読書感想文のおすすめの本|全国コンクール入賞作116編が選んだ本

読書感想文のおすすめの本|全国コンクール入賞作116編が選んだ本

読書感想文のおすすめの本を探すと、出版社や書店のおすすめリストがたくさん見つかります。ただ、どれも「選んだ人のおすすめ」で、実際にその本で良い感想文が書けたのかまでは分かりません。

そこでこの記事では、全国学校図書館協議会が公開している青少年読書感想文全国コンクールの入賞者一覧(第71回・過去の入賞者のPDF)を2024年度(第70回)と2025年度(第71回)の2年分・全5部すべて開き、入賞した227編の感想文が読んだ本を1冊ずつ表に起こしました。このうち、自分で本を選んだ自由読書の116編の本を、学年別に紹介します(2026年10月28日確認)。

自由読書で入賞した感想文(2年分・5部)116編
内閣総理大臣賞のうち自由読書の本8/10編
中学校・高校の部の字数の上限2,000字
【結論】本選びに迷ったら

入賞作が選んだ本から、自分の学年の部の一覧を見て「読んでみたい」と思える1冊を選びます。2年分の内閣総理大臣賞10編のうち8編は自由読書で、課題図書でなくても最高賞まで届いています。長さは、主催者が選んだ課題図書のページ数(ページ数が分かった本で、小学校低学年は32〜64ページ、中学校は120〜208ページ、高校は192〜336ページ)を目安にしてください。

この記事の目次

先に結論:入賞作のデータで分かった本選びのポイント

表に起こした227編の内訳は、課題読書111編、自由読書116編です。賞ごとに見ると、最高賞の内閣総理大臣賞は2年分で10編あり、そのうち8編が自由読書でした。次の文部科学大臣賞も10編のうち6編が自由読書です。

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賞(2年分・5部の合計)全体うち自由読書
内閣総理大臣賞10編8編
文部科学大臣賞10編6編
入賞作の合計227編116編

2年分で、自由読書の入賞作に3回以上選ばれた本は次の4冊です。同じ書名は部をまたいで数えています(『君たちはどう生きるか』は岩波書店版とポプラ社版の合計)。

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書名自由読書での入賞数入賞した部
『みえるとかみえないとか』4編小低学年・小中学年
『君たちはどう生きるか』3編小高学年・中学校
『モモ』3編小高学年・中学校
『成瀬は天下を取りにいく』3編小高学年・高等学校
入賞作のデータから分かること
  • 自由読書でも最高賞まで届く(内閣総理大臣賞の8編/10編)
  • 自由読書の116編で、同じ本が2回以上選ばれたのは4冊だけ(どれも3回以上)
  • 書名を見るだけでも、小説のほかに科学や戦争と平和を扱う本が入賞している
  • 中学・高校では『モモ』『変身』『塩狩峠』のような長く読まれてきた本も入賞している

同じ本が何度も入賞しているわけではなく、入賞作の本は部ごとにばらばらです。「この本なら入賞しやすい」という本はデータからは見つかりません。一覧は「こんな本でも書けるんだ」と選ぶ範囲を広げるために使ってください。

小学生(低学年・中学年・高学年)の入賞作が選んだ本

勉強を教えてもらう子どもの写真

小学校は、1・2年生が低学年の部、3・4年生が中学年の部、5・6年生が高学年の部です。表は2年分の自由読書の入賞作で、新しい年度・上位の賞から並べています。書名と出版社は入賞者一覧PDFの表記のままです。

小学校低学年の部(1・2年生・800字以内)

