入塾テストは落ちる?何を見られているかと、当日までにやっておくこと

入塾テストは落ちる?何を見られているかと、当日までにやっておくこと

入塾テストで落ちることはほとんどありません。多くの塾にとっては選抜ではなく、どのクラス・どの単元から始めるかを決めるための測定だからです。この記事では何を見られているか、当日までにやることと、やらなくていいことを整理します。

来週、塾の入塾テストがあります。落ちたらどうしようと本人が不安がっているのですが、対策はしたほうがいいでしょうか。

対策はしないでください。実力どおりに出してもらったほうが、本人のためになります。取り繕った点数で入ると、合わないクラスや合わない単元から始まることになります。

この記事の目次

【結論】選抜ではなく「測定」の塾がほとんど

入塾テストと聞くと合否のある試験を想像しますが、実態は塾のタイプで大きく違います。

塾のタイプテストの位置づけ
個別指導ほぼ測定のみ。どの単元から始めるかを決めるために受ける
集団塾(一般的なコース)クラス分けに使う。基準に届かなくても下のクラスに入れることが多い
進学塾の上位コース・特待ここは本当に選抜がある。基準点に届かないと入れないことがある

つまり「落ちる」可能性があるのは3行目だけです。近所の個別指導や一般的な集団塾を受けるなら、心配する必要はほとんどありません。

不安なら、申し込みのときに「基準点に届かないと入れないことはありますか」と直接聞いてください。聞きにくい質問ではありませんし、塾側もはっきり答えます。ここが分かるだけで当日の緊張がまったく違います。

大手塾の入塾テストは、実際どうなっているか

「塾による」と言われても困るので、公式サイトに書いてある内容をそのまま並べます。下は2026年8月時点で、各塾の公式ページに記載があった内容です。

塾・コース科目時間・費用
早稲田アカデミー
中学受験コース
小1〜小3は国語・算数
小4〜小6は国語・算数・社会・理科
各20〜30分
無料/毎週土曜14時〜(他の日時も相談可)
早稲田アカデミー
高校受験コース
小5〜小6は算数・国語
中1〜中3は英語・数学・国語
各20〜30分
無料
早稲田アカデミー
大学受験コース
英語・数学・国語のうち希望科目45分/科目
無料
栄光ゼミナール
小学生
算数・国語の2教科各20〜30分・計40〜60分
※学年やテストの種類で変わる
栄光ゼミナール
高校生
英語・数学・国語の3教科記載なし
出典:早稲田アカデミー公式「入塾テスト」栄光ゼミナール公式「学力診断テスト」(2026年8月確認)

ここで気づいてほしいことがひとつあります。どちらの公式サイトにも「何点で落ちる」は書かれていません。入塾基準や合格基準点の記載は、探しても出てきません。

基準点が調べても出てこない理由

塾が公表していないからです。募集状況や校舎ごとの空き、その年の受験者層で動くものなので、数字で固定して出せる性質のものではありません。ネットで見つかる「◯点で合格」はすべて受験した人の推測です。

つまり調べるより聞いたほうが速い、という珍しい種類の情報です。電話一本で「基準に届かないと入れないことはありますか」と聞けば、その校舎の実際の運用が返ってきます。ネットの推測を10件読むより正確です。

もう一点、表を見て分かるとおり科目数は塾とコースでかなり違います。中学生でも英数国の3科目のところがあり、個別指導では英語と数学の2科目、あるいは1科目だけということもあります。「2科目だと思っていたら3科目だった」は当日いちばん動揺するパターンなので、申し込み時に必ず確認してください。

塾は点数より「どこで間違えたか」を見ている

採点する側の話をします。合計点はほとんど見ていません。見ているのは次の3つです。

採点者が見ているところ
  • どの学年の単元で崩れたか…中2の内容が解けていないのか、小学校の割合なのか
  • 途中式を書いているか…書いていれば、どこで詰まったかが分かります
  • 白紙か、間違えたか…この2つはまったく意味が違います

3つめが特に大事です。白紙は「知らない」、間違いは「知っているが使えない」で、必要な指導がまったく変わります。だから当日は、分からなくても途中まで書いて出すように伝えてください。

逆に言えば、取り繕った点数はいちばん困ります。直前に詰め込んで解けてしまうと、塾は「ここは大丈夫」と判断して先に進みます。数週間後に必ず戻ってくることになります。

学年別に、どこで崩れることが多いか

ここからは統計ではなく、こちらが答案を採点してきた中での傾向として読んでください。入塾テストで点を落とす場所は、学年ごとにかなり決まっています。先に知っておくと、結果を聞くときの解像度が変わります。

