高校の「情報Ⅰ」は、2025年1月から大学入学共通テストの科目になりました。ところが、学校の授業は週2時間ほどで、市販の参考書もほかの教科ほど多くありません。「授業だけでは足りないけれど、何で勉強すればいいか分からない」という高校生は多いはずです。
そこで役に立つのが、情報科の先生やIT講師、塾の講師が個人で無料公開している教材です。この記事では、情報Ⅰを無料で勉強できる個人・小規模のサイトを6つ、実際に開いて「誰が作っているか・何が学べるか・登録が要るか・いつ更新されたか」を確認しました(2026年10月8日確認)。
全範囲を動画で通して学ぶ→①せかチャン/共通テストの実際の問題を分野ごとに解く→②速習!情報/スマホで用語を固める→③一問一答トレーニングGYM(全314問)/プログラミングをゼロから→④プログラミング準備室/教科書の単元順にプリントで復習→⑤情報科の授業アイデア/直前に要点を総ざらい→⑥テストバッチリ大作戦(図解ノート20ページ)。
先に結論:6サイトの比較表
| サイト | 作っている人 | 形式 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| ①せかチャン | IT講師(菅原智さん) | 動画+PDF | 全4章を動画で通して学ぶ |
| ②速習!情報 | 元システムエンジニアの個人 | Webの問題演習+動画 | 共通テストの過去問を分野別に解いて採点 |
| ③一問一答トレーニングGYM | 塾で情報を教える講師 | Webの一問一答 | 全314問から5問ずつ、スマホで |
| ④プログラミング準備室 | 高校の数学・情報の先生 | 記事(会話形式) | 共通テスト用プログラム表記を第0回から |
| ⑤情報科の授業アイデア | 大阪の高校の先生(岡本弘之さん) | 授業プリント・スライド | 24単元+総合実習を順に復習 |
| ⑥テストバッチリ大作戦 | 情報科の教材作者(太田剛さん) | 図解ノートとPythonで解く過去問 |
6つとも、2026年10月8日の時点で会員登録なしで中身を開けました。⑤⑥は先生向けの教材として公開されているもので、ファイルを直接開いて使います。

情報Ⅰは「用語を覚える」「プログラムを読む」「データを読み取る」の3つで、使う教材が変わります。全部を1つのサイトで済ませようとせず、苦手な所に合ったサイトを1つ足すのが近道です。
苦手の種類別:どのサイトから始めるか
情報Ⅰでつまずく所は、だいたい次の3つに分かれます。自分がどれに当たるかで、最初に開くサイトを決めてください。
| つまずき | よくある状態 | 最初に開くサイト |
|---|---|---|
| 用語・知識 | 著作権・ネットワーク・2進数などの言葉があいまい | ③一問一答→分からない言葉だけ①の動画 |
| プログラミング | 共通テスト用プログラム表記の配列・繰り返しが追えない | ④準備室で第0回から→①の3章→②のプログラミング分野 |
| 共通テストの形式 | 知識はあるが、長い問題文で時間が足りない | ②速習!情報の試験形式(タイマー)→⑥の図解ノートで穴を確認 |
どの場合も、最後は共通テストの形式で解いて確かめるところまで進めます。②は実際の共通テストの問題を使っているので、仕上げに向いています。
①せかチャン|情報Ⅰの全範囲を動画で通して学ぶ
せかチャン(世界一わかりやすい情報科チャンネル)は、IT企業の研修で教えてきた菅原智さんが運営する、情報Ⅰの動画講座のサイトです。プロフィールには、東京工業大学大学院の情報理工学研究科を修了したこと、「誰でも好きなときに無料で学べる場として」動画を作っていることが書かれています。
基礎講座は教科書の全4章で、3章(コンピュータとプログラミング)はPython編と表計算マクロ編の2本立てです。共通テスト対策講座もあり、たとえば3章の対策講座は共通テスト用プログラム表記・配列・繰り返し・探索・整列など14テーマで合計3時間40分。テーマごとに開始時刻と長さが表になっていて、苦手なテーマだけを選んで見られます。
全テーマの板書と確認テストをまとめた全96ページの授業ノート(PDF)も配っています。チャンネル登録者は2025年12月に10万人を超えていて、個人のサイトですが利用者は多いです。
教科書を読んでもイメージがわかない人。1章から順に、動画で全範囲を一通り見ておきたい人。
なぜ勧めるか:IT研修の講師が情報Ⅰの全範囲を動画にしていて、プログラミングの章の対策講座だけでも14テーマ・約3時間40分あり、時間の表から苦手なテーマだけを選んで見られるからです。
②速習!情報|共通テストの実際の問題を分野別に解く
速習!情報は、トップページに「元システムエンジニアが、共通テスト「情報Ⅰ」を徹底的に分析」とある個人のサイトです。運営者の名前は書かれていません。
中心は共通テスト問題演習です。2025年度の本試験・追試験、試作問題、サンプル問題、前身の「情報関係基礎」などの問題を、情報社会の問題解決〜データの活用と分析の8分野に並べ替えてあります。プログラミング分野なら、年度をまたいでプログラムの問題だけを続けて解けます。
「試験形式で解いてまとめて採点」と「1問ずつ解いて解説を確認」の2通りが選べ、トップには「苦手な分野・問題の分析機能」「タイマー機能でスピード養成」とあります。共通テスト対策講座の動画は、1回5〜10分ほどで全部で約6時間です。
2026年10月8日の時点で、試験別の一覧の最新は2025年度で、2026年度(令和8年度)の本試験はまだ入っていませんでした。2026年度の問題は、大学入試センターの「過去問題」のページで手に入ります。
なぜ勧めるか:共通テストの実際の問題を分野ごとに並べ替えてあり、「プログラミングだけ」「データの分析だけ」を年度をまたいで解いて、その場で採点できるからです。

