家庭教師バイトを探すと、出てくるのは求人サイトの「時給○○円〜」ばかりです。ところが始めてから困るのは、時給より先に「年にいくらまで稼ぐと親の扶養や税金はどうなるか」「契約が雇用か業務委託か」のほうです。
この記事では、大手の公式募集ページに載っている時給と条件を並べ、月収を計算し、国税庁と日本年金機構の原文で2026年の「年収の壁」を整理します。求人サイトの数字や口コミは使っていません。公式に書かれていない項目は「記載なし」と書きます。
結論:時給は1,300〜2,000円台から。先に効く壁は月12.5万円
| 確認すること | わかったこと(2026年10月22日に公式で確認) |
|---|---|
| 時給の目安 | 公式の下限は1,300〜2,040円。上限は案件・ランクで決まり「目安」と書かれている |
| 親の税の扶養(特定扶養63万円) | 給与だけなら年収136万円まで(計算)=月約11.3万円。超えても親の控除額は約159万円まで同じ |
| 親の健康保険の扶養 | 19歳以上23歳未満は年収150万円未満=月12.5万円 |
| 自分の所得税 | 給与だけなら年収178万円まで0(計算) |
| 自分の社会保険(106万円の壁) | 賃金要件は2026年10月1日に撤廃。ただし学生は対象外のまま |

学生のバイトで気にするのは、自分の保険ではなく親の扶養です。親の税の控除は136万円を超えてもすぐには減らないので、実際に先に効くのは健康保険の150万円(月12.5万円)です。
大手の時給を公式募集ページで並べる
各社の「講師募集」ページに書かれている数字だけを並べました。トライは「目安」、ファーストは「案件により異なる」、学生家庭教師会は「諸条件で異なる」と書いています。幅の上限は誰にでも出る数字ではありません。
| 会社(募集地域) | 時給(公式の記載) | 交通費 | 契約形態 |
|---|---|---|---|
| トライ 家庭教師(首都圏・東海・関西など) | 1,800円〜(北海道・東北・北関東は1,700円〜、中国・四国は1,600円〜) | 記載なし | 記載なし |
| トライ 個別教室(首都圏) | 1,450円〜4,050円(ランクは実績で決まる) | 記載なし | 記載なし |
| 家庭教師のファースト | 2,040円〜7,500円(案件による) | 全額支給 | 業務委託契約 |
| 家庭教師のあすなろ(東海・北陸ほか) | 1対1で小・中学生1,750円、高校生2,250円 | 支給(自宅からのオンラインは除く) | 記載なし |
| 家庭教師のノーバス(関東一円) | 1,400円〜9,000円(平均2,000円以上と記載) | 全額支給 | 記載なし |
| 学生家庭教師会(東京) | 1,300円〜6,000円 | 別途支給 | 記載なし |
公式の講師募集ページに、社会人講師のみ800名以上在籍、「学生アルバイト講師は0名」と書かれています(大学院生の一部在籍あり)。大学生が登録できる前提で探すと、ここで時間を使います。
契約形態を公式ページで明記していたのは、確認した5社のうちファーストの「業務委託契約」だけでした。ほかは募集ページに記載がなく、登録説明会や契約書で確認する項目になります。

時給から月収を計算する(公式の報酬例を検算)
トライの募集ページには報酬例が出ています。この計算例を自分で計算し直すと、公式の報酬例の月収は3〜9万円台です(月は4週として計算した、税・交通費の前の金額)。
| 公式の報酬例 | 計算(時給×時間×回数) | 月収 |
|---|---|---|
| トライ 個別教室・大学1年(首都圏) | 1,450円×週3日×3時間×4週 | 52,200円 |
| トライ 個別教室・大学1年(120分×週3日) | 1,450円×2時間×週3日×4週 | 34,800円 |
| トライ オンライン・大学2年 | 1,430円×週4日×4時間×4週 | 91,520円 |
| トライ 家庭教師・大学4年(高校生) | 3,000円×週2日×2時間×4週 | 48,000円 |
4件とも、公式に書かれた月収と検算が一致しました。週1回・60分から始められることも、トライの募集ページに書かれています。
ノーバスの募集ページの例は「時給2000円×2授業(80分)×週2日(月8回)=月々48,000円」です。「80分」を1授業の長さと読むと2授業で160分となり、2,000円×8回では約42,700円です。2授業の合計が80分なら約21,300円です。どちらの読み方でも48,000円にならず、48,000円になるのは1回が3時間のときです。授業1コマの長さと、時給の対象になる時間は、登録前に必ず聞いてください。

