大学受験・英検対策向けの無料の長文読解練習です。Part1・Part2が物語文だったのに対し、Part3は入試で最も多く出題される「論説文」にしました。
- まず辞書を使わずに通して読む…分からない語があっても止まらないでください
- 目安は8分…入試本番に近い速度です
- 設問はタップすると解答が開きます…必ず自分の答えを決めてから開いてください
- 最後に全訳と語句で確認…読めなかった原因が語彙か構文かを切り分けます

長文が読めない原因は、①単語を知らない ②構文が取れない ③内容に興味が持てないのどれかです。読み終えたあと、自分がどれだったかを必ず確認してください。原因によって次にやるべきことがまったく変わります。
科目別の一問一答一覧と、いまどの科目に時間を使うべきかは次の記事にまとめています。


次の長文を読んで、あとの問いに答えなさい。
Many students believe that the best way to prepare for an examination is to study as long as possible, even if it means sleeping only a few hours. This belief is understandable. When a deadline approaches, sleeping can feel like a waste of valuable time. However, research in recent decades has shown that this strategy is not merely inefficient; it may actually undo much of the work a student has done.
To understand why, it helps to know what happens in the brain during sleep. Learning does not end the moment you close your textbook. New information is first held in a temporary form, and it is during sleep that the brain reorganizes this information and stores it in a more permanent way. This process is called memory consolidation. Without sufficient sleep, a large part of what was studied simply fails to be retained.
Several experiments support this view. In one well-known type of study, two groups of participants learn the same material. One group is allowed to sleep normally, while the other stays awake. When both groups are tested later, those who slept consistently perform better, even though the two groups spent the same amount of time studying. The difference, researchers argue, lies not in effort but in whether the brain was given the opportunity to process what had been learned.
Sleep also affects the ability to concentrate. A tired brain can still read words on a page, but it struggles to hold attention long enough to understand complex arguments. Students who reduce their sleep often report that they need to read the same passage several times before it makes sense. In other words, the hours they gain by staying awake are partly lost to slower and less effective study.
None of this means that effort is unimportant. Sleeping well will not, by itself, produce good results. The point is rather that sleep should be treated as part of studying, not as its opposite. A student who studies for six hours and sleeps for seven may well learn more than one who studies for nine hours and sleeps for four.
設問(タップで解答が開きます)
(1) 下線部 this strategy とは何を指すか、日本語で説明しなさい。
解答:睡眠時間を数時間まで削ってでも、できるだけ長く勉強するというやり方。
解説:直前の文 study as long as possible, even if it means sleeping only a few hours の内容を指しています。指示語の問題は直前を探すのが原則です。
(2) memory consolidation とはどのような働きか、本文に即して日本語で説明しなさい。
解答:睡眠中に、脳が一時的に保持している新しい情報を整理し直し、より永続的な形で保存する働き。
解説:第2段落の the brain reorganizes this information and stores it in a more permanent way がそのまま答えになります。
(3) 実験において、よく眠ったグループの成績が良かったのはなぜか。本文の主張に即して答えなさい。
解答:両グループの勉強時間は同じであり、差は努力ではなく、学んだ内容を脳が処理する機会が与えられたかどうかにあるから。
解説:第3段落の最終文 lies not in effort but in whether the brain was given the opportunity to process が根拠です。not A but B の構文を正確に取れるかが問われます。
(4) 睡眠不足が集中力に与える影響を、本文に即して説明しなさい。
解答:疲れた脳でも文字を読むことはできるが、複雑な議論を理解できるだけの注意を持続させることが難しくなる。その結果、同じ箇所を何度も読み直す必要が生じる。
解説:第4段落の内容です。struggle to do(〜するのに苦労する)が読めるかがポイントです。
(5) 本文の内容と一致するものを1つ選びなさい。
ア 睡眠を十分にとれば、勉強しなくても成績は上がる。
イ 起きている時間を増やせば、その分だけ学習量も増える。
ウ 睡眠は勉強の一部として扱うべきである。
エ 研究者は睡眠と記憶に関係はないと考えている。
ア 睡眠を十分にとれば、勉強しなくても成績は上がる。
イ 起きている時間を増やせば、その分だけ学習量も増える。
ウ 睡眠は勉強の一部として扱うべきである。
エ 研究者は睡眠と記憶に関係はないと考えている。
解答:ウ
解説:最終段落の sleep should be treated as part of studying, not as its opposite が根拠です。アは Sleeping well will not, by itself, produce good results と矛盾し、イは第4段落と矛盾します。



