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この記事では、文部科学省の中央教育審議会の議事録と、県立高校が公開している「学習のきまり」をもとに、留年が決まる仕組み、出席日数の数え方、留年を避ける方法、留年しそうなときの選択肢を整理します(2026年9月30日確認)。
- 留年は「日数」より「科目ごとの欠課時数」で決まる…高校は科目ごとに出席を数える
- 多い基準は「授業時数の3分の2以上の出席」…欠課が3分の1を超えると、その科目は履修が認められない。5分の4の学校もある
- 遅刻・早退も欠課になる…静岡県のある県立高校では、5分を超える遅刻・早退・中抜けは欠課
- 補習などで取り戻せる学校もある…特別な事情があれば、補習の時間を算入できる規定の学校もある
- 留年しそうなら転校も選択肢…在学中に転校すれば、修得した単位に応じて相当学年に入れる
高校の留年が決まる仕組み
高校は、中学校までと違い、科目ごとに「履修」と「修得」が認められて単位になる仕組みです。静岡県のある県立高校が公開している「学習のきまり」(PDF)では、次のように説明されています。
| 用語 | 意味(静岡県の県立高校の例) |
|---|---|
| 単位 | 授業時間をもとに学習量を数値化したもの。週1時間の授業を1年間学習すると1単位 |
| 履修 | 授業にきちんと参加したと認められること。授業時間数の3分の2以上に出席することが必要 |
| 修得 | 履修が認められた科目で、5段階評価の2以上がつくこと |
| 卒業要件 | 修得単位が74以上、必履修科目をすべて履修、3年以上在籍など |
欠席が多くて履修が認められないか、成績が1で修得が認められない科目が増え、進級に必要な単位に届かないと、原級留置(留年)になります。同じ学校では、評定が1の場合も、追認試験に合格すれば評定が2になり単位が認められます。
出席日数(欠課時数)の基準:3分の2が多い
文部科学省の中央教育審議会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第8回)の議事録では、事務局が、履修の認定に必要な出席について次のように報告しています。
- 全国的な統一の決まりはなく、単位認定は校長が行う。出席の要件も、各校長が学校の教務規程などで定めるのが一般的
- 確認した限りでは「3分の2」と定めている場合が多く、一部に「5分の4」というルールもある
- 特別な事情がある場合に、補習などを行ってその時間を算入できる、と弾力的に定めている例もある
つまり、「年間○日休むと留年」という全国共通の日数はありません。見るべきなのは、科目ごとの授業時数に対する欠課の時数です。週2時間の科目と週4時間の科目では、休める時数が違います。
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| 年間の欠席日数で決まる | 科目ごとの欠課時数で決まる。休んだ曜日の科目だけが減る |
| 遅刻や早退は欠席にならない | 学校によっては5分を超える遅刻・早退も欠課になる |
| 1回でも超えたら終わり | 補習や追認試験で取り戻せる規定の学校もある |

