高校化学の理論分野から、入試で問われやすい50問を一問一答形式でまとめました。問題をタップすると答えが開きます。
- まず答えを見ずに1周…分からなくても止まらず進んでください
- 2周目以降は間違えた問題だけ…印をつけて絞り込みます
- ★は難問…1周目で落としても大丈夫です
- Part1と内容は重複していません…Part1は用語中心、このPart2は計算分野が中心です

理論化学でつまずく人の大半は、暗記不足ではなく単位の扱いでつまずいています。この50問では、実際にミスが起きやすいポイント(価数・秒への換算・電離後の粒子数)を意識的に入れてあります。


全8回の一覧と、どの分野から解くべきかは次の記事にまとめています。


molと濃度の基本(問1〜10)
1. アボガドロ定数の値と、それが表す意味を答えなさい。
約 6.02×1023 /molで、物質1molに含まれる粒子の数を表します。
2. 標準状態(0℃・1.013×105 Pa)における気体1molの体積は何Lか。
22.4 Lです。気体の種類によらず同じという点が重要です。
3. モル質量とは何か。単位も含めて答えなさい。
物質1molあたりの質量で、単位はg/molです。数値は原子量・分子量・式量と同じになります。
4. 分子量44の気体が22gある。これは何molか。
0.5 molです。22 ÷ 44 = 0.5 と計算します。
5. モル濃度の定義を答えなさい。
溶液1Lあたりに溶けている溶質の物質量(mol)です。溶媒1Lではなく溶液1Lである点に注意してください。
6. 質量パーセント濃度の定義を答えなさい。
溶液全体の質量に対する溶質の質量の割合(%)です。
7. 質量パーセント濃度をモル濃度に換算するには、どんな値が必要か。★
溶液の密度と溶質のモル質量です。密度がないと「質量」から「体積」に変換できません。
8. 水溶液を水で薄めたとき、変わらないものは何か。
溶質の物質量(mol)です。したがって「薄める前の濃度×体積=薄めた後の濃度×体積」が成り立ちます。
9. 気体の状態方程式を書きなさい。
PV = nRT です。P:圧力、V:体積、n:物質量、R:気体定数、T:絶対温度です。
10. 気体定数Rの値を、単位も含めて答えなさい。★
約 8.3×103 Pa・L/(K・mol)です。単位を揃え忘れる(hPaやm3のまま計算する)ミスが非常に多いので注意してください。



理論化学はmolを制する者が制します。「与えられた量をまずmolに直す」を徹底するだけで、解ける問題が一気に増えます。
化学反応式の量的関係と中和滴定(問11〜20)
11. 化学反応式の係数は、何の比を表しているか。
物質量(mol)の比です。質量の比ではない点に注意してください(気体なら体積比も表します)。
12. 反応物の一方が余るとき、生成物の量を決めるのはどちらか。またそれを何というか。
先になくなるほうで、これを限定反応物といいます。まずどちらが不足するかを判定してから計算します。
13. 中和が過不足なく起こるときの関係式を書きなさい。
酸の価数×モル濃度×体積 = 塩基の価数×モル濃度×体積です。価数を掛け忘れるのが最頻出のミスです。
14. 強酸と強塩基の中和滴定では、どの指示薬が使えるか。
メチルオレンジ・フェノールフタレインのどちらも使えます。中和点付近のpHジャンプが大きいためです。
15. 弱酸を強塩基で滴定するとき、適切な指示薬は何か。理由も答えなさい。★
フェノールフタレインです。中和点が塩基性側(およそpH8〜9)に偏るためです。
16. 強酸を弱塩基で滴定するとき、適切な指示薬は何か。★
メチルオレンジです。中和点が酸性側に偏るためです。
17. pHの定義を答えなさい。
水素イオン濃度 [H+] を用いて pH = -log10[H+] と表されます。
18. 0.01 mol/L の塩酸のpHはいくらか。
pH = 2です。塩酸は1価の強酸で完全電離するため [H+] = 1×10-2 mol/L となります。
19. pHが1大きくなると、水素イオン濃度は何倍になるか。
10分の1になります。pHが小さいほど酸性が強いことを意味します。
20. 直接滴定しにくい気体(アンモニアなど)を、過剰の酸に吸収させてから残った酸を滴定する方法を何というか。
逆滴定といいます。



中和の計算で最も多いミスが価数の掛け忘れです。硫酸は2価、水酸化カルシウムも2価。ここだけは毎回確認してください。
酸化還元と電気分解(問21〜30)
21. 酸化剤・還元剤を、電子の授受で定義しなさい。
酸化剤は電子を受け取る物質、還元剤は電子を与える物質です。「酸化剤は自身が還元される」という関係も押さえてください。
22. 硫酸酸性の過マンガン酸カリウムが酸化剤としてはたらくときの半反応式を書きなさい。★
MnO4– + 8H+ + 5e– → Mn2+ + 4H2O です。
23. 過マンガン酸カリウム滴定で指示薬が不要な理由を答えなさい。
過マンガン酸イオン自身が赤紫色で、還元されると無色のMn2+になるためです。終点で赤紫色が消えなくなった点を読み取ります。
24. 過マンガン酸カリウム滴定で、塩酸や硝酸ではなく硫酸で酸性にする理由を答えなさい。★
塩酸は酸化されてしまい、硝酸は自身が酸化剤としてはたらくためです。硫酸は酸化も還元もされにくいので適します。
25. ヨウ素とデンプンが反応すると何色になるか。
青紫色になります(ヨウ素デンプン反応)。ヨウ素滴定の終点判定に使われます。
26. ファラデー定数の値と意味を答えなさい。
約 9.65×104 C/molで、電子1molが持つ電気量を表します。
27. 電気分解で流れた電気量を求める式を書きなさい。
電気量 Q(C) = 電流 I(A) × 時間 t(秒) です。時間を秒に直し忘れるミスが多発します。
28. 2つの電解槽を直列につないだとき、それぞれを流れる電気量の関係を答えなさい。
等しくなります。この性質を使って、片方の析出量からもう片方を求める問題が頻出です。
29. 水を電気分解したとき、陰極と陽極で発生する気体とその体積比を答えなさい。
陰極に水素、陽極に酸素が発生し、体積比は水素:酸素=2:1です。
30. 塩化ナトリウム水溶液を電気分解したとき、陰極で発生する物質は何か。★
水素です。ナトリウムはイオン化傾向が大きいため析出せず、水が還元されます。



