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この記事では、文部科学省の新制度の概要とQ&Aをもとに、通信制高校の就学支援金の上限額、単位と期間の条件、申請の手順、転入学のときの注意を整理します(2026年9月29日確認)。
- 私立の単位制なら1単位13,668円まで
- 支給期間は通信制で48月まで
- 申請が必要。学校が受け取り、授業料と相殺する
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- 所得制限なし…2026年度から、年収に関わらず対象(日本国内に住所がある日本国籍の生徒など)
- 私立通信制の上限…年33万7200円。定額授業料なら月28,100円、単位制なら1単位13,668円まで
- 公立通信制の上限…定額授業料なら月520円、単位制なら1単位336円まで(公立の授業料は元から低い)
- 単位と期間の上限…通算74単位・年間30単位まで。支給期間は通信制で48月まで
- 申請が必要…支給は申し込みが行われた月から。学校が代わりに受け取り授業料と相殺する
通信制高校は無償化される?授業料と、残る費用
2026年度から、就学支援金の所得制限がなくなりました。通信制高校の場合、授業料が支援の上限の範囲に収まれば、授業料の負担はなくなります。ただし「無償化」されるのは授業料だけで、入学金や施設費、教材費、スクーリングの交通費などは残ります。
| 公立の例(愛知県) | 私立の例(N高等学校 ネットコース) | |
|---|---|---|
| 授業料 | 1単位336円 | 1単位12,000円 |
| 就学支援金の上限 | 1単位336円 | 1単位13,668円 |
| 授業料の負担 | なくなる(上限と同額) | なくなる(上限の範囲内) |
| 残る費用の例 | 入学料500円、教材費など | 入学金・施設設備費・教育関連諸費(1年目73,000円の公式モデル) |
公立の授業料は愛知県の県立高等学校入学料・授業料、N高の金額はN高等学校の学費、ほかの私立は通信制高校10校の学費比較で確かめた数字です。私立でも1単位の授業料が13,668円を超える学校は、差額が自己負担になります。

「無償化」と聞くと学費が全部ゼロになるように感じますが、残る費用は学校とコースで大きく違います。資料では「授業料」以外の項目を必ず確かめてください。
2026年度からの就学支援金:所得制限がなくなった
文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」によると、2026年度(令和8年度)から、高校生等の授業料に充てる就学支援金は年収に関わらず支給されます。支給上限額は公立11万8800円、私立45万7200円で、私立高校等の通信制課程に通う生徒の支給上限額は33万7200円です。
対象は、高等学校(全日制・定時制・通信制)などに在学し、日本国内に住所を持つ生徒のうち、日本国籍を持つ人、特別永住者、永住者などです。国立高校等も実質無償になります。
通信制高校の支給限度額:月額と1単位あたり
通信制高校の授業料には、月ごとの定額制と、履修する単位数で決まる単位制があります。新制度の支給限度額は次のとおりです(概要資料の「支給期間・支給限度額」の表より)。
| 課程 | 定額授業料の場合 | 単位制授業料の場合 | 支給期間 |
|---|---|---|---|
| 公立 通信制 | 520円/月 | 336円/単位 | 48月 |
| 私立 通信制 | 28,100円/月 | 13,668円/単位 | 48月 |
| (参考)私立 全日制 | 38,100円/月 | 18,528円/単位 | 36月 |
| (参考)公立 全日制 | 9,900円/月 | 4,812円/単位 | 36月 |
単位制の場合、支給の対象になる単位数には通算74単位、年間30単位までという上限があります。卒業に必要な単位が74単位以上なので、標準的に履修すれば卒業までの授業料はほぼ支援の範囲に収まります。
ただし、落とした単位を取り直す場合や、年間に30単位を超えて履修する場合は、その分の授業料が自己負担になります。
たとえば1単位12,000円の通信制高校で年25単位を履修すると、授業料は12,000円×25単位=300,000円で、1単位あたりの授業料が上限13,668円の内側なので全額が支援の対象です(計算)。N高のネットコースの例はN高等学校の学費はいくら?無償化後の実質負担と支援制度で計算しています。

