「個別指導塾スタンダード やばい」で検索すると、「潰れる」という話、料金や教材の話、アルバイト講師の給料の話が同じ画面に並びます。この3つは、まったく別の話です。混ぜたまま読むと、通わせるかどうかの判断がつきません。
この記事では、スタンダードの公式サイトに置かれている2通の文書、公式ページに書いてある金額と条件、学習塾の契約を縛る特定商取引法、文部科学省が集めた家庭の支出額。この4つだけを材料にして、「やばい」と言われている中身を1つずつ確かめます。口コミサイトの評価と、第三者サイトが書いた金額は使っていません。
結論:「やばい」は3種類。家庭が確かめるべきなのは2つ
| 検索結果で見かける「やばい」 | 中身 | 通わせる家庭に関係するか |
|---|---|---|
| 潰れる・経営があぶない | 2024年6月に民事再生を申し立て、2025年3月に運営会社が交代した | 関係する。ただし公式文書で経緯を確認できる |
| 料金・教材が高い | 入会金0円、月謝は指導料と授業運営費のみ、と公式が明記 | 関係する。金額と解約条件を先に確認する |
| アルバイトの給料・研修がやばい | 講師として働く大学生側の不満 | 関係しない。家庭が払う金額とは別の話 |
検索上位でいちばん目を引くのは「潰れる」です。ですが、これは公式サイトに置かれた2通のお知らせを読めば、何が起きて今どうなっているかが日付つきで分かります。以下、順に見ていきます。

うちの塾にも「スタンダードって大丈夫なんですか」と聞きに来る保護者の方がいます。答えは「公式文書を読めば分かる」です。噂で判断する必要はありません。
「潰れる」の中身:2024年6月に民事再生、2025年3月に運営会社が交代
公式サイトには、経営に関する文書が2通置かれています。1通目は「民事再生手続開始の申立てのお知らせ」、2通目は「運営会社変更のお知らせ」です。時系列にすると次のようになります。
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2024年6月28日 | 株式会社SCホールディングスと株式会社個別指導塾スタンダードが、福岡地方裁判所に民事再生手続開始を申し立て。同日受理 | 民事再生手続開始の申立てのお知らせ |
| 同日 | 「各教室についても、通常通り運営を続けて参ります」と告知。スポンサー候補者から資金支援を受けていると明記 | 同上 |
| 2025年3月1日 | 株式会社SCネットワークが事業譲渡を受け、「個別指導塾スタンダード」の運営を開始。会員情報も引き継ぎ | 運営会社変更のお知らせ |
| 現在 | 会社案内の運営会社は株式会社SCネットワーク(横浜市・横浜ランドマークタワー42階) | 会社案内 |
民事再生について、1通目の文書はこう書いています。「民事再生手続は、事業の継続を前提として事業を再生させるための手続」。つまり、教室を閉めて清算する手続ではなく、営業を続けながら立て直す手続です。文書のとおり、教室はその後も運営されています。
そして2通目の文書で、2025年3月1日に運営会社が株式会社SCネットワークに変わりました。「現在、お申込みいただいているサービスにつきましては引き続き条件の変更等なく提供」とあります。会員情報も新会社に引き継がれています。
今の運営規模:会社案内の拠点は21府県、料金ページには「全国196教室」
会社案内には拠点として、青森・新潟・富山・石川・福井、愛知・大阪・兵庫・京都、鳥取・島根・広島・岡山・山口・徳島・香川、福岡・長崎・熊本・佐賀・大分の21府県が並んでいます。関東と北海道は入っていません。
一方で、教室ページに載っている体験談の署名には「東京:西日暮里教室」「東京:大森教室」と東京の教室名が残っています。会社案内の拠点一覧と、過去に作られたページの内容が一致していない箇所があるということです。料金ページには「全国196教室全てを直営で管理」と書かれています。
運営会社が変わった塾で確認すべきなのは、噂ではなく契約書に書かれる事業者の名前です。特定商取引法では、学習塾の概要書面と契約書面に「事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名」を書くことが義務づけられています。契約書面の事業者名が株式会社SCネットワークになっているかを、その場で見てください。
料金がやばい?公式に載っている金額と、載っていない金額
スタンダードの料金で、公式ページに金額や条件として書かれているのは次の項目です。
| 項目 | 公式の表記 | 出典ページ |
|---|---|---|
| 入会金・年会費 | いつでも0円。「入会金を含めて入会諸費用は一切必要ありません」 | よくある質問・教室ページ |
| 月にかかる費用 | 「月謝(指導料と授業運営費)のみ」 | よくある質問 |
| 小学生の月謝 | 「1教科あたり 月5,060円〜(税込)」※小学生・2教科受講の場合 | 教室ページ(福間教室) |
| 中学生・高校生の月謝 | 未取得。料金ページに「地域によって異なりますので、各教室ページからご確認ください」とあるが、教室ページに中高生の金額は無い | 料金ページ |
| 1コマの長さ | 教室ページの時間割は1講75分(例:13:30〜14:45) | 教室ページ(福間教室) |
| 家庭学習の教材 | 「HOMEスタディは授業料に含まれておりません」 | 2つの秘策 |
| 営業・教材販売 | 「電話・飛び込み営業・高額教材販売を行いません」 | 会社案内 |
つまり、公式サイトで確定できるのは「入会金がない」「月謝は指導料と授業運営費の2本立て」「小学生2教科で月5,060円から」までです。中学生と高校生の月額は、公式サイトには金額がありません。教室で見積もりをもらうしかない、というのが正直なところです。
料金ページには「初めての方でも安心なスタート月謝割引」があり、割引のページには「スタート月の月謝が最大50%割引」と書かれています。ただし条件があります。
| 割引 | 条件(公式の注記) |
|---|---|
| スタート月謝割 | 入会時期により割引額が変わる。応援割・兄弟姉妹紹介特典とは併用できない |
| 応援割 | 週1回(月4回)の授業に無料体験1回を含む5コマ分が無料。受講期限は入塾して2か月間。特典コマは原則1:2指導 |
| 転塾の特典 | 現在他塾に通っている方、または1か月以内に他塾を辞めている方が対象。最新の月謝明細書などの証明書が必要 |
| 共通 | 3か月以上継続する方が対象 |