電気分解の計算は時間を秒に直し忘れるミスが本当に多いです。分・時間で与えられたら、まず秒に直してから始めてください。
化学平衡と反応速度(問31〜40)
31. 正反応と逆反応が同じ速さで進み、見かけ上変化が止まった状態を何というか。
化学平衡(平衡状態)といいます。反応が止まったわけではない点が重要です。
32. 反応 aA + bB ⇄ cC + dD の平衡定数Kを式で表しなさい。
K = [C]c[D]d / [A]a[B]b です。生成物が分子、反応物が分母です。
33. 平衡状態にある系の条件を変えると、その影響を和らげる方向に平衡が移動する。この原理を何というか。
ルシャトリエの原理です。
34. 気体の反応で圧力を上げると、平衡はどちらに移動するか。
気体分子の数が減る方向に移動します。両辺の分子数が同じ場合は移動しません。
35. 温度を上げると、平衡はどちらに移動するか。
吸熱方向に移動します。温度を下げると発熱方向です。
36. 触媒を加えると平衡はどちらに移動するか。★
移動しません。触媒は平衡に達するまでの時間を短くするだけで、平衡の位置は変えません。頻出の引っかけです。
37. 活性化エネルギーとは何か。
反応が起こるために必要な最小のエネルギーです。これが小さいほど反応は速く進みます。
38. 触媒が反応を速くする仕組みを答えなさい。
活性化エネルギーの小さい別の経路をつくるためです。触媒自身は反応の前後で変化しません。
39. 温度を上げると反応速度が大きくなる理由を答えなさい。
活性化エネルギー以上のエネルギーを持つ分子の割合が増えるためです。衝突回数の増加だけでは説明として不十分です。
40. 弱酸の電離のように、電離が平衡状態にあることを何というか。
電離平衡といい、そのときの平衡定数を電離定数といいます。



平衡は「触媒は平衡を動かさない」が最頻出の引っかけです。速くするだけで、行き先は変えません。
溶解度と希薄溶液の性質(問41〜50)
41. 固体の溶解度は、ふつう何を基準に表すか。
水100gに溶ける溶質の最大質量(g)で表します。
42. 温度を上げたとき、固体と気体の溶解度はそれぞれどうなるか。★
固体は一般に大きくなり、気体は小さくなります。炭酸飲料を温めると気が抜けるのはこのためです。
43. 一定温度で、溶解する気体の量はその圧力に比例する。この法則を何というか。
ヘンリーの法則です。溶解度の小さい気体で成り立ちます。
44. 溶液の沸点が純溶媒より高くなる現象と、凝固点が低くなる現象をそれぞれ何というか。
沸点上昇と凝固点降下です。
45. 質量モル濃度の定義を答えなさい。
溶媒1kgあたりに溶けている溶質の物質量(mol)です。モル濃度(溶液1L基準)とは基準が違う点に注意してください。
46. 凝固点降下度を求める式を書きなさい。
Δt = K・m(K:モル凝固点降下、m:質量モル濃度)です。
47. 塩化ナトリウム水溶液の凝固点降下を計算するとき、注意すべき点は何か。★
電離後の全粒子の物質量で考えることです。NaClは2つのイオンに電離するので、粒子数は2倍になります。
48. 沸点上昇や凝固点降下の大きさは、溶質の何によって決まるか。
溶質の粒子の数(物質量)です。溶質の種類には関係しません。
49. 浸透圧を求める式を書きなさい。
ΠV = nRT です。気体の状態方程式と同じ形をしています。
50. 凝固点降下を利用した身近な例を1つ挙げなさい。
道路の凍結防止剤(塩化カルシウムなど)や、自動車の不凍液があります。



ここまでお疲れさまでした。残り10問です。凝固点降下は電解質かどうかで粒子数が変わる点に注意してください。
50問おつかれさまでした
理論化学は手を動かした量がそのまま点になる分野です。この一問一答で知識を確認したら、必ず実際の計算問題を解いてください。読むだけでは計算ミスは減りません。



「理論が苦手」と言う生徒に解かせてみると、考え方は合っていて計算でだけ落としているケースがほとんどです。自分がどちらで失点しているのかを、一度分けて数えてみてください。対策がまったく変わります。
ほかの一問一答50問ノック










化学の勉強の進め方


高分子分野の一問一答も用意しています。








コメント