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書名著者など出版社年度・賞
『ホネホネたんけんたい』西澤真樹子・監修・解説/大西成明・しゃしん/松田素子・ぶんアリス館2025年度・内閣総理大臣賞
『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ・さく/伊藤亜紗・そうだんアリス館2025年度・文部科学大臣賞
『藤井聡太ものがたり:ぼくは将棋で世界をえがく』藤井聡太・おはなし/山本省三・文/山田花菜・絵/日本将棋連盟・監修世界文化社2025年度・毎日新聞社賞
『ウマと話すための7つのひみつ』河田桟・文と絵偕成社2025年度・毎日新聞社賞
『プンスカジャム』くどうれいん・作/くりはらたかし・絵福音館書店2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『虫ガール:ほんとうにあったおはなし』ソフィア・スペンサー、マーガレット・マクナマラ・文/ケラスコエット・絵/福本友美子・訳岩崎書店2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『クジラがしんだら』江口絵理・文/かわさきしゅんいち・絵/藤原義弘・監修童心社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『よるのあいだに・・・:みんなをささえるはたらく人たち』ポリー・フェイバー・文/ハリエット・ホブデイ・絵/中井はるの・訳BL出版2025年度・サントリー奨励賞
『すきなことにがてなこと』新井洋行・作/嶽まいこ・絵くもん出版2025年度・サントリー奨励賞
『みたてのくみたて:見るだけでひらめくアイデアの本』田中達也・著ダイヤモンド社2025年度・サントリー奨励賞
『ぼくはなきました』くすのきしげのり・さく/石井聖岳・え東洋館出版社2025年度・サントリー奨励賞
『カップねこ』塚本やすし・作・装丁ニコモ2025年度・サントリー奨励賞
『わたしのおにいちゃん!』くすのきしげのり・作/大島妙子・絵光村教育図書2024年度・内閣総理大臣賞
『虫っておもしろい!どうなるの?虫がいなくなったら』養老孟司・文/海野和男・写真/こどもくらぶ・編新日本出版社2024年度・文部科学大臣賞
『一さつのおくりもの』森山京・作/鴨下潤・絵講談社2024年度・毎日新聞社賞
『絵本 はなちゃんのみそ汁』安武信吾・千恵・はな・原作/魚戸おさむ・文・絵講談社2024年度・毎日新聞社賞
『しょうたとなっとう』星川ひろ子、星川治雄・写真・文/小泉武夫・原案・監修ポプラ社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『ちょっとだけのんびりするひ』ウェンディ・メドゥール・ぶん/ダニエル・イグヌス・え/やまもとみき・やく化学同人2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ・さく/伊藤亜紗・そうだんアリス館2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『みずとはなんじゃ?』かこさとし・作/鈴木まもる・絵小峰書店2024年度・サントリー奨励賞
『月のかがく』渡部潤一・監修/えびなみつる・絵と文/中西昭雄・写真旬報社2024年度・サントリー奨励賞
『たんぼのおばけタニシ』大木淳一・しゃしんとぶんそうえん社2024年度・サントリー奨励賞
『心ってどこにあるのでしょう?』こんのひとみ・作/いもとようこ・絵金の星社2024年度・サントリー奨励賞
『アベコベさん』フランセスカ・サイモン・文/ケレン・ラドロー・絵/青山南・訳文化出版局2024年度・サントリー奨励賞

ヨシタケシンスケさく・伊藤亜紗そうだんの『みえるとかみえないとか』は、2025年度に低学年の部の文部科学大臣賞、2024年度に低学年の部と中学年の部で入賞していて、2年分で4編と、自由読書でいちばん多く選ばれた本でした。

小学校中学年の部(3・4年生・1,200字以内)

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書名著者など出版社年度・賞
『はしれ、上へ!:つなみてんでんこ』指田和・文/伊藤秀男・絵ポプラ社2025年度・内閣総理大臣賞
『ぞうれっしゃがやってきた』小出隆司・作/箕田源二郎・絵岩崎書店2025年度・文部科学大臣賞
『読書感想文が終わらない!』額賀澪・作/satsuki・絵ポプラ社2025年度・毎日新聞社賞
『ぼくは本のお医者さん』深山さくら・文佼成出版社2025年度・毎日新聞社賞
『AIマスクはいかがですか?』赤羽じゅんこ・作/たんじあきこ・絵フレーベル館2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『二番目の悪者』林木林・作/庄野ナホコ・絵小さい書房2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『ファーブルの昆虫記』アンリ=ファーブル・作/中村浩、江口清・訳/松岡達英・絵講談社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『おきなわ島のこえ:ヌチドゥ タカラ(いのちこそたから)』丸木俊/丸木位里・文・絵小峰書店2025年度・サントリー奨励賞
『ハコフグのねがい』さかなクン・さく・え講談社2025年度・サントリー奨励賞
『まっ黒なおべんとう』児玉辰春・作/北島新平・絵新日本出版社2025年度・サントリー奨励賞
『うちは精肉店』本橋成一・写真と文農山漁村文化協会2025年度・サントリー奨励賞
『ロボットは泣くのか?』佐藤まどか・作/酒井以・絵講談社2025年度・サントリー奨励賞
『国枝慎吾 マイ・ワースト・ゲーム:一度きりの人生を輝かせるヒント』国枝慎吾/稲垣康介・著朝日新聞出版2024年度・内閣総理大臣賞
『ふまんがあります』ヨシタケシンスケ・作・絵PHP研究所2024年度・毎日新聞社賞
『ヤクーバとライオン Ⅰ.勇気』ティエリー・デデュー・作/柳田邦男・訳講談社2024年度・毎日新聞社賞
『はしれ さんてつ、きぼうをのせて』国松俊英・文/間瀬なおかた・絵WAVE出版2024年度・毎日新聞社賞
『言葉屋:言箱と言珠のひみつ』久米絵美里・著/もとやままさこ・絵朝日学生新聞社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ・さく/伊藤亜紗・そうだんアリス館2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『あっちもこっちもこの世はもれなく』いとうみく・作/ころりよ・絵PHP研究所2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『レンタルロボット』滝井幸代・作/三木謙次・絵学研教育出版2024年度・サントリー奨励賞
『ぼくんちの震災日記』佐々木ひとみ・作/本郷けい子・絵新日本出版社2024年度・サントリー奨励賞
『おとな体験授業?』なかがわちひろ・作アリス館2024年度・サントリー奨励賞
『10歳の選択:自分で決めるための20のヒント』齋藤孝・著幻冬舎2024年度・サントリー奨励賞
『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ・さく/伊藤亜紗・そうだんアリス館2024年度・サントリー奨励賞