③情報1一問一答トレーニングGYM|全314問をスマホで5問ずつ
情報1一問一答トレーニングGYMは、学習塾で「情報」を教えている講師(ブログ「コトゼニ」の筆者)が作った一問一答のWebアプリです。トップに「無料・PC/スマホ/タブレット対応です。」とあり、登録なしで出題できます。
問題は全314問で、分野別の内訳は次のとおりです(トップページの表示)。
| 分野 | 問題数 |
|---|---|
| 情報社会の問題解決 | 83問 |
| コミュニケーションと情報デザイン | 86問 |
| コンピュータとプログラミング | 70問 |
| 情報通信ネットワークとデータの活用 | 75問 |
| 合計 | 314問(83+86+70+75) |
難易度は基礎209問・応用31問・発展40問・入試問題34問に分かれ、四択式か記述式かを選んで、5問・10問・20問ずつ解けます。使い方のページによると、パソコンの広い画面では問題を印刷する機能もあります。
通学中や寝る前の5分で用語を固めたい人。定期テスト前に、分野を絞って確認したい人。
なぜ勧めるか:塾で情報を教える講師が作った無料の一問一答で、4分野・難易度・四択か記述かを選んで5問から解けるので、スキマ時間に用語を固めるのに向いているからです。

④プログラミング準備室|共通テスト用プログラム表記を第0回から
「意味から分かる」数学準備室のプログラミング準備室は、高校で数学と情報を教えている先生のブログです。情報Ⅰはプログラミングに絞っていて、入口のページに「共通テストに必要な範囲だけを、効率的に学べるように整理しました。」とあります。
第0回「プログラミングってなに?」から第10回のまとめまで、全11回で、表示文・変数・算術演算・比較と論理演算・条件分岐・繰り返し・配列・関数を1回1テーマで説明します。先生と生徒の会話の形で、各回に練習問題とまとめがあります。
第10回のまとめでは、変数から繰り返しまでを項目ごとに「プログラム例」と「ポイント」で振り返れるので、全部読んだあとの確認にも使えます。情報Ⅰの記事の最終更新は2025年8月4日です。
プログラミングを一度も習ったことがない人。共通テスト用プログラム表記の「配列」や「繰り返し」で止まっている人。
なぜ勧めるか:数学と情報を教える現役の高校の先生が、共通テスト用プログラム表記を表示文から関数まで1回1テーマで解説していて、プログラミングが初めての人でも第0回から順に読めるからです。
⑤情報科の授業アイデア|24単元の授業プリントで復習
情報科の授業アイデアは、大阪のアサンプション国際中学校高等学校で情報科を教える岡本弘之さんのサイトです。プロフィールによると、教員歴は30年を超え、情報科の教科書の執筆にも関わっています。サイトは2005年から続いています。
情報Ⅰは24単元と総合実習に分けて、授業で使うプリントとスライドを単元ごとに公開しています。トップには「情報Ⅰのプリント、スライドを2025年度版にすべて更新しました(2026.3.15)」とあります。プログラミングはScratch・Pythonなどの教材があり、ページ下部には共通テストのサンプル問題の解説もあります。
このサイトは先生どうしで授業の教材を共有するためのもので、授業での利用は許諾不要とされています。生徒向けの解説サイトではないので、学校の授業プリントの代わりに、教科書の単元順に復習する使い方が合っています。
なぜ勧めるか:教科書の執筆にも関わる大阪の高校の先生が、情報Ⅰの24単元と総合実習の授業プリントとスライドを2025年度版で公開していて、単元の順に先生が実際に使う教材で復習できるからです。
⑥テストバッチリ大作戦|図解ノートとPythonで解く過去問
高校 情報I テストバッチリ大作戦!は、情報科の教材を作っている太田剛さんの、生徒向けの学習支援サイトです。教材はすべてPDFで、登録なしで開けます。
目玉は図解ノートで、トップに「2025年、2026年の共通テストを分析して必要な知識を網羅」「A4で20ページ」とあります。ファイル名から2026年8月版です。ほかに、プログラムを1行ずつ追うトレース問題、共通テストの試作問題・過去問をPythonで実際に動かしながら解く問題集、確認テストなどがあります。
共通テストの直前に要点を20ページで総ざらいしたい人。プログラムを動かして確かめたい人(Pythonが動く環境が必要です)。
なぜ勧めるか:2025年と2026年の共通テストを分析した20ページの図解ノートと、Pythonで動かしながら解く過去問題集が、登録なしでPDFで手に入るからです。
6サイトを組み合わせた1週間の回し方
情報Ⅰは1回に長くやるより、短い時間を何日ものほうが定着します。週3〜4時間を目安にした例です。
| 曜日 | やること | 使うサイト |
|---|---|---|
| 月 | 教科書の単元を1つ、プリントか動画で確認(30分) | ⑤ または ① |
| 火 | 一問一答をその分野で10問×2回(15分) | ③ |
| 水 | プログラミングを1テーマ(30分) | ④ → ①の3章 |
| 木 | 一問一答の間違いだけ解き直し(15分) | ③ |
| 土 | 共通テストの問題をその分野で解いて採点(60分) | ② |
| 日 | 間違えた問題の解説を読み、図解ノートで確認(30分) | ② ・ ⑥ |
高3の秋以降は、土曜を「1年分を試験形式で解く」に変えて、時間配分の練習に回してください。共通テスト全体の時間配分は、下の記事でまとめています。