学年数学でよく崩れる場所英語でよく崩れる場所
中1小学校の割合と分数、正負の数の加減、文字式のきまりアルファベットの大文字小文字、be動詞と一般動詞の混在
中2一次方程式の文章題、比例と反比例、小学校の速さ三単現のs、過去形の不規則変化、疑問文の語順
中3連立方程式、一次関数のグラフと式の往復不定詞と動名詞、接続詞、前置詞の使い分け

表を見て気づかれたと思いますが、崩れている場所は、たいてい今の学年ではありません。中3の答案で最初に目につくのが中1の文字式、中2の答案で目につくのが小学校の割合、というのが日常です。

だから「今の学年の内容が分かっていない」という受け取り方は、たいてい正確ではありません。今の単元が解けないのは結果で、原因は2学年前にあることが多い。ここを取り違えると、今の学年の問題集を買い足すという、いちばん効かない対策に向かってしまいます。

英語がとくに分かりやすくて、三単現のsが抜ける子は、その先の受動態も関係代名詞もほぼ確実に崩れます。動詞の形が主語で変わるという感覚がないまま進んでいるからです。ここは1か月あれば埋まるので、早く見つかったほうが得です。

入塾テストがない塾もあります

ここまで書いておいてなんですが、そもそもテストを実施していない塾もあります。個別指導では面談と体験授業だけで受け入れ、最初の数回の授業で状態を見ていくという進め方が珍しくありません。

これは手を抜いているわけではなく、一人ひとり進度を変えられる形態なので、先に測って振り分ける必要がないというだけです。ただし家庭からすると、どこから始まったのかが見えないまま通うことになります。

テストがない塾に入るときの一言

どの単元から始めるかは、いつ・何を見て決めますか。

「最初の授業で確認します」と返ってくれば問題ありません。ここが曖昧なまま学校の教科書どおりに進む塾は、穴を残したまま先に行きます。テストの有無より、始める場所を誰がどう決めるのかのほうが大事です。

逆に、始める場所を機械的に出してしまう形式もあります。【atama+ オンライン塾】は入塾テストの代わりにAIが単元の穴を出すので、14日間の無料体験のあいだに「どこから始めるか」が単元名で分かります。受ける塾を決める前に、今の位置だけ先に知っておく使い方もできます。

当日までにやること・やらなくていいこと

出題範囲と時間を聞いておく

「何年生の範囲から出ますか」「何分ですか」の2つだけ。範囲が学年をまたぐ塾もあるので、聞いておくと当日面食らいません。

前日は普通に寝る

拍子抜けするかもしれませんが、これがいちばん効きます。寝不足の状態で測ると、本来より低く出ます。低く出た状態を基準にされるほうが、あとで困ります。

×
直前に詰め込む

やらないでください。実力より高く出ると、合わないところから始まります。入塾テストは、いい点を取ることに何の得もない珍しいテストです。

×
「落ちたらどうする」と本人に言う

本人が緊張すると、実力より低く出ます。「今の位置を測るだけだから、分かるところだけ書けばいい」と伝えてください。実際そのとおりです。

当日の流れと、持っていくもの

意外と知られていないのですが、入塾テストはテストだけで終わりません。多くの塾は「テスト→採点→面談」までを一続きにしています。栄光ゼミナールも公式サイトで、成績報告書の返却とあわせて面談形式での学習相談を実施すると明記しています。

ですので所要時間はテスト時間そのものより長く見ておいてください。テストが1時間なら、前後を含めて2時間前後。この日に入塾の意思まで聞かれることもあります。

持っていくもの
  • 筆記用具と消しゴム…コンパスや定規が要る塾もあるので、申込時に確認を
  • 上履き…ビルに入った校舎では不要、学校を借りている会場では必要。ここは塾ごとに違います
  • 直近の通知表と、学校のテスト答案…これがいちばん効きます(理由は下に書きます)
  • 聞きたいことのメモ…面談がその場で始まるので、思い出しながら話すと必ず聞き漏らします

3つめを強くおすすめする理由を書きます。入塾テストは、その日の1回きりの点数です。体調が悪ければ低く出ますし、たまたま得意な単元が出れば高く出ます。塾側はその1枚だけで、これから1年の学習方針を決めることになります。

ここに学校の答案が数枚あると、「当日たまたまこうだった」のか「いつもここで落としている」のかが区別できます。正直なところ、答案を持ってきてくれる家庭は10組に1組もいません。持ってきてもらえた日は、こちらの提案の精度がまったく変わります。