小学校高学年の部(5・6年生・1,200字以内)

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書名著者など出版社年度・賞
『透明なルール』佐藤いつ子・著KADOKAWA2025年度・内閣総理大臣賞
『ボクは吃音ドクターです。:どもっていても、社会に必要とされる、医師になりたい』菊池良和・著毎日新聞社2025年度・毎日新聞社賞
『佐藤初女物語:おむすびに心をこめて』あんずゆき・著PHP研究所2025年度・毎日新聞社賞
『モモ:時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』ミヒャエル・エンデ・作/大島かおり・訳岩波書店2025年度・毎日新聞社賞
『ラベンダーとソプラノ』額賀澪・作/いつか・絵岩崎書店2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『聞かせて、おじいちゃん:原爆の語り部・森政忠雄さんの決意』横田明子・著/山田朗・監修国土社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『おおなわ跳びません』赤羽じゅんこ・作/マコカワイ・絵静山社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎・著ポプラ社2025年度・サントリー奨励賞
『自分の中に毒を持て:あなたは“常識人間”を捨てられるか』岡本太郎・著青春出版社2025年度・サントリー奨励賞
『建築バカボンド』岡村泰之・著理論社2025年度・サントリー奨励賞
『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』おおたとしまさ・編著日経BP社2025年度・サントリー奨励賞
『問題。:以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』早見和真・著朝日新聞出版2025年度・サントリー奨励賞
『秋』かこさとし・文・絵講談社2024年度・毎日新聞社賞
『木が泣いている:日本の森でおこっていること』長濱和代・著岩波書店2024年度・毎日新聞社賞
『ある晴れた夏の朝』小手鞠るい・著偕成社2024年度・毎日新聞社賞
『5年2組横山雷太、児童会長に立候補します!』いとうみく・作/鈴木びんこ・絵そうえん社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『パンプキン!:模擬原爆の夏』令丈ヒロ子・作/宮尾和孝・絵講談社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『ふつうに生きるって何?:小学生の僕が考えたみんなの幸せ』井手英策・著毎日新聞出版2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『カラフル』阿部暁子・著集英社2024年度・サントリー奨励賞
『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈・著新潮社2024年度・サントリー奨励賞
『二平方メートルの世界で』前田海音・文/はたこうしろう・絵小学館2024年度・サントリー奨励賞
『モモ:時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』ミヒャエル・エンデ・作/大島かおり・訳岩波書店2024年度・サントリー奨励賞
『夢をかなえる未来ノート』本田有明・著PHP研究所2024年度・サントリー奨励賞
小学生の本の選び方

低学年は、写真を使った本や科学の本(『ホネホネたんけんたい』『月のかがく』など)も入賞しています。物語でなくても、「知らなかったことを知っておどろいた」ことを書けば感想文になります。高学年では『モモ』『君たちはどう生きるか』のような長い本も入賞していますが、無理に背伸びせず、最後まで読み切れる長さの本を選んでください。

中学生の入賞作が選んだ本(中学校の部・2,000字以内)

