「予備校」と「塾」は、似た場面で使われる言葉です。ただ、公式の資料を調べると、学校教育法には「予備校」という言葉の定義がなく、違いは各校の運営の仕方に出ています。
この記事では、予備校の位置づけ、塾との違い、代表的な予備校の授業の形、高卒生コースの学費を、公式サイトと官公庁の資料で確認した範囲だけで整理します(2026年10月17日確認)。
結論:違いは法律ではなく、各校の運営の仕方に出る
| 予備校 | 塾 | |
|---|---|---|
| この記事で確認した対象 | 高卒生コース(公式ページを確認) | 高校生の塾費(文科省の調査) |
| 学校教育法の条文 | 「予備校」の語は出てこない | 「学習塾」の語も出てこない |
| 授業の形 | クラス制・映像・対面と映像の選択など、各校で異なる(下の表) | この記事では確認していない |
| 費用の目安 | 年100万円を超える校もある(駿台は入学金と授業料で108万〜155万円) | 高校(公立)の塾費は年14.7万円(全世帯平均) |
「予備校だから高い」「塾だから安い」ではありません。高卒生コースの学費は1年分をまとめて払う前提の金額で、高校生の塾費は文科省調査の平均です。何を数えているかが違うので、金額が大きく変わります。
法律上の位置づけ:「予備校」という言葉は条文に出てこない
学校教育法の条文(法令検索サイト)を確認すると、「予備校」「学習塾」という語はどちらも条文に出てきません。関係するのは次の2つです。
| 区分 | 条文の内容 |
|---|---|
| 各種学校(第134条) | 第一条に掲げるもの以外で学校教育に類する教育を行うもの(専修学校の教育を行うものなどを除く) |
| 専修学校(第124条) | 修業年限1年以上・授業時数が文科大臣の定める以上・常時40人以上の3要件 |
文部科学省の報告書(2017年3月)には「各種学校は、自動車操縦、外国人学校、予備校、看護・准看護、…などが多い」とあります。つまり各種学校の中に予備校が多いとは言えますが、駿台・河合塾・代ゼミ・東進がそれぞれどの区分かは、今回の公式ページでは確認できていません。「予備校はすべて各種学校」とは言い切れません。
文部科学省「専修学校振興のあり方検討会議 報告」(2017年3月)
塾との違い:対象・授業の形・通う期間
学校教育法で線が引かれていない以上、違いは各校の運営の仕方に出ます。公式の説明で確認できたことを並べます。
| 予備校 | 授業の形(公式の説明) | 高卒生の入学金・授業料 |
|---|---|---|
| 駿台 | 校舎に通い、対面で受講。教室と座席が決まっている | 入学金10万円+授業料98万〜145万円(4月入学) |
| 河合塾 | 科目別・学力別のクラスで授業 | 入塾金70,000円+授業料はコースにより異なる |
| 代々木ゼミナール | 対面と映像(個別ブース)を選べる | 入学金88,000円+授業料48万〜60万円+システム利用料66,000円(第2学期入学) |
| 東進 | 映像授業+担任・担任助手の指導 | 高卒本科の金額は現行の公式ページに記載なし(未取得) |

同じ「予備校」でも、先生が教室で教える形と映像を見て担任が進捗を見る形では、向く人がまるで違います。名前より先に、授業の形を確認してください。
学費は年度・入学時期・コースで変わります。駿台は2026年度の受付終了後のページ、代ゼミは第2学期入学時の額、東進の現行ページには高卒本科の金額がありません。この表は同じ条件の順位表ではないので、検討するときは各校の最新ページで同じ時期の額を取り直してください。