点数の書かれた答案を人に見せるのは気が進まないかもしれません。ただ塾は点数を評価する場所ではなく、点数の原因を探す場所です。悪い答案ほど情報量があります。

なお保護者の同席については、テスト中は別室や待合で待ち、面談から合流するのが一般的です。下のきょうだいを連れて行けるかは校舎によるので、これも申込時に一言確認しておくと当日あわてません。

結果が返ってきたら、必ず聞くこと

点数とクラスだけ聞いて終わる家庭が大半です。ここでもう一歩踏み込むと、入塾テストが本当に役に立ちます。

そのまま使える質問

いちばん古い学年で、つまずいている単元はどこでしたか。そこから始めていただけますか。」

この質問に単元名で答えられる塾は、テストをきちんと分析しています。「全体的に基礎が弱いですね」で終わるなら、答案を見ていない可能性があります。入る前に塾を測る機会でもあるということです。

返ってきた成績表は、どこから見るか

結果は口頭だけでなく、書面で返ってくることが多いです。栄光ゼミナールは公式サイトで、成績報告書に受験者平均点・学習領域ごとの到達度バランス・同学年の中での位置づけ・教科ごとの学習課題が載ると説明しています。

情報が多いので、見る順番を決めておくと迷いません。おすすめは次の順です。

手順
領域別の凹みを見る

「数値と式」「図形」「関数」のように分かれているはずです。いちばん古い学年の領域が凹んでいたら、そこが最優先。ここだけは点数より先に見てください。

手順
同学年の中での位置を見る

点数そのものより、こちらのほうが情報になります。ただし母集団は「その塾に興味を持った家庭」です。学校のクラス順位とは別物なので、そのまま比べないでください。

手順
平均点との差は、最後でいい

いちばん目に入る数字ですが、いちばん意味を取り違えやすい数字でもあります。下回っても慌てず、上回っても安心しないでください。

平均点を上回って安心してしまうのが、実はいちばんもったいないパターンです。入塾テストの母集団は、そもそも塾を探している家庭に偏っています。その中の平均は、学校の平均とはまったく違う数字です。

逆に、領域別の内訳が載っていない成績表が返ってきたら、それ自体が判断材料です。合計点と順位だけの紙は、答案を分析していなくても作れます。次の項目の質問と合わせて確かめてください。

クラスが下だったときの考え方

集団塾では、テストの結果で下のクラスになることがあります。本人はがっかりしますが、ここで無理に上のクラスに入れてもらうのは勧めません。

授業についていけないまま座っている時間は、そのまま失われます。分かる授業を受けて上がるほうが、結果的に速いです。多くの塾はクラス変更の機会を定期的に設けているので、そこで上がればいいだけです。

ただしクラス変更の頻度と条件は、入る前に聞いておいてください。「年1回だけ」なら、下のクラスに1年いることになります。

特待・上位コースを狙うときだけは、話が別

ここまで「対策するな」と書いてきましたが、例外がひとつだけあります。授業料が減免される特待生や、進学塾の最上位コースを最初から狙う場合です。ここは本当に基準があるので、準備には意味があります。

ただし、狙う前に必ず確認してほしいことがあります。継続条件です。

特待を受ける前に聞くこと
  • 特待は何年間続きますか…入塾時の1年だけ、というケースがあります
  • 維持の条件は何ですか…塾内テストの順位や偏差値で判定されるのが一般的です
  • 外れたら授業料はいくらになりますか…ここを聞かずに入ると、翌年の家計が変わります

直前に詰め込んで特待を取った子が、そのあとどうなるか。いちばんきついクラスに置かれて、毎回のテストで維持を求められます。実力で取った子なら普通の日常ですが、背伸びして取った子には、そこからの1年がずっと苦しい。取れてしまうことが、いいとは限らないんです。

費用のために特待を狙うのであれば、その塾で特待を取れる位置にいるのかをまず確かめてください。無理に取りにいくより、通常のコースで通って翌年の判定で取るほうが、結果的にうまくいきます。

基準に届かなかったときの、次の一手

ここまで読んでも、上位コースや特待を受けて届かないことはあります。そのときの選択肢は3つです。どれを選ぶかは「どれくらい届かなかったか」で決まります。

状況とる手
あと少しだった下のコースから入り、次のクラス替えで上がる。クラス変更の頻度を必ず確認
時期の問題だった
(体調不良・範囲が未習)
日を改めて受け直す。再受験を認めている塾は多いので、まず聞く
単元に穴があったその穴を埋めてから再挑戦。個別指導で数か月だけ使う手もある