「無償化」と言われますが、対象は授業料だけです。入学金・施設費・教材費・スクーリングの交通費は残ります。
新制度で授業料の負担はいくら変わったか|旧制度と年収別に計算した表
令和7年度までの旧制度は、年収で支給額が3段階に分かれていました。新制度との差を、N高のネットコースの公式の3年間学費モデル(1年25単位)で計算しました。旧制度の額は、文部科学省の概要資料の【参考】にある年額の上限だけで計算した目安です。
| 年収の目安 | 旧制度の年額上限(私立通信制) | 旧制度での授業料の負担(計算) | 新制度での授業料の負担(計算) | 1年あたりの差(計算) |
|---|---|---|---|---|
| 590万円未満 | 297,000円 | 3,000円 | 0円 | 3,000円 |
| 590〜910万円 | 118,800円 | 181,200円 | 0円 | 181,200円 |
| 910万円以上 | 支給なし | 300,000円 | 0円 | 300,000円 |

計算
- N高ネットコース(普通科)の年間授業料:12,000円 × 25単位 = 300,000円
- 新制度:1単位12,000円は上限13,668円の内側。12,000 × 25 = 300,000円が全額支援されて負担0円
- 旧制度 590〜910万円:300,000 − 118,800 = 181,200円。3年間で 181,200 × 3 = 543,600円
- 旧制度 590万円未満:300,000 − 297,000 = 3,000円。3年間で9,000円
- 旧制度 910万円以上:支給なしなので 300,000 × 3 = 900,000円。公式の「先引き適用なし」の3年間 1,099,000円と「適用あり」199,000円の差 1,099,000 − 199,000 = 900,000円と一致
- 普通科ベーシック(1単位7,200円):3年間の授業料は 180,000 + 187,200 + 172,800 = 540,000円。公式の 739,000 − 199,000 = 540,000円と一致
いちばん変わったのは、年収590万円以上の家庭です。N高のネットコースなら、3年間の授業料の負担が54万〜90万円の幅で減った計算になります。一方、年収590万円未満の家庭は、旧制度でもほぼ全額が支援されていました。
定額の上限と1単位の上限の関係
概要資料の年額の表にある私立通信制の337,200円は、月額の上限28,100円の12か月分(28,100 × 12 = 337,200円)と同じ額です。公立通信制の年額6,240円も、月額520円の12か月分(520 × 12 = 6,240円)です。単位制授業料の学校には、1単位あたりの上限(公立336円・私立13,668円)と、通算74単位・年間30単位の上限が示されています。
- 旧制度の1単位あたりの上限は、今回の概要資料に載っていないため、年額の上限だけで計算した。実際の旧制度での支給額は学校の案内で確かめる
- 新制度の対象は日本国籍・特別永住者・永住者など。対象外の生徒は旧制度と同じ水準の支援(経過措置・予算補助)になる
- 通学コースの「コース学費」は就学支援金の対象外。表の0円はネットコースの授業料の話
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(PDF・【参考】令和2〜7年度の支給限度額)/N高グループ 就学支援金と支給見込額の先引き(3年間学費モデル)(2026年10月14日確認)
支援の対象にならない費用
- 入学金・施設設備費・教育関連諸費…学校ごとに違い、就学支援金の対象外
- 通学コースの上乗せ分…週に何日か通うコースの授業料や施設費
- サポート校の費用…通信制高校の授業料とは別に、連携協力施設の費用が発生する可能性がある(サポート校とは?)
- スクーリングの交通費・宿泊費…会場までの移動と、本校スクーリングの宿泊
授業料以外の費用には、返済のいらない高校生等奨学給付金が使えることがあります。
令和8年度の給付額は、私立の通信制高校で、住民税非課税世帯5万2,100円、年収270〜380万円が目安の世帯1万7,370円、年収380〜490万円が目安の世帯1万3,030円です(文部科学省 リーフレット)。
就学支援金とは別に、都道府県または学校へ申し込みます。
申請の手順と支給の時期
