「勉強が趣味」はおかしくありません。総務省の令和3年社会生活基本調査では、10歳以上の39.6%が1年間に学業以外の「学習・自己啓発・訓練」をしています(5年前より2.7ポイント上昇)。
趣味・娯楽の行動者率86.3%には及びませんが、10人に4人が1年のうちに何かを学んでいるなら、それを趣味と呼ぶ人がいるのは自然です。
- おかしくない…10歳以上の約4割が学業以外の学習をしている(総務省調査)
- マイナスに見られる理由…受験・テストと結びつく/娯楽の反対と思われている/「真面目な人のもの」という認知
- 最強と言われる理由…1人で没頭できる・お金がかからない・終わりがない、など10個(本文)
- 親が不安なとき…否定せず、別の興味を「一緒にやる」形で足す
僕も子どもの頃に「勉強が趣味って変」と言われて、もやもやした記憶があります。大人になって塾長として生徒を見てきた今は、勉強を趣味にできる人がいちばん強いと感じています。
その理由を、マイナスに見られる原因から順に書きます。
そもそも何故マイナスイメージがあるのか
勉強が趣味と捉えられることには、以下の理由からマイナスイメージがつきまとうのは事実だと思います。その理由をご紹介いたします。
1. 受験やテストとの結びつき
多くの人にとって、「勉強」という言葉は、受験やテスト・成績といった、プレッシャーや義務感と結びついています。学生時代に苦労した記憶が勝手に思い浮かびますよね。
そのため、「勉強が趣味」という言葉自体に、息苦しさや楽しめないというイメージを抱いてしまう人が少なくありません。

「勉強=辛いもの」という意識づけが、子供の時からされてしまうので、仕方ないような気もしますよね。
2. 遊びや娯楽との対比
一般的に、趣味というと楽しみやリフレッシュを目的とするものと考えられていますよね。一方、勉強は努力や我慢が必要とされる側面が強いため、 相反するものと捉えられやすいのだと思います。

勉強は結果が出るまでに、時間が掛かります。それまでの過程が大変なので、「娯楽」としてはイメージしにくいのです。
3. 社会的な認知
日本では、 勉強は真面目な人するものという考え方が根強く残っています。日本はどうしても学歴社会の側面があるので、勉強に励む人は”勤勉で真面目”というレッテルを貼られやすくなっています。

テレビドラマや映画など、様々なメディアにおいて、 勉強に励む主人公 が成功を収めるというストーリーが描かれています。これは、勉強が成功への近道であるというイメージを人々に植え付けてしまって、趣味としては普通ではない という考え方を助長する一因となっているのではないかと思います。
- 受験やテストと結びつきプレッシャーを感じる
- 趣味は楽しみ、勉強は努力・我慢という対比
- 勉強は真面目な人がするものという社会的な認知
「勉強が趣味」はおかしい?
実際大人になってみて、勉強はとてもいい趣味だと感じる瞬間がたくさんあります。その理由を10個に分けてご紹介します。
勉強が最高の趣味である10の理由

1. 1人で没頭できる!
勉強は、多くが1人で行いますよね。自然に自分だけの時間になるので、周りのしがらみなどを気にしないで良いのが大きなメリットです。またどこでもできるのも大きな利点ですよね!
2. お金が掛からない!
趣味はお金が掛かってしまうものが多いです。しかし勉強はせいぜい教材などのお金しか掛かりません。最近は「学び直し」の風潮も増してきて、WEB上で無料で学習できるツールも多いです。



3. 知識と教養が深まる!
勉強を通して得られる知識と教養は、人生を豊かにしてくれます。教養がある人はいろいろな事が楽しめて、憧れの的になることもあるでしょう…!

教養がある人って、なんだか魅力的に見えますよね!?
4. 自信と自己肯定感が高まる!
勉強をして、新しい知識を習得することで、大きな自信と自己肯定感に繋がります。
難しい問題を解いたり、資格試験に合格したりすることで、自分が成長していることを実感できますよね。自信が持てれば、他のことにもプラスに働きますよね。

子どもの成長においても、自己肯定感は大切にしたいことですよね!
5. 集中力と忍耐力が養われる!
勉強には、集中力と忍耐力が必要です。長い時間集中して机に向かい、難しい課題に取り組むことで、集中力と忍耐力が養われます。
仕事や日常生活においても役立つ重要な能力ですし、何か目標達成する際にプラスに働きます!

