「子どもは解けるのに大人は解けない?」そんな問題を皆さん一度は耳にしたことがあるはずです。
筆者は小学校6年生の時に中学受験をしたのですが、受験校の対策会で数学の先生にこんな問題を紹介してもらいました。その先生によると、小学生の子は解けるけど、中学生になると解けない問題だそう。そこで出された問題がこちらです。👇
- 最初の1問:子どもほど解ける「きまり」の問題(答えと理由つき)
- 類題1問:数字の形に注目する問題
- 数列クイズ10問:高校で習う数列から、英単語・カレンダーまで。答えは表にまとめています
問題

次の◻︎に入る数字は何でしょうか?
ぜひ一度考えてみてください…!この後に答えと理由があります。(スクロール注意)
答えと理由
まず答えから。◻︎に入るのは44です。

44が入るのはわかった!けど理由がいまいち分からない…
という方もいるでしょう。実際に中学生にこの問題をよく出すのですが、理由がわからない子が多いです。
でも理由は単純で、「1と3を抜いた数を並べている」これだけです。結構単純ですよね。でも確かに小学校低学年の子にこの問題を出すと、1と3がない〜!と瞬時に答えてくれるんです。
大人になると、色々なことを経験する中で思考が固まってしまうのでしょうか。筆者は小学校6年生の時に、この問題が分かりませんでしたが、

