英単語の効率的な覚え方|1日100語で回す方法と単語帳の選び方【塾長が解説】

この記事は5分以内で読めます。主に高校生向けの記事になります。

大学受験の英語対策には、英単語の学習、文法の理解、そして長文読解が含まれます。これらの勉強は全て重要であり、その重要性は言うまでもありませんが、その中でも最も優先すべきなのは英単語の習得です。

なぜなら、単語はリスニング、文法問題、長文読解、英作文といった全ての分野に関連しており、文法や長文の学習を進める際に、理解できない単語が多すぎると学習が滞ってしまうからです。 

 しかし、学校や塾で、英単語の授業が行われることはほとんどありません。その理由は英単語学習が個人で進められる、講師を必要としない勉強であるからです。

講師が生徒をサポートできる貴重な時間に単語学習を取り入れるのは、非効率的であるとみなされるため、たとえ生徒に単語力不足を感じたとしても、長文読解や文法の解説を中心とした授業になり、単語は個人の学習に依存するスタイルにならざるを得ないのです。

したがって、高校英語では、英単語の自主学習が何よりも重要で、周りと最も差が付きやすい要素であるといえます。 

この記事の目次

高校生が覚えるべき単語数は4000~5000単語 

高校生が覚えるべき単語数は4000~5000単語 

英単語の覚え方を知る前に、まず、高校英語でどれほどの単語量を暗記するべきかを理解しましょう。もちろん、目指す大学や学部のレベルによって大きく変化しますが、一般的には次のように言われています。

また、従来の学習指導要領で目標とする英単語数は、中学校1200語、高校1800語の計3000語でした。しかし、 新しい学習指導要領では小学校600語~700語、中学校1600語~1800語、高校1800語~2500語で、合計すると4000語~5000語。以前に比べてかなり増やされていますよね。

https://www.zkai.co.jp/study/edu-news/h-eng/ より

まずはこの量の単語を暗記する必要があることを知っておきましょう。 

単語はスキマ時間?  

単語はスキマ時間?  

「高校生は4000をも超える単語を、いつ覚えるべきか。」という問いに対して、一般的に効果的とされている方法に、「日々のスキマ時間にコツコツ勉強していく方法」があります。

単語帳さえあれば比較的簡単に勉強でき、何もしていない時間を有効に使うことができるので、スキマ時間を活用するのは、とても良い方法であることは間違いありません。しかし、単にスキマ時間だけで単語を覚えると、十分な時間が確保されていない可能性が高いです。 

 例えば、1800個の単語を覚えるとき、1日10単語勉強すれば6か月で覚えられそうに思えますが、6か月の間に忘れる単語の数も忘れてはいけません。

範囲全体を一度学習した後、覚えた単語を完全に忘れてしまう前に繰り返し復習することで、暗記の質が高まります。単語学習は繰り返し行うのが前提なので、なるべく早く2回、3回と勉強できるように一日で取り組む「量」を意識する必要があります。

したがって、単にスキマ時間だけで暗記するのではなく、一日のどこかで単語を覚えるだけの時間を30~60分ほど確保するのが理想です。 

単純接触効果で暗記効率アップ 

単純接触効果で暗記効率アップ 

英単語の覚え方に、「同じ単語を何度も書いて暗記する方法」があります。特に中学英語では多くの生徒が実践する方法ですが、高校英語の場合は単語数が多いので、この方法では時間がかかりすぎてしまうことがあります。 

効率よく暗記するためには、単純接触効果を上手に使いましょう。単純接触効果とは、接触機会が多いものに興味を抱く(覚える)心理現象です。

一定期間の間に何度も目にすることで、全く知らない単語も少しずつ見覚えがある単語に変わり、そのうちよく知る単語へと変化します

単純接触効果は接触するだけで効果があるので、書いて覚えるように時間をかける必要はありません

単語を読み、意味を言い、確認する、を繰り返して、1単語10秒以内を目指してどんどん新しい単語に出会いましょう。この方法なら、100単語分の勉強でも30分の学習で2回ずつ勉強することができます。 