割引の共通条件が「3か月以上継続」です。つまり割引前提で入るなら、最低3か月は通うつもりで判断することになります。1か月で合わなければやめる、という使い方とは相性がよくありません。
「高い」かどうかは、塾に払っている家庭の平均と比べる
文部科学省の「子供の学習費調査」には、学習塾費の年間平均が学校種別に出ています。ここで気をつけたいのは、よく引用される平均額が塾に通っていない家庭の0円を含んだ数字だということです。同じ調査の金額分布表には、塾に払っている家庭だけの平均も載っています。
| 区分 | 塾費0円の家庭の割合 | 全体の年間平均 | 塾に払っている家庭だけの年間平均 |
|---|---|---|---|
| 公立小学校 | 61.0% | 約7万5千円 | 19万3千円 |
| 公立中学校 | 34.0% | 約23万円 | 34万9千円 |
| 公立高校(全日制) | 61.4% | 約14万7千円 | 38万1千円 |
公立中学校で塾に払っている家庭の年間平均は34万9千円。月に直すと約2万9千円です。この数字には入会金、授業料、講習会費、教材費、模擬テスト代、交通費がすべて含まれます。スタンダードの中高生の月謝は未取得なので直接の比較はできませんが、教室で見積もりをもらったら、講習会費と教材費を足した年間の総額をこの数字と並べてください。

講師がやばい?アルバイト口コミが家庭の判断材料にならない理由
検索結果には、求人サイトや転職口コミサイトの評価が並びます。ここに書かれているのは、講師として働いた大学生や社員が見た給料・研修・事務作業の話です。家庭が払う金額や、自分の子どもの授業の質とは別の話です。
公式ページで講師について書かれているのは、教室ページの「学力・対人スキル選抜試験を突破した福岡教育大生の講師が中心」(福間教室の例)と、「やる気アップ講習を受けた講師」という表記です。つまり主力は大学生講師で、教室ごとに近くの大学の学生が中心になっています。
公式サイトのトップには「マンツーマン方式」とあります。一方で割引ページには「特典コマは原則1:2指導」、中学生ページには「1:1指導も活用しながら」とあります。通常の授業が1対1なのか1対2なのかは、教室とコースで違うと読めます。体験授業では、自分の子どもの授業が講師1名に対して生徒何名なのかを、必ず聞いてください。
大学生講師の塾で見るべきなのは、講師個人の当たり外れより、講師が入れ替わったときの引き継ぎです。スタンダードは「年に3回保護者さまと面談」「定期的に三者面談」と公式に書いています。面談で、担当講師が替わったときに何が引き継がれるかを聞いておくと、口コミで言われる「講師がコロコロ変わる」問題の実害を確かめられます。