大人になった、ってことにしておこう。
と切り替えた記憶があります。面白いと思ったら、周りの人にも出してみてください。
数列クイズの類題
以下の問題も小学校までの知識で解けます。というか知識は全く必要ありません。ちょっと難しいですが、頭をリセットした状態で挑んでみてください。
◻︎に入る数字を答えましょう。👇
答えはこちら
71です。数字の中に空間があるものを除いてみました。(8だったら2つ空間があります)
ちょっとズルい問題ですが、数字を「量」ではなく「形」として見られるかを試す問題です。
もっと解きたい人へ:面白い数列クイズ10問
□に入る数を考えてください。1〜7問は数学で名前がついている数の並び、8〜10問は数学の知識がいらない「ひらめき」の問題です。答えは表にまとめたので、先に全部解いてからスクロールしてください。
- 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, □
- 1, 3, 6, 10, 15, □
- 1, 4, 9, 16, 25, □
- 1, 8, 27, 64, □
- 1, 2, 4, 8, 16, □
- 2, 6, 12, 20, 30, □
- 2, 3, 5, 7, 11, 13, □
- 31, 28, 31, 30, 31, 30, □
- 3, 3, 5, 4, 4, 3, 5, 5, 4, □
- 1, 11, 21, 1211, 111221, □
(ここから答えです)
| 問題 | 答え | きまり | 高校で習う名前など |
|---|---|---|---|
| 1 | 21 | 前の2つを足す(8+13) | フィボナッチ数列(漸化式) |
| 2 | 21 | 足す数が2, 3, 4, 5と1ずつ増える | 三角数(階差数列) |
| 3 | 36 | 1×1, 2×2, 3×3…と同じ数を2回かける | 平方数 |
| 4 | 125 | 同じ数を3回かける(5×5×5) | 立方数 |
| 5 | 32 | 前の数を2倍する | 等比数列 |
| 6 | 42 | 1×2, 2×3, 3×4…(6×7) | いろいろな数列 |
| 7 | 17 | 1とその数でしか割り切れない数(素数) | 素数 |
| 8 | 31 | 1月から順に、各月の日数(平年)。7月は31日 | (数学ではなく暦) |
| 9 | 3 | one, two, three…と英語で書いたときの文字数(ten=3) | (数学ではなく英単語) |
| 10 | 312211 | 前の数を「1が3つ、2が2つ、1が1つ」と読み上げて並べる | 読み上げ数列(見て言って数列) |
名前のついた数列は、高校の数学Bの「数列」で習います。
文部科学省の学習指導要領解説では、数学Bの数列の内容が「等差数列と等比数列」「いろいろな数列」「漸化式と数学的帰納法」と整理されています(高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編 p.16)。
フィボナッチ数列は「前の2つを足す」という漸化式で表せる代表例です。
数列クイズの解き方:差をとる・OEISで確かめる
きまりが見えないときは、となり同士の差(階差)を書き出すのが最初の一手です。差の並びが単純になれば、そこから次の数が出ます。高校の数学Bで「階差数列」として習う考え方です。
| 問題 | 差をとると | 次の数 |
|---|---|---|
| 1, 3, 6, 10, 15, □(2問目) | 2, 3, 4, 5 → 次の差は6 | 15+6=21 |
| 2, 6, 12, 20, 30, □(6問目) | 4, 6, 8, 10 → 次の差は12 | 30+12=42 |
| 1, 8, 27, 64, □(4問目) | 7, 19, 37 → その差 12, 18 → さらに差 6 | 差を戻して 37+24=61、64+61=125 |
4問目のように1回で単純にならなければ、もう1回差をとります。差をとっても規則が見えないとき(8問目の月の日数、9問目の英単語の文字数、10問目の読み上げ数列)は、計算ではない「ひらめき」の問題を疑ってください。
答えに自信がないときは、オンライン整数列大辞典(OEIS)で確かめられます。数の並びをカンマ区切りで入れると、登録されている数列を検索できるデータベースです。上の10問を入れてみたところ、10問とも登録がありました(2026年10月13日確認)。
| 問題 | OEISでの名前(英語の要約) | 番号 |
|---|---|---|
| 1 | フィボナッチ数(Fibonacci numbers) | A000045 |
| 2 | 三角数(Triangular numbers) | A000217 |
| 3 | 平方数(The squares) | A000290 |
| 4 | 立方数(The cubes) | A000578 |
| 5 | 2の累乗(Powers of 2) | A000079 |
| 6 | 長方形数 n(n+1)(Oblong numbers) | A002378 |
| 7 | 素数(The prime numbers) | A000040 |
| 8 | グレゴリオ暦の各月の日数(Lengths of months) | A008685 |
| 9 | 数の英語名の文字数(Number of letters in the US English name of n) | A005589 |
| 10 | 読み上げ数列(Look and Say sequence) | A005150 |
- 始まりの項が違うことがある…フィボナッチ数は 0, 1, 1, 2… と0から、英語名の文字数は zero(4文字)から並んでいます
- 同じ並びで別の数列が出ることがある…短い並びほど候補が多いので、5〜6個以上入れて検索します
- この記事の最初の問題(1と3を抜いた数)…2026年10月13日の検索では登録が見つかりませんでした。「数字の見た目」のきまりは数列のデータベースにも載りにくい問題です
□の答えは1つに決まるか|OEISで同じ並びの数列を数えた
数列クイズの答えは、本当に1通りなのでしょうか。10問の□より前の数をそのままオンライン整数列大辞典(OEIS)で検索し、ヒットした数列の件数と、その数列で□に当たる項(並びの直後の項)を数えました(2026年10月13日)。OEISはログインなしだと上位100件までしか表示されないので、100件を超えた問題は上位100件で数えています。
| 問題 | 入れた並び | ヒットした数列(件) | □が記事の答えになる数列 | 割合(計算) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13 | 176 | 上位100件中48件(21) | 48% |
| 2 | 1, 3, 6, 10, 15 | 255 | 上位100件中63件(21) | 63% |
| 3 | 1, 4, 9, 16, 25 | 209 | 上位100件中75件(36) | 75% |
| 4 | 1, 8, 27, 64 | 44 | 31件(125) | 70.5% |
| 5 | 1, 2, 4, 8, 16 | 990 | 上位100件中37件(32) | 37% |
| 6 | 2, 6, 12, 20, 30 | 31 | 20件(42) | 64.5% |
| 7 | 2, 3, 5, 7, 11, 13 | 598 | 上位100件中78件(17) | 78% |
| 8 | 31, 28, 31, 30, 31, 30 | 1 | 1件(31) | 100% |
| 9 | 3, 3, 5, 4, 4, 3, 5, 5, 4 | 5 | 4件(3) | 80% |
| 10 | 1, 11, 21, 1211, 111221 | 4 | 1件(312211) | 25% |

