内項の積=外項の積を考えると分かります。最後の約分も忘れないように注意してください。

これで2パターンどちらも解けましたね!どちらのパターンでも解き方は同じになるので、あとは他に練習問題を解いて確実性を上げていってください!
チェバの定理の証明(面積の比を使う)
一番上の図(△ABCと、内部の点O)で証明します。使うのは「高さが同じ三角形では、面積の比は底辺の比に等しい」という性質だけです。
① BP:PCを面積の比にする
△ABOと△ACOは、辺AOを共通の底辺と見ると、面積の比がBとCからAOまでの距離の比になります。この距離の比はBP:PCに等しいので、次の式が成り立ちます。
\begin{eqnarray} &&\frac{BP}{PC}=\frac{\triangle ABO}{\triangle ACO} \end{eqnarray}
② 残りの2つも同じように
同じ考え方で、CQ:QAは△BCOと△BAOの面積の比、AR:RBは△CAOと△CBOの面積の比になります。
\begin{eqnarray} &&\frac{CQ}{QA}=\frac{\triangle BCO}{\triangle BAO}\\ &&\frac{AR}{RB}=\frac{\triangle CAO}{\triangle CBO} \end{eqnarray}
③ かけ合わせると1になる
\begin{eqnarray} &&\frac{BP}{PC}\times\frac{CQ}{QA}\times\frac{AR}{RB}\\ &&=\frac{\triangle ABO}{\triangle ACO}\times\frac{\triangle BCO}{\triangle BAO}\times\frac{\triangle CAO}{\triangle CBO}\\ &&=1 \end{eqnarray}
△ABOと△BAO、△ACOと△CAO、△BCOと△CBOはそれぞれ同じ三角形なので、分子と分母がすべて約分されて1になります。点Oが三角形の外にある場合も、同じ面積の比の考え方で証明できます。
「辺の比=面積の比」に置きかえるのがチェバの定理の証明です。メネラウスの定理(平行線と相似)とは道具が違うので、セットで覚えておくと記述問題に強くなります。
チェバの定理はいつ習う?高1の数学A「図形の性質」
チェバの定理は、高校数学の「数学A」の単元「図形の性質」で習います。数学Aは多くの高校で高1に学習するので、高1で習う定理と考えて大丈夫です。中学校の教科書には出てきません。
文部科学省の学習指導要領の解説には、数学Aの図形の性質で扱う例として「面積比と線分比の関係を用いてチェバの定理が成り立つこと」と書かれています(文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』(PDF))。
中学で習う「三角形の相似」や「平行線と線分の比」が、この定理の土台です。相似があやしい人は、先にそちらを復習すると理解が速くなります。
チェバの定理とメネラウスの定理の見分け方
どちらも「三角形の辺の比の積が1になる」定理なので、式の見た目はよく似ています。見分けるときは、図の中の線の引き方を見てください。
| チェバの定理 | メネラウスの定理 | |
|---|---|---|
| 図の形 | 3つの頂点から引いた3本の線が1点で交わる | 頂点を通らない1本の直線が三角形を横切る |
| 交わる点 | 3本の線の交点(三角形の内側にも外側にもなる) | 直線と3辺(またはその延長)との交点 |
| 外分点 | 交点が三角形の外にあるときに現れる | 必ず1つ以上ある(直線が辺の延長と交わるため) |
| 証明の道具 | 面積の比 | 平行線と相似 |
迷ったら、この記事の3STEP(三角形を決める→頂点と分点に分ける→頂点と分点を交互にたどって1周)で式を立ててください。どちらの定理でも、同じ手順で正しい式になります。
実はメネラウスの定理も同じ解き方で可能!
問題を見た時に、チェバを使うのかメネラウスを使うのか、分からないという方がよくいらっしゃいます。しかし実はチェバの定理もメネラウスの定理もどちらも解法は同じなんです。
つまりどちらも今回ご紹介した3STEPで解くことができます。どちらかは分からなくてもいいので、この3ステップを試してみることで得たい比を得ることができますよ。
メネラウスの定理は下記の記事からぜひご覧ください!

定期テストでは、この3STEPで式を立てる練習を2〜3問しておけば十分戦えます。
チェバの定理のよくある質問
- チェバの定理はいつ習いますか?
-
高校数学の数学Aの「図形の性質」で習います。多くの高校では高1で学習します。
- チェバの定理の式はどこからスタートすればいいですか?
-
どの頂点から始めても構いません。頂点→分点→頂点→分点…と、三角形を1周するように比を並べれば、正しい式になります。
- 交点Oが三角形の外にあっても使えますか?
-
使えます。この記事の練習問題2がそのパターンで、辺の延長上の点(外分点)を使って同じ手順で式を立てます。
- メネラウスの定理との違いは何ですか?
-
チェバの定理は頂点から引いた3本の線が1点で交わる図、メネラウスの定理は1本の直線が三角形を横切る図で使います。
- チェバの定理の逆とは何ですか?
-
3つの比の積が1になるなら、3本の線が1点で交わる(または平行になる)という定理です。3本の線が1点で交わることを示す問題で使います。
この記事で確認した資料
文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』(PDF):数学A「図形の性質」でチェバの定理・メネラウスの定理を扱う例(2026年9月25日確認)
【補足】こうした解法テクニックを覚えても点が伸びない場合、原因はテクニックではなく土台の理解にあることがほとんどです。土台のどこが抜けているかを先に特定するほうが、遠回りに見えて速く終わります。塾全般の比較はオンライン塾比較の記事へ。
【数学が苦手な人へ】この記事の内容をどの順番でやるべきか、つまずきの原因の特定方法は数学が苦手な人の克服ロードマップ(4ステップ)で解説しています。
公式・定理をまとめて確認できる一問一答も用意しています。