応募前に「月にいくら入るか」を自分の言葉で言えるかが大事です。時給と回数と1回の長さ、この3つが分かれば計算できます。
2026年の「年収の壁」を学生バイト用に直す
税の数字は国税庁、保険の数字は日本年金機構の2026年の記載です。給与として受け取る場合の計算で、年の途中から始めた人は「月収×働いた月数」で見ます。
| 壁 | 年収の目安 | 月換算(12か月) | 超えると |
|---|---|---|---|
| 親の税の扶養(特定扶養63万円) | 136万円(計算) | 約11.3万円 | 特定親族特別控除に切り替わる。給与だけなら約159万円までは控除額63万円で同じ |
| 親の健康保険の扶養 | 150万円未満(19歳以上23歳未満) | 12.5万円 | この取扱いの対象外になる(加入先によって扱いが異なる場合がある) |
| 本人の所得税 | 178万円(計算) | 約14.8万円 | 自分に所得税がかかり始める(年税額の話。毎月の源泉徴収や住民税は別) |
136万円は、国税庁の「扶養親族は合計所得62万円以下(令和8年分から)」に、給与所得控除の最低額74万円を足した計算値です。国税庁は学生本人の令和8年分の給与収入ラインを数字で示していないため、計算値と明記します。
136万円を超えても、19歳以上23歳未満の子には特定親族特別控除があります。合計所得85万円まで親の控除は63万円のまま(給与だけなら年収約159万円、計算)で、合計所得123万円(給与収入197万円)までは段階的に減ります。年齢はその年の12月31日現在で判定します。
150万円未満は、日本年金機構が2026年5月1日付で示した取扱いです。令和8年4月1日以降、労働条件通知書などから見込まれる年間収入が130万円未満なら原則被扶養者で、19歳以上23歳未満は150万円未満になりました。判定に使うのは暦年の収入ではなく、契約書類から見込む年間収入です。ほかに、他の収入が見込まれないこと、同一世帯なら被保険者の年間収入の2分の1未満であること、届出に通知書などと「給与収入のみ」の申立書を添えることが条件です。
178万円は、給与所得控除74万円と基礎控除104万円(令和8・9年分、合計所得132万円以下)の合計です。勤労学生控除(27万円)は合計所得89万円以下、つまり給与だけなら年収163万円以下で使えます。
106万円の壁の賃金要件(月8.8万円以上)は2026年10月1日に撤廃されました。ただし短時間労働者として加入する要件には「学生ではないこと」が残っています。厚労省のページでは、主に高校・大学・短大・専修学校に在学する人が「学生」にあたるとされています。厚労省のページでは、休学中や定時制・通信制は加入対象になるとされています。
税の壁は1月から12月の合計で数えます(所得税は合計所得金額で判定)。10月に登録して月91,520円(上の最大例)を3か月受け取っても約27.5万円です。今年は壁まで遠く、効いてくるのは12か月働く来年です。
注意が1つあります。日本年金機構の取扱いは「労働契約内容がわかる書類」を前提にしており、契約期間1年未満やシフト制で時間が決まらない場合は使えないと書かれています。業務委託で働く場合にどう扱われるかは、このページに書かれていません。親の勤め先の健康保険組合に直接確認してください。
雇用か業務委託か:手続きが変わる
国税庁のページでは、事業所得も、業務に係る雑所得も「総収入金額-必要経費」で計算します。給与所得はこの計算ではありません。家庭教師の契約がどちらにあたるかは、国税庁のページが家庭教師を名指ししていないため、このページでは判断できません。
| 給与(雇用) | 業務委託 | |
|---|---|---|
| 所得の計算 | 給与所得(給与所得控除を差し引く) | 事業所得または雑所得(総収入-必要経費)になる場合がある |
源泉徴収の扱いは、公式で確認できたのがマナリンク1社だけです。国税庁の「源泉徴収が必要な報酬」の代表例の一覧に、家庭教師は載っていません。ただし代表例の一覧なので、対象外とは決まりません。マナリンクは公式のFAQで「源泉徴収の作成は行っておりません。申告など必要な書類は各自で対応」と書いています。一方、トライ・あすなろ・ノーバス・学生家庭教師会は、募集ページに源泉徴収の記載がありません。
給与を1か所から受ける人は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。これは「給与を受けている人の副収入」の話で、家庭教師の報酬だけが収入の学生がどう扱われるかは、国税庁のこのページに書かれていません。迷ったら税務署か、国税庁の相談窓口に聞くのが確実です。
個人契約にも注意が必要です。トライは募集ページで「個人契約」を禁止事項に挙げ、それが原因でお客様に迷惑をかけた場合は損害賠償請求をする場合があると書いています。
登録する前に確認する5つ
確定申告と、親の健康保険に出す書類に関わります。書面で教えてもらい、迷ったら健保組合や税務署に確認します。
授業の時間だけか、移動・準備・報告書も含むか。ノーバスの例のように、式が合わないときは聞き直します。あすなろは毎月の報告書の提出が必要と書いています。
ファーストとノーバスは全額支給、学生家庭教師会は別途支給、あすなろは支給(自宅からのオンラインを除く)です。トライは募集ページに記載がありません。
今回の公式ページでは、キャンセル時の報酬は確認できませんでした。書かれていない項目なので、面談で必ず聞きます。
トライは指導前に面接と事前研修、あすなろはZOOMで研修を行い、適性判断で登録をお断りする場合があると書いています。


