スキマ時間、うまく使えていますか?1日の中には意外と勉強に使えるスキマ時間が隠れています。この時間を有効に使うことで、ライバルとの差をつけていきましょう。
- スキマ時間は新しく覚える場所ではなく、思い出す場所にする
- 立ったままの電車では、音声・単語アプリ・頭の中での復習
- スキマ時間だけでは成績は上がらない。机の勉強を支える役
スキマ時間、具体的にはいつ?

まずは日常の中で潜んでいるスキマ時間についてリストアップしてみます。
- 電車、バスなどの持ち時間
- 通学中の時間
- 学校の休憩時間
- お風呂の中
などなど。意外に多く見つかります。まずは1日の中に発生しているスキマ時間を見つけるところから始めましょう。今回はこの4つに絞って、それぞれどんな勉強ができるのかを経験も踏まえながらご紹介します。
国の調査では、中学3年生の平日の勉強時間は「1時間以上、2時間より少ない」が30.8%でいちばん多く、30分より少ない子も11.2%いました(国立教育政策研究所 令和7年度 回答結果集計表)。机に向かう時間が短い子ほど、スキマ時間の使い方で差がつきます。
具体的な勉強法とは?
電車、バスなどの持ち時間
バスや電車を待っている時間が5分ほどだとすると、通学のある平日5日で25分の勉強時間になります。せっかくなので、普段はやりたいけど、なかなか出来ないことをしてみてください。例えば
- その日の勉強目標の設定
- 昨日の勉強の振り返り
- 勉強法などについて情報収集
などです。もちろん単語暗記などに使うのもアリですが、目標を立てたり、フィードバックを行うのも大切なことなので、待ち時間のわずかな時間に行うのがオススメです。

筆者は、待ち時間にその日に先生に質問したいことや、勉強したいことをリストアップしていたりしていました。おすすめです。
通学中の時間

可能でしたら、席に座れるよう努めてみましょう。もちろん人が多い時間でもあり、難しいこともありますが、少し早めに家を出てみるなど、工夫次第で座れそうな場合は、ぜひしてみて下さい。

席に座れると、本を出して勉強しやすくなりますし、集中しやすいですよね。ただし教材を出しすぎるなど、周りの迷惑にならないかは十分気をつけて下さい。
おすすめの勉強は英単語・社会の語句暗記・古文単語・漢文の句法などの知識系です。ペンなどは使えませんが、参考書を見て暗記できているかの整理を行うことは十分可能です。
また、映像授業を電車やバスの中で受けるのもおすすめです。その場でアウトプットはできないものの、とても良いインプットの機会にはなります。
学校の休憩時間
休みの10分休憩や、お昼休憩。もちろん休む時間も必要ですが、余裕があればこの時間も勉強に当てられたら素晴らしいです。1日20分時間を確保できれば、1週間で100分です。これが積み重なれば結構な差です。
ここでは、直前に受けた授業の復習が一番おすすめです。習ってから時間が経っていないうちに、いまいち理解が及んでいない箇所はどこなのかを整理しましょう。
これをすることで、先生に聞く・家に帰ってゆっくり考えてみるなどの次の手順を踏みやすくなります。

筆者は、学校の10分休憩はうまく使えていませんでしたが、お昼休みの時間は余っていたので、数学のわからない問題を考える時間にあてていました。
お風呂の中

お風呂の中は絶好の勉強チャンスです。何のチャンスかというとリスニングの勉強チャンスです。
シャワーだけで済ましてしまう方は難しいのですが、湯船に浸かる方はこの時間に是非英語の音声を聞いてみて下さい。
おすすめはコミュニケーション英語の教科書の音声です。もしくは内容を知っている長文の音声です。
理由は、どんな内容を話していているか知っていることで、単語の綴りと発音リンクさせやすくなったり、英語特有のリズムに慣れるのが早くなるからです。
普段のリスニングの勉強をするときは、初見の音声で練習しますよね。知っている文を聞くなんて「勿体無い」と思うこともありますが、スキマ時間なら「勿体無い」という感情も働きにくいです。

