近年、少子化の動きとは反対に、学習塾に通う学生自体の数が増えています。それに伴い塾講師の需要も高まっています。学生の方にとっては、塾講師は収入になるだけでなく、高校生までの勉強を活かせる機会になります。しかし、いざ塾講師の仕事を探し始めると、様々な選択肢があり、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も少なくありません。
そこでこの記事では、現役塾講師が語る、塾講師バイトを選ぶ際の注意点についてご紹介します。
個別指導か集団指導か
学習塾は大きく2つに分かれます。「個別指導」と「集団指導」です。個別指導は多くが1:1~1:3の形式で、生徒につきっきりで授業をします。いかに簡単にそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。
それぞれの塾のメリット
個別指導塾 | 集団授業塾 |
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生徒一人ひとりと深い関係が築ける 密なコミュニケーションを取れる 指導内容を柔軟に調整できる | 多くの生徒と関わることができる 学校の教員に近い経験を積める 責任が広い視野が身に付く |
それぞれの塾のデメリット
個別指導塾 | 集団授業塾 |
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集団指導よりも準備に時間がかかる 生徒との相性が重要になる 感じる責任が大きい | 生徒一人ひとりに合わせた指導の難しさ 生徒とのコミュニケーションが取りにくい 声量や板書力など、ある程度のスキルが必要 |
塾に通う生徒のレベル・目的は何か
塾によって、通っている生徒のレベルや目的はかなり異なります。塾のホームページや口コミなどを必ず確認して、教育方針や集まる生徒層を必ず確認しましょう。例えば以下のように塾は分けることができます。
- レベル
- 小学生から高校生まで、幅広いレベルの生徒がいる塾
- 勉強が苦手な子が集まり、学校の定期テストに力を入れている塾
- TOP層に特化した塾(例:中高一貫校対策、難関大学受験対策)
- 目的
- 定期テスト対策がメイン
- 入試対策を早くから行う
- 推薦入試対策を行う
これ以外にも、塾によって特色が異なりますので、自分が得意な科目や指導したいレベルに合った塾を選ぶことが非常に重要になります。
服装は自由か、指定があるか
塾によって、服装の規定は異なります。こちらは盲点になりますが長期間にわたって通勤するとなると、案外大切な項目となってきます。
- 自由なところ
- 私服で勤務可能
- ジーパンやTシャツなど、カジュアルな服装は避ける
- 指定があるところ
- 塾の制服を着用する
- ビジネスカジュアルな服装
私服の場合は、大学の帰りにそのまま行きやすいです。制服だと荷物になるので、その点は少し面倒に感じるかもしれません。
シフトはどうなっているか
塾バイトが他のバイトと異なる点は「基本的に毎週出勤日が固定」ということです。生徒は毎週同じ曜日の同じ時間に通塾しますので、講師も自然に合わせる形になります。
教育的にも、毎週同じ生徒を見た方が良いのでシフトを考えた時に、急な予定が入ることが多い場合は、柔軟に対応できる場所を最初から探しておいた方が良いでしょう。
塾バイトをするならば、その曜日のその時間は空けておくのが原則です。緊急の用事以外はなるべく出勤できるよう、シフトを組みましょう。
給料の仕組みはどうなっているか
時間給かコマ給か
塾講師の給与体系は、大きく分けて、時間給とコマ給の2種類があります。それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った方を選びましょう。
パッと見、給料高い!と思ってもコマあたりでの金額だったりします。1コマの授業時間は50分~120分とバラつきがありますので、併せて確認しておきましょう。
準備時間に給料は発生するのか
時間給の場合は、勤務時間に応じて給与が支払われるため、準備時間も給与が発生することが多いでしょう。
ただし、コマ給の場合は、授業コマ数に応じて給与が支払われるため、基本的には準備時間は無償となってしまう可能性があります。(準備している場合は本来支払われるべきですが)
しかし、塾によっては準備時間を含めて給与を支払うところもあります。事前に確認しましょう。
掛け持ちバイトはOKか
塾バイトの落とし穴として「働ける時間は夕方」からというのがあります。生徒が学校にいる時間ですので当然なのですが、大学が平日休みの時などに、その時間出勤できないという事態が起きます。
そこで考えるのがWワーク、いわゆるバイトの掛け持ちです。しかし少ないとは思いますが、掛け持ちNGの場所もありますので、Wワークしたい方は念のため聞いてみることをお勧めします。
同業の掛け持ちはNG!というところは多いですが、基本的にはOKなはずです。しかし念のため確認するといいでしょう。
その他の注意点
その他にも注意した方が良い点がいくつかあります。しかし人それぞれ重視する点が異なると思いますので、気になった項目があれば、是非バイト探しの際に参考にしてください。
- 研修制度
- 新人研修制度が充実しているか
- 研修期間の長さ、給料
- サポート体制
- 困った時に相談できる体制があるか
- 教務主任やベテラン講師からのフィードバックはあるか
- 立地
- 自宅から通いやすい場所にあるか
- 休暇について
- 長期休みは実家に帰れるか
- 有休制度はどうなっているか
- 交通費について
- いくら支給されるか
- 限度はあるのか
2024年特有の注意点
共通テストが2025年から大きな転換点を迎えます。新教科「情報」が加わるなど、7教科21科目へと再編されるので、大学受験を指導する塾に応募する際は、情報を頭に入れておくと良いでしょう。
最後に
長く働くことになる職場です。疑問点が残る場合はメールや電話などで躊躇わずに問い合わせてみることをおすすめします。いろいろな出会いや経験ができる良い環境です。筆者自身は塾バイトをしていて良かったと感じています。
皆さんも良い塾講師ライフを送ってくださいね!応援しております。
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