やめるときの請求額は、法律で上限が決まっている
学習塾は特定商取引法の「特定継続的役務」にあたります。期間が2か月を超え、入学金・受講料・教材費などを合計した契約金の総額が5万円を超える契約が対象です。この対象になると、やめるときに塾が請求できる金額に法定の上限がつきます。
| 場面 | 消費者庁の特定商取引法ガイドの記載 |
|---|---|
| クーリング・オフ | 契約書面を受け取った日から8日以内なら、書面または電磁的記録で解除できる。教材(書籍)の販売契約も一緒に解除できる |
| 中途解約:授業が始まる前 | 塾が請求できる上限は1万1000円 |
| 中途解約:授業が始まった後 | 提供済みの授業の対価に加えて、2万円か1か月分の授業料相当額のいずれか低い額まで |
| 上限を超えて受け取っていた場合 | 残額を返還しなければならない |
スタンダードは入会金0円で、月謝は指導料と授業運営費のみと公式に書いています。前払いの高額な契約でなければ、そもそも総額5万円を超えるかどうかで法の対象になるかも変わります。見積もりの段階で、契約の期間と総額を書面で出してもらってください。

向く家庭・向かない家庭
| 家庭の状況 | 判断 |
|---|---|
| 入会金なしで、まず小学生を2教科から始めたい | 合う。公式が月5,060円からと明記している |
| 部活や習い事と両立して、遅い時間に通いたい | 合う。教室ページの時間割は6講目が20:35〜21:50 |
| 運営会社が変わった経緯を自分で確かめてから決めたい | 合う。公式文書2通が公開されている |
| 中学生・高校生の月謝をサイトで確認してから問い合わせたい | 合わない。公式サイトに金額が無い |
| プロ講師や社会人講師の授業を求めている | 合わない。公式が大学生講師中心と書いている |
| 1か月だけ試して合わなければやめたい | 要注意。割引は3か月以上継続が条件 |
契約前に確認する5つ
| 確認すること | なぜ |
|---|---|
| 契約書面の事業者名 | 2025年3月1日から運営会社は株式会社SCネットワーク。書面の名前と一致しているか |
| 月謝の内訳(指導料と授業運営費) | 公式は「月謝のみ」と書いているので、それ以外の項目が見積もりにあれば理由を聞く |
| 講習会費とHOMEスタディの費用 | HOMEスタディは授業料に含まれない。年間の総額に足す |
| 授業が1対1か1対2か | 公式の表記が両方ある。自分の子どもの授業形態を確認する |
| 中途解約時の請求額 | 法定の上限(開始前1万1000円、開始後は2万円か1か月分の低い方)を超えていないか |
よくある質問
- 個別指導塾スタンダードは潰れたのですか?
-
公式文書によると、2024年6月28日に民事再生手続開始を申し立て、教室は通常通り運営を続けると告知しています。その後、2025年3月1日に株式会社SCネットワークが事業譲渡を受けて運営しています。教室を閉めて清算したのではなく、運営会社が変わって続いている、というのが公式文書から読める事実です。
- 運営会社が変わって、料金や条件は変わりましたか?
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運営会社変更のお知らせには「引き続き条件の変更等なく提供」とあります。ただしこれは2025年3月時点の文書です。今から入会する場合の条件は、契約書面で確認してください。
- 入会金はいくらですか?
-
公式のよくある質問に「入会金を含めて入会諸費用は一切必要ありません」とあります。月にかかる費用は月謝(指導料と授業運営費)のみ、と書かれています。
- 中学生の月謝はいくらですか?
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公式サイトには中学生・高校生の金額が載っていません。料金ページは「地域によって異なりますので、各教室ページからご確認ください」としていますが、教室ページに載っているのは小学生2教科の月5,060円からという表記だけです。教室で見積もりをもらう必要があります。
- アルバイトの口コミが悪いのは、授業の質が悪いということですか?
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別の話です。求人サイトや転職口コミの評価は、給料や研修など働く側の条件についてのものです。家庭が払う金額や指導内容とは切り離して読む必要があります。授業の質は体験授業と面談で確かめてください。
この記事で確認した公式ページ
金額・条件は2026年9月11日に各公式ページと文書で確認しました。改定されることがあるので、契約前に必ずご自身で確認してください。文部科学省の数字は、令和5年度子供の学習費調査の「調査結果の概要」(令和8年1月16日差替版)から引いています。
個別指導塾スタンダード「民事再生手続開始の申立てのお知らせ」(令和6年6月28日)

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