推薦入試や総合型選抜の募集要項を見ると、「評定平均○○以上」という出願条件がよく出てきます。評定平均は高校の成績から出す数字ですが、正式にはどう計算するのか、何を意味するのかを学校で詳しく教わる機会は多くありません。
この記事では、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項に載っている「調査書記入上の注意事項」と、高等学校の指導要録に記載する事項をもとに、評定平均の定義・出し方・目安を整理します。
評定平均とは、高校で履修した全ての科目の評定(5〜1の5段階)を合計し、評定の数で割った数値です。大学に出す調査書では「全体の学習成績の状況」と呼ばれ、小数点以下第2位を四捨五入して小数第1位まで書きます。4.3以上がA、3.5〜4.2がB、2.7〜3.4がCの区分(学習成績概評)もあわせて調査書に載ります。
評定平均とは:調査書の「学習成績の状況」のこと
「評定平均」は通称で、大学に提出する調査書の正式な欄の名前は「学習成績の状況」です。調査書には次の2種類が載ります。
| 調査書の欄 | 中身 | 通称 |
|---|---|---|
| 各教科の学習成績の状況 | 国語・数学など教科ごとの評定の平均 | 教科別の評定平均 |
| 全体の学習成績の状況 | 全ての教科・科目の評定の平均 | 評定平均(全体) |
| 学習成績概評 | 全体の学習成績の状況をA〜Eに分けたもの | 成績の段階 |
募集要項で単に「評定平均4.0以上」とあれば全体の学習成績の状況を、「英語の評定平均4.0以上」とあれば各教科の学習成績の状況を指すのが一般的です。実施要項は、大学が「重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる」としているので、全体と教科別の両方に条件がある大学もあります。
- 正式名称は「学習成績の状況」
- 全体と教科別の2種類がある
- A〜Eの概評も調査書に載る
- 条件は募集要項で確認
評定平均の出し方:全科目の評定の合計÷評定の数

調査書記入上の注意事項は、全体の学習成績の状況の出し方を次のように定めています。
すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)を記入すること。
文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』調査書記入上の注意事項等 8(4)
同じ資料に載っている計算例では、評定の合計が120、評定の数が31の生徒の場合、120÷31=3.87…となり、小数点以下第2位を四捨五入して3.9になります。教科別も同じ考え方で、理科の3科目の評定が3・3・5なら、11÷3=3.66…で3.7です。
| 手順 | やること | 計算例 |
|---|---|---|
| ① | 高1からの全科目の評定を書き出す | 31個の評定 |
| ② | 評定を全部足す | 合計120 |
| ③ | 評定の数で割る | 120÷31=3.87… |
| ④ | 小数点以下第2位を四捨五入 | 3.9 |
体育のように複数の学年で履修する科目の数え方
注意したいのが、保健体育のように複数の学年にわたって履修する科目です。記入要領の注には「各学年ごとの評定数をそれぞれ1科目分として取り扱い計算すること」とあり、体育を高1・高2・高3で履修していれば、評定は3つとして数えます。単位数で重みをつける計算ではなく、評定1つを1として数える単純な平均です。
自分で計算するときは、当サイトの計算ツールでも、評定を入れて平均とA〜Eの段階を確かめられます。

- 単位数で重みはつけない
- 複数学年の科目は学年ごとに1つ
- 小数第2位を四捨五入
- 体育・芸術・家庭も含む
評定5〜1の意味:「4」は十分満足できる状況
評定そのものの意味は、文部科学省が示す高等学校の指導要録に記載する事項で決められています。各教科・科目の目標に照らした実現状況を、次の5段階で評価します。
| 評定 | 指導要録での意味 |
|---|---|
| 5 | 十分満足できるもののうち、特に程度が高い |
| 4 | 十分満足できる |
| 3 | おおむね満足できる |
| 2 | 努力を要する |
| 1 | 努力を要すると判断されるもののうち、特に程度が低い |
同じ資料には「単位の修得を認めない場合は…評定を行う」として、単位を認めないときは1をつけるとあります。つまり評定1は単位を落とした状態を意味し、評定2までは単位が認められます。
評定は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点の評価(A・B・C)を土台に、各学校が決めた方法で出します。文部科学省の通知は「主体的に学習に取り組む態度」を、粘り強く取り組む中で自らの学習を調整しようとしているかも含めて評価するとしています。定期テストの点だけでなく、提出物や授業での取り組みも評定に入るのはこのためです。

「評定4は何点から?」という質問をよく見ますが、点数の区切りは学校ごとに違います。評定の決め方は各学校で定めることになっているので、担任や教科の先生に聞くのが確実です。
- 5段階で各科目を評価
- 1は単位不認定
- 3観点の評価が土台
- 決め方は学校ごとに違う
評定平均はどのくらいがいい?A〜Eの学習成績概評

