自己紹介
有名私大理系学部卒。現役塾講師。好きな科目は化学で、大学時代は有機化学系の研究室に所属していました。
『マクマリー有機化学』とは?どんな教科書?
『マクマリー有機化学』は、大学生で有機化学を専門にする大学生が基本を学ぶのに最適な教科書とされています。
この教科書は、上・中・下の3冊に分かれていて、この3冊を学ぶことで大学有機化学の基礎を身につけることができます。ボリュームが多いように見えますが、解説は比較的わかりやすい教科書で、量の割には進めやすいです。
基本といえども、高校レベルの化学を理解していないと理解は難しいです。大学レベルの基本だと思ってください。
『マクマリー有機化学』は高校生には不向き?
結論、良いですが、使い所に注意するべきです。
高校化学と大学化学の違いとは?
高校生で学ぶ有機化学は、「なぜそうなるか?」という理屈がかなり飛ばされています。「アルコールの酸化」「カルボン酸の反応」など、とりあえず結果だけ提示されて、覚えましょう。で終わってしまいがちです。
しかし、これらの反応はもちろん説明する手段が、先人によって見出されています。それを学んで、反応の根本を理解するのが大学生からの有機化学になります。
具体的には有機化学のあらゆる反応は、「電子の動き」を追うことが非常に多くなります。ここまでの話は高校化学ではほとんど登場しません。
入試の対策には結びつきにくい
一般的に、大学入試で出題される問題では、大学有機化学の知識は使いにくいです。もちろん出題される事項の背景知識まで分かる、などのメリットはありますが、解答する際にはあまり役立ちません。
また、大学での有機化学は計算はあまり登場しませんし、構造決定する場面も稀です。そう言った意味でも、高校と大学の有機化学は問われる力が大きく異なります。
大学化学は難しい概念が様々登場しますが、理解できれば暗記の量が減ります。そういうプラスの側面もあります。
楽しむ範囲で読むには非常に面白い
とは言えども、高校の有機化学が面白いと思った方や、なぜそうなるの?と思う方には1度読んで見る価値はあると思います。勿論分からないところもあるとは思いますが、自身で理解できる範囲で進めていくと、有機化学の面白さがより深まります。
また、YouTubeでこんな動画を上げている方もいます。筆者は大学生の頃によく見ていました。こういった動画で学んでいくと、高校化学を超えた理解ができていきます。
まとめ
多くの高校生にとっては、ややオーバーワークで、受験のことを考えると必要ありませんし、得点UPには繋がりにくいです。しかし有機化学に興味があり、高校レベルは高いレベルで理解できている方には、読んで見る価値はある教科書だと思います。
大学の教科書は高価なものが多いので、中古などの安いものを探してみるのがおすすめです。
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