「スマホばかりで勉強しない」——保護者面談で、成績の相談と同じくらい多いのがこの話です。この記事では、実際に守られるルールの作り方を書きます。

先に大事なことを言うと、スマホを取り上げても成績は上がりません。塾でも何度も見てきました。取り上げた直後は勉強するのですが、続かないうえに親子関係が悪くなって、話し合いそのものができなくなります。それが一番の損失です。
なぜ「1日2時間まで」は守られないのか
多くの家庭が最初に作るのが時間のルールです。しかしこれは、ほぼ守られません。理由は単純で、何分使ったかを本人も親も把握できないからです。
| ルールの型 | 例 | 続きやすさ |
|---|---|---|
| 時間で決める | 「1日2時間まで」 | 守られにくい。何分使ったか本人も親も把握できない |
| 場所で決める | 「勉強中はリビングに置く」 | 守られやすい。守れているか一目で分かる |
| 順番で決める | 「宿題が終わってから」 | 比較的守られる。ただし宿題の質が落ちがち |
| 時刻で決める | 「22時以降は使わない」 | 最も守られやすい。時計を見れば判定できる |



ルールは「守れているかどうかが一目で分かる形」にしてください。時間は測れませんが、時刻と場所は誰でも判定できます。「22時以降はリビングの充電器に置く」——これだけで、揉める回数がかなり減ります。
ルールを決めるときの3つのコツ
① 一緒に決める(押しつけない)
親が決めたルールは、破ることが反抗の手段になります。本人に案を出させてください。「何時までならいいと思う?」と聞くと、意外と現実的な答えが返ってきます。
本人が決めたルールなら、破ったときに「自分で決めたよね」と言えます。ここが決定的に違います。
② 例外を先に決めておく
ルールが崩れる最大の原因は例外の扱いです。「友達との連絡はどうするのか」「動画で勉強するのはどうか」を先に決めておかないと、その都度もめます。
- 連絡は例外にするか…グループ通話は連絡ではなく遊びに近い、など線引きを
- 勉強で使う場合はどうするか…調べ物や動画授業は別枠にするか
- 休日は変えるか…平日と同じにすると守れません
- 破ったときにどうするか…罰ではなく「翌日は1時間短くする」程度の調整で十分です
③ 親も同じルールを守る
食事中に親がスマホを見ていて、子どもにだけ禁止するのは通りません。「食事中は全員テーブルに置かない」のように、家族のルールにしてください。



これは耳が痛い話ですが、実際に効きます。子どもは「自分だけ制限されている」と感じた瞬間に反発します。逆に、親も同じルールなら受け入れやすくなります。
勉強中にスマホをどうするか
研究でも、スマホが視界にあるだけで集中力が下がることが指摘されています。通知を切っても、「見えている」だけで気が散ります。
- ①別の部屋に置く…最も効果的。取りに行くのが面倒な距離にするのがコツです
- ②リビングの決まった場所に置く…親が確認できるので現実的
- ③かばんの中にしまう…机の上より格段にマシ
- ④裏返して机に置く…効果は限定的。通知に気づいてしまいます


ゲームは取り上げるべきか
ゲームについても基本は同じです。ただしオンライン対戦は途中でやめにくいという特性があるので、そこだけ配慮が必要です。
- 「あと5分」を認める…対戦中に切らせるのは無理があります。1試合の区切りを尊重してください
- 開始時刻ではなく終了時刻を決める…「何時から」より「何時まで」のほうが守られます
- 平日は短く、休日はまとめて…毎日少しずつより、メリハリのほうが続きます



ゲームを完全に禁止した家庭で、隠れてやるようになったケースを何度も見ています。見えないところでやられるより、時間を決めて堂々とやらせるほうが管理できます。
それでも守れないときは
ルールが守れない状態が続く場合、スマホが原因ではないこともあります。
- 勉強が分からなくて逃げている…この場合、スマホを取り上げても別の逃げ場に移るだけです
- 学校や友人関係で疲れている…スマホが唯一の息抜きになっている可能性があります
- やることが決まっていない…「何をやればいいか分からない」と、結局スマホに戻ります
とくに1つ目は多いです。分からない状態が続くと、勉強から逃げるのは自然な反応です。この場合に必要なのは制限ではなく、分かる状態に戻すことです。




よくある質問
- スマホを持たせない選択はどうですか?
-
中学生では、連絡手段や友人関係の面で難しい家庭が多いです。持たせない場合は、代わりの連絡手段を用意してください。ただし「持たせない」こと自体が目的化しないよう注意が必要です。
- フィルタリングや使用時間の制限アプリは使うべきですか?
-
低学年ほど有効です。中学生では、隠れて回避されることもあるので、アプリだけに頼らず話し合いとセットにしてください。
- 取り上げたら成績が上がりました
-
短期的には上がることがあります。ただし取り上げた状態を3年間続けられるかを考えてください。続かないなら、ルールを作るほうが長い目では有効です。
- 動画で勉強していると言われますが本当か分かりません
-
疑うより、「何を見たか1行だけ教えて」と聞くほうが早いです。実際に勉強していれば答えられますし、答えられないなら別の話ができます。
- 親が言っても聞きません
-
親以外の大人から言われると聞くことがあります。塾の先生や学校の先生から一度伝えてもらうのも手です。同じ内容でも、伝える人が変わると届き方が変わります。



スマホと同じく、AIも取り上げて解決する話ではありません。ただ「答えを聞いて写す」使い方をしている生徒は例外なく伸びていません。使い方の違いをまとめました。









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