留年しそうかどうかは、本人も保護者も、実は分かっていないことが多いです。まず担任の先生に「科目ごとに、あと何時間休めるか」を紙で出してもらってください。それが一番確実な数字です。
データ:不登校の生徒の留年と中途退学
文部科学省の令和6年度 問題行動・不登校調査では、高校で不登校だった生徒67,782人のうち、その年度に原級留置(留年)になったのは2,963人(4.4%)、中途退学に至ったのは10,566人(15.6%)でした。留年よりも中途退学のほうが多いのは、留年が決まる前後に、学校をやめる選択をする生徒が多いことを示しています。
高校の不登校の状況は高校生の不登校、やめたいと思ったときに考えることは高校をやめたいと思ったらにまとめています。
留年を避けるためにできること
- 科目ごとの残り時数を確かめる…担任や教科の先生に、あと何時間欠課できるかを聞く
- 休む日を選ぶ…同じ曜日ばかり休むと、その曜日の科目だけが先に基準を超える
- 補習・追認試験の有無を聞く…学校によっては、補習の時間を出席に算入できる
- 保健室登校・別室登校を相談する…教室に入れなくても、出席として扱われる場合があるか学校に確認する
- 体調や心の不調は早めに相談する…スクールカウンセラーや医療機関に相談しておくと、学校も配慮を考えやすい
つらさが強いときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)に相談できます。相談先は厚生労働省のまもろうよ こころにまとまっています。
高校の休学:手続きと注意点
休学は、学校に在籍したまま、一定の期間学校を休むことです。学校教育法施行規則第94条で、「生徒が、休学又は退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならない」と定められています。静岡県の県立高校の学習のきまりでも、休学・転学・退学をするときは、速やかに担任に連絡して所定の手続きを取るよう書かれています。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 休学できる期間と、復学の時期 | 学校ごとに決まっている。学年の途中から戻れるかも確認 |
| 休学期間の扱い | N高グループのように、休学期間を在籍期間に数えない学校もあり、卒業の時期が遅れる |
| 在籍できる年数の上限 | 静岡県の県立高校の例では上限8年。長く休むと上限に近づく |
| 休学中の学費 | 授業料や施設費がかかるかどうかは学校ごとに違う |
休学は、心や体を回復させるための時間として有効です。ただし休学期間は卒業に必要な在籍年数に数えられないことが多いので、休学中に「戻るか、転校するか」を考えておくと、復学のときに迷わずに済みます。
留年しそうなときの選択肢
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 留年してもう一度同じ学年 | 同じ学校で学年をやり直す。クラスや同級生は変わる |
| 休学 | 在籍したまま一定期間休む。休学期間を在籍期間に数えない学校もある |
| 転校(転学) | 在学中に移れば、修得した単位に応じて相当学年に入れる(学校教育法施行規則第92条) |
| 高卒認定 | 試験に合格すれば大学などの受験資格が得られる(学歴は高卒にならない) |
留年が決まってから退学すると「編入学」になり、入れる時期や学校が限られます。学校教育法施行規則第92条の転学なら、全日制・定時制・通信制の間でも修得した単位を生かせるので、留年が見えてきた段階で、転校先を調べ始めるのが現実的です。転校の方法は高校の転校(転学)の方法にまとめています。
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高校の留年でよくある質問
- 高校は何日休むと留年しますか?
-
全国共通の日数はありません。科目ごとの授業時数に対する欠課で決まり、授業時数の3分の2以上の出席を求める学校が多いと、文部科学省の会議で報告されています。5分の4を求める学校もあります。
- 遅刻や早退も欠席に数えられますか?
-
学校の決まりによります。静岡県のある県立高校では、5分を超える遅刻・早退・中抜けは欠課になります。
- 留年はいつ決まりますか?
-
多くの場合、学年末に、進級に必要な単位が修得できたかで決まります。ただし欠課が基準を超えた時点で、その科目の履修は認められなくなるので、実際には学年の途中で見えてきます。
- 留年しそうなとき、転校はできますか?
-
できます。在学中の転学なら、修得した単位に応じて相当学年に入れます(学校教育法施行規則第92条)。通信制高校は転入できる時期が多い学校があります。
- 不登校で留年する生徒はどのくらいいますか?
-
令和6年度は、高校の不登校の生徒67,782人のうち2,963人(4.4%)が原級留置になりました。中途退学は10,566人(15.6%)でした。

この記事で確認した資料
- 文部科学省 中央教育審議会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第8回)議事録:履修認定の出席要件(3分の2・5分の4・弾力的な規定)
- 静岡県の県立高校「学習のきまり」(PDF):単位・履修・修得、欠課の扱い、卒業要件
- 文部科学省 令和6年度 問題行動・不登校調査 結果の概要(PDF):不登校の生徒の原級留置・中途退学
- 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索):第92条(転学)
- 厚生労働省 まもろうよ こころ:相談窓口
- (いずれも2026年9月30日に確認)


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