よくある質問
- 家庭教師のバイトの時給はいくらですか?
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公式の募集ページでは、トライの家庭教師が1,800円〜(首都圏)、ファーストが2,040円〜、あすなろが小・中学生1,750円、ノーバスが1,400円〜、学生家庭教師会(東京)が1,300円〜です。上限は案件やランクで決まります。
- 月いくらまでなら親の扶養に入ったままですか?
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税の扶養(特定扶養63万円)は、給与だけなら年収136万円(計算)で月約11.3万円ですが、超えても親の控除は約159万円まで同じです。健康保険の扶養は19歳以上23歳未満で150万円未満=月12.5万円で、こちらが先に効きます。条件の詳細は上の本文を読み、親の勤め先の健保組合に確認してください。
- 学生がバイトで社会保険に入ることはありますか?
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短時間労働者として加入する要件には「学生ではないこと」があるため、学生は対象外です。106万円の壁の賃金要件は2026年10月1日に撤廃されましたが、この要件は残っています。休学中や定時制・通信制は対象になる場合があります。
- 確定申告は必要ですか?
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国税庁の「20万円」の線は、給与を1か所から受けている人の副収入の話です。家庭教師の報酬だけが収入の学生や、業務委託の学生の扱いは、国税庁のこのページでは確認できません。税務署に確認してください。
- マナリンクに大学生は登録できますか?
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公式の募集ページに「学生アルバイト講師は0名」と書かれています(大学院生の一部在籍あり)。大学生は対象外として探してください。
この記事で確認した公式ページ
時給と条件は各社の講師募集ページ、税と保険は国税庁と日本年金機構のページを、2026年10月22日に確認したものです。時給や制度は変わるので、申し込み前に最新の情報を確認してください。
トライ 個別教室の講師募集(首都圏1,450円〜4,050円)
家庭教師のファースト 講師募集(時給・交通費・業務委託契約)
国税庁 扶養控除(扶養親族の所得要件・特定扶養親族63万円)


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