(3)のような not A but B や、(4)の struggle to do は、入試の下線部説明で頻繁に狙われます。「読めたつもり」で日本語をまとめると、この構文を落とします。
全訳
多くの生徒は、たとえ数時間しか眠れなくても、できるだけ長く勉強することが試験対策として最良の方法だと考えています。この考えはもっともです。締め切りが近づくと、眠ることは貴重な時間の浪費のように感じられます。しかし近年の研究は、この方法が単に非効率であるだけでなく、生徒がそれまでに積み上げてきたものの多くを台無しにしかねないことを示してきました。
その理由を理解するには、睡眠中に脳で何が起きているかを知ると役に立ちます。学習は、教科書を閉じた瞬間に終わるわけではありません。新しい情報はまず一時的な形で保持され、脳がその情報を整理し直し、より永続的な形で保存するのは睡眠中なのです。この過程は「記憶の定着」と呼ばれます。睡眠が十分でなければ、勉強した内容の大部分は単に保持されずに終わります。
いくつかの実験がこの見方を裏づけています。よく知られた形式の研究では、2つのグループが同じ内容を学習します。一方のグループは普通に眠ることを許され、もう一方は起きたままでいます。後で両グループにテストを行うと、眠ったほうが一貫して良い成績を示します。両グループが勉強に費やした時間は同じであるにもかかわらず、です。研究者たちは、その差は努力にあるのではなく、学んだことを処理する機会が脳に与えられたかどうかにあると論じています。
睡眠は集中力にも影響します。疲れた脳でもページ上の文字を読むことはできますが、複雑な議論を理解できるだけの長さで注意を保つことには苦労します。睡眠を削る生徒は、同じ文章が理解できるようになるまで何度も読み返す必要があると報告することがよくあります。言い換えれば、起きていることで得た時間は、遅く効果の薄い勉強によって部分的に失われているのです。
とはいえ、努力が重要でないという意味ではありません。よく眠るだけで良い結果が出るわけではないからです。要点はむしろ、睡眠を勉強の反対物ではなく、勉強の一部として扱うべきだということです。6時間勉強して7時間眠る生徒のほうが、9時間勉強して4時間しか眠らない生徒より多くを学ぶ、ということは十分にありえます。
この長文に出てきた重要語句
| 語句 | 意味・ポイント |
|---|---|
| examination | 名 試験(exam の正式な形) |
| understandable | 形 もっともな、理解できる |
| approach | 動 近づく(deadline approaches で「締切が近づく」) |
| merely | 副 単に(not merely A; B で「単にAなだけでなくBだ」) |
| undo | 動 台無しにする、元に戻す |
| temporary | 形 一時的な ⇔ permanent 永続的な |
| consolidation | 名 定着、統合(動詞は consolidate) |
| sufficient | 形 十分な(=enough。論説文では sufficient が好まれます) |
| retain | 動 保持する(retention 名 保持) |
| participant | 名 参加者、被験者 |
| consistently | 副 一貫して、どの場合でも |
| struggle to do | 熟 〜するのに苦労する |
| in other words | 熟 言い換えれば |
| by itself | 熟 それだけで |
| rather | 副 むしろ(The point is rather that … で「要点はむしろ〜ということだ」) |
読み終えたあとにやること
1回読んで終わりにすると力になりません。同じ長文を3回読むのが最も効率的です。
- 1回目…辞書なしで通して読み、設問を解く
- 2回目…全訳と語句で確認しながら、読めなかった箇所を特定する
- 3回目…もう一度英文だけを、止まらずに読み切る(ここで初めて「読めた」状態になります)



新しい長文を次々に解くより、1つの長文を3回読むほうが伸びます。1回目で理解できなかった英文が、3回目にすっと入ってくる感覚を覚えると、読解は一気に安定します。
ほかの長文練習・英語の勉強法






なお、この長文で扱った「睡眠と学習」の話は、実際の受験生活にも直結します。詳しくは次の記事にまとめました。





長文が読めなかった原因が構文(文法)だった場合は、先に文法を確認してください。入試で狙われる文法事項を50問にまとめています。








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