中学校の部では、小説とノンフィクションの両方が入賞しています。2025年度の内閣総理大臣賞は西岡常一著・塩野米松聞き書きの『木のいのち木のこころ(天)』、文部科学大臣賞はレイチェル・カーソン著の『センス・オブ・ワンダー』でした。

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書名著者など出版社年度・賞
『木のいのち木のこころ(天)』西岡常一・著/塩野米松・聞き書き草思社2025年度・内閣総理大臣賞
『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン・著/森田真生・訳とそのつづき/西村ツチカ・絵筑摩書房2025年度・文部科学大臣賞
『サラバ!上・下』西加奈子・著小学館2025年度・毎日新聞社賞
『被爆アオギリと生きる:語り部・沼田鈴子の伝言』広岩近広・著岩波書店2025年度・毎日新聞社賞
『嫌われる勇気:自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎/古賀史健・著ダイヤモンド社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎・著岩波書店2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『よるのばけもの』住野よる・著双葉社2025年度・サントリー奨励賞
『カラフル』森絵都・著文藝春秋2025年度・サントリー奨励賞
『ゆるキャラのすすめ。』石井一久・著幻冬舎2025年度・サントリー奨励賞
『モモ:時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語』ミヒャエル・エンデ・作/大島かおり・訳岩波書店2025年度・サントリー奨励賞
『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース・著・イラスト/前田まゆみ・訳創元社2025年度・サントリー奨励賞
『8分音符のプレリュード』松本祐子・作小峰書店2024年度・内閣総理大臣賞
『中学三年の君へ:今を楽しく』高橋充徳・著鷹書房2024年度・毎日新聞社賞
『猫が30歳まで生きる日:治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見』宮崎徹・著時事通信社2024年度・毎日新聞社賞
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ・著中央公論新社2024年度・毎日新聞社賞
『この夏の星を見る』辻村深月・著KADOKAWA2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『ガザ日記:ジェノサイドの記録』アーティフ・アブー・サイフ・著/中野真紀子・訳地平社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『アドリブ』佐藤まどか・著あすなろ書房2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『手紙屋:僕の就職活動を変えた十通の手紙』喜多川泰・著ディスカヴァー・トゥエンティワン2024年度・サントリー奨励賞
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎・著岩波書店2024年度・サントリー奨励賞
『きみはいい子』中脇初枝・著ポプラ社2024年度・サントリー奨励賞
『自転しながら公転する』山本文緒・著新潮社2024年度・サントリー奨励賞
『笹森くんのスカート』神戸遥真・著/みすず・画講談社2024年度・サントリー奨励賞
中学生が一覧から選ぶときのヒント
  • 小説なら、主人公の年齢や悩みが自分に近いものから
  • ノンフィクションなら、部活・将来の仕事・ニュースで気になったテーマから
  • 『嫌われる勇気』『手紙屋』のような考え方の本も入賞している
  • 上・下巻の本(『サラバ!』)は読み切れる日数があるかを先に確認

高校生の入賞作が選んだ本(高等学校の部・2,000字以内)

高校生のグループのイラスト

高等学校の部は、近現代の文学からノンフィクションまで幅が広いのが特徴です。2024年度の内閣総理大臣賞は白川優子著の『紛争地の看護師』でした。2025年度の内閣総理大臣賞は課題読書の作品だったため、下の表には入っていません。

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書名著者など出版社年度・賞
『深い河 新装版』遠藤周作・著講談社2025年度・文部科学大臣賞
『仏像再興:仏像修復をめぐる日々』牧野隆夫・著山と溪谷社2025年度・毎日新聞社賞
『線は、僕を描く』砥上裕將・著講談社2025年度・毎日新聞社賞
『日日是好日:「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』森下典子・著新潮社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『変身 改版』カフカ・著/高橋義孝・訳新潮社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『フラニーとズーイ』サリンジャー・著/村上春樹・訳新潮社2025年度・全国学校図書館協議会長賞
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子・著新潮社2025年度・サントリー奨励賞
『動的平衡:生命はなぜそこに宿るのか 新版』福岡伸一・著小学館2025年度・サントリー奨励賞
『河童・或阿呆の一生より「河童」』芥川龍之介・著新潮社2025年度・サントリー奨励賞
『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈・著新潮社2025年度・サントリー奨励賞
『紛争地の看護師』白川優子・著小学館2024年度・内閣総理大臣賞
『木』幸田文・著新潮社2024年度・文部科学大臣賞
『『日本文学全集第27巻山本有三集』より「路傍の石」』山本有三・著集英社2024年度・毎日新聞社賞
『そして父になる』是枝裕和/佐野晶・著宝島社2024年度・毎日新聞社賞
『夜と霧 新版』ヴィクトール・E・フランクル・著/池田香代子・訳みすず書房2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『本心』平野啓一郎・著文藝春秋2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『塩狩峠』三浦綾子・著新潮社2024年度・全国学校図書館協議会長賞
『人質の朗読会』小川洋子・著中央公論新社2024年度・サントリー奨励賞
『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一・著新潮社2024年度・サントリー奨励賞
『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈・著新潮社2024年度・サントリー奨励賞
『「がんばらない」人生相談:南無そのまんま・そのまんま』ひろさちや・著河出書房新社2024年度・サントリー奨励賞
『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子・著集英社2024年度・サントリー奨励賞