調査書には、評定平均をもとにした学習成績概評も載ります。記入要領は、全体の学習成績の状況を次の区分でA〜Eに分けるよう定めています。
| 全体の学習成績の状況 | 学習成績概評 |
|---|---|
| 5.0〜4.3 | A |
| 4.2〜3.5 | B |
| 3.4〜2.7 | C |
| 2.6〜1.9 | D |
| 1.8以下 | E |
評定平均4.3以上がAの段階で、4.0ならB、3.5もBに入ります。調査書には同じ学年の生徒が各段階に何人いるか(成績段階別人数)も書かれるので、大学はその高校の中でどの位置にいるかも見ることができます。
「評定平均どのくらいがいいか」は志望校の出願条件で決まります。条件は大学・学部ごとに違い、全国共通の基準はありません。まず志望校の募集要項で「評定平均○○以上」の数字を確かめ、今の自分の数字との差を出すところから始めてください。
- A:4.3以上
- B:3.5〜4.2
- C:2.7〜3.4
- 条件は志望校の募集要項で
評定平均はいつからいつまで?高1から高3の直近まで
評定平均は、高校1年生からの全ての評定で計算します。高3で急に成績を上げても、高1・高2の評定は変わらないので、推薦を考えるなら高1の最初の定期テストから影響があります。
出願する時点では高3の成績がまだ決まっていないことが多く、記入要領は、卒業見込みの生徒で最終学年の成績が決まっていない場合は「当該学年における直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績」を書くとしています。3学期制の高校なら高3の1学期まで、2学期制なら前期までの成績が入るのが一般的な形です。
| 学年 | 評定平均への影響 |
|---|---|
| 高1 | 全ての評定が入る(ここで下がると取り戻しにくい) |
| 高2 | 全ての評定が入る(科目数が多く、平均に効きやすい) |
| 高3 | 出願時点の直近の成績が入る |
- 高1の1学期から数に入る
- 高3は出願時点の直近まで
- 後から上げるほど動きにくい
- 推薦志望なら早めに意識
評定平均が使われる入試:推薦・総合型・一般選抜

評定平均は、学校推薦型選抜の出願条件として使われることが多い数字です。ただし実施要項では、学校推薦型選抜でも「高等学校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書類だけではなく」、小論文や面接などの評価方法を少なくとも1つ必ず使うことになっています。評定平均は出願の入口で、それだけで合否が決まるわけではありません。
| 入試 | 評定平均の使われ方 |
|---|---|
| 学校推薦型選抜(指定校・公募) | 出願条件に「評定平均○○以上」が多い |
| 総合型選抜 | 出願条件にする大学もある。書類・面接と合わせて評価 |
| 一般選抜 | 調査書は出すが、主に学力検査で判定 |
また実施要項は、大学に対して調査書の「各教科の学習成績の状況」だけでなく、他の記載事項も活用するよう求めています。欠席日数や特別活動の記録なども調査書に載るので、評定平均だけを見て準備を終えないようにしましょう。


- 推薦:出願条件の中心
- 総合型:条件にする大学もある
- 一般:調査書は出すが学力中心
- 合否は評定だけで決まらない
中学の内申点との違い
「評定平均とは 中学」という検索も多いですが、高校入試で使う中学の内申点は、都道府県の公立高校入試の実施要項で計算のしかたが決まっていて、どの学年の評定を使うか、教科によって重みを変えるかなどが地域ごとに違います。全科目の単純な平均を小数第1位で出す大学入試の評定平均とは、別のものと考えてください。
中学生の方は、住んでいる都道府県の公立高校入試の実施要項で、何年生の評定を何倍して使うかを確かめてください。当サイトの内申点の計算ツールも使えます。

- 大学入試:全科目の平均
- 高校入試:都道府県ごとに計算
- 使う学年や重みが地域で違う
- 計算方法は実施要項で確認
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よくある質問
- 評定平均とは何ですか?
-
高校で履修した全ての教科・科目の評定(5段階)を合計し、評定の数で割った数値です。大学に出す調査書では「全体の学習成績の状況」と呼ばれ、小数点以下第2位を四捨五入して記入します。
- 評定平均の出し方は?
-
全ての評定を足して、評定の数で割ります。文部科学省の計算例では、合計120を評定の数31で割って3.87…、四捨五入して3.9です。体育のように複数学年で履修する科目は、学年ごとの評定をそれぞれ1つとして数えます。
- 評定平均はどのくらいがいいですか?
-
調査書の学習成績概評では4.3以上がA、3.5〜4.2がB、2.7〜3.4がCです。ただし必要な数字は志望校の出願条件で決まるので、募集要項で確かめてください。
- 評定平均はいつからいつまでの成績ですか?
-
高校1年生からの全ての評定が入ります。高3の成績が決まっていない出願時点では、直近の成績を総合して高校が判定した成績を使います。
- 評定1をとるとどうなりますか?
-
文部科学省の指導要録の記載事項では、単位の修得を認めない場合に評定1をつけるとされています。評定1は単位を落とした状態なので、評定平均が下がるだけでなく、卒業に必要な単位にも関わります。

この記事で確認した資料
・文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』(調査書記入上の注意事項等:学習成績の状況の計算、四捨五入、学習成績概評A〜E、調査書の活用)
・文部科学省〔別紙3〕高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等(評定5〜1の意味、単位を認めない場合の評定)
・文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(3つの観点)
いずれも2026年9月30日に確認しました。


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