高校入試で使われる内申点(調査書点)について、仕組みと上げ方をまとめました。「テストの点さえ良ければ上がる」わけではないのが、内申点の難しいところです。

保護者面談で最も多い質問が「うちの子、テストは悪くないのに内申が上がらない」です。これはほぼ全員、原因が同じところにあります。この記事ではその原因と、いつからどう動けばいいかを書きます。
内申点とは何か
通知表の9教科の評定(5段階)を合計したものが基本です。9教科×5点で45点満点になります。
- 計算方法は都道府県によってまったく違う…中3だけの県、中1〜中3すべて使う県、実技4教科を2倍にする県などがあります
- お住まいの都道府県の方式を必ず確認…「〇〇県 公立高校 入試 調査書」で検索すれば教育委員会の資料が出ます
- この記事は共通する原則の話…配点は地域差が大きいので、必ず地元の情報とあわせて読んでください



ここを確認せずに動くご家庭が本当に多いです。中1の成績が入試に使われる県なのに、中3から慌てる——これが最も取り返しがつかないパターンです。まず地元の方式を調べてください。それだけで戦略が変わります。
評定はどう決まるのか(観点別評価)
現在の評定は、3つの観点から決まります。「テストの点だけでは上がらない」のはこのためです。
| 観点 | 何を見られるか | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 定期テストの基本問題、小テスト、実技の技能 | テストの点が直結。ここは対策しやすい |
| 思考・判断・表現 | 記述問題、レポート、発表や話し合い | 記述問題とワークの記述欄で見られる |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 提出物、振り返りシート、授業への参加 | 提出物の期限と質がほぼすべて |



冒頭の「テストは悪くないのに内申が上がらない」の答えは、ほぼ3つ目の観点です。提出物が遅れている・出していない・雑のどれかに当てはまります。ここは学力と関係なく、行動だけで変わる部分です。
内申点を上げる具体的な方法
① 提出物を「期限内に」「埋めて」出す
最も即効性があり、学力に関係なく実行できます。期限に1日遅れるだけで評価が下がるのが一般的で、これで損をしている生徒が非常に多いです。
- 期限を守っているか…最重要。遅れた時点で減点される前提で考えてください
- 空欄がないか…分からない問題も、答えを写してでも埋めるほうが評価されます
- 直しをしているか…丸つけだけで終わっているワークは、やっていないのとあまり変わりません
- ていねいに書いてあるか…読めない字は、見てもらえません
② 定期テストで確実に取る
観点1と2はテストで見られます。実力テストより定期テストのほうが内申に直結するので、優先順位を間違えないでください。


③ 実技4教科を捨てない
ここが最大の分かれ目です。音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科は、都道府県によっては2倍で計算されます。つまり主要5教科より重みが大きくなることがあります。
- 実技が苦手でも、筆記テストは取れます…実技4教科にも定期テストがあり、範囲は狭く暗記中心です
- 作品や課題を必ず提出する…完成度より、出しているかどうかが先です
- 授業に参加する…体育で見学が続く、合唱で歌わない、などは直接評価に響きます



「実技はセンスだから仕方ない」と諦めるご家庭がありますが、評定は技能だけで決まりません。筆記テストと提出物で十分に補えます。実技4教科が2倍の県で、ここを捨てるのは致命的です。
④ 授業中の行動を変える
挙手の回数を競う必要はありません。先生が見ているのは「授業に向かっているか」です。
- 振り返りシートを具体的に書く…「がんばりたい」ではなく「〇〇が分からなかったので復習する」と書く
- グループ活動で役割を持つ…発言が苦手なら記録係でも構いません
- 質問しに行く…授業後に1回聞きに行くだけで、印象はかなり変わります
いつから対策すべきか
お住まいの都道府県が、どの学年の成績を使うかで変わります。
- 中1の成績も使う県…最初の定期テストから勝負が始まっています。中1のうちに提出物の習慣をつけてください
- 中3だけ使う県…中3の1学期・2学期が本番。ただし中1〜2で提出物を出さない習慣がついていると、中3で急に変えるのは難しいです
- どの県でも共通…中2の後半が分岐点です。ここで崩れると、中3で立て直すのに1年かかります


内申点が足りないとき、どうするか
入試は内申点+当日の学力検査で決まります。内申が足りない場合、選択肢は2つです。
- ①当日点で挽回する…内申の比重が小さい高校や、当日点重視の入試方式を選ぶ
- ②内申の比重が小さい私立を検討する…私立は学校ごとに基準が違うので、説明会で直接確認してください



内申が足りないと分かった時点で、まず中学の先生に相談してください。各高校の実際の合格ラインは、学校が最も多くのデータを持っています。ネットの情報より確実です。そのうえで、当日点を伸ばす戦略を立てます。
当日点を伸ばすには演習量が必要で、独学が難しい場合は塾を検討することになります。ただし「内申のために塾に行く」は目的がずれています。提出物や授業態度は塾では変えられません。塾で伸ばせるのは学力=テストの点と当日点です。




よくある質問
- 内申点は何点あれば安心ですか?
-
志望校によるので一概には言えません。ただし公立の上位校では40前後、中堅校では30台前半が目安になることが多いです。必ず地元の基準を中学の先生に確認してください。
- 一度下がった評定は上げられますか?
-
上げられます。ただし提出物や授業態度は「積み重ねの印象」で見られる面があるので、変えてから評価に反映されるまで1学期はかかると考えてください。早く動くほど有利です。
- 副教科(実技4教科)の勉強法が分かりません
-
定期テストの範囲は狭く、教科書とプリントからしか出ません。5教科の勉強の合間に、テスト1週間前から30分ずつで十分間に合います。捨てるにはもったいない配点です。
- 先生に気に入られると内申が上がるのですか?
-
評定は3つの観点にもとづいて付けられるもので、好き嫌いで決まるものではありません。ただし提出物や授業への取り組みは実際に見られているので、その姿勢が評価に表れることはあります。
- 塾に行けば内申は上がりますか?
-
テストの点が上がれば観点1・2は上がります。ただし提出物や授業態度は塾では変えられません。内申が伸びない原因がそちらにある場合、塾に行っても解決しないので、まず原因を切り分けてください。
定期テストの点は観点1・2に直結します。具体的な勉強法はこちら。


部活で時間が取れない場合の進め方はこちらです。


志望校によって必要な内申点は変わります。学校の選び方はこちら。


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