論破が目的ではない「競技英語ディベート」とは?
みなさんは、ディベートをご存じでしょうか。ざっくりと説明すると、ある議題に対して、賛成と反対に分かれて議論する形式のことをディベートと表現するイメージです。よく論破が目的に思われていますが、1つの議題に対して、理解を深めていくのが筆者自身の捉え方です。
では、「競技ディベート」とは、何でしょうか。細かく説明すると、それこそ文字数が足りないので、ここでは複数ある解釈のうちから、1つを取り出してお話します。今回は、中学・高校生のみなさんやその親御さん、教育関係者が見て頂いていると思いますので、「各学校から選出された学生が与えられたお題に対して議論し、リーグ戦のようなものやトーナメント戦を行う知的競技」と表現させて頂きます。
ここでは、「大学生英語即興ディベート界隈」に所属しており、複数回「高校英語即興ディベート界隈」に参加した有識者の方に執筆していただきました。
筆者の経歴
Tasuku Arai
芝浦工業大学大学院 修了
2016年~2020年:
当時アジア最大規模 国際基督教大学英語部?主宰ICU T ベスト8決定審査員
および国内決勝トーナメント審査員または招待審査員12回
2023年:
慶応義塾大学英語ディベート部主宰Keio debate open 準優勝/決勝戦トーナメント初参加者部門賞 受賞
2つある英語ディベートのフォーマット
はじめに、高校生の方に対して記載しますが、大会としてPDA・HEnDA・HPDU、筑波大付属中高等学校さんが主宰する大会などが存在します。それぞれ特徴があり異なりますが、そちらの比較は別な方に任せるとします。これらの大会では、英語「準備」ディベートや英語「即興」ディベートに大きく分類されます。
英語「準備」ディベートでは、すべてではありませんが、お題が公開されておよそ半年ほどの期間を与えられます。その間に、学生さんたちは、様々な権威あるメディアの記事や論文、国連のレポートなどを基に自分たちの論を立論します。その際に、エビデンス(証拠)がどれほど正確か、どのロジック(論理)を組み立てるかなど、ある意味でプレゼンテーションまたは論文執筆のような過程を経験します。その後に、ディベート競技を行うのが英語「準備」ディベートです。
英語「即興」ディベートでは、こちらも様々なフォーマットがあるのですが、大会会場でお題が発表されて20分ほどの時間で考えて、ディベート競技を行うのが英語「即興」ディベートです。こちらは、「準備型」とは異なり、瞬発力が強く求められるため、瞬間的な思考力、スピーチ練習が基本出来ないため、英語力、20分の準備時間でインターネットを用いた調査ができないため、普段からニュースを聞くだけでなく、書籍などを読み解くようなリサーチ力が鍛えられます。
これらの例として、「This house would ban gun」などがあります。(本院(この国)は銃を禁止すべきである)
次に、中学生ですが、PDAやHPDUが中学生も参加できる大会を開いたことがある事例は確認できましたが、HEnDAに関しては確認することが出来ませんでした。また、各高校さんが主宰する大会では、中学生が参加できることもあります。そちらは、それぞれ調べてみてください。
以上が、「大学生英語即興ディベート界隈」に所属していた筆者から見た「競技英語ディベート」です。
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