6. 知的好奇心を満たしてくれる!
自分が知らないことや、分からないことを“知る”ということはとても楽しいことですよね。特に子どもの頃は、好奇心を高めることで、色々なことに興味を抱けるので、進む道への幅を持たせられるようになります。
7. 思考力・問題解決能力が向上する!
最近よく聞く言葉である「問題解決能力」。脳は筋肉と同じで、鍛えれば鍛えるほど強くなります。
勉強は、脳を活性化し、思考力や問題解決能力を向上させる最高のトレーニングになります。
複雑な文章を読み解いたり、論理的に考えたり、問題を分析したりする過程で、思考力や分析力が飛躍的に向上します。
8. 将来の可能性を広げ、選択肢を増やす!
子どもの頃にたくさん勉強して、知識や資格を身につけること、将来の可能性を広げて、選択肢を増やすことができます。
大学進学だけでなくて就職、転職など、人生の様々な場面で役立つ知識やスキルを習得することができるので、勉強しておくのはとてもおすすめです。

もちろん人生は勉強だけではないですが、しておくと有利になることはあるのではないかと思います。
9. 脳の老化を予防し、認知機能を維持する!
脳は、年齢とともに機能が低下していくものです。しかし、勉強を続けることで、脳の老化を予防し、認知機能を維持することが期待されます。
新しいことを学び続けることで、脳も活性化され、記憶力や判断力などの機能が維持されます。
10. 終わりがなく、どこまでもできる!
勉強は、一生楽しめる、飽きることのない趣味です。学ぶべきことは無限にあり、常に新しい発見や知識を得ることができます。また、自分の興味に合わせて様々な分野を学ぶことができます!

勉強するほど、他の分野も知りたくなって、また勉強する。その繰り返しです!
- 1人で没頭でき、どこでもできる
- 教材費以外はほとんどお金がかからない
- 知識と教養が深まり自信・自己肯定感が高まる
- 終わりがなく一生楽しめる趣味
「勉強が趣味なんておかしい」と言われた時の答え方3つ
言われた側は反論したくなりますが、言い返す必要はありません。相手は勉強を「つらいもの」と思っているだけなので、それ以外の見え方を一言で渡せば十分です。
| 言われ方 | 答え方 | ねらい |
|---|---|---|
| 「勉強が趣味って、真面目すぎない?」 | 「ゲームで攻略法を調べるのと同じで、分かると面白いだけだよ」 | 趣味の中身が「知ること」だと伝える |
| 「他にやることないの?」 | 「お金がかからなくて、一生続けられる趣味だから気に入ってる」 | コスパと持続性で納得させる |
| 「勉強なんて何が楽しいの?」 | 「分からなかったことが分かる瞬間が好き。◯◯(具体例)とか」 | 具体例を1つ出すと、相手も聞く側に回る |

塾の生徒に同じことを言われた子がいて、「歴史のここが面白い」と話し始めたら、相手が質問する側になっていました。おかしいかどうかは、中身を話した瞬間に消えます。
- 「攻略法を調べるのと同じで分かると面白い」
- 「お金がかからず一生続く趣味だから」
- 「分からなかったことが分かる瞬間が好き」
子どもが勉強しかしてなくて不安な時は?

とは言っても、勉強しかしないのは少し不安…
という気持ちもわかります。勉強しかしていないと、視野が狭くなってしまうような気もしますよね。
そんな時は是非、保護者の方から他のことにも興味が向くように仕掛けてあげてください。例えばこんな例があります。
- 一緒に夜ご飯を作ってみる
- 休日は、経験したことがないことをさせてみる
- 一緒にアニメや映画を見てみる など
こんなことも面白いよ!というアプローチをしてあげることでたくさんのことに興味を抱けるようになります。

勉強それ自体は素晴らしいことなので、否定しないであげましょう!
勉強は、知識が増えるだけでなく、自信・集中力・将来の選択肢まで一緒に積み上がる趣味です。しかも終わりがないので、一生飽きません。
10代で「学業以外の勉強」をしている人はどれくらいか|年齢・種類別
冒頭の39.6%は10歳以上全体の数字です。同じ令和3年社会生活基本調査の第1表(e-Stat の xlsx)には、年齢別・種類別の行動者率があります。
10〜14歳と15〜19歳の列をセルから書き写し、第4表の「趣味・娯楽」と並べました。
ここでの「学習・自己啓発・訓練」は、授業・予習・復習などの学業を除き、クラブ活動や部活動は含みます。
行動者率は、過去1年間(2020年10月20日〜2021年10月19日)にその活動をした人の割合です。
| 種類 | 10〜14歳 | 15〜19歳 | 10歳以上の全体 |
|---|---|---|---|
| 学習・自己啓発・訓練(どれか1つでも) | 55.6% | 52.9% | 39.6% |
| 英語 | 42.5% | 38.8% | 12.8% |
| 人文・社会・自然科学(歴史・経済・数学・生物など) | 18.4% | 22.9% | 9.8% |
| 芸術・文化 | 18.2% | 18.4% | 11.2% |
| パソコンなどの情報処理 | 17.9% | 23.3% | 16.5% |
| 家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など) | 14.9% | 14.8% | 13.5% |
| 参考:趣味・娯楽(どれか1つでも) | 95.5% | 94.4% | 86.3% |
| 参考:趣味としての読書(マンガを除く) | 42.6% | 35.5% | 31.6% |
| 参考:スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム | 79.7% | 74.1% | 42.9% |

