通信制高校はやめとけ?言われる理由と、当てはまる人・当てはまらない人

通信制高校はやめとけ?言われる理由と、当てはまる人・当てはまらない人

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「通信制高校はやめとけ」は、自分で学習を進められない人には当たっていて、目的がはっきりしている人には当たっていません。国の統計では、通信制高校の卒業者のうち進学も就職もしていない人が26.1%いる一方で、大学を志願した人の86.6%は大学に進学しています。高校卒業資格も全日制と同じです。

この記事では、「やめとけ」と言われる理由を国の統計で確かめたうえで、やめとけと言う人が見落としている3つのことと、実際にやめたほうがいい人・そうでない人を整理します(2026年9月29日確認)。

この記事の結論
進学も就職もしていない通信制高校の卒業者26.1%
大学を志願した人の進学通信制高校の卒業者86.6%
  • 当たる人:自分で学習を進められない人、進路を決めないまま入る人
  • 当たらない人:通学が負担で卒業資格を取りたい人、進路の目的がある人
  • 卒業資格は全日制と同じ。全日制にも不登校・中退の人がいる
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  • やめとけが当たる人…時間割がなくても自分で学習を進められない人、進路を決めないまま入る人
  • 当たらない人…通学が負担で高校卒業資格を取りたい人、やりたいことに時間を使いたい人、進路の目的がある人
  • 見落とされていること…卒業資格は同じ/大学を志願すれば86.6%が進学/全日制にも不登校67,782人中53,128人・中退44,571人がいる
この記事の目次

「やめとけ」と言われる2つの理由

理由1:進路が決まらないまま卒業する人が多い

文部科学省の学校基本調査(状況別卒業者数・通信制)では、令和6年度間に通信制高校を卒業した91,809人のうち、進学も就職もしていない「上記以外の者」が23,995人で、割合は26.1%です(計算)。

全日制・定時制(同・全日制・定時制)は929,157人中44,070人で4.7%(計算)なので、差は大きいです。

理由2:自分で学習を進める力が要る

通信制高校の学習は、レポート・スクーリング・テストで単位を取る仕組みで、時間割のないコースでは、いつ勉強するかを誰も決めてくれません。

この「自由さ」を管理できないと、レポートがたまり、進路を考える時期も遅れます。理由1の数字は、理由2の結果でもあります。

デメリットの詳しい中身は通信制高校のデメリット5つにまとめています。

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やめとけと言う人が見落としている3つのこと

①高校卒業資格は全日制と同じ

学校教育法第一条に定められた高等学校なら、通信制でも全日制と同じ高校卒業資格です。

たとえばN高グループは公式のよくある質問で「全日制と同じ『高校卒業資格』を取得することができます」と説明しています。

卒業証書に「通信制」と書かれて不利になる、という話は、卒業資格の制度としては成り立ちません。

②大学を志願した人の86.6%は進学している

通信制高校の大学等進学率は28.6%で、全日制・定時制の62.6%より低く見えます。

ところが、大学(学部)を志願した人(入学志願者数)23,617人のうち、大学(学部)に進学した人(進学者数)は20,445人で、割合は86.6%です(計算)。

通信制だから受からないのではなく、受験までたどり着く人が少ないのが実態です。詳しくは通信制高校から大学進学は不利?を見てください。

③全日制にも、不登校と中退はある

文部科学省の令和6年度 問題行動・不登校調査では、高校の不登校生徒67,782人のうち、全日制が53,128人、定時制が14,654人です。

同調査の高校の中途退学者は44,571人(中途退学率1.4%)でした。

全日制に通えば安心、というわけではありません。合わない学校に通い続けて不登校や中退になるより、自分に合う形で高校を卒業するほうが、結果として進路は広がります。

「やめとけ」は、通信制の仕組みを知ったうえで言われているか、印象で言われているかを見分けてください。数字で言えるのは上の3つです。

通信制高校の卒業率・退学率は?国の統計で見る

通信制高校の「卒業率」は、国の統計では公表されていません。代わりに、学校基本調査の入学者数・退学者数(本科)と生徒数から、1年間にやめた人の割合(前年度間の退学者÷今年度の生徒数)を計算できます。

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区分退学者(前年度間)生徒数(令和7年度)割合(計算)
通信制高校 全体14,302人305,197人約4.7%
公立4,704人62,008人(3年+4年以上の合計を計算)約7.6%
私立9,598人243,189人(3年+4年以上の合計を計算)約3.9%

1年間にやめる人は全体で約4.7%で、公立(約7.6%)のほうが私立(約3.9%)より高くなっています。

公立は学費が安い一方で、自分で学習を進める場面が多いことが、差の一因と考えられます。

学校ごとの数字は各校の情報公開に載っていて、たとえばN高等学校は約2.0%です(N高はやめとけ?)。

通信制の中退は2つの国の統計で数が違う|14,302人と10,094人の読み分け

上の約4.7%は、学校基本調査の「退学者数」から計算した値です。高校の中退には、文部科学省の問題行動・不登校調査という別の統計もあり、同じ令和6年度の通信制の数が違います。両方の統計表を開いて並べました。