『河童』(芥川龍之介)や「路傍の石」(山本有三)のように、短編集や全集の中の1作品で入賞した例もあります。公式Q&Aでも、短編集の中の1編を読んで書いた作品は応募でき、応募票には書名と作品名を書くよう案内されています(読書感想文全国コンクール「感想文Q&A」)。長い本を読む時間がない人は、短編から選ぶ方法もあります。

高校生の本の選び方

高校の部の入賞作には、『変身』『塩狩峠』『夜と霧』のような長く読まれてきた本と、『成瀬は天下を取りにいく』『本心』のような最近の小説の両方があります。新しいか古いかより、自分の経験や考えと結びつけて書けるかで選んでください。

本の長さの目安:課題図書のページ数と、学年ごとの読書量

「短い本がいい」という人は、主催者が各部向けに選んだ課題図書のページ数が目安になります。全国学校図書館協議会の課題図書選定基準は、児童生徒の発達段階に適合しているかや、各部ごとの難易度が考慮されているかを選ぶ条件にしています。選定基準にページ数の決まりはありませんが、発達段階と部ごとの難易度を考えて選ばれた本なので、この記事ではそのページ数を本の長さの目安として使います。

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部字数の上限第72回課題図書のページ数
小学校低学年800字32〜64ページ(3冊)
小学校中学年1,200字104〜191ページ(3冊)
小学校高学年1,200字168〜288ページ(4冊)
中学校2,000字120〜208ページ(2冊)
高等学校2,000字192〜336ページ(3冊)

ページ数は、課題図書の一覧に載っている各出版社の公式ページで確かめました。1冊ずつの値と出典は次のとおりです。

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部書名ページ数出典(出版社)
小学校低学年『まこちゃんとコトバロボ』64ページ佼成出版社
小学校低学年『ララのまほうのことば』48ページ工学図書
小学校低学年『たねはいのちのおわりとはじまり』32ページブロンズ新社
小学校中学年『まだまだここから』191ページポプラ社
小学校中学年『それからぼくはひとりで歩く』108ページほるぷ出版
小学校中学年『おいしいお米をつくりたい!』104ページ汐文社
小学校高学年『ポジション!』288ページ岩崎書店
小学校高学年『リヒト!』176ページ文研出版
小学校高学年『ミシュカ』168ページ静山社
小学校高学年『キミの一歩アフリカ』175ページあかね書房
中学校『君の火がゆらめいている』208ページ講談社
中学校『リュウグウの砂に挑む』120ページくもん出版
高等学校『スウィッシュ!』304ページ徳間書店
高等学校『ノアハム・ガーデンズの家』336ページゴブリン書房
高等学校『平和のうぶごえ』192ページ毎日新聞出版

出版社のページでページ数が確認できなかった3冊(『なにかいいことあった?』『宇宙でウンチ』『チーム・テスならだいじょうぶ』)は範囲に入れていません。課題図書18冊の書名と価格は、第72回課題図書の一覧(PDF)に載っています。

もう1つの目安は、ふだんの読書量です。全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査(2025年6月実施)では、5月の1か月間に読んだ本の平均は小学生12.1冊、中学生3.9冊、高校生1.4冊で、1冊も読まなかった人(不読者)の割合は小学生9.6%、中学生24.2%、高校生55.7%でした。

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学校5月の平均読書冊数不読者の割合
小学生(4〜6年生)12.1冊9.6%
中学生3.9冊24.2%
高校生1.4冊55.7%

高校生の半分以上は、5月の1か月間に1冊も本を読んでいません。ふだん本を読まない人が、いきなり課題図書の長い側を超えるような厚い本を選ぶと、読み終わる前に締め切りが来るおそれがあります。読み慣れていない人ほど、課題図書の短い側のページ数を目安に選び、読み終えてから書く日数を残してください。