計算
- 4問目:44件のうち□が125は31件。31 ÷ 44 = 70.5%。ほかの答えは126・343(各2件)など
- 6問目:20 ÷ 31 = 64.5%。9問目:4 ÷ 5 = 80%。10問目:1 ÷ 4 = 25%
- 5問目:上位100件のうち□が32は37件。37 ÷ 100 = 37%。次に多かったのは31(10件)
- 1問目:上位100件のうち□が21は48件。48 ÷ 100 = 48%。20は7件、19は6件。2〜3・7問目も同じく 63 ÷ 100 = 63%、75 ÷ 100 = 75%、78 ÷ 100 = 78%
- 記事の答えの数列(A番号)で□の次の項:1問目 A000045 は34、2問目 A000217 は28、3問目 A000290 は49、4問目 A000578 は216、5問目 A000079 は64、6問目 A002378 は56、7問目 A000040 は19、8問目 A008685 は31(8月)、9問目 A005589 は6(eleven)、10問目 A005150 は13112221
8問目(月の日数)以外は、同じ並びから別の答えになる数列が登録されていました。いちばん答えが割れたのは5問目の「1, 2, 4, 8, 16」で、検索結果は990件。上位100件で□が32になるのは37件でした。10問目の読み上げ数列も、4件のうち312211になるのは1件だけで、ほかは3進法で数えるなどの変種(A001388・A110393・A305660)です。
類題の「1 2 3 5 7 11 12 …57 □」は、OEISにA001742「Numbers whose digits contain no loops (version 2)」として登録があり、57の次は71でした。最初の問題(1と3を抜いた数)は、同じ日の検索で登録が見つかりませんでした。
- 並べた数が少ないとき。4つしか入れていない4問目でも44件がヒットした。□の前の数を全部入れ、それでも複数あれば問題文の言葉(「きまり」の説明)で決める
- ヒットが100件を超えるとき。ログインなしで見られるのは上位100件まで(5問目は990件)。上位の数列だけで「これしかない」と判断しない
- 数字の見た目や言葉のきまりの問題。最初の問題は登録が見つからなかった。きまりを自分で説明できるかで確かめる
出典:OEIS(The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences)検索結果と A000045・A000217・A000290・A000578・A000079・A002378・A000040・A008685・A005589・A005150・A001742 の各ページ/文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」p.16(2026年10月13日確認)
大人が学校の問題を解けなくなる本当の理由

「習ったはずなのに解けない」は、記憶力の問題ではなく、使わない知識は取り出せなくなるという当たり前の現象です。
- ①解法の手順を忘れている…知識は残っていても、手順(プロシージャ)が抜ける。自転車と違って手続き記憶になりにくい分野です
- ②問題形式に慣れていない…普段の仕事で「制限時間内に既定の形式で解答する」場面がないため
- ③実は当時も理解していなかった…テスト前の詰め込みで乗り切った単元は、最初から定着していません

保護者の方が子どもの勉強を見るときに「昔はできたのに」と落ち込む必要はありません。解けないのが普通です。教えるより、丸付けや音読の聞き役に回る方が、親子ではうまくいきます。
家庭での関わり方は保護者向け:子どもへの声かけと環境づくりにまとめています。
よくある質問
- 数列は何年生で習いますか?
-
名前のついた数列(等差数列・等比数列・漸化式など)は、高校の数学Bで習います。小学生や中学受験では「規則性」の問題として、きまりを見つけて次の数を答える形で出てきます。
- フィボナッチ数列とは何ですか?
-
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…のように、前の2つの数を足して次の数を作る数列です。上のクイズの1問目がこれです。
- 大人より子どものほうが解けるのはなぜですか?
-
最初の問題のように、きまりが「計算」ではなく「数字の見た目」にあるときは、計算で解こうとする大人ほど遠回りになります。数を量ではなく記号として見る子どものほうが、きまりに先に気づくことがあります。
この記事の更新・訂正
- 学習指導要領解説 数学編の参照先を「p.28」と書いていましたが、これはPDFの通し枚数で、数学Bの内容構成の表がある印刷ページは p.16 でした
全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。