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統計通信制の数(令和6年度間)公立私立数え方(原文)
学校基本調査(令和7年度)の退学者数14,302人4,704人9,598人転学した者・転籍した者を含める(調査の手引)
問題行動・不登校調査(令和6年度)の中途退学者数10,094人2,937人7,157人定義は公表資料に記載なし
差(計算)4,208人1,767人2,441人―
通信制高校の中途退学の事由の内訳のグラフ。進路変更32.4%、学校生活・学業不適応23.4%、その他の理由17.7%、学業不振9.2%、病気けが死亡7.6%(令和6年度 問題行動・不登校調査)
計算
  • 差:14,302 − 10,094 = 4,208人(公立 4,704 − 2,937 = 1,767人、私立 9,598 − 7,157 = 2,441人)
  • 問題行動調査の通信制の中途退学率は3.5%(統計表の値)。在籍者数(率の分母)は課程別には表に載っていない
  • 学校基本調査から計算した 14,302 ÷ 305,197 = 4.69% は、分子が令和6年度間、分母が令和7年5月1日の生徒数で時点が違う
  • どちらも期間は4月1日から翌年3月31日までの1年間で、年度はそろっている

学校基本調査の数は、転学(別の高校への転校)した人も含めると手引に書かれています。問題行動調査の「中途退学者」に転学が入るかは、公表資料に書かれていません。差の4,208人の中身は、統計からは分かりません。転学が多いせいだとすれば説明はつきますが、これは推測です。

通信制をやめた理由(問題行動・不登校調査)

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事由人数割合(統計表)
進路変更(計)3,269人32.4%
うち別の高校への入学を希望1,119人11.1%
学校生活・学業不適応2,364人23.4%
その他の理由1,786人17.7%
学業不振930人9.2%
病気けが死亡766人7.6%
経済的理由441人4.4%
家庭の事情396人3.9%
問題行動等142人1.4%

いちばん多いのは進路変更で、次が学校生活・学業不適応です。学業不振(9.2%)は1割に届きません。「勉強についていけずにやめる」より、学校や生活が合わない・別の道に移る理由のほうが多い結果です。入学前に、通う日の有無や相談の体制が自分に合うかを確かめる意味は、ここにあります。

出典:文部科学省 学校基本調査 令和7年度 表161 入学者数・退学者数(本科)/同 表160 通信制の生徒数/令和8年度 学校基本調査の手引(高等学校・PDF)/令和6年度 問題行動・不登校調査 表6-5 課程・学科・学年別中途退学者数/同 表6-4 事由別中途退学者数(課程別)(2026年10月14日確認)

やめとけが当てはまる人

  • 自分で予定を立てるのが苦手で、時間割のないコースだけで進めようとする人…通う日のあるコースがある学校を選ぶか、全日制・定時制を含めて考え直す
  • 「とりあえず高校は卒業できればいい」と、進路を決めないまま入る人…進路未定26.1%に入りやすい。入学時に卒業後の行き先を決めておく
  • 難関大の一般選抜を、学校の標準の学習だけで目指す人…学内の受験講座や外部の塾を使う前提が要る
  • 「合わなかったら学費が戻る」と思っている人…たとえばN高グループでは、入学後の通信制課程の授業料は理由を問わず返金されません(N高はやめとけ?)

やめとけが当てはまらない人

  • 通学そのものが負担で、高校卒業資格を取りたい人…体調、不登校、家庭の事情など
  • やりたいことに時間を使いたい人…仕事、競技、創作、資格の勉強など
  • 進路の目的がはっきりしている人…総合型選抜・専門学校・就職など
  • 全日制でうまくいかず、環境を変えたい人…在学中なら転入学で、修得した単位に応じて相当学年に移れます(通信制高校への転校)

「やめとけ」で終わらせないための確かめ方

通信制高校は、学校ごとに公表が求められている情報(在籍者数・退学者数・教職員数など)があります。

たとえばN高等学校の情報公開では、2026年5月1日時点の在籍者19,073人に対し、前年度の退学者は388人です。

候補の学校で同じ項目を並べると、印象ではなく数字で比べられます。

  • 通学日数の違うコースがあるか…自己管理が不安なら、通う日のあるコースを選べる学校
  • 進路の相談体制…何年生から、誰が相談に乗るか
  • 学費の総額と返金の規則…就学支援金で下がった後に残る額、途中でやめたときの扱い
資料で、通い方と支援の中身を確かめる

「やめとけ」かどうかは、学校の仕組みが自分に合うかで決まります。N高等学校は通学日のないネットコースから週5日通うコースまであり、資料でコースごとの学費と支援の内容を確認できます。複数の学校の資料を並べて比べてください。
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通信制高校はやめとけ?でよくある質問

通信制高校を卒業すると、履歴書で不利になりますか?

高校卒業資格は全日制と同じです。学校教育法第一条の高等学校なら、通信制でも「高等学校卒業」です。

通信制高校から大学に行けますか?

行けます。大学(学部)を志願した23,617人のうち20,445人(86.6%・計算)が大学(学部)に進学しています。受験までたどり着けるかが差になります。

通信制高校はやめる人が多いですか?

学校によります。たとえばN高等学校の公式の情報公開では、在籍19,073人に対して前年度の退学者は388人です。候補の学校の情報公開で確かめてください。

全日制に通えているなら、通信制は考えなくていいですか?

通えていて困っていなければ、無理に変える必要はありません。ただ、全日制でも不登校生徒は53,128人、高校全体の中途退学者は44,571人(令和6年度)いるので、合わないと感じたときの選択肢として知っておくと安心です。

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この記事を書いた人

兵庫県の学習塾で塾長を経験。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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