長さで選ぶときの目安
  • 読み慣れていない人は、課題図書の短い側のページ数から
  • 長い本は、短編集の中の1編で書く方法もある
  • 読み終えたあと、書く日数を残せる長さかを先に考える

選べない本と、本を選ぶときの注意

困っている男子生徒のイラスト

全国コンクールに応募する場合、自由読書で選べない本が応募要項で決まっています(第72回 応募要項)。学校の宿題でも、コンクールに出す可能性があるなら先に確認しておきましょう。

決まり内容
選べない本教科書、副読本、読書会用テキスト類またはこれに準ずるもの、雑誌(別冊付録を含む)、パンフレット類、日本語以外で書かれた図書、自分の部の課題図書
ほかの部の課題図書自分の部以外の課題図書は、自由読書として応募できる
電子書籍公式Q&Aで対象外(紙の本に限る)
オリジナル個人のオリジナルで未発表の作品に限る。盗作や不適切な引用は審査対象外になることがある

自分で選ぶ本に迷ったときの考え方として、公式Q&Aは「自分の心を突き動かしてくれる本」がその人にとっての良い本だとしています。迷ったら、家族や担任の先生、部活の顧問の先生、学校図書館の先生に相談したり、友だちと紹介し合ったりする方法も挙げられています。

自分の心を突き動かしてくれる本が、その人にとっての「良い本」だといえます。

読書感想文全国コンクール公式サイト「感想文Q&A」

なお、課題図書の選定基準では「いわゆる古典・名作」は課題図書の対象にしないと決めていますが、これは課題図書を選ぶときの基準です。自由読書では、上の表のとおり『変身』『モモ』『塩狩峠』などの長く読まれてきた本も入賞しています。

第72回の課題図書18冊と、部ごとの字数・応募のしかたは、別の記事にまとめています。

本が決まったら、構成の型と書き出しの例文はこちらで解説しています。

読書感想文のおすすめの本についてよくある質問

読書感想文の本は、課題図書と自由に選んだ本のどちらがいいですか?

どちらでも入賞できます。2024・2025年度の入賞者一覧では、内閣総理大臣賞10編のうち8編が自由読書の作品でした。読んでみたい課題図書があればそれを、なければ自分で選んだ本で書いてかまいません。

短い本でも読書感想文は書けますか?

書けます。主催者が選んだ第72回の課題図書でも、小学校低学年の部でページ数が分かった3冊は32〜64ページです。高校でも、短編集の中の1編で書いて入賞した例があります(『河童』など)。短編集の場合は、応募票に書名と作品名を書きます。

有名な古い本(名作)で書いてもいいですか?

自由読書なら書けます。課題図書の選定基準では古典・名作を課題図書にしないと決めていますが、自由読書の入賞作には『モモ』『君たちはどう生きるか』『変身』『塩狩峠』などがあります。

ChatGPTなどで書いた感想文は応募できますか?

応募要項では、応募できるのは個人のオリジナルで未発表の作品に限られ、盗作や不適切な引用などがあった場合は審査対象外になることがあると書かれています。本を読んで、自分のことばで書いてください。

入賞した感想文はどこで読めますか?

応募要項によると、最優秀・優秀・優良・奨励作品は、入賞作品集『考える読書』(毎日新聞出版)に掲載されます。入賞者の一覧(学校・学年・氏名・書名)は、全国学校図書館協議会のサイトでPDFが公開されています。

この記事で確認した資料

入賞作の書名は、全国学校図書館協議会の「第71回青少年読書感想文全国コンクール入賞者」と「過去の入賞者」のページにある、第70回・第71回の5部ごとのPDF(10本)を2026年10月28日にすべて開き、1編ずつ表に起こしました(生徒の氏名・学校名・作品名は載せていません)。字数・選べない本・オリジナルの決まりは「応募要項」、本選びの考え方と短編集の扱いは「感想文Q&A」、課題図書の条件は「課題図書選定基準」、読書量は「学校読書調査」、課題図書のページ数は各出版社の公式ページで、すべて同じ日に確認しました。同じ本かどうかは、副題を除いた書名と著者で判断しています(『カラフル』は阿部暁子著と森絵都著の別の本)。

夏休みの宿題全体の段取りは、こちらの記事で週ごとの計画にしています。

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この記事を書いた人

兵庫県の学習塾で塾長を経験。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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