中学生の読書感想文は、小学生のころの「おもしろかった」「すごいと思った」だけでは字数が埋まりません。中学生に求められているのは、本を読んで自分が何を考えたかを、理由と体験をつけて書くことです。
この記事では、学校の宿題で多く使われる青少年読書感想文全国コンクールの応募要項と感想文Q&A(全国学校図書館協議会・毎日新聞社)を土台に、字数の配分・構成・書き出しを具体的に示します(2026年9月26日確認)。
全国コンクールの中学校の部は本文2,000字以内(400字詰め原稿用紙で5枚)です。あらすじは短くし、心に残った場面とその理由、自分の体験とのつながり、読んだあと自分がどう変わったかの3つに字数を使うと、無理なく2,000字近くまで書けます。

感想文が書けない子のほとんどは、いきなり原稿用紙に向かっています。先にメモを作ってから書くだけで、書く時間は半分くらいになりますよ。
中学生の読書感想文のルール|全国コンクールの応募要項
学校によって決まりは違いますが、全国コンクールに出す前提の宿題なら、次の応募要項が基準になります。
| 項目 | 全国コンクールの決まり |
|---|---|
| 字数(中学校の部) | 本文2,000字以内 |
| 数え方 | 句読点は1字、改行の空白も字数に入る |
| 数えないもの | 題名・学校名・氏名 |
| 書き方 | 原稿用紙に縦書きで自筆(デジタル機器は不可) |
| 読む本 | 課題図書(課題読書)か、自由に選んだ本(自由読書) |
| 対象外の本 | 教科書・雑誌・パンフレット・日本語以外の本など |
感想文Q&Aでは、電子書籍を読んで書いた感想文は応募できず、紙の本に限ると書かれています。教科書に載っている作品でも、出版社から本として出ているものを読めば応募できますが、教科書だけを読んだ場合は審査の対象外です。短編集の中の1編だけを読んで書くことはできます。
字数について、Q&Aは「規定の字数をなるべくいっぱいに使って」と勧めています。2,000字以内なら何字でもよいわけではなく、できるだけ2,000字に近づけるのが基本です。学校の宿題で「原稿用紙3枚以上」などの指定があるときは、そちらに合わせてください。
- 改行したあとの空白のマスも字数に数える
- 題名と名前は字数に入らない
- 本の文章を引用するときは一字一句同じにして「」でくくる
読書感想文の書き方|本選びから清書まで5ステップ

| ステップ | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1 本を選ぶ | 自分の体験と重なりそうな本を選ぶ | 30分 |
| 2 付箋を貼りながら読む | 心が動いたページに付箋と一言メモ | 本1冊ぶん |
| 3 メモを作る | 付箋の中から3つ選び、理由と自分の体験を書き出す | 30分 |
| 4 下書き | 後で説明する字数配分どおりに書く | 60〜90分 |
| 5 清書 | 読み直して直し、原稿用紙に書き写す | 60分 |
いちばん大事なのはステップ2の付箋です。読み終わってから「どこがよかったか」を思い出そうとすると、ほとんど忘れています。付箋に「ここで腹が立った」「自分も同じことをした」のように、その時の気持ちを一言だけ書いておきます。
ステップ3では、付箋の中からいちばん心が動いた場面を1つ、次に2つ選びます。それぞれに「なぜそう感じたか」「自分の生活で似たことはあったか」を書き出すと、それがそのまま本文の材料になります。感想文Q&Aも、感じたこと・思ったこと・連想したことを忘れないうちに全部メモしておくように勧めています。
構成テンプレート|2,000字(原稿用紙5枚)の字数配分
メモができたら、次の配分で下書きします。400字詰めの原稿用紙なら、1枚が400字です。
| 順番 | 書くこと | 2,000字のとき | 1,200字のとき |
|---|---|---|---|
| 1 書き出し | 本を選んだきっかけ・読む前の気持ち | 約200字 | 約100字 |
| 2 あらすじ | 感想に必要なところだけ短く | 200字以内 | 100字以内 |
| 3 心に残った場面 | 場面と、そう感じた理由 | 約600字 | 約400字 |
| 4 自分の体験 | 似た体験や、自分ならどうするか | 約600字 | 約350字 |
| 5 これから | 読んで変わった考え・これからの自分 | 約400字 | 約250字 |
1,200字は、小学校高学年の部の字数です。中学生でも学校から「原稿用紙3枚」と言われたときは、右の列を使ってください。
字数が足りなくなる原因の多くは、あらすじが長すぎることです。あらすじは読む人が場面を思い浮かべられる分だけで十分で、本の内容を順番に説明する必要はありません。
- 「おもしろかった」の代わりに、どこがなぜ心に残ったかを書く
- 登場人物の考えに反対してもよい
- 自分の体験は具体的に(いつ・どこで・誰と)
- 最後は「これからどうするか」で終える
書き出しの例文5パターン
書き出しで迷ったら、次の5つの型から選びます。例文は、架空の本(部活をやめようとする中学生が主人公の物語)で書いています。自分の本に置き換えて使ってください。
- 体験から:「私は去年の夏、部活をやめようと本気で考えた。」
- 問いかけから:「続けることと、やめることは、どちらが勇気がいるのだろうか。」
- 心に残った一文から:本の中の一文を「」でそのまま書き、そのあとに自分の気持ちを続ける
- 結論から:「この本を読んで、私は逃げることを悪いことだと思わなくなった。」
- 選んだきっかけから:「題名を見て、自分のことが書いてあると思った。」
「私がこの本を読んだのは、夏休みの宿題だったからです」という書き出しは、正直ですが、次の文につながりにくくなります。書き出しの1文は、最後の段落とつながるものを選ぶと、全体がまとまって見えます。