費用の差を計算する:高卒生コースと高校生の塾費
文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度)では、高校(全日制)の学習塾費は全世帯平均で公立約14.7万円・私立約16.7万円(年額)です。学習塾に実際に支出した人だけの平均は公立約38.1万円・私立約44.4万円です。
| 比べるもの | 金額(年額) | 計算 |
|---|---|---|
| 高校(公立)の塾費・支出した人の平均 | 約38.1万円 | 文科省 令和5年度 |
| 駿台 高卒クラス(4月入学) | 108万〜155万円 | 入学金10万円+授業料98万〜145万円 |
| 駿台÷塾費(支出した人・公立) | 約2.8〜4.1倍 | 108÷38.1=2.83、155÷38.1=4.07 |
調査の「学習塾費」は入会金・授業料・講習会費・教材費・模試代・交通費を含みます。一方、駿台の108万〜155万円は入学金と授業料だけで、教材費や講習費は別に確認が必要です。同じ範囲の比較ではないので、「高卒生は塾の数倍かかる可能性がある」という目安として読んでください。
予備校に通う人はどれくらいいるのか:公表データで言えること
文部科学省「学校基本調査」(令和7年度)の年齢別の表で、割合を計算します。計算の元になる大学入学者の合計は645,513人です。18歳は527,891人(計算:527,891÷645,513=81.8%)、19歳は88,816人(計算:88,816÷645,513=13.8%)、20歳は14,746人です。
ただし、これは年齢の内訳で、浪人した人の数ではありません(留学生を含み、現役・浪人の区分は表にありません)。予備校に通った人数も、公表された表からは分かりません。また、高校卒業者のうち大学・短大に進学した割合(現役)は61.4%です。
予備校が向く人・塾が向く人
| 状況 | 向きやすい選び方 | 理由 |
|---|---|---|
| 現役で大学受験の科目数が多い | 大学受験の塾・予備校を比べる | 授業の形と通える時間で決める |
| 高卒生で毎日通う場所が欲しい | 校舎型の高卒生コース | 学費が年間の総額で動く |
| 苦手科目だけ補いたい | 塾や家庭教師 | 必要な分だけ払える |
| 自宅学習が中心 | オンライン塾・映像型 | 通学時間を使わない |


「予備校に通えば受かる」ではなく、通う前に、授業の形・学費の範囲・入学時期を同じ条件で確認することが、費用の無駄を減らします。浪人するかどうかで迷っている場合は、先に浪人すべきか進学すべきかも読んでみてください。
ひとりで進めるのが難しいとき:公式に単価を出している東進
独学に授業を足したいなら、大学受験で公式が単価を公表している【東進ハイスクール・東進衛星予備校】
があります。入学金33,000円+受講料85,800円/講座(2026年度)の積み上げ式で、高3で4講座なら担任指導費・模試費を含めて年482,900円(計算)が目安。資料請求・個別相談・1日体験は、公式サイトに申し込みの入口があります。
講座を取りすぎると総額が大きくなります。足りない科目だけ取る前提で見積もってください。

予備校についてよくある質問
- 予備校と塾は法律上どう違いますか?
-
学校教育法の条文には「予備校」も「学習塾」も出てきません。他の法律は今回確認していません。各校の授業の形(クラス制・映像・個別ブースなど)は、公式ページで確認してください。
- 予備校は学校教育法の学校ですか?
-
予備校は条文に定義がありません。文部科学省の報告書には、各種学校には予備校が多いという記述があります。各校がどの区分かは、各校の公式ページで確認してください。
- 高卒生コースの学費はいくらですか?
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公式で確認できた範囲では、駿台が入学金10万円+授業料98万〜145万円(4月入学)、代ゼミが入学金88,000円+授業料48万〜60万円+システム利用料66,000円(第2学期入学の目安)です。河合塾は入塾金70,000円で授業料はコースにより異なります。年度と入学時期が違うので、最新ページで取り直してください。
- 東進の高卒本科の学費はいくらですか?
-
現行の公式ページ(2026年10月17日確認)に高卒本科の金額の記載はありませんでした。金額は東進の公式サイトや校舎で確認してください。
- 現役生も予備校に通えますか?
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各校の現役生向けコースの有無や料金は校舎ごとに異なります。この記事では高卒生コースを中心に確認しています。
この記事で確認した資料
学校教育法は 法令検索サイト、高卒生の学費と授業の形は各予備校の公式サイト、塾費は文部科学省「子供の学習費調査」、大学入学者数は文部科学省「学校基本調査」に基づきます(2026年10月17日確認)。


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