 ただし、読み方が分からない単語は繰り返し学習する前に発音を調べておいてください。正しい読み方で暗記すると、効率が上がるだけでなく、リスニング力も向上していきます。 

具体的な単語学習方法 

具体的な単語学習方法 

ここでは、量とスピードを意識した学習方法を説明します。

まずは目標を立て、1日どれくらいの量を学習するか決めましょう。そのとき、30~60分程度で終わるくらいに調整すると学習が続けやすいです。

その日の範囲や量が決まったら、スピードを意識してどんどん進めていきます(単語を読む→日本語の意味を言う→確認する)。このとき、発音が分からない場合は、正しい発音を調べてください。また、2日目以降は前回分の復習も併せて行います。 

例えば、今回であれば300個覚えるとしましょう。その時、20個を15日に分けるなどしてしまうと、先ほど紹介した通り、一度覚えても忘れてしまう危険があります。ですので、100個✖️3日のサイクルを5回繰り返しましょう。

 1週間で300単語を覚える場合の例 

スクロールできます
 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目
学習 1~100 1~100 1~100 1~100 1~100 1~100 101~200
7日目以降も同様

この6日のサイクルを5回ほど繰り返していくと、だんだん安定して覚えられます。

まとめ 

 英単語は重要であるにもかかわらず、その学習が個人に委ねられていることから、英語学習において単語が最も差が出やすい要素であるといえます。そして、受験英語に必要な単語数を覚えるには量とスピードを意識して取り組む必要があります。 

 今回説明した学習方法は数ある勉強法の一例であり、他にも派生語まで覚えたり、熟語で覚えたりする方法も効果的です。

また、友人や家族の協力を仰ぎ、クイズ形式で覚えるのも良いでしょう。 

 英単語学習は単調で、つまらないと感じる人もいるかもしれませんが、英単語ほど努力が結果として表れやすい勉強がないのも事実です。英語学習で悩んでいる人は、単語学習から見直してみてはいかがでしょうか。 

英語力を伸ばしたい方は、英語ディベートもおすすめです。以下の記事から是非ご覧ください。🔽

【塾長の現場から】単語が覚えられない子に共通する3つのこと

毎年たくさんの生徒の単語学習を見てきて、「覚えられない」と言う子には、ほぼ例外なく同じ特徴があります。やる気の問題ではなく、やり方の問題です。

① 1日の量が少なすぎる

圧倒的に多いのがこれです。「1日10個ずつ丁寧に」というやり方は、一見まじめですが忘れるスピードに負けます

1800語を1日10語でやると、1周に180日かかります。1周目の最初に覚えた単語は、半年後には完全に消えています。これでは何周しても定着しません。

正しい量の目安
  • 1日100語を「見る」…完璧に覚えようとせず、短時間で通す
  • 1周を18日で終える…忘れる前に2周目が来る状態を作る
  • 6周してやっと「覚えた」…1周目で覚えられないのは当たり前です

「1日100語なんて無理」と言われますが、覚えようとしないから100語できるんです。1語10秒でも100語で17分。丁寧に1語1分かけて10語やるより、こちらのほうが結果は出ます。

② 書いて覚えようとしている

書くのは時間がかかる割に、頭に残る量が少ない方法です。書いている間、頭はほとんど使われていません(手が動いているだけの状態になりやすい)。

単語は見て、意味を思い出せるかテストするのが基本です。書くのはスペルを問われる問題対策として、覚えにくい単語だけに絞ってください。

③ 覚えた単語も毎回同じように見ている

6周目でも1周目と同じ時間をかけていると、いつまでも終わりません。2周目以降は「覚えている単語を消していく」作業に切り替えます。

チェックの付け方
  • 1周目…全部に目を通す。分からなくても止まらない
  • 2周目…2秒以内に意味が出なかったものに印をつける
  • 3周目以降印のついた単語だけやる。残りは無視する
  • 試験前…最後まで印が消えなかった単語だけを見る(これが自分専用の単語帳になります)

