高校化学の高分子分野から、入試で問われやすい50問を一問一答形式でまとめました。問題をタップすると答えが開きます。
- まず答えを見ずに1周…分からなくても止まらず進んでください
- 2周目以降は間違えた問題だけ…印をつけて絞り込みます
- ★は難問…1周目で落としても大丈夫です
- Part1と内容は重複していません…Part2はタンパク質の高次構造・酵素・核酸・重合の分類を厚くしています

高分子は入試の最後に置かれることが多く、手が回らないまま本番を迎える受験生が非常に多い分野です。裏を返すと、ここを固めるだけで差がつきます。暗記量は多くないので、直前期でも十分間に合います。


全8回の一覧と、どの分野から解くべきかは次の記事にまとめています。


糖類の構造と還元性(問1〜10)
1. グルコースを水に溶かしたとき、存在する3つの構造を答えなさい。
α-グルコース・β-グルコース・鎖状構造の3つが平衡状態で共存しています。
2. グルコースが還元性を示す理由を答えなさい。
水溶液中でわずかに存在する鎖状構造がホルミル基(アルデヒド基)を持つためです。
3. フルクトースはケトースなのに還元性を示す。その理由を答えなさい。★
水溶液中で一部が異性化してホルミル基を生じるためです。ケトンだから還元性がない、と早合点しないよう注意してください。
4. スクロースが還元性を示さない理由を答えなさい。★
グルコースとフルクトースが、それぞれ還元性を示す部分どうしで結合しているためです。開環できる部分が残っていません。
5. マルトース・ラクトース・セロビオースは、それぞれどの単糖が結合したものか。
マルトースはグルコース2分子、ラクトースはガラクトース+グルコース、セロビオースはグルコース2分子(結合の仕方がマルトースと異なる)です。
6. アミロースとアミロペクチンの構造上の違いを答えなさい。
アミロースは直鎖状、アミロペクチンは枝分かれのある構造です。
7. ヨウ素デンプン反応で、アミロースとアミロペクチンはそれぞれ何色を示すか。★
アミロースは濃青色、アミロペクチンは赤紫色です。らせん構造の長さの違いによります。
8. デンプンやセルロースのように、多数の単糖が結合した糖類を何というか。
多糖類です。多糖類は一般に還元性を示しません(末端の割合が極めて小さいため)。
9. デンプンとセルロースは、どちらもグルコースからできている。両者の違いを答えなさい。
結合しているグルコースが、デンプンはα-グルコース、セルロースはβ-グルコースである点です。この違いでヒトが消化できるかどうかが変わります。
10. ヒトの体内で合成できず、食事から摂る必要があるアミノ酸を何というか。
必須アミノ酸です。



糖類は「なぜ還元性を示す/示さないのか」が問われます。名前を覚えるだけでなく、理由まで言えるようにしてください。
アミノ酸とタンパク質の立体構造(問11〜20)
11. α-アミノ酸のうち、不斉炭素原子を持たないものは何か。★
グリシンです。側鎖が水素原子なので、中心炭素に同じものが2つ付き、鏡像異性体が存在しません。
12. アミノ酸どうしが脱水縮合してできる結合を何というか。
ペプチド結合(-CO-NH-)です。
13. タンパク質の一次構造とは何を指すか。
アミノ酸の配列順序のことです。
14. タンパク質の二次構造を2つ挙げ、それを保っている結合を答えなさい。★
α-ヘリックス(らせん構造)とβ-シート(ひだ状構造)で、水素結合によって保たれています。
15. タンパク質の三次構造を安定化させている、硫黄を含む結合を何というか。
ジスルフィド結合(S-S結合)です。システインどうしが結びついて生じます。
16. 複数のポリペプチド鎖が集まってできた立体構造を何というか。
四次構造です。ヘモグロビンが代表例です。
17. タンパク質が熱や酸によって立体構造を失い、性質が変わることを何というか。
変性といいます。ゆで卵が固まるのがこの例です。
18. タンパク質を変性させる原因を3つ挙げなさい。
加熱・強酸や強塩基・有機溶媒(アルコール)・重金属イオンなどです。
19. タンパク質の変性が起きても、ふつう変化しないのはどの構造か。★
一次構造(アミノ酸配列)です。変性で壊れるのは水素結合などで保たれた高次構造のほうです。
20. 酵素の主成分は何か。
タンパク質です。そのため熱に弱いという性質を持ちます。



