【いつ習う?】数学で登場する “!” (ビックリマーク)とは?階乗の意味や由来、計算方法をご紹介します。

みなさん、数学の授業で突然『!』というビックリマークを見て不思議に思ったことはないでしょうか。実はこれ、数学では特別な意味を持っているんです。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると案外簡単に使えます。

この記事では、そんな数学のビックリマークの正体と、その使い方を分かりやすく解説していきます。
高校生の方が得点源にできるように、とても詳しく解説します!

どんなレベル帯の方にも楽しんでいただけるように準備していますので、是非最後までご覧ください!

この記事の目次

【!】は「階乗(かいじょう)」という

では、数学におけるビックリマークの正体を解き明かしていきます。このビックリマーク「!」は、数学では「階乗(かいじょう)」と呼ばれる概念を表しています。階乗とは、ある正の整数までのすべての整数を掛け合わせたもののことです。

例えば、「5!」と書かれていたら、それは「5の階乗」を意味し、以下のように計算します。

\begin{eqnarray}
&&5!=5×4×3×2×1=120\\
\end{eqnarray}

もう少し例を挙げてみましょう。

\begin{eqnarray}
&&4!= 4×3×2×1=24\\
&&3!= 3×2×1=6\\
&&2!= 2×1=2\\
\end{eqnarray}

1つずつ数を小さくしていって、1になったら終わりなんですね!

お気づきかもしれませんが、階乗は数が大きくなるにつれて急激に値が大きくなります。例えば

\begin{eqnarray}
&&10!= 3628800\\
&&13!= 6227020800\\
\end{eqnarray}

といった具合に爆発的に大きくなっていきます。

後ほど、「100!は末尾に何個の0が並ぶか?」という問題についても扱います!是非このままご覧ください。

階乗はいつ習う?

階乗は高校数学の「数学A」で習い、文理問わず高1で学習します

中学2年生で確率を習いますが、その時に一部学習するところもあるようですね!教える先生による違いが大きそうです!

【!】を使った練習問題

1. KAIJOU という6文字を並び替えてできる文字の組み合わせは全部で何通りあるか?

例えば、”JAKIOU” “OAIUKJ”などなど…たくさんありますね。こんな考え方をしてみましょう。

箱を全部で6つ用意します。その箱の中にアルファベットを1つずつ入れていくことにします。この時、1番左に入るのはK,A,I,J,O,Uの6通りです。

1番左の箱に入るのはK,A,I,J,O,Uの6通り

そして次の箱は、一番左の箱に入ったアルファベット以外なので、5通りあります。

次の箱は、一番左の箱に入ったアルファベット以外なので、5通り

この操作を続けると、以下のようになります。つまり左から、6通り、5通り、4通り、3通り、2通り、1通りとなります。

左から、6通り、5通り、4通り、3通り、2通り、1通りとなる。

よって、積の法則より、6×5×4×3×2×1=720通りが答えです。この計算はまさに6!そのものですね。

ポイント

異なるn個のものを並べる時の並べ方は n!通りある。

2. EXPERIENCE という10文字を並び替えてできる文字の組み合わせは全部で何通りあるか?

先ほどと同様の問題ですね。同じ解き方をすると、10!=3628800通り と求められそうですが、1つ落とし穴があります。下図のように、Eはどこにあっても変わらないですよね。

3つあるEは入れ替わっても変わらない。

この3つのEがバラバラだったら、3!=6通りの並べ方が生まれていたはずですが、今回はないため、10!÷3!=604800通りが答えです。

よくある誤答として、10!ー 3!という回答を見かけます。3!通りに対して、それぞれアルファベットの並べ方があるので、今回は割り算になりますね。

100!は末尾に何個の0が並ぶか?

こちらも有名問題です。高校生は必ずマスターしておきたいです。まず問題の意味から、「末尾に何個の0が並ぶか」ということですが、例えば、32000だったら3個。100900だったら2個ですね。この末尾の0の数は何によって決まるでしょうか。

末尾に0が1個あるごとに、10で割れる!
0が2個あったら、10で2回割れるし、0が3個あったら、10で3回割れる!

正解です!
つまり、100!が10で何回割れるかを調べたらいいですね。

では「10で何回割れるか」はどうしたら分かるでしょうか。少し考えてみてください。

10は分解すると2×5となりますよね。つまり1回10で割れる、ということは2と5を1つずつ持っているということです。10!の中に含まれる2と5の数ですが、明らかに5の方が少ないですよね。(ピンとこない方は一度素因数分解をしてみるといいですよ!)つまり、10!は5で何回割れるかを考えたらいいというわけですね。

まとめるとこうなります。

実際に100!の中に5が何個あるのか、考えてみましょう!(回答はこの下に続く)

100は5で何回割れるでしょうか。100÷5で20回ですね。つまりここまでで20個の5があります。
しかし25(5)の倍数は、5で2回割れます。そのような数は 100÷25=4個あります。

つまり全部で20+4=24個の5があるので、末尾には24個の0が並ぶということが分かりましたね。

入試問題に挑戦!

次の問いに答えよ。
(1) 5!+4!+3!の値を求めよ。
(2) a4 のとき、a !+2は2の累乗になり得ないことを示せ。< 2015 鳥取大 >

まず1番から!この問題は解きたいところですね!

(1)5!+4!+3!=120+24+6=150…(答)

続いて2番です。「〜ないことを示せ。という問題は数学Ⅰで習う、背理法を使ってみましょう。」

(2)a4 のとき、a !+2=2kとなる自然数 k が存在すると仮定する。
   a ! = 2k -2
     =2(2k-1-1) … ①
ここで、k=1のとき 、a !=0 となり , a4のときこの等式が成り立つことはない。
よって , k2を考える。2k-1-1は奇数であるから , ① の右辺は素因数 を 1 個しかもたない。
しかし① の左辺は a4のとき素因数 2 を 2 個以上もつ。(4=2×2であるので)
これは矛盾しているため、仮定が間違っていることになる。
以上よりa4 のとき、a !+2は2の累乗になり得ないことを示すことができた。

いかがでしたでしょうか。階乗は他にもたくさんの場面で入試に出題されます。他の分野と合わせて出ることも多いので、十分に復習しておきましょう。

なぜ階乗は「!」で表すのか?

びっくりマークとしてお馴染みの記号ですが、なぜ階乗でも使うのか調べてみました。

階乗を表す記号「!」は、フランスの数学者Christian Krampによって考案されました。
クランプは研究の中で、階乗を簡単に表すために、ビックリマークを使っていました。
1808年、彼がそれを著書に記したことにより、階乗の記号として世に広まったのです。
ビックリマークを選んだ理由は、階乗がびっくりするくらい大きな数になるから、とも言われています。

NHK高校講座より

意外とシンプルな理由だったんですね!確かに階乗は文字をどんどんかけていくので、とても大きな数になるのはびっくりしますよね。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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