情報Ⅰはまだ新しい科目で、過去問の数が少ないです。同じ問題を2回解いてもかまいません。2回目は「なぜその答えになるか」を自分の言葉で説明できるかを確かめてください。
ひとりで進めるのが難しいとき:公式に単価を出している東進
独学に授業を足したいなら、大学受験で公式が単価を公表している【東進ハイスクール・東進衛星予備校】
があります。入学金33,000円+受講料85,800円/講座(2026年度)の積み上げ式で、高3で4講座なら担任指導費・模試費を含めて年482,900円(計算)が目安。資料請求・個別相談・1日体験は、公式サイトに申し込みの入口があります。
講座を取りすぎると総額が大きくなります。足りない科目だけ取る前提で見積もってください。

情報Ⅰの無料サイトについてよくある質問
- この記事のサイトは本当に無料ですか?登録は要りますか?
-
6つとも、2026年10月8日の時点で登録なしで中身を開けました。①は有料のYouTubeメンバーシップや書籍、④は家庭教師の案内などがありますが、ここで紹介した教材を使うのに申し込みは要りません。
- 共通テストの過去問そのものはどこで手に入りますか?
-
大学入試センターの「過去問題」のページで、問題と正解が公開されています。②速習!情報は2025年度までの問題を分野別に解けるように並べ替えています(2026年度は2026年10月8日時点で未収録)。
- プログラミングがまったく分かりません。どこから始めればいいですか?
-
④プログラミング準備室の第0回から順に読み、分からない所は①せかチャンの3章の動画で同じテーマを見てください。読めるようになったら、②のプログラミング分野で共通テストの問題を解きます。
- 定期テスト対策にも使えますか?
-
使えます。③一問一答は分野を選んで出題でき、⑤は教科書の単元順のプリントです。ただし学校の定期テストは先生の授業から出るので、授業プリントの復習を先にしてください。
- 学校の先生が授業で使ってもいいですか?
-
①はプロフィールで授業での自由な利用を認めていて、⑤は授業での利用は許諾不要としています。そのほかのサイトは、各サイトの利用規約や案内を確認してください。
この記事で確認した資料
掲載した6サイトは、2026年10月8日にすべて実際に開いて、運営者・登録の要否・扱う範囲・更新時期を確認しました。運営者の情報は各サイトのプロフィール・トップページの記載、問題数・動画の長さ・ページ数などは各サイトのページの表示によります。閉鎖や内容の変更が確認できたサイトは差し替えます。
共通テストの情報Ⅰの平均点や大問ごとの対策は、別の記事で大学入試センターの公表データをもとにまとめています。



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