表から計算したこと
- 10〜14歳で学業以外の学習をしていない割合:100−55.6=44.4%
- 10〜14歳の英語の行動者率は、10歳以上全体の 42.5÷12.8=3.3倍
- 15〜19歳で歴史・数学などの「人文・社会・自然科学」をしている人:100÷22.9=4.4 で、約4〜5人に1人
- 15〜19歳で学業以外の学習をした人数の目安:推定人口5,549千人×52.9%=約2,935千人(約294万人)
- 10〜14歳の趣味・娯楽との差:95.5−55.6=39.9ポイント
- 人文・社会・自然科学をした人の平均行動日数(10歳以上全体)は年82.6日。82.6÷52週=週に約1.6日。ゲームは年166.5日で、166.5÷82.6=約2.0倍
10代は、大人よりも学業以外の学習をしている割合が高い年代です。中身の中心は英語で、歴史・数学のような教科に近い分野も15〜19歳で22.9%いました。
「勉強が趣味」の中学生・高校生は、珍しい存在ではありません。
- 「みんなやっているから」と勉強を趣味にするよう勧める。10〜14歳でも44.4%は学業以外の学習をしておらず、ゲームをした割合(79.7%)のほうが高い
- 55.6%を「机に向かう勉強が好きな子の割合」として話す。部活動・クラブ活動、英会話、料理などの家政・家事も含んだ数字
- 週に約1.6日(年82.6日)を10代の目安にする。平均行動日数は10歳以上全体の値で、年齢別の日数は表にない
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」生活行動編 第1表 学習・自己啓発・訓練の種類別行動者率,平均行動日数(e-Stat)/同 第4表 趣味・娯楽の種類別行動者率,平均行動日数(e-Stat)/同「生活行動に関する結果 結果の概要」表1−2・注1(2026年10月13日確認)
「勉強が趣味」のよくある質問
- 勉強が趣味なのはおかしいですか?
-
おかしくありません。総務省の社会生活基本調査では10歳以上の39.6%が学業以外の学習・自己啓発をしていると出ています。マイナスに見えるのは、勉強が受験やテストと結びついて「つらいもの」と思われているからです。
- 勉強が趣味だと「最強」と言われるのはなぜですか?
-
1人で没頭できる・お金がかからない・知識と自信が積み上がる・終わりがなく一生続けられるからです。ほかの趣味と違って、続けるほど仕事や生活に直接返ってきます。本文で10の理由に分けています。
- 趣味の勉強と、受験のための勉強は何が違いますか?
-
目的の有無です。受験勉強は合格が目的で、範囲と期限があります。趣味の勉強は「知りたい」が目的で、範囲も期限も自分で決められます。だから受験が終わっても続きます。
- 子どもが勉強しかしていなくて不安です。
-
否定しないでください。視野を広げたいなら、一緒に料理をする・見たことのない場所に連れて行く・一緒に映画を見るなど、「別の興味を一緒にやる」形で足すのが効きます。やめさせる方向に動くと、勉強も止まります。
- 大人になってから勉強を趣味にできますか?
-
できます。社会生活基本調査でも学習・自己啓発の行動者率は5年前より上がっています。資格・語学・歴史など、期限のないテーマを1つ決めて、1日20分から始めるのが続けやすい形です。
まとめ:勉強が趣味は「おかしい」ではなく「強い」
勉強が趣味であることは悪いことではなく、10人に4人が学業以外の勉強をしている時代では、むしろ普通です。
周りに何か言われたら中身を一言話せば済み、子どもが勉強しかしないなら別の興味を一緒に足せば済みます。
この記事の更新・訂正
- 学習・自己啓発・訓練の行動者率39.6%を「10人に4人が机に向かっている」と書いていましたが、この数字は過去1年に1度でも学業以外の学習をした人の割合で、部活動・クラブ活動や料理などの家政・家事も含みます。「10人に4人が1年のうちに何かを学んでいる」に直しました
全記事の履歴は「訂正・更新の履歴」、調べ方と書き方は「記事の作り方」にまとめています。
この記事で確認した資料
「学習・自己啓発・訓練」の行動者率39.6%(10歳以上、5年前より2.7ポイント上昇)と「趣味・娯楽」の行動者率86.3%は、総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」で確認しました(2026年9月13日確認)。
総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活行動に関する結果 結果の概要」(PDF)
なお「勉強しかしていなくて逆に不安」という場合は、声のかけ方でその後が変わります。家庭でできることはこちらにまとめました。

逆に、やる気が出ないという相談のほうが実際には多数派です。始め方の手順はこちらです。