単語帳はどれを選べばいい?【4冊の比較】

単語帳はどれが優れているかではなく、自分の覚え方に合うかで選びます。よく使われる4冊を、タイプ別に整理しました。

単語帳覚え方のタイプ向いている人塾長コメント
システム英単語ミニマルフレーズ(短い例文)で覚える文で覚えたい人/共通テスト〜難関大まで広くフレーズが短いので回転させやすい。最初の1冊として最も無難
英単語ターゲット19001単語1訳を切り出して覚えるとにかく速く回したい人/短期で仕上げたい人削ぎ落とされている分スピードが出る。逆に文脈は付かない
速読英単語長文の中で覚える長文が苦手な人/英語が嫌いではない人単語と読解を同時に鍛えられるが、時間はかかる
鉄壁語源・イメージで深く覚える難関大志望/英語を武器にしたい人分厚い。高2までに始められないと回しきれない

一番やってはいけないのが途中で単語帳を変えることです。新しい本にすると「進んでいる感」は出ますが、実際にはまた1周目に戻っています。合わないと思っても、1冊を6周してから考えてください。

学校の単語テストを、そのまま使う

多くの高校で週1回の単語テストがあります。これを「やらされるもの」ではなく、自分の復習サイクルに組み込むと、単語学習の負担が一気に減ります。

単語テストの使い方
  • 範囲を前日に詰め込まない…テストのためだけに覚えた単語は、翌週には消えています
  • テストで間違えた単語だけ、専用のメモに書き出す…これが最も効率のいい「自分専用単語帳」になります
  • 満点を狙わない…8割取れていれば十分。残り2割を潰す時間を、次の範囲に回したほうが総量は増えます

単語が固まったら、次は何をするか

単語は英語学習の土台ですが、単語だけでは点になりません。単語→文法→長文の順で積む全体像は、英語のロードマップ記事にまとめています。

単語のあとに続く文法・長文の講義まで一通り揃っていて費用を抑えたいなら、映像授業のサブスクが現実的です。スタディサプリ高校・大学受験講座は月2,000円前後で、基礎から難関大レベルまでの英語講座を必要なところだけつまみ食いできます。

ただし映像授業は「見ただけ」で終わりやすいのが最大の弱点です。単語のように自分で回す作業が要らない分、受け身になります。1本見たら必ず問題を解くとセットにできる人だけ使ってください。

よくある質問

1日100語も本当に覚えられません。

1日目から覚える必要はありません。100語を「見る」だけです。覚えるのは6周目の話で、1〜3周目は「見たことがある状態」を作る作業だと思ってください。

アプリと紙の単語帳、どちらがいいですか?

どちらでも構いません。ただしアプリは通知や他アプリに逸れやすいので、集中が切れやすい人は紙のほうが安全です。逆に持ち歩きの負担が理由で続かない人はアプリ向きです。

派生語や熟語まで覚えるべきですか?

1周目〜3周目は見出し語だけで十分です。見出し語が8割固まってから派生語に手を広げてください。最初から全部やろうとすると、1周が終わりません。

高3の夏から始めても間に合いますか?

間に合います。1日100語で18日1周、6周で約4ヶ月です。ただしこの場合は他の科目と並行になるので、単語は「移動時間と朝の15分」に固定してしまうのが現実的です。

中学の単語が抜けている気がします。

その場合は高校の単語帳より先に、中学範囲を1〜2週間で潰してください。中学単語は高校単語の中に部品として出てくるので、ここが抜けていると効率が大きく落ちます。

無料で解ける英語長文の練習問題も用意しています(全訳・解説つき)。

英語(文法)の総復習50問も用意しています。

単語のあとは文法です。総復習50問を用意しました。

中学生向けの長文読解練習(全訳つき)も用意しています。

単語を確認したら、長文で使う練習を。

中学生向けの長文練習も2題あります。

なお、英検のために単語帳を増やす必要はありません。その理由はこちらで説明しています。

英検2級レベルの語彙・熟語は、こちらの50問で確認できます。

単語のあとは語法です。実戦50問で確認できます。

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この記事を書いた人

兵庫県のとある学習塾の塾長。私大理系卒。塾バイト・家庭教師を経て、長年の経験を基に幅広く受験をサポートします。生徒だけでなく、それを支える保護者や先生の力にもなりたいという思いで立ち上げました。

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