そしてどの選択肢を選ぶにしても、先に確かめることは同じです。「どの単元で崩れていましたか」。ここに単元名で答えが返ってくれば、次に何をすればいいかが決まります。

答えが返ってこなかった場合や、そもそも入塾テストのない塾を選ぶ場合は、診断そのものを別で取る手があります。【atama+ オンライン塾】は入塾テストの代わりにAIが単元の穴を出すので、14日間の無料体験のあいだに「どこから戻るか」だけでも分かります。

子どもがショックを受けているのですが、なんと声をかければいいでしょうか。

点数の話をしないことです。「どこが弱いか分かったから、そこからやろう」で終わらせてください。入塾テストは選ばれるための試験ではなく、始める場所を決めるためのものです。落ちたのではなく、始める場所が決まっただけです。

よくある質問

入塾テストは有料ですか

無料のことがほとんどです。塾にとっては入塾前の案内の一部だからです。有料の場合は申し込み時に案内があります。受けたからといって入塾の義務はないので、「受けたうえで考えます」と伝えて構いません。

科目は何を受けますか

塾とコースでかなり違います。早稲田アカデミーの公式サイトでは、高校受験コースの中1〜中3は英語・数学・国語の3科目。栄光ゼミナールも高校生は英数国の3教科です。一方で個別指導では英語と数学の2科目、あるいは1科目だけのこともあります。「2科目のつもりが3科目だった」は当日いちばん動揺するパターンなので、申し込み時に必ず確認してください。

結果が悪くて本人が落ち込んでいます

点数の話をしないでください。入塾テストは、これから埋める場所を見つけるためのものです。「どこから始めればいいか分かってよかった」で終わらせるのがいちばんです。低く出たほうが、伸びしろが正確に見えている状態です。

体験授業と入塾テスト、どちらを先に受けますか

塾によって順番は違いますが、両方受けられるなら両方受けてください。テストは「うちの子の状態」を測るもの、体験は「この塾の進め方」を見るもので、目的が別です。片方だけでは判断材料が足りません。

受けたけれど、入らないことにしても大丈夫ですか

まったく問題ありません。塾側もそれを前提に案内しています。断るときは「家庭で検討した結果、今回は見送ります」で十分です。理由を細かく説明する必要はありません。

入塾テストは何回でも受けられますか

再受験を認めている塾は多いです。早稲田アカデミーのように毎週土曜に実施している塾なら、日を改めて受けること自体は難しくありません。ただし直近の受験から一定期間を空ける決まりがある場合もあるので、受け直したい旨をそのまま伝えて確認してください。体調不良や未習範囲が理由なら、事情を話せば柔軟に対応してもらえます。

通知表や学校のテスト答案は持っていくべきですか

持っていってください。効果の割にやっている家庭が少ない準備です。入塾テストは当日1回きりの点数なので、それだけだと「たまたま」なのか「いつもそう」なのかが分かりません。学校の答案が数枚あるだけで、塾側の判断の精度が変わります。点数が悪い答案ほど、どこで落としているかが見えるので役に立ちます。

合格の基準点はどこかに公表されていますか

公表している大手塾は見当たりません。早稲田アカデミー・栄光ゼミナールの公式ページを確認しましたが、いずれも入塾基準や合格基準点の記載はありませんでした(2026年8月時点)。募集状況や校舎ごとの空きで変わるためです。ネット上で見つかる「◯点で合格」はすべて受験者の推測なので、当てにしないでください。申し込み時に校舎へ直接聞くのが、いちばん速くて正確です。

きょうだいで同時に受けられますか

学年が違っても同じ日に受けられることがほとんどです。学年ごとに問題も時間も分かれているので、同時進行で問題ありません。ただし終わる時刻がずれるため、先に終わった子の待ち場所を確認しておくと安心です。面談は一人ずつになるので、その分の時間も見ておいてください。

まとめ

入塾テストで落ちる可能性があるのは進学塾の上位コースや特待だけです。個別指導や一般的な集団塾では、どこから始めるかを決めるための測定にすぎません。

だから対策はしないでください。実力より高く出ると、合わない単元から始まって、結局戻ることになります。当日は「分かるところまで書く」「白紙にしない」の2つだけ伝えれば十分です。

そして結果が返ってきたら、「いちばん古い学年で、つまずいている単元はどこでしたか」と聞いてください。単元名で返ってくるかどうかで、その塾の実力も分かります。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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