文部科学省のQ&Aでは、就学支援金を受け取るには受給資格の申請が必要で、日本国籍の人はオンラインで申請できるとされています。手続きの方法、提出書類、提出先、期日は学校や都道府県によって違います。
- 支給は申し込みが行われた月から…原則としてさかのぼれないので、提出期日に遅れない
- 学校が代わりに受け取る…就学支援金は学校が生徒に代わって受け取り、授業料と相殺する。先に授業料を全額徴収して後から差額を還付する学校もある
- 支給期間…定時制・通信制は原則48月まで。3年(定時制・通信制は4年)を超えて在学している生徒や、すでに高校等を卒業した人は対象外
- 休学…休学期間中に授業料の徴収が行われず、その間の支給を止めたい場合は、支給停止の申出を学校に提出する(Q&A)
通信制高校の中には、就学支援金の見込額を授業料から先に差し引いた金額で請求する学校もあります。
N高グループはこの「先引き」の方式ですが、転入学・編入学の人は先引きの対象外で、年度の途中で転入学すると前の学校の在籍月数などで支給額が減額されます。
詳しくは通信制高校への転校|単位は引き継げる?時期・手続き・学費の注意にまとめています。
就学支援金で下がるのは授業料です。残る費用は学校とコースで違うので、候補の学校の資料で「1年目に実際に払う額」を確かめてください。N高等学校は、就学支援金を先引きした3年間の学費モデルを公式で公開しています。
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通信制高校の就学支援金でよくある質問
- 通信制高校でも就学支援金はもらえますか?
-
もらえます。国公私立の高等学校の全日制・定時制・通信制が対象で、2026年度からは所得制限もありません。
- 私立の通信制高校はいくらまで支援されますか?
-
支給上限は年33万7200円で、定額授業料なら月28,100円、単位制授業料なら1単位13,668円までです。通算74単位・年間30単位までという上限があります。
- 就学支援金はいつ振り込まれますか?
-
生徒に振り込まれるのではなく、学校が代わりに受け取って授業料と相殺します。先に授業料を全額徴収し、後から差額を還付する学校もあるので、時期は学校に確認してください。
- 申請を忘れるとどうなりますか?
-
支給は申し込みが行われた月からなので、遅れた分は原則さかのぼれません。提出が遅れそうな場合は学校や都道府県に早めに相談してください。
- 4年以上かかると支援は切れますか?
-
定時制・通信制の支給期間は原則48月までです。それを超えて在学する分は就学支援金の対象外です。ただし、高校を中退したあとに再入学した人は、都道府県の「学び直し支援」で、支給期間のあとも卒業まで最長24月(定時制・通信制の場合)授業料の支援を受けられます。新制度の対象者は年337,200円が上限です(文部科学省「高校等で学び直す者に対する修学支援」、2026年10月14日確認)。実施は都道府県なので、入学先の学校か都道府県に確かめてください。





全日制の公立・私立も含めて、支給額と手続きを並べて見たい場合はこちらです。

この記事の更新・訂正
- よくある質問「4年以上かかると支援は切れますか?」に、高校を中退して再入学した人は、都道府県の学び直し支援で支給期間のあとも卒業まで最長24月(定時制・通信制)授業料の支援を受けられること(新制度の対象者は年337,200円が上限)を足しました
全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。
この記事で確認した資料
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(PDF):所得制限なし、支給上限額、課程別の支給限度額と支給期間、単位の上限
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」:申請の手続き、支給の開始月、学校の代理受領、支給期間、休学
- 文部科学省「高校生等奨学給付金」リーフレット(令和8年度・PDF):私立通信制の給付額
- N高グループ 就学支援金と支給見込額の先引き:先引きと転入学・編入学の扱い
- (いずれも2026年9月29日に確認)


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