タンパク質は一次〜四次のどの構造の話をしているかを意識すると、変性の問題で迷わなくなります。
酵素と核酸(問21〜30)
21. 酵素が特定の物質にしかはたらかない性質を何というか。
基質特異性です。酵素が作用する相手の物質を基質といいます。
22. 酵素が最もよくはたらく温度を何というか。またおよそ何℃か。
最適温度といい、ヒトの酵素ではおよそ35〜40℃です。
23. 酵素を高温にすると、はたらきを失って元に戻らない。この理由を答えなさい。★
主成分がタンパク質であり、熱で変性して立体構造が壊れるためです。この状態を失活といいます。
24. ペプシンとトリプシンの最適pHは、それぞれ酸性・塩基性のどちらか。★
ペプシンは強い酸性(およそpH2)、トリプシンは弱い塩基性(およそpH8)です。はたらく場所(胃と小腸)と対応しています。
25. 核酸の構成単位を何というか。
ヌクレオチドです。
26. ヌクレオチドは、どんな3つの成分からできているか。
塩基・糖(五炭糖)・リン酸の3つです。
27. DNAとRNAで、構成する糖はそれぞれ何か。
DNAはデオキシリボース、RNAはリボースです。
28. DNAを構成する4種類の塩基を答えなさい。またRNAではどれが置き換わるか。
DNAはアデニン・グアニン・シトシン・チミンで、RNAではチミンの代わりにウラシルが使われます。
29. DNAの二重らせん構造で、塩基はどう対をなすか。またその結合は何か。
アデニンとチミン、グアニンとシトシンが対になり、水素結合で結ばれています。
30. 付加重合と縮合重合の違いを答えなさい。
付加重合は二重結合が開いてつながり、他に何も生じない反応、縮合重合は水などの小さな分子が取れながらつながる反応です。



酵素は「タンパク質でできている」から性質がすべて説明できます。熱に弱いのも、最適pHがあるのもここから来ています。
重合の分類と合成樹脂(問31〜40)
31. 環状の分子の環が開いて重合する反応を何というか。また代表例を1つ挙げなさい。★
開環重合です。ε-カプロラクタムからナイロン6ができるのが代表例です。
32. 2種類以上の単量体を混ぜて重合させることを何というか。
共重合といいます。ABS樹脂や合成ゴムのSBRがこの例です。
33. 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いを、構造から説明しなさい。★
熱可塑性樹脂は鎖状(線状)構造で加熱すると軟らかくなり、熱硬化性樹脂は三次元の網目状構造のため加熱しても軟らかくなりません。
34. 熱可塑性樹脂の例を3つ挙げなさい。
ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリ塩化ビニルなどです。
35. 熱硬化性樹脂の例を3つ挙げなさい。
フェノール樹脂・尿素樹脂・メラミン樹脂などです。
36. フェノール樹脂は何と何から作られるか。
フェノールとホルムアルデヒドです。
37. メラミン樹脂は何と何から作られるか。
メラミンとホルムアルデヒドです。食器などに使われます。
38. 高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの違いを答えなさい。★
枝分かれの多さです。枝分かれが少ないほど分子が密に並ぶため高密度になり、硬くなります。
39. ポリ塩化ビニルの単量体は何か。
塩化ビニル CH2=CHCl です。
40. 木材パルプのセルロースを溶かして繊維に再生したものを何というか。
再生繊維(レーヨン)といいます。ビスコースレーヨンや銅アンモニアレーヨンがあります。



樹脂は鎖状か網目状かで熱可塑性・熱硬化性が決まります。例の丸暗記より、構造で判断するほうが確実です。
繊維・ゴム・機能性高分子(問41〜50)
41. セルロースの一部のヒドロキシ基をアセチル化して作る繊維を何というか。
半合成繊維(アセテート繊維)といいます。
42. アクリル繊維の主な原料は何か。
アクリロニトリルです。羊毛に似た風合いを持ちます。
43. ビニロンが適度な吸湿性を持つ理由を答えなさい。★
アセタール化の際に一部のヒドロキシ基が反応せずに残るためです。すべてが反応すると水になじまなくなります。
44. 生ゴム(天然ゴム)の主成分は何か。
ポリイソプレンです。イソプレンが付加重合した構造をしています。
45. 天然ゴムの二重結合は、シス形とトランス形のどちらか。またそれによる性質を答えなさい。★
シス形です。分子が折れ曲がった形になるため弾性(伸び縮みする性質)が生まれます。
46. 生ゴムに硫黄を加えて加熱する操作を何というか。
加硫といいます。
47. 加硫を行うと、ゴムの性質はどう変わるか。理由も答えなさい。
弾性と強度が増します。硫黄が分子鎖の間に架橋構造を作るためです。
48. 硫黄を多量に加えて長時間加熱して得られる、硬い物質を何というか。
エボナイトです。
49. 紙おむつなどに使われ、自重の数百倍の水を吸収する高分子を何というか。
高吸水性高分子(高吸水性樹脂)です。網目構造の内部にイオンを持ち、浸透圧で水を取り込みます。
50. 水中のナトリウムイオンを水素イオンと交換する樹脂を何というか。★
陽イオン交換樹脂です。スルホ基(-SO3H)を持ち、純水の製造などに使われます。



ここまでお疲れさまでした。残り10問です。ゴムは「シス形だから弾性がある」「加硫で架橋する」の2点が核心です。
50問おつかれさまでした
高分子は覚える量のわりに配点が大きい分野です。ここまで解けたなら、あとは過去問で出題形式に慣れるだけで十分戦えます。



直前期に「高分子が終わっていない」と焦る受験生を毎年見ますが、この分野は2週間あれば仕上がります。理論や有機を全部やり直すより、まず高分子を埋めるほうが点は伸びます。
ほかの一問一答50問ノック












化学の勉強の進め方


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