筆者は、教科書の音声や、好きな英語YouTuberの音声を流しながらお風呂に入ってしました。
お風呂での勉強のメリットはこちらの記事にて紹介しております!⬇️
実際にやると、ここでつまずきます
ここまでは「うまくいった場合」の話です。実際に生徒にやらせると、だいたい同じ3つで止まります。先に対策を書いておきます。
①座れない電車では、何ができるか
「早めに出て座る」は、路線によっては現実的ではありません。立ったまま、片手で、揺れる中でできることに絞ってください。
| 立ったままできること | 向かないこと |
|---|---|
| 音声を聴く(単語・リスニング・映像授業の音だけ) | 参考書を開く(周りの迷惑にもなります) |
| スマホの単語アプリを片手で | ノートを取る・書く作業 |
| 頭の中で昨日の内容を思い出す | 考え込む問題(降りる駅を逃します) |

意外と強いのが3つ目の「思い出すだけ」です。教材も手も要りません。「昨日覚えた単語を10個言えるか」を頭の中でやるだけで、立派な復習になります。思い出そうとする行為そのものが記憶を固めるので、教材を開くより効率がいい場合すらあります。
②スマホを開くと、結局SNSを見てしまう
これが最大の障害です。「スキマ時間に単語アプリを使う」は、意志の力では成立しません。塾ですすめているのは次の3つです。
- 通知を切る…開く前に呼ばれるのを止めます。ここだけでもかなり違います
- SNSをホーム画面から外し、勉強アプリを1画面目に置く…指が覚えている位置を入れ替えるのが目的です
- スクリーンタイムで使用時間を制限する…自分で解除できてしまいますが、「解除する」という一手間が入るだけで止まります
どうしても無理なら、紙に戻すのが確実です。単語帳を切り取って数ページだけポケットに入れておく、というやり方をしている生徒もいます。スマホを開かなくて済む形にするのが、いちばん強い対策です。
③スキマ時間でやった暗記が、定着しない
ここが抜けていると、やった時間がそのまま消えます。スキマ時間は「新しく覚える場所」ではなく「思い出す場所」として組んでください。
- 覚えるのは、机で…最初の1周だけは、まとまった時間でやります
- その日のスキマで1回…同じ範囲を、思い出せるか確認するだけ
- 翌日のスキマで1回…ここで落ちている分が、本当の弱点です
- 1週間後にもう1回…ここまで残ったものは、かなり長く持ちます
毎回ちがう範囲をやるのが、いちばんもったいない使い方です。スキマ時間は短いので、新しい範囲を開くと「読んだだけ」で終わります。同じ範囲を4回なぞるほうが、確実に残ります。

最後に、期待値の話をしておきます。スキマ時間だけで偏差値が上がることはありません。これは机での勉強を支える仕組みです。「覚えたはずのことが、翌日には抜けている」という取りこぼしを埋めるのが役割だと考えてください。そこが埋まると、同じ勉強量でも点は変わります。
中3の4人に3人は、平日にSNS・動画を2時間以上見ている|令和8年度の全国調査で見た
スキマ時間を勉強に変えるときの相手は、実は「何もしていない時間」ではなく、SNSや動画を見る時間です。令和8年度全国学力・学習状況調査(中学3年生)の「平日、1日どれくらい、スマートフォン等でSNSや動画視聴などをしますか(学習とゲームは除く)」の回答と、国語・数学の平均正答率を並べました。
| 平日1日のSNS・動画の時間 | 生徒の割合 | 国語の平均正答率 | 数学の平均正答率 |
|---|---|---|---|
| 4時間以上 | 28.5% | 58.5% | 48.7% |
| 3時間以上、4時間より少ない | 20.6% | 63.2% | 55.5% |
| 2時間以上、3時間より少ない | 25.3% | 66.6% | 61.0% |
| 1時間以上、2時間より少ない | 17.1% | 69.5% | 65.9% |
| 30分以上、1時間より少ない | 5.2% | 71.4% | 68.9% |
| 30分より少ない | 2.0% | 71.8% | 69.6% |

計算
- 2時間以上の割合:28.5 + 20.6 + 25.3 = 74.4%(4人に3人弱)
- 数学の差:69.6 − 48.7 = 20.9点。国語の差:71.8 − 58.5 = 13.3点
- この記事の「学校の休憩時間20分」は、平日2時間(120分)のSNS・動画の6分の1(20 ÷ 120 = 0.17)
- 「スキマ時間が1日30分」は、2時間(120分)の4分の1。通学の待ち時間など、SNSと重なる時間を勉強に置き換える量として見るとよい
ここから言えるのは、スキマ時間を作るのに、新しく時間を探す必要はないということです。多くの中3が1日2時間以上をSNS・動画に使っているので、そのうちの20〜30分を、前の項の「思い出す場所」に移すだけで、この記事のやり方は回り始めます。
なお、SNS・動画の時間が短い子の正答率が高いことは、時間を減らしたから点が上がったとは言えません。勉強の時間が長い子ほどSNSの時間が短い、といった別の理由が混ざっている可能性があります。
- SNSが友達との連絡手段で、減らすと人間関係に影響する場合。見る時間ではなく、勉強の時間帯だけ通知を切る
- 睡眠が足りていない場合。夜のSNSを減らしても、勉強に回さず寝る時間に回す方がよい
- 「ゼロにする」と決めて、続かず自分を責めてしまう場合。この記事のとおり、置き換えるのは1日20〜30分で足りる
出典:国立教育政策研究所「令和8年度全国学力・学習状況調査 選択肢別平均正答率・平均IRTスコア[児童生徒質問]」(xlsx・質問(4))/「生徒質問 回答結果集計表(中学校)」(xlsx・生徒数の割合)(2026年10月15日確認)
まとめ:身近なスキマ時間から気軽に始めてみる

1日の中には、案外多くの勉強時間に変えられる「スキマ時間」が隠れています。この時間を有効に扱える方は、より合格に近づきます。是非今回紹介した4つのスキマ時間から始めてみてください。
【あわせて読みたい】勉強のやる気・継続の悩みは、根性ではなく計画の立て方で解決するのが確実です。塾で配っている計画テンプレートを「計画倒れしない週単位の勉強計画」の記事で公開しています。
スキマ時間に「何を」やるかのリスト
スキマ時間の失敗は「やることを決めていない」ことです。時間の長さ別に、やることを先に決めておくと迷わずに済みます。
| 時間 | 向いていること | 向いていないこと |
|---|---|---|
| 1〜3分 | 英単語5個/古文単語/化学の一問一答 | 考える問題(切り替えコストが大きい) |
| 5〜10分 | 単語20個/暗記カード/前日の復習 | 新しい単元の理解 |
| 15分 | 問題集の小問/英語長文1段落 | 数学の大問 |
| 30分 | 数学の問題1〜2題/英語長文1題 |
※スマホでできるものを1つ用意しておくと、待ち時間がそのまま勉強時間になります。
- ①「スキマ用教材」を1つ決める…単語帳でも当サイトの一問一答でも。毎回選ぶと時間が溶けます
- ②カバンに必ず入れる/スマホのホーム画面に置く…探す時間をゼロに
- ③やる場所をイメージしておく…「電車では単語」「風呂では音読」など紐づけると自動化されます
- ④完璧を目指さない…1問でもやれば勝ち。ゼロの日をなくすのが目的です

スキマ時間は1日30分〜1時間あります。毎日続けば年間180〜360時間という計算です。ただし、これは1日も欠かさなかった場合の数字なので、そのまま真に受けないでください。実際には半分できれば十分です。それでも100時間前後になります。
化学の一問一答は無機化学の一問一答100問など、スマホで回せる形にしてあります。
部活がある時期の時間の作り方はこちらにまとめています。

スキマ時間の勉強についてよくある質問
- 立ったままの電車では何を勉強できますか?
-
音声を聴く、スマホの単語アプリを片手で使う、頭の中で昨日の内容を思い出す、の3つです。参考書を開く・書く・考え込む問題は向きません。
- スキマ時間にスマホを開くとSNSを見てしまいます。
-
通知を切る、SNSをホーム画面から外して勉強アプリを1画面目に置く、スクリーンタイムで使用時間を制限する、の3つを設定してください。それでも無理なら、単語帳の数ページをポケットに入れる形で紙に戻すのが確実です。
- スキマ時間でやった暗記が定着しません。
-
スキマ時間は「新しく覚える場所」ではなく「思い出す場所」にします。最初の1周は机で覚え、その日のスキマ・翌日のスキマ・1週間後に、同じ範囲を思い出せるか確認します。
- スキマ時間だけで成績は上がりますか?
-
スキマ時間だけで偏差値が上がることはありません。机での勉強を支える仕組みで、「覚えたはずのことが翌日には抜けている」という取りこぼしを埋めるのが役割です。