書き出しは、下書きを全部書き終わってから決めても大丈夫です。最後の段落で言いたいことが決まると、最初の1文も自然に決まります。
題名のつけ方と、原稿用紙の使い方
感想文Q&Aでは、題名は「自分が一番感動したことやもっとも言いたいことの、中心となることばを考えて」つけるとよいとされています。「〇〇を読んで」だけの題名より、感想文で一番言いたいことを短くしたほうが、読む人の目にとまります。
| 題名の型 | 例 |
|---|---|
| 言いたいことをそのまま | 逃げてもいい日がある |
| 問いかけ | 続けることは本当に正しいのか |
| 心に残った言葉 | 本の中の一言を「」でくくる |
| 副題をつける | 言いたいこと ―『本の題名』を読んで― |
原稿用紙の使い方は、段落の初めを1マスあけること、会話や引用を「」でくくることが基本です。題名や名前をどこに書くかは全国コンクールでは決まっておらず、都道府県や学校で決まりがある場合があります。学校から配られた原稿用紙や指示があれば、それに合わせてください。
読書感想文でダメな例と、5枚が埋まらないときの直し方

| ダメな例 | 直し方 |
|---|---|
| あらすじが半分以上 | あらすじは200字以内にして、場面の感想に回す |
| 「おもしろかった」「感動した」の連続 | どの場面で、なぜそう感じたかを1つずつ書く |
| 本の文章の丸写し | 引用は短く「」でくくり、自分の言葉で続ける |
| 最後が「これからもたくさん本を読みたい」 | 本の内容とつながる、自分の行動で終える |
応募要項には「盗作や不適切な引用等があった場合、審査対象外になることがあります」とあります。インターネットの例文をつなぎ合わせるのは、字数が埋まっても評価されません。
5枚が埋まらないときは、心に残った場面をもう1つ増やすか、自分の体験の段落に「その時どう思ったか」「今ならどうするか」を足します。場面を1つ増やすと、理由と体験を合わせて400〜600字ほど増やせます(上の配分表の目安)。
ChatGPTなど生成AIで書いてもいい?文部科学省のガイドライン
文部科学省の初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0・令和6年12月26日)は、読書感想文や日記、レポートを課題にするときの注意点を書いています。
ガイドラインでは、生成AIの利用を想定していないコンクールの作品について、生成AIの出力をそのまま自分の成果物として応募・提出することは、評価基準や応募規約によっては不適切または不正な行為にあたること、自分のためにならないことを指導するよう求めています。全国コンクールの応募要項も「個人のオリジナルで未発表の作品に限ります」としています。
一方で同じガイドラインには、自分で書いた文章を基に生成AIに直させたものを「たたき台」にして、何度も自分で推敲する使い方や、使ったときは生成AIの名前・入力した文・日付を書く方法も例として挙げられています。使ってよいかは学校の先生の指示に従うのが前提です。
- 感想文の本文をAIに書かせない
- 自分のメモや下書きを見せて、足りない観点を聞くまでにする
- 使ったらAIの名前・入力した文・日付を控えておく
- 学校の指示が「使用禁止」なら使わない
読書感想文のほかにも、宿題の書き方をまとめています
夏休みの宿題全体の進め方は夏休みの勉強計画の立て方、理科の自由研究は中学生の自由研究テーマ30選で、テーマの選び方からまとめ方まで解説しています。


国語の文章を読む力や書く力は、定期テストや高校入試の記述問題にもそのまま出ます。国語を1対1で見てほしいなら、中学生は【森塾】
が1科目+20点の成績保証つきで、無料体験があります。
よくある質問
- 中学生の読書感想文は何字書けばいいですか?
-
青少年読書感想文全国コンクールの中学校の部は、本文2,000字以内です。原稿用紙なら400字詰めで5枚です。学校から別の指定があるときは、学校の指定に合わせてください。
- 題名や名前は字数に入りますか?
-
全国コンクールの応募要項では、題名・学校名・氏名は字数に数えません。句読点は1字、改行のための空白も字数に数えます。
- あらすじはどれくらい書けばいいですか?
-
2,000字なら200字以内が目安です。感想に必要な場面が分かる分だけにして、残りの字数を自分の考えや体験に使います。
- 電子書籍やマンガで書いてもいいですか?
-
全国コンクールでは電子書籍は応募できず、紙の本に限られます。マンガは、応募要項で除外されている教科書・雑誌などに当たらなければ自由読書で応募できます。
- ChatGPTで書いた感想文を出してもいいですか?
-
文部科学省のガイドラインでは、生成AIの出力をそのまま自分の作品として応募・提出することは、応募規約によっては不適切または不正な行為にあたるとされています。使うかどうかは学校の指示に従ってください。

全国コンクールの部ごとの字数・第72回の課題図書18冊・学校を通した応募方法・締め切り・賞は、別の記事に公式の応募要項からまとめました。

この記事で確認した資料
青少年読書感想文全国コンクール 応募要項 / 青少年読書感想文全国コンクール 感想文Q&A